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アドプション

アドプション

英語:adoption

アドプションとは「採用」「導入」といった意味の言葉です。会計についてはコンバージェンスでニ国の会計基準の差異を解消するのではなく、米国や日本が自国の基準を捨てて国際会計基準(IFRS)を自国の会計基準として導入するということを意味します。特に近年の、エンロン事件により米国監査法人の政治力が弱まり、一方でEUを始め中国など新興国、カナダ、オーストラリアなど世界中100カ国以上がIFRSを導入する流れの中で、米国や日本の対応はコンバージェンスからアドプションに変わってきています。

[ アメリカのアドプション ]
02年のノーウォーク合意以来、FASBとIASBは共同プロジェクトによるコンバージェンスを続けてきたが、07年11月に米証券取引委員会(SEC)は、外国登録企業に義務付けていたIFRSと米国基準(USGAAP)との差異の調整表作成義務を終了すると発表し、流れはアドプションへと変わっています。IASBにより発行されたIFRSsを適用した会社は米国基準への調整なしに報告できるようになったのです。そして、08年8月には米国の上場企業にもIFRSの採用を認め、発行済み株式の時価総額に応じて14年に大企業、15年に中規模の企業、16年に小企業と、順次導入を終える計画です。また、11年には採用を義務化するかどうかの最終判断をするとしています。今後はFASBがIASBに参加し、IFRSに対して米国の利益を代弁してゆくと考えられます。
米国ではここ数年、海外企業による米国内での資金調達が減少し、米国企業によるM&Aシェアも低下基調でした。多国籍企業において米国企業と外国企業が統合したとき、それぞれの会計基準が異なることは経営判断やシステム運営の上でマイナス要因となっていた。SECや共和党の有識者には国際金融センターとしての米資本市場の競争力低下を懸念する声があり、国際的なM&Aや資金調達を商売にする米ウォール街は米国会計基準を捨てることを望んでいたといえます。

[ 日本のアドプション ]
05年から企業会計基準委員会ASBJとIASBによってコンバージェンスの共同プロジェクトが行われていました。しかし、08年米国が国際会計基準を自国企業に採用する方針を表明して以来、経済界、会計士業界の声もあり、日本でもコンバージェンスではなく、アドプションの検討が本格的に始まりました。のれんの償却などの日本独自の基準の修正が検討されています。
一方で、ASBJの継続的なコンバージェンスの努力により、欧州委員会は08年に日本基準は国際基準と同等という評価を下しました。すなわち09年以降11年末まで、日本基準の連結財務諸表をそのままEU域内で使用することが認められたのです。これにより、IFRS使用を強制される2009年問題は解消されましたが、やはりアドプションを必要とする声は依然としてあります。そこで09年1月、金融庁は09年度から希望する企業にIFRSの適用を認める方針を固めました。また、上場企業に義務づけるかどうかは12年をメドに最終判断するとしています。今後はIASBでの日本の発言力を高め、IFRS作成への影響力を拡大させることが必要であると考えられています。

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