PwC Japan有限責任監査法人 企業インタビュー

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パートナー 宮村 和谷 氏 

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パートナー 宮村 和谷 氏 / リスク・アシュアランス部 ※画像には取材当時の情報を記載しております。

1.経営者と同じ視点で直接対話をし、課題を解決していきたい。

―宮村さんのご経歴を教えていただけますか?

宮村氏:
私は大学卒業後、大手通信会社に入り、SEとしてプログラミングやデータのモデリング等システム構築に携わっていました。そこで様々なプロジェクトを担当するうちに、マネジメントに直接対話ができるような形でプロジェクトの問題点を提示し、課題を解決していけるような仕事に就きたいと考え、2000年にプライスウォーターハウスクーパースネットワークの中央青山プライスウォーターハウスクーパース・フィナンシャル・アンド・リスク・マネジメント株式会社(現PwC Japan有限責任監査法人[1])に入社しました。

入社後は、アソシエイトからスタートし、システムリスク管理等のコンサルティングと、システムレビュー等と呼ばれる会計監査の支援業務をはじめとしたアシュアランスの両方にかかわることができました。

入社した時点では、さほど業務に対する知識がある状態ではありませんでしたが、その後、システムレビュー業務を通じて、金融機関や事業会社の業務、システムの使い方、組織体制、データの持ち方、会計等についての知識が身につき、リスク管理やガバナンス、コンプライアンス等についてのコンサルティングにも携わることで、転職の動機となった「経営者と同じ視点で、課題を解決する」ために必要な能力を比較的早い段階で習得できたと思います。

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そうすると今度は幅を広げたいと思い、新しいサービスラインの立ち上げや新しい分野、例えば管理体制の構築の支援などにチャレンジしました。

監査法人は会計士ばかりだとお考えの方も多いと思いますが、会計監査の部門以外は、会計士ではないメンバーもたくさんいます。
私は会計士ではなくSE出身ですが、30代という結構早いタイミングでパートナーになることができました。会計士の方でなくても、活躍できるフィールドは沢山あります。

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[1] PwC Japanは、あらた監査法人、京都監査法人、プライスウォーターハウスクーパース株式会社、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース、およびそれらの関連会社の総称です。各法人はPwCグローバルネットワークの日本におけるメンバーファーム、またはその指定子会社であり、それぞれ独立した別法人として業務を行っています。

2.なぜ、変化が激しい業界ほど、ガバナンスやリスクマネジメントに対する意識が高まっているのか?

―今、ガバナンスやリスクマネジメント、コンプライアンスの重要性が増している理由は何でしょうか。

宮村氏:
ガバナンスやリスクマネジメント、コンプライアンスの分野は、収益を上げるということに直結するものではないと認識されていたこともあり、従来は金融機関や通信等のいわゆる規制産業、レギュレーションがきっちりしていて当局からの監督があるような分野が先に進んでいました。

今は時代が変わっており、事業会社、特にテクノロジーやインターネット系の企業や、海外展開を行っている企業などで、ガバナンスやリスクマネジメント、コンプライアンスを重視する企業も増えています。

日本国内でも、様々な不祥事が報道されており、収益を下げてしまったり、株価が下がってしまったりというケースが多くなっていますし、海外展開をしている企業は、海外での事業をしっかり管理しておかないと、投資をしてもその期待する成果を回収できないというケースも少なくありません。

金融などの規制産業だけではなく、事業会社でも、変化が激しい業界ほど、短期的な収益の最大化だけではなく、ガバナンスやリスクマネジメント、コンプライアンスに対する意識が高まっています。

3.攻めのリスクマネジメント~顧客に提供するサービスの品質を保証し、信頼を高めることで競争優位性を築く。

―どのような事例がありますか?

宮村氏:
例えば、ある企業では海外子会社でかなりの金額の会計不正があり、ステークホルダーから損害賠償を求められる等の事態にまで悪化してしまいました。
以前は、日本企業の海外展開というのは、複雑な生産活動やコーポレート機能は安定的に日本国内で行い、海外では販売や単純な生産活動のみというケースが多く、大きな不祥事は生じにくかったのですが、研究開発や複雑な生産の拠点、コーポレート機能まで海外に置くようになると、管理体制によっては大きな不祥事に発展することがあります。

また日本国内では、事業会社が規制産業に参入しようという流れもありますよね。
インターネット系の企業が電子マネーや金融系のサービスの提供に参入していますが、そうしますと尚更、レギュレーションに対応していれば良いという視点ではなく、顧客に提供するサービスの品質を保証し、顧客を保護するという視点でガバナンスやリスク管理を考える必要があります。

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その企業が提供しているサービスの内容やとりまく環境をふまえ、どこまで対応するべきかを自ら考えて実行するという領域が広がったのです。

単純にリスクを避ける、何かのルールに則り言われたとおりにやるという守りの視点だけではなく、企業としてクライアントから信頼されるようなサービスをどのように提供するかという攻めの視点で、ガバナンスやリスク、コンプライアンスに取り組むというのが最近の潮流ですね。

例えば商品名や割引金額表示、SNSへの書き込み等、明確にどういった名前や表示はだめと、どこかに法律で書かれているというわけではない類のものですが、それで信頼を大きく失うこともありますし、その後の対応次第で信頼を回復できるかどうか、さらには信頼が増すかどうかが変わるのです。

企業が永続的に成長・発展していくためには、クライアントからの信頼を失わないことが大切ですから、そのようなケースを未然に防ぐ対策を考え実行するとともに、起こってしまった後には拡大防止策、再発防止対策を行うことが重要で、PwC Japan有限責任監査法人リスク・アシュアランス部では、両サイドのサービスを提供しています。

4.アシュアランス(監査及び保証・証明業務)とコンサルティング・アドバイザリーの両輪で、価値のあるサービスを提供する。

―リスク・アシュアランス部で提供しているサービスについて、詳しくお聞かせください。

宮村氏:
リスク・アシュアランス部で提供しているサービスは大きく分けて2つです。

1つはアシュアランス業務と呼ばれる、会計監査の支援業務をはじめとした保証・証明業務です。 会計監査は財務情報が正しいかどうかをステークホルダーの代わりに評価し、その結果を報告する業務ですが、この中では、それにまつわる業務プロセス、システム、組織、データという4つの分野に対して、適切かどうかの評価を行います。

会計計数に繋がるような業務プロセスが適切か、それを支えるシステムが適切か、さらにそもそもの組織体制が適切かを理解し評価する、加えて会計計数や、その元となる取引データがそもそも正しいのかどうか、データを企業から頂き、手元で分析するという4つの業務を行っています。

2つ目のサービスは、コンサルティング業務です。 アシュアランス業務で培った、業務プロセス、システム、組織、データマネジメントの4つの分野の知見やノウハウ、メソッドを使って、リスクマネジメントやガバナンス、コンプライアンス対応等のコンサルティングサービスを行っています。

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また、PwC Japan有限責任監査法人でも、コンサルティングとアシュアランスの中間的なサービスといえるシステム監査やセキュリティ監査のサービスも提供しています。

システム監査やセキュリティ監査のサービスを提供している会社はいくつもありますが、PwC Japan有限責任監査法人リスク・アシュアランス部では、単なるシステム監査やセキュリティ監査ではなく、業務や組織、経営、コンプライアンス等の視点からシステムやセキュリティに係るリスクを評価し、不祥事や事故の発生を未然防止・拡大防止するためのアドバイザリーとあわせたサービスをクライアントから求められることが多く、その期待に応じたサービスを提供しており、そこがアシュアランスとコンサルティング双方をワンチームで行っている私たちの強みであるといえます。[2]

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[2] 当法人は、PwC Global Independence Policy(独立性に関する指針)及びわが国の法令及び日本公認会計士協会の倫理規則を踏まえた方針及び手続に基づき、会計監査人として当法人と被監査クライアント等との間に独立性に反するような利害関係がないことを確認し業務を提供しています。

5.経営者とステークホルダーの間のギャップを埋める、それにはアシュアランスとコンサルティング両方の視点が必要。

―PwC Japan有限責任監査法人と、他の監査法人やリスクコンサルティングファームとの違いは。

宮村氏:
集まっているメンバーの専門性の高さと多様さ、フラットな職場環境、グローバルとの近さなど色々と魅力がありますが、一つの明確な違いは、やはりアシュアランス業務とコンサルティング業務の両方を一つの部門内で行っているということです。

他の監査法人では、会計監査のサポートすなわちアシュアランス業務をやっている部門と、コンサルティング業務をやっている部門が基本的に分かれています。 逆に、他のコンサルティングファームでは、コンサルティング業務を行っていますが、会計監査の支援業務やその他の保証・証明業務、すなわちアシュアランスはやっていないのです。

なぜ両方を一つの部門で実施することが大切かというと、一つのプロフェッショナルやそのチームが、アシュアランス業務とコンサルティング業務の両方を行っていることによって、企業とステークホルダーの両方を俯瞰し、そのギャップであるリスクを認識し、会社として最も重要視すべき落とし所を見つけることができるからです。これをリスクアプローチと呼んでいます。

コンサルティング業務だけは、ややもすると企業の経営者の方だけを向きがちですが、企業とステークホルダーの間で生じる認識のギャップが、企業にとってのリスクですので、企業の経営者のためだけを考えてやるようなアプローチでは十分ではなく、ステークホルダーの目線も踏まえる必要があります。

アシュアランス業務はまさにそのような視点を育むのに非常に適したサービスで、企業の目線だけではなく、ステークホルダーの目線も含めて、バランスをとって落とし所を見つけるアプローチやノウハウが、アシュアランスの方法論には明確に入っているのです。

このアシュアランスの方法論というのは、実はリスクマネジメントやガバナンスについての方法論を裏返して書いてあるようなものなんですね。アシュアランスと、コンサルティングは、表裏一体のもので、本質として求められる知見は同じなのです。

アシュアランスをやっているからこそ、リスク管理やガバナンス等のコンサルティングを行う際に、総花的にやるのではなく様々なステークホルダーの目線で大切なポイントを的確に認識し、そこにフォーカスしたサービスを提供するということができるのだと思います。逆もまた然りですね。

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例えばJ-SOXへの対応も局所的ではありますが、リスクマネジメントやコンプライアンスの一つの例であるといえます。J-SOX対応がブームとなっているタイミングにおいては、このコンサルティング業務を色々なファームがやっていました。 ですが、最終的にどこが現実的な落とし所なのかというポイントをおさえるのは、アシュアランスの本質が分かっていないコンサルティング会社では難しかったのではないかと思います。

その他のリスクマネジメントやガバナンス、コンプライアンスのテーマについても、同様に経営者や従業員を含む様々なステークホルダーに安心を提供するアシュアランス業務の知見を持っていないと、ポイントをおさえたリスクアプローチでのコンサルティングは難しいのです。

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6.リスク・アシュアランス部は、経営者のよろず相談役。ニーズを顕在化し、次のビジネスに繋げる。

―リスクアシュアランスビジネスの成長性は?

宮村氏:
2つの視点から、成長性が高いと考えています。

1つは、PwCグローバルの視点から見て、リスクアシュアランスビジネスは戦略的に注力すべきサービス分野の1つに指定されているという点です。

ガバナンスやリスクマネジメント、コンプライアンスのアドバイザリーはステークホルダーが企業経営に求めていることと、実際の企業経営とのギャップを埋めるためのサービスで、一言で言うなら経営者のよろず相談役です。経営者が気にしていることの相談にのり、対応できるようサポートする役割です。

これはドアオープナーとして非常に良いわけですね(笑)
例えばシステム開発等を含むコンサルティングというと大きなプロジェクトになりますので、いきなりそれを案件化するのは難しい。費用もかかるし、意志決定にも時間がかかる。

ですが、経営者が気にしていることを、本当に大切なところだけ相談にのる、アドバイス、改善をするというところでは、そんなに大きな金額はかかりませんし、着手する意思決定もしやすい。
企業経営者のニーズを把握する、もしくはまだ気がついていない潜在的なニーズ、例えばステークホルダーから要求されているのだけれども企業が気づいていないニーズ等を顕在化して、PwC全体のビジネスに繋げるきっかけを作るという点で、リスクアシュアランスは非常に良い役割なのです。

7.リスク・アシュアランス部では、経営者と話す上で必要な要素や、経営者と話す機会を、たくさん持ちあわせることができる。

宮村氏:
経営者のニーズを拾い、それを解決するためのサービスを提供する足がかりとして、私もいろんなクライアントにつれていかれますが、リスクアシュアランスのメンバーは、会計監査、ガバナンス、リスクマネジメント、業務オペレーション、ステークホルダーの目線を理解しているなど、経営者と話す上で必要な要素を沢山持ちあわせることができます。特に重要なのが、取締役の視点ですね。

事業会社ですと、経営レベルに立った時に、はじめて取締役という役割や視点を持ちあわせるようになるケースが多いものですが、PwC Japan有限責任監査法人リスク・アシュアランス部は、若手のころから、専門家として、その視点をもってのアシュアランスやコンサルティング業務を求められるので、経営者と対等に話ができるようになります。

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また、リスク・アシュアランス部では、経営者と話をする機会も多く持つことができます。アシュアランス業務では、その工程の中で経営者インタビューがはいることから、会計監査先では毎年そのような機会が持てますし、コンサルティングについても、リスクマネジメントやガバナンス、コンプライアンスというテーマですと経営者も関与するケースが多く、ここでも経営者と話をする機会を持つことができます。

経営者と話をすることで知ることができたニーズを入口として、システムを開発したいという話になればコンサルティングに、評価をやろうという話になればアシュアランスに仕事を作ることができる。だからこそ、PwCグローバルとしても注力分野にしているわけです。

もう一つは日本の企業の実情という視点です。
先ほども申し上げましたように、企業は、グローバル化を進めるために、より一層管理体制を強化する必要に迫られていますし、事業会社の規制産業への参入によって単なるレギュレーション対応以上の、サービスの質を担保するという点でリスクマネジメントやガバナンス、コンプライアンスを考える必要が出てきています。

以前とは比べ物にならないくらい企業を取り巻く環境が変化し、変化のスピードも速くなっていますから、企業が戦略を立てオペレーションに落としこんだところで、すでに環境が変化してしまっているケースも多い。

そのような変化の速い環境では、PwC Japan有限責任監査法人リスク・アシュアランス部のようなプロフェッショナルによるリスクマネジメントやガバナンス、コンプライアンスのアドバイザリーサービスの必要性はかなり上がっているという状態だと思います。

これまでもマーケットは成長していましたが、ちょうどいま過渡期の状態ではないでしょうか。 この成長は今後も続いていくと思います。

8.社会問題にも発展し得るような、その業界が構造的に持つ課題にメスを入れる。

―PwC Japan有限責任監査法人

リスク・アシュアランス部を象徴するようなプロジェクトは?

宮村氏:
アシュアランス的要素とコンサルティング的要素の両方が入っているという点で、ある金融機関のプロジェクトの事例を上げます。

その金融機関では、販売をしている金融商品の多くを、代理店を経由して販売しているのですが、もしもその代理店が個人情報を漏えいしたり、金融商品を売ることで知り得たお客様の個人情報を使って勝手に別の商材を売ったりすると問題になってしまいます。

そのため代理店の管理を金融機関としてはきっちりやっていかなければならないのですが、営業を優先するために管理が十分ではないケースもあり、改善が必要でした。

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そこでまず代理店の管理体制をどのようにすれば良いのか、という相談に対してコンサルティングサービスを提供し、かつ代理店が実際にちゃんと体制を整えているのかをチェックする必要があるということで代理店の点検というアシュアランス的な業務(正確には、アドバイザリー業務に分類されますが)を実施しました。

じつは、その業界において、代理店を使ったビジネスモデルは業界全体の特徴でもあるため、業界全体の課題をどう解決していくかということにもつながり、ひいてはそのような社会問題を解決するということにもつながります。

当然それは、金融機関だけではなく、金融当局も対応していなければならない課題として認識していましたし、数多くのステークホルダーが存在するわけです。 代理店も業務として成り立っていくには、それに応じたレベルでの管理を行わなければなりませんし、現実的な仕組みを作るのはかなり難しいことでもあります。

9.「誰のために、何を目指しているのか?」を大局的に問い、その答えを関係者全員で共有する、それが大切。

―実際にどのように落とし所を見つけるのですか?

宮村氏:
それは大局的に「誰のために、何を目指しているのか?」を全員に共有することが大切です。

本来は、代理店のため、保険会社のため、当局のためでは無いですよね。金融機関が提供する金融サービスのお客様のためにどうやるべきなのか、お客様を保護する観点でどうすべきなのか、が大切なのです。
例えば、その金融商品を購入されたお年寄りが、その後何かしらの形で騙されるような事態になってしまって……というのが一番良くないわけです。それを関係者全員で共有する。

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そういう社会的な課題として捉えた時に、「顧客を保護していくという観点では、ここまでやった方が良い」、「ここまでやったらコストに大きく跳ねかえりすぎ、かえって顧客や株主等の利益を損ね、事業の継続性にも重大な悪影響を与える」というところを、対話をしながら擦り合わせていくことが大切です。

課題によってアプローチは違ってきますが、なぜあえて資本市場の番人としての社会的役割を担う監査法人の中でリスク管理コンサルティングをやっているのか、ということを考えると、社会的に問題を解決するという視点も求められると思うのですね。

10.どんなに厳しい状況であっても、専門家として言うべきことは言い、納得してもらう、それがプロフェッショナビリティ。

宮村氏:
監査法人は社会的な機能として必要とされているわけですし、ある特定人物のためにやることであれば、監査法人でやる必要はない。

社会的なスタンダードを作り、それがちゃんと運営されているかということを見るという、ある意味お医者さんのような役割が監査法人のミッションですので、広い視点から見たときに、何が最も求められているのか、ということを考え、それを関連する方々に説明する。

それが私たちPwC Japan有限責任監査法人リスク・アシュアランス部の提供するプロフェッショナビリティなのかなと。

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私がマネージャーになるときに、先輩のプロフェッショナルからいただいた言葉があります。
「プロフェッショナビリティは、profess(主張する、説得する)とability(能力)から成り立っている。どんなに厳しい状況であっても、専門家として言うべきことはきちんと言い、相手に納得してもらうという能力がプロフェッショナビリティだ。」

なかなか難しいことではありますが、それを一つひとつやっていくことが大切です。そのために、ロジカルな論拠や、それを支えるエビデンスが必要ですし、それをしっかり押さえたうえで経営者の方や関係者の方々にご理解いただくことが、我々の仕事なのです。

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11.提言が受け入れてもらえず不祥事が発生。納得してもらうためのプロセスの重要さを痛感。

―宮村さんご自身が、プロフェッショナビリティの重要性を実感したプロジェクトは何ですか?

宮村氏:
一番印象に残っているのは、大失敗したシステム監査の案件です。
プランニングをし、現場の調査をし、現場の責任者に報告をし、その結果をもって、マネジメントに報告に行きましたら、非常に怒られまして(苦)。色々な事情はありましたが、どういうプランで調査し、結果どういうことが出てきたかというコミュニケーションが、最終報告までクライアントの中でマネジメントに対して行われていなかったんです。
ですから、報告会でいきなり、ここが問題です、改善点です、と提言した形になってしまい、マネジメントに受け入れて頂けなかった。

それは非常に大きな経験で、やはり我々は経営者にとって耳が痛いことであれ必要に応じて提言する立場でもありますので、きちんと前出しして、少しずつ詰めていかないとダメなのだと。アソシエイトであっても一作業者ではなく、プロフェッショナルとしてマネジメントに直接訴求していけるような段取りをしなければならないのだなと実感しました。

その後、「ここは改善した方が良いです」と提言していた点に関連するところで、横領事件が発生したのです。

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やはりあのとき、しっかり前段取りをして、課題をご理解いただいて、対策を打つことができれば、完全に潰すことはできなかったかもしれませんが、流石に横領事件にまで発展することは無かったかもしれない。そう思うと、今でも悔しくて仕方がないですね。

やはり、今目の前に見えていることだけを一生懸命やっているのではダメで、関係するステークホルダーをしっかりと見分けなければならないし、前段取りもする必要がある。我々がやっている仕事というのは、後々にそれだけ影響が出てくるものなのだ、と実感しました。

12.リスク・アシュアランス部が求める人材像~クライアントの問題解決へのコミットと、チャレンジ精神

―リスク・アシュアランス部が求める人材像を教えてください。

宮村氏:
5つのポイントがあります。

1つは、クライアントの問題解決にコミットできる方。
目の前の担当者や経営者だけではなく、裏にいるステークホルダーも含めて、その間に落ちている問題の解決についてコミットするかどうかが大切です。 クライアントは自分の業務については良くご存じですが、それを俯瞰的にステークホルダー目線でも捉えているかというと、そうでないケースもあります。
それを俯瞰できるというのが我々の強みであり、価値ですから、現場の状況をきちんと把握して、クライアント以上にクライアントのことを考えて、問題を解決していくことに喜びを持てる方には、ぜひジョインしていただきたいです。

2つ目はチャレンジです。
監査法人というと保守的で、人が作ったものを後から見るというようなイメージを持たれがちですが、PwC Japan有限責任監査法人のリスク・アシュアランス部では、リスクを評価するためのプラン作りや、問題を解決するための仕組み作りというところから、組織決定の支援、現場への定着化支援、そしてその評価と継続改善というところまでやる必要がありますし、かつPwCの戦略的な分野として企業経営に関わるあらゆるリスクに対して業務を広げていくことがミッションとなっていますので、チャレンジを好むような方に来て頂けると嬉しいです。

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3つ目は、ロジカルシンキングとコミュニケーションです。
といっても単純にロジカルな分析の結果で話をするだけでは現場の方も経営者の方も納得していただけないので、クライアントとリスクをシェアする気持ちで、事実を伝え提案する。クライアント自身がステークホルダーの期待に沿った成長と信頼を実現できるよう、勇気をもって自分たちもリスクをとって、言うべきことをしっかり言う。それによってお客様が気付かなかったことに気付いて頂くことができるので、そういう勇気を持った方は、大歓迎です。

4つ目は多様なメンバーで構成されるチームで働く力です。
リスク・アシュアランス部の組織は多様性が高く、専門性が異なる方が共存しています。
例えば、元ミュージシャン、元プロゴルファー志望など(笑)、いろいろなバックグラウンドの方々がいますので、そういう方々とお互いにリスペクトしあって、チームワークができるような方が望ましいです。

5つ目は、グローバルな業務に対して、積極的に取り組むことができる方です。
英語が必須というわけでは全くありませんし、英語が出来ないメンバーも多いですが、クライアントがグローバルな業務を行っているので、今は出来なくても、将来的には英語を使った仕事もしたい、という方のほうが、さまざまなプロジェクトを経験できるので楽しいかと思います。

13.充実した研修と、成長をサポートするためのコーチ/マイスター制度

―人材育成の仕組みは?

宮村氏:
PwC Japan有限責任監査法人では、キャリアプランの設定とその実行について相談に乗ってくれるようなコーチを、個々人にアサインしています。
中長期的なキャリアプランから年間でのキャリアデベロップメントの計画を決めて、その達成状況をウォッチし、フィードバックしていくという形をとっています。

それに加えて、入社したばかりのメンバーに対しては、マイスターという制度があります。こちらは比較的年齢層が近い先輩社員をマイスターとしてアサインし、日々の細々とした分からないところを聞くことができるような体制をとっています。

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育成の研修面については、メインとしてはPwC Auditというアシュアランスの方法論についての研修がグレードごとに決まっておりまして、それをきちんと学んでいくことでリスクマネジメントやガバナンス、コンプライアンスに応用可能なアシュアランスのメソドロジーの部分は培っていただけるということになっております。

個々人のバックグラウンドに応じた能力差はありますので、プロジェクトへのアサインの際にはできるだけバックグラウンドを考慮し、育成をしていくようにしています。

14.将来的に何を実現したいのか、どういう課題の解決に貢献できるようになりたいのかをしっかり考えてほしい。

―転職をお考えの方に、メッセージをいただけますか?

宮村氏:
転職を考えていらっしゃる方は、将来的に何を実現したいのか、達成したいのかをより深く考えていただきたいなと思います。

自分自身がそうでしたが、転職するときは、年収、仕事の忙しさ、会社のステータス、業務内容など色々な要素を勘案するわけですが、年収以外の部分は転職前にどこまで具体的にわかるかというと、あまりわからないわけですよね。入社してみないと、実際のところはわからない。

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ですから、最終的に自分が何を達成したいのかということをしっかり考えておくことが大事だとおもいます。そうすると、入ってから若干ギャップがあっても、それに繋がるような経験なのであれば頑張れるのだと思います。それを考えていないと、年収に引っ張られてジョブホッパーになったり、器用貧乏になったりしてしまうケースもあって、もったいないですよね。

将来的に何を実現したいのか、できれば自分がどうなりたいのかではなくて、どういう課題に対して解決に貢献できるようになりたいのか、そのような志を、青臭いですが今一度考えて頂いて、転職していただければと思います。

私自身は、入社当時は現場、マネジメント、ステークホルダーの間で膠着状態にある課題を解決することがテーマでした。そこから次第に視野が広がっていって、業界全体の構造問題、ひいては社会的な問題に繋がるような問題の解決を志し、そして、今はそういうことができる人をたくさん増やしたいと思うようになりました。

どんな課題を解決したいか、それをしっかりと思い描いていたからこそ、自分自身を成長させることができるのだと思います。

クライアントだけでなく、顧客、株主、社員、金融機関、地域社会など様々な関係者のために課題を解決したいと考える方、私達PwC Japan有限責任監査法人リスク・アシュアランス部のメンバーと共に、それを実現しませんか?

ご応募をお待ちしております。

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浦名 祐輔 氏 / 夛田 桂子 氏

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浦名 祐輔 氏 / 夛田 桂子 氏 / リスク・アシュアランス部 ※画像には取材当時の情報を記載しております。

1.これまでの経験を活かしつつも、幅がグッと広がるのがPwC Japan有限責任監査法人リスク・アシュアランス部の良さ。

浦名氏:
1999年の4月に大手SIerに入所し、SEとしてクライアントのシステム構築を経験した後、情報セキュリティのサービスの新規事業立ち上げに携わりました。それが一段落したあとに、情報セキュリティのコンサルティングファームに転職しました。

社員数が20人くらいのベンチャー企業で、そこでは情報セキュリティの第三者認証の取得支援や、情報セキュリティの監査やクライアント向けの教育に従事していました。そして、2008年の6月に、PwC Japan有限責任監査法人に入所しました。

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PwC Japan有限責任監査法人リスク・アシュアランス部は大きく、会計監査支援を行うアシュアランスとコンサルティング・アドバイザリー業務の仕事の2本立てですが、私はほとんどアドバイザリー業務を行っています。

テーマはリスクアシュアランスという名前の通り、企業を経営していくうえで、経営者がうまく付き合っていかなければならない様々なリスクに対して助言やアドバイス等を提供しています。

―これまでのご経験がそのまま生かせていますね。

そうですね。
1社目でITとセキュリティをやり、2社目でセキュリティをやり、PwC Japan有限責任監査法人リスク・アシュアランス部ではセキュリティも引き続き行っていますが、それ以外のリスク、例えばシステムリスクやコンプライアンス、監督当局のレギュレーション対応などの業務も行っています。
軸は同じですが、同じフィールドの中で取り扱う領域は広がっているように感じています。


夛田氏:

私は大学卒業後に放送関連のシステム開発を行っているマスコミ系の子会社で、放送システムの開発を行っていましたが、IT統制対応の要員として、親会社のJ-SOX対応を行ったことで、監査の世界に入りました。

監査に強い興味を持ちましたが、その会社ではIT監査にしか携わることができなかったため、CRO関連の企業の内部監査部門に転職しました。そこではシステムに限らず、会社全体を見るような業務監査、ISO関連の監査、J-SOX対応なども行っていました。

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そして内部監査についてもっと専門性を高めたいと考え、2013年の4月にPwC Japan有限責任監査法人に入所しました。

私も9割くらいがアドバイザリー業務で、内部監査支援を中心に行っています。 内部監査の高度化のためのコンサルティングサービスを提供したり、クライアントの内部監査要員として共に監査を行ったりもしております。

2.若手であっても、クライアントの中枢に直接提案ができる、経営者と同じ視点を持てる。それがこの仕事の面白さ。

―この仕事の面白さは何でしょうか?

浦名氏:
私もまだ30代の若手ですが、クライアントの中枢と関わることができます。 部長、取締役、CEOの方々と直接お話ができて、直接アドバイスを行う機会がある。非常に緊張感もありますが、うまく行ったときのやりがいは大きいです。

リスクアシュアランス部のコンサルティング・アドバイザリー業務の中には、2~3ヶ月の短期間で集中して終わらせるものと、毎年継続して、ほぼ1年間をかけてやるようなものに大別されます。

私は2008年に入所して、つい最近まで4年くらい、ある金融機関のプロジェクトを主に担当していました。
1年かかるようなプロジェクトを4年間くらいやっていまして、お客様にプロジェクトルームを借りて、毎日そこで業務を行っていました。
そうやって長期間に亘って業務を行っていますと、お客様との深い信頼関係を構築することができます。詳しくは後述しますが、紆余曲折を経てお客様から「ありがとう」という言葉を頂けたときは、本当に感動しますね。

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夛田氏:
浦名は金融機関を中心としたプロジェクトに携わっているということでしたが、私は多様な業界のクライアントの内部監査に携わっています。それがまさに私が転職で実現したかったことですので、日々やりがいを感じています。
前職では自社の内部監査にしか携わることができませんが、PwC Japan有限責任監査法人のリスク・アシュアランス部ではいろいろな業界の様々な企業様の内部監査について知ることができて、お役に立つことができるということが醍醐味です。

またリスク・アシュアランス部にはさまざまなバックグラウンドを持つ人材が集まっておりまして、それぞれプロフェッショナルな分野を持っています。そういう人たちと働くことができるというのも、魅力の一つですね。

3.アドバイザリー業務は、日々お客様の本当に欲しているものを考え続けることが大切。

―逆に大変なことは。

浦名氏:
コンサルティング・アドバイザリー業務は定型的なサービスではなく、クライアントの状況、課題に合わせて進め方や作業内容が変わります。
「とりあえず困っているんですけど」という相談からスタートすることもあるのですが、そういう場合は、仮説でゴールを定めたうえで、プロジェクトをスタートすることになります。

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そのときは、現状の分析を進めつつも、クライアントがどういうアウトプットを本当に欲しているのか、それは誰が見るもので、いつまでに報告しなければならないのかを並行して考える必要があります。

分析を進めるうえで新たなことが分かり、当初想定していた成果物が途中で変わることもあります(笑)

「最初はこう思っていたけれども、クライアントの状況を確認した結果、やっぱりこういう成果物の方が良いと思うんだよね」ということもあるんです。。
私達のようなプロフェッショナルファームは、成果物に対して対価を頂くので、それが決まっていない場合は、お客様の本当に欲しいものをいかに汲み取って形に落とすかというところは非常に大変ですね。

また、例え話になりますが、最初「背中が痛い」といっていても、本当は「お腹が痛い」ケースもあるんです。それはプロジェクトを進めて初めてわかることが多い。

例えば、クライアントが課題を認識していて、その原因が個人の力量の問題という前提で始まったプロジェクトでも、進めていくうちに、実は業務の仕組みや、管理態勢の方が大きな課題だということがわかっていくこともあるわけです。
すると、最終的なクライアントへの報告も、個人の力量よりむしろ管理態勢面に課題があるという内容になるわけですが、クライアントはそういう課題があることを知らない場合がありますので、なぜ我々がそう判断したのか、事実を軸に論理的に説明し、わかっていただくことが重要ですね。 それは結構大変ですね(笑)

4.ポイントは、下手なバイアスを持たずに聞くこと、できるだけ行間を読み取ること。

―クライアントの本当に欲しいものを読み取るコツは?

浦名氏:
下手なバイアスを持たずに聞く、ということですかね。
クライアントがおっしゃることを、先入観で情報を切り捨てたり、曲げたりせず、そのまま素直に聞くようにすること。
それと併せて、その方の役職やプロジェクト内で置かれている立場、利害関係等の背景を考慮して、話の行間をできる限り読み取るようにする、ということですね。

一言でいえばコミュニケーション力ということになりますが、口で言うのは簡単ですけれども、これがすんなりできれば苦労はしないので、未だに苦労しています。かなり気を付けている点ではありますね。

5.クライアントに対して耳の痛いことであっても言うべきことは言い、それに対する意見も素直に受け止める。それが本当のコミュニケーション。

―それが大切だと思ったきっかけは何でしょうか?

こういうスキルが真のコミュニケーション力だと思うんですけれども、それが大事だと最初からわかっていたわけではありません。

PwC Japan有限責任監査法人に入所した当初は、人とスムーズに会話できる力が、コミュニケーション力だと思っていたんですけれども、あるとき上司に、「浦名さんって、周りが言うほどコミュニケーション力ないよね」って言われたんです(笑)

img arata2 05 - PwC Japan有限責任監査法人 企業インタビュー

理由を聞きましたら、「仕事上、クライアントに対して耳が痛いことであっても、クライアントをより良くために、言うべきことは勇気をもって言わなければならなくて、それに対するフィードバックをちゃんと受け止めなければならないけれども、そもそもそういうことをやろうとしないよね、クライアントの意見を素直に聞きとれていないことあるよね」と指摘されまして。

振り返ってみると、確かにそれがきっかけでクライアントとの関係構築に支障をきたした経験があり、お客様のおっしゃることを素直に受け取り、クライアントの成長のために、言うべきことは言うことが大事だと気がついたんです。それで、それ以降気にかけていますね。

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6.経験が浅くても、クライアントの前ではプロフェッショナルでいる。そのために、影の努力を惜しまない。

―夛田さんは、どのような点を大変だと感じますか?

夛田氏:

私の場合は、入ってまだ経験が浅いですが、いろいろな業界に対してアドバイスを行っておりますので、知識のインプットがすごく求められます。
たとえ入ったばかりであっても、クライアントに対してプロフェッショナルとしてサービスを提供しますし、クライアントもコンサルタントはその業界について良く知っていると期待して下さっています。プロジェクトにアサインされるとわかるのが直前だったりもしますので、そういうときは、週末に必死で本を読んで勉強しています。

業界の知識だけではなく、PwC Japan有限責任監査法人として提供するサービスについても事例などを勉強しておく必要がありますので、過去の事例やノウハウを色々な先輩方に聞いて、常に知識をブラッシュアップしていくことが求められます。
誰が何に詳しいのかは、だんだんとわかってきますし、みんな聞きやすい雰囲気ですから、とても有難いですね。先輩や上司もすごく勉強しているので、何年たっても、これは必要なんだなと思いますね。

浦名氏:
PwC Japan有限責任監査法人のリスク・アシュアランス部には、勉強するのが上手い人が多いと思いますね。新しい業界を担当するとなったら、業界の本を10冊くらいまとめて並行して読んで、共通して書いてあるところ=重要なところ、ということでそれだけインプットして、短期間で必要な最低限の知識は身につける、とか(笑)

私は入所して初めてのプロジェクトで、クライアントの役職者の方に上司といっしょに呼び出されて「素人をつれてくるな」と言われた苦い経験がありまして……。

img arata2 06 - PwC Japan有限責任監査法人 企業インタビュー

入所したてで下準備が甘く、クライアントの業務について十分な準備をしないままプロジェクトに入ってしまったんです。
やはり常にプロフェッショナルでなければならないのだと実感しました。

7.部門や会社間の垣根が低い、それがPwCネットワークの魅力であり、バリューでもある。

夛田氏:
また、クライアントから私がカバーできていないテーマについて質問を受けたときは、そのテーマについて詳しい社内のメンバーを連れて行って説明してもらうこともあります。社内ではメンバー同士がお互いサポートしあっていますね。 長くやっていくと、色々な質問がクライアントから出てくるようになりますが、自分一人で対応できるところは少ないので、誰が何を知っているのかというKnow Whoは、すごく大事ですね。

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PwC Japan有限責任監査法人を含むPwCネットワークの強みの1つは部門や会社間の垣根が低いところです。例えば会計監査の部署の方が詳しいことは、そこからメンバーを連れてくる、タックスであれば別会社の税理士事務所からメンバーを連れてくる、そういったことが柔軟に行われていますので、クライアントにとっては本当に良いサービスを提供できているのではないかと思います。

浦名氏:
監査法人というのは組織が縦割りのイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、PwC Japan有限責任監査法人に関しては設立間もないということもあり、そういう縦割りは本当になく、部署間の垣根が低く、お互い協力しあっていますね。

8.クライアントのニーズと、PwCのメソッドを融合させて、さらに新しいものを創り上げる醍醐味。

―印象的なプロジェクトは?

夛田氏:
入所して半年で経験した中では、あるメーカーの海外子会社の監査の仕組みを構築するプロジェクトが印象深かったですね。
内部監査部門や法務部がそれぞれ監査を行っていたんですけれども、重複する部分や見落としている箇所があるかもしれないということで、監査の仕組みを構築するサポートをいたしました。
チェックリストを作ったり、内部監査機能と、法務部やJ-SOX対応の部署、現場の連携を構築し、いわゆる3つのディフェンスラインを強化する仕組みを開発しています。

その中で何が興味深かったかというと、PwCは日本でもグローバルでも色々な優れたメソッドやノウハウを持っていますが、やはりそのまま適用することはできないということですね。クライアントのニーズと、PwCが持っているメソッドと融合させて、さらに新しいものを創り出していくという点に面白みを感じています。

浦名氏:
2つありまして、1つ目はとある金融機関のプロジェクトですが、私がプロジェクトに入る前からずっとそのプロジェクトを担当されていた社員の方がいらっしゃって、その方が子会社に出向されるときに送別会を開催したんですけれども、その方が我々一人ひとりに対して「君たちと一緒に仕事ができて、本当にうれしかった」とプレゼントを下さったんです。
やはりこちらもプロとして業務に携わるわけですから、お互い言いたいことを言い合って結構ギスギスしていたときもあったんですけれども、最後にそんなお言葉をいただけて、本当にうれしかったです。やっていて良かったなと思いました。

9.「あの仕組み、日銀と金融庁から絶賛されましたよ!」お客様からの声が一番の励みになる。

浦名氏:
もう一つは別の金融機関のプロジェクトです。 金融機関はよくリスクアセスメントという作業をするんです。社内にどういうリスクがあるか点数をつけて、何点以上だと対策をとるというような仕組みです。
その仕組みの精度を上げたいというご依頼がありまして、クライアントのご担当の方と二人三脚で1年くらいかけて仕組みを作り上げました。

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仕組みがリリースされてからしばらくして、日銀と金融庁の担当者の訪問を受けたそうですが、「あの仕組み、日銀と金融庁から絶賛されました。あれができたことを、僕は本当に誇りに思っています」とおっしゃって下さって。
それが本当に嬉しく、記憶に残っていますね。この仕事をやっていて良かったなと思いました。

10.10年後も、さらに専門性を高めて、お客様の課題解決をサポートし続けたい。

これからはどのようなキャリアを積んでいきたいですか?10年後の将来像を教えて下さい。

夛田氏:
私はまだ自分が先頭にたってサービスを提供できるような立場ではないのですが、いずれはリーダーとなってチームを引っ張っていきたいと思います。
内部監査に興味があるので、その分野でプロフェッショナルになりたいですね。内部監査というのは会社の中で立ち位置が難しい機能で、悩んでいらっしゃるお客様も本当に多いのですが、そのようなクライアントをサポートするようなサービスを提供できるようになっていきたいです。
そのためには色々なアプローチがありますが、自分の知識の拡充、ソフトスキルを磨くなど、成長していきたいと思います。

浦名氏:
PwC Japan有限責任監査法人内の職階や求められる役割も変わっていくと思いますが、なんらかの領域でクライアントに相対する立場で、プロフェッショナルサービスを提供し続けたいと思います。

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―何か提供したいサービス、ニーズがあるサービスのテーマはありますか?

浦名氏:
金融は規制業界ですので、当局のレギュレーションの方針に引っ張られるところは多いと思います。最近は金融庁が水平検査という、一つのテーマに対して複数の金融機関を横串で見ていくということを始めました。

以前は一つの金融機関に入って、じっくり見ていく検査がメインでしたが、横串で見るとなると、他社と比べてどうかという観点が重要になりますので、その視点からのアドバイスはニーズがあるのではないかと思います。
PwCには色々な事例やノウハウが集まってきますので、それをうまく統合してサービスを提供できるのではと考えています。

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11.「これはもう、リスク・アシュアランス部は、監査法人というよりコンサルティングファームだな」と思った。

―ところで、お二人は入所前と入所後にギャップはありましたか?

夛田氏:
プロフェッショナルな組織という印象を持っていましたので、その点では印象は変わりませんでした。
ですが入所して初めてわかったのが、セルフマネジメントというのがすごく求められることです。
私は複数のプロジェクトを同時にかけ持つことがあり、大半の場合はそれぞれのプロジェクトのマネージャーは異なりますし、場合によってはチームも異なります。
私達は他のチームの状況がどの程度忙しいのかまでは把握していないことが多いので、自分の状況を自分で発信していく必要があります。1日24時間しかない中で、どうマネジメントしていくのかが重要だと分かりました。

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さらにプロジェクトのスケジュールは始まる前に、だいたいは決まっているのですが、日々変わりますので(笑)、予定とずれてしまって繁忙期が重なることもありますし、結構大変ですね。

浦名氏:
入所前は、大きな監査先を担当して、1年間同じクライアントをどっぷり担当して、それを何年もやっていくのかなと思っていましたので、こんなに幅広い領域で様々なアドバイザリー業務をやっているのか、というのが驚きでした。
リスク・アシュアランス部はもうコンサルティングファームだな、と。
新卒採用のイベントなどで、大学生にプライスウォーターハウスクーパース㈱との違いを聞かれると困りますね(笑)

夛田氏:
私達は、経営者の抱える企業のガバナンスやリスク管理、コンプライアンス等の課題解決をサポートするためなら、何でもやります。今までもサポートを行う領域は広がってきましたし、これからも広げていきます。
自分が面白いなと感じたことに対して、新しいサービスラインを立ち上げることも可能だと思いますので、そういった新しいことをやっていくという面白さはあるのではないでしょうか。

12.アシュアランスとコンサルティングのノウハウをミックスさせることができるのは、PwC Japan有限責任監査法人だけ。

―他の法人とPwC Japan有限責任監査法人の違いは?

浦名氏:
一般に監査法人の中には、会計士が所属する監査部と、業務プロセスやシステム等のレビューを行い会計監査支援を行うシステム監査部があります。加えてアドバイザリー・コンサルティングを行う部門があります。監査のラインとアドバイザリーのラインは異なることが多く、それを一緒にやっているのは、アシュアランスとコンサルティングを同じ部門で行うPwC Japan有限責任監査法人だけだと思います。
アシュアランスとコンサルティングの両方の業務を経験することができますし、それぞれのノウハウをミックスさせやすいのは非常にメリットが大きいと思います。

またフラットなカルチャーも大きな特色ですね。先ほども話に出ましたが、部門の垣根も低いですし、PwCネットワークの他の法人とも連携が取れていると思います。

―候補者の方から見ると、もっとも外資的で英語のイメージが強いという声も聞きます。

夛田氏:
外国人社員も多く、フリーアドレス制なのでたまたま隣に座った人が外国人ということもありますから、話せるにこしたことはないですが、全く英語を使わないプロジェクトも多いので、できなくて困ることはないと思います。

ただ、社内資料や研修が英語ということはありますね。 私はだんだん英語のプロジェクトにもアサインされてきたので、現在頑張って勉強しています。

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浦名氏:
私も一度大変な目にあったことがあり、それ以来勉強しております。
アドバイザリーの依頼があって、まずお話を伺いにということで先方の会議室のドアを開けたら、外国人の方がずらっと並んでいたということがありまして、これは想定外だぞと(笑)。

13.会計やITの知識がなくても、活躍しているメンバーがいる。先入観を持たずに、ドアをノックしてほしい。

―転職をお考えの方へ、メッセージをお願いします。

夛田氏:
PwC Japan有限責任監査法人は、いろいろな経歴の人を受け入れてくれます。
コンサルやSE出身のメンバーが多いですが、監査やシステムに関連した業務経験がなくても活かせる経験があれば活躍の場はありますので、まずはチャレンジして頂けると嬉しいなと思います。

浦名氏:
「会計知識やシステム開発の経験がないけど大丈夫?」という質問をよく頂きますが、そういう知識を持ちあわせて入所する人ばかりではありません。
入所してから勉強したり、修得したりする機会がありますので、そこで努力すれば良いと思います。

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夛田氏:
私が一緒に仕事をしているメンバーで、英語と法務についてすごく強い人もいます。
内部監査の支援や様々ですけれど、多岐にわたる領域でクライアントにワンストップでサービスを提供しておりますので、あなたの強みがリスクアシュアランス部の強みになり、クライアントに必要かもしれません。会計やシステムの知識がないという先入観を持たずに、ドアをノックしていただけるといいなと思います。
あなたの経歴や知識が、クライアントに対してバリューになるかもしれない、そう思って頂けると。

浦名氏:
お客様からのお話の中にITのことが含まれるケースもありますので、知っていた方が理解は早いですし、知っているにこしたことはないですが、自分でプログラミングをしたり、システムの設計をしたりするわけではないので、ITバックグラウンドでない方であってもバリューを発揮している方がいます。

14.ルーティンワークよりも、自分で考えて、行動して、バリューを出したい。そんな方が楽しく働けるファームです。

―逆に、向かないと思うのはどのような方でしょう?

浦名氏:
PwC Japan有限責任監査法人リスク・アシュアランス部は、他の監査法人に比べてコンサルティング・アドバイザリー業務の割合が多いですし、これからもその領域を拡大していきたいと考えています。色々と決まっていない仕事が多いので、ルーティンワークがしたい、決まった手順の中での仕事がしたいという方は、ストレスを感じるかもしれませんね。
逆に、自分で考えて、行動して、バリューを出したいという方、どんどん新しいサービスを提供していきたいという方には、本当にぴったりの環境だと思います。

夛田氏:
言われたことしかできない方ではなく、常に幅広めに考えて、上の人がこれしか指示しなかったけれども、他にも期待をしているのではないかとか、指示の背景にあることを掴める方のほうが良いとは思います。
また私達はプロフェッショナルファームなので、キャリアのレールが引かれていないです。良くも悪くも本当に自分次第ですので、自分で成長していくプランを立てて、セルフマネジメントをして成長していきたいという方には向いていると思います。

浦名氏:
事業会社の営業出身で、会計士の資格だけとって、リスク・アシュアランス部に来ている方もいますし、先ほど夛田が申し上げたような法務+英語の方、はたまた元SEで、途中でミュージシャンを目指してしばらく活動した後に、入所した方もいます(笑)
あまり壁を作らずに、ぜひチャレンジしていただきたいですね。

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コトラ(広報チーム)