企業再生(事業再生)
企業再生(事業再生)とは、債務超過ないしは業績不振、破綻状況にある企業 の経営状況を回復させることを言い、 財務リストラクチャリングや不採算部門 からの撤退などの再生支援スキームを用い、経営状況の回復を目指す。 これらの再生支援スキームの担い手を 「ターンアラウンドマネージャー」、この ような事業を行っている投資ファンドを企業再生ファンドと呼ぶ。 企業再生ファンドは、銀行が持っている破綻しかけている企業への大口債権を 買い取り、 影響力を高めた企業再生ファンドが中心となって破綻しかけている 企業の債権者を調整する。 破綻しかけている企業の債務を調整した後、 ファンドが握っている債権を株式 に変換する。これをDES(デット・エクイティ・スワップ)と呼ぶ。 DESにより大株主になったファンドは、破綻しかけの企業を改善し、業績を回復 させ、株価が回復した後、保有している株式を売却する。
企業再生ファンドが関わる企業は破綻しかけているため、 非常に財務体質が 悪い。再生ファンドは企業の悪化した財務体質を回復させ、破綻しかけの企業 から高い業績を上げる企業へと蘇らせなければならない。 財務面では、バイアウトファンドやベンチャーキャピタルなどと異なり、マイナス 要素が大きいが、業績悪化のため企業価値が下がっているため、安価で企業 の資産を取得することが可能であるのも大きな特徴と言える。
企業再生には様々な人たちが関わる。主な関係者は以下の通り。 再建企業 債権者・主要株主 銀行などローンの提供者 企業再生ファンド 各種サービスプロバイダー(弁護士会計士コンサルタント) FAS(フィナンシャルアドバイザリー・サービス)
財務体質を改善するために負債を減らす。投資先の企業は債務を支払う力は 残っていないため、 債権者にいくらかの債権放棄をしてもらい、 保有している 不良資産などを整理して財務体質の改善を進める。
企業再生ファンド自らが投資対象を探す場合と、再建希望企業や債権を保有 している金融機関から持ち込まれる場合とがある。再生をするためには、破綻 しそうな企業とその大口債権者が再生に同意することが絶対条件となるため、 企業や銀行から持ち込まれることが多い。
企業再生では、破綻しかけている企業を回復させて、収益をあげられる企業に しなければならないため、正確なデューデリジェンスが求められる。 財務デューデリジェンス、法務デューデリジェンスだけでなく、新たに着手する ビジネスが競争に勝ち抜けるかという、 ビジネスデューデリジェンスの結果が 買収するかどうかに大きな影響を及ぼす。 デューデリジェンスの結果、 収益をあげられると判断した場合は、 より細かい デューデリジェンスと事業計画の策定などの再生計画を立てていく。
債権を買い取って大口債権者となった後は、 他の債権者の関係を調整する。 再建後の企業による債務返済計画を他の債権者に納得してもらったり、一部 の債権を放棄をすることを納得してもらえるように話をつける。 当然、このステップは穏やかな雰囲気で行われることは少ない。 企業再生に 関するルールが規定されている 「私的ガイドライン」 や 「民事再生法」、「会社 更生法」などに沿って、関係を調整していく。
大口債権または株式のマジョリティを握った後は、企業再生ファンドから派遣 されたターンアラウンドマネージャーが再生計画を実行していく。 企業の悪癖や従業員に染み付いたカルチャーを、 短期間で抜本的に変える ためには、 ターンアラウンドマネージャーの強いカリスマ性やリーダーシップ などが求められる。 従業員の心を掴むことと、 確かな業績回復という双方を 実現しなければならない、非常にハードな役割である。 有名なターンアラウンドマネージャーには、日産を復活させたカルロス・ゴーン 氏などがいる。
イクジットの方法としては主に2つある。売却とIPOである。IPOの場合、一度に 2〜3割の株式しか販売できないため、 株式を事業会社やファンドに売却する 方が好まれる傾向にあるが、イクジットの方法もそれぞれの企業再生ファンド の投資方針に従うため様々である。 株式を他ファンドや事業会社に売却する際は、 企業トップ層のリレーションに よって話が進められていく。 IPO をするためには、 今後の事業計画や収益の 見通しなどの詳細な資料が求められ、非常に労力を使うため、 2〜3年前から 証券会社と共にIPOに必要な書類を準備する。 日本における企業再生マーケットは未熟であるため、大型再生案件の売却例 も、それほどあるわけではなく、今後の動向が注目される。
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