コンサルティングファームのタイトルと評価制度を徹底解説

コンサルティングファームでのタイトルと求められる役割

コンサルティングファームは、一般的に下記のような階層構造となっており、それぞれのタイトルにおいて以下のような役割を持ちます。

 

また、タイトルの呼び名はコンサルティングファームによってそれぞれ異なっています。

 

代表的なファームのタイトル呼称
代表的なファームのタイトル呼称

求められる役割

アナリスト(ジュニアコンサルタント)

新卒、第二新卒で入社すると、このタイトルからスタートします。コンサルタントが検証するために使用する資料の作成など、比較的地味で大変な作業が多いですが、コンサルタントとして働く上での基礎能力を身につけることができます。

コンサルタントとしての働き方に慣れるという意味で、アナリストは業務量が多く比較的長時間労働になり易い傾向にあります。最近は「働き方改革」の影響もあり以前より労働環境は改善されていますが、それでも深夜労働、休日出勤はしばしば。しかし、だからこそ効率の良い仕事の進め方を自然と身につけていくとも言えます。

実力差により前後はしますが、入社から3年程度でほとんどのアナリストが、アソシエイト(コンサルタント)へ昇進します。

アソシエイト(コンサルタント、シニアアナリスト)

新卒入社後3〜5年程度の経験、中途採用の場合は5年程度の社会人経験がある者がこのタイトルに当たります。マネージャーの指揮の下、自ら情報を収集・分析・提言を行います。一定の領域については、責任者としてアナリストに資料作成、情報収集の指示を行い、後輩やアナリストの指導も求められます。

また、プロジェクト実行においてほぼすべての実作業を担当します。アナリスト同様業務量は非常に多いですが、ある程度の裁量権が与えられています。そのため、労働時間をある程度自分でコントロールすることができます。

アソシエイトには、プロジェクト遂行能力、クライアントとの関係構築能力、アナリストのマネジメント能力が問われます。これらの能力が身に付いたとみなされると、実力により年齢に差は出るますが、3〜4年ほどでマネージャーに昇格できます。

マネージャー(プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダー)

マネージャー=プロジェクトの顔。成功か失敗かはマネジャーの力量にかかっていると言っても過言ではありません。設定されたプロジェクト期限と、限りある人手の制約のなかで、なんとか問題を解決しなくてならず、毎日がプレッシャーとの戦です。

マネージャーになるためのハードルは非常に高く設定されており、コンサルタントの誰もがなれるポジションではありません。それ故に、マネージャーになった人材は転職市場における価値が飛躍的に上がります。

コンサルタントになったら、まずマネージャーを目指せと言われることがあるでしょう。それは、アソシエイトやアナリストはあくまでもサポート役であり、プロジェクトの主役はマネージャーだから。このポジションになって、初めて一人前のコンサルタントと言えます。

パートナー(プリンシパル)

パートナーは、その文字通りコンサルティングティングファームの共同経営者。日系企業で言うところの役員に相当します。共同責任者であることから、会社の収益に対して責任を負います。

パートナーの最も重要な役割は案件を受注すること、つまり営業活動です。コンサルティング料は高額で、数千万からときには数十億円に達することもあり、クライアントは「コンサルティング」という目に見えない商材にお金を支払うことから、案件の受注は非常に難しいものです。単に提案内容がよいだけでは仕事は取れず、クライアントの信頼を勝ち取ることができるかが要になっています。そのため、パートナーは、周りの人を引きつける人間的な魅力が必要不可欠で、ただ仕事ができるだけでは務まりません。

パートナーは、個人の能力というよりも、向き不向きや適性というのが多分にあるため、優秀なコンサルタントであってもパートナーとしては向いていないということも十分にあり得ます。本当に一握りの、適性ある者だけがたどり着くことができるタイトルと言えるでしょう。

プロジェクト形態、体制

仕事の進め方

コンサルティングファームでの仕事は、原則プロジェクトごとのチームで進められます。一般企業の場合だと部署、部門ごとに部長、課長、係長など役職での上下関係があり、それらをチームとしてプロジェクトを進めるため、基本的に数年間は関係が変わりません。しかし、コンサルティングファームの場合は、プロジェクトごとにチームの編成がされます。そのため、プロジェクトが変わるごとに、上司、部下、クライアントの移り変わりが発生するため、一般的な事業会社とはかなり異なる環境で仕事を進めることになります。

このようにプロジェクト単位で業務を行うという性質上、固定の業務を続けることは少なくなっています。プロジェクトの終了後には、別のプロジェクトへのアサインされる、という就業形態を取ります。アサイン待ちの期間を「アベイラブル期間」と呼び、この期間に1週間程度まとまった休暇を取る事ができます。

プロジェクトチームの結成

基本的にプリンシパル、パートナークラスが営業活動を行い案件を受注します。企業にアポを取って説明に伺うこともあれば、一度コンサルティングをしたクライアントから、別の企業を紹介されることもあります。

依頼を受けたら、まず複数の社員を集めてプロジェクトを編成。プロジェクトにはクライアント側からは主要メンバーが、コンサルティング会社からはその専門性を持つコンサルタントが加わります。チームの規模はプロジェクトの規模で上下しますが、クライアントにおけるプロジェクトすべてに責任を持つパートナー、個別のプロジェクトの責任者であるマネージャー、マネージャーの指示のもとでタスクをこなすコンサルタント2〜3名という構成になる事が多いです。

パートナーがメンバーを直接指名する場合や、専門の担当者がコンサルタントの経験、希望を考慮しアサインメントを行うなど、メンバーの決定方法は各ファームによって異なっています。

 

プロジェクト受注までの流れ
プロジェクト受注までの流れ
 

プロジェクト形態

コンサルティングファームでのプロジェクトは主に、大きく2つの形態に分かれます。「常駐型」と「持ち帰り型」です。

「常駐型」のプロジェクトとは、クライアント先にプロジェクト用のスペースを作ってもらい、プロジェクト終了時までそこに常駐するという形式のプロジェクトを指します。コンサルタントという立場であるが、事業会社の社員と同様の業務をこなします。IT系・業務系コンサルは「常駐型」が多いです。

「持ち帰り型」のプロジェクトとは、自社を拠点として作業を進め、MTGや報告会の時にクライアント先を訪問するという形式のプロジェクトを指します。

プロジェクトでの仕事内容は役職ごとにある程度決まっており、それぞれが役割を果たすことによって、クライアントの課題解決を成功に導いていきます。

ワークスタイルはどのようなものか?

コンサルティングファームでのワークスタイルは、

 

・マネージャー(総責任者)

・コンサルタント(中間管理職)

・アナリスト(作業者)

上記の3ポジションに大別されます。

マネージャー(総責任者)

マネージャーはプロジェクトの総責任者として、プロジェクトの完了まで現場に関わるすべてを一任されます。マネージャーが行う業務には次のようなものがあります。

  • 全体の進行役
  • クライアントとの調整
  • 仮説の設定、プロジェクトのフレームワークづくり
  • 部下の管理、仕事の割り振り
  • 報告書の作成
  • プロジェクト進捗管理
  • 予算の管理

様々な業務を、誰の助けもなく遂行しなければならず、いわば一人でプロジェクトを遂行する力が求められます。ファームによっては、一定の売上の獲得を求められるケースもあります。

コンサルタント(中間管理職)

プロジェクトにおけるほぼすべての作業を担当。一定領域においては作業責任者としてアサインされます。マネジャーから指示は受けますが、どの様に仮説を構築し、検証するのかはアナリストの判断に任されています。もちろん、マネージャーの承認は必要ですが、収集する資料内容の決定、インタビュー対象者の選定はコンサルタントの仕事となっており、アナリスト時代よりも責任感のある仕事を任されます。

情報収集の結果、最初に立てた仮説と大きな乖離がある場合、改めてスケジュールを組み直す、手を動かす以外の業務の比重が大きくなります。自身のスケジュールだけでなく、アナリストへの指示と進捗状況のマネジメント、指導も含めた管理能力が求められます。

アナリスト(作業者)

主な業務は、資料作成、情報の収集と分析です。具体的にはプレゼン資料の作成、ミーティングの議事録作成、クライアントへのインタビューなどを行います。アナリストが収集した情報や作成した資料に基づき、コンサルタントとマネジャーが仮説構築、検証を進めていき、クライアントへの報告に繋がる。事業会社の何倍ものスピードで成長を求めているため学ぶことが多く、プライベートで自由になる時間はあまりないでしょう。その中でも体調を崩さず、プロジェクトにコミットするため自己管理も業務の一環と言えます。

クライアントからしてみれば、コンサルタントが新人かどうかは関係ありません。プロセスではなく成果を求めており、有益な情報であればたとえ入社1年目の意見であっても年次関係なく取り入れられます。アナリストであっても「自身はプロフェッショナルである」という自覚を持ち、業務の遂行、クライアントとの関係構築が求められます。

評価について

実力主義の色が強い

一般的な日系企業が年功序列の評価基準を取っているのに対し、コンサルティングファームの多くは、日系外資問わず実力主義の傾向があります。年齢や在籍年数で役職が与えられたり、給与が決まるのではなく、あくまでもコンサルタントがクライアントにもたらした価値や成果物でその評価が決定します。

コンサルティング業界には「Up or Out (出世するか、転職するか)」という有名な文言があるが、この文言が表すとおり一般的な業種と比べるとコンサルタントの評価はシビアです。成果が出ていないことが、自身の評価に直結しているため、言い訳をすることはできません。そのぶん結果を出すことができれば、成果に見合う対価が与えられ、サラリーマンとしては最高峰の報酬を得ることができます。

「Up or Stay」という考え方

近年はごく一部の外資系ファームを除き、「Up or Out (出世するか、転職するか)」から「Up or Stay(転職するか、役職はそのままで会社に残るか)」という考えに移行をしています。成果が出せなかった場合でも異動して適材適所を探すという風潮が強い会社が増えており、退職勧告されるなどのシビアな判断は以前と比べて激減しています。コンサルティング業界の急速な成長、コンサルタントに求められる役割が戦略策定だけでなく、手を動かす実行まで広がったことから慢性的な人不足が続いています。かつてより多くのコンサルタントが必要となったことが「Up or Stay」に移行した理由の一つです。昨今BPOの需要が高まっていることもあり、多くのコンサルタントが実行部隊として充てられています。

「Stay」といっても、「評価が悪かったから役職は据え置き」という場合だけではなく、「評価は良いが、上の役職で人が詰まっているため据え置き」という場合もあり、一概にマイナスとも言えません。Big4など総合系ファームを中心に組織の大規模化が進んでいるため競争が激しく、昇格が難しくなっています。

プロジェクト評価と年次評価

コンサルタントがプロジェクト単位で働いていることから、プロジェクト終了時に都度、評価を行います。チームの上司であるマネージャーやパートナーから、プロジェクトにおける日々動きの細かなフィードバックを受けます。上司が一方的に評価するというよりは、プロジェクトの良かった面、悪い面を話し合い、お互いが納得した上で評価を決定します。

プロジェクトとは別に、年次での評価も行います。プロジェクト評価をもとに次年度の給与、昇進を決定します。今後のキャリアを左右する重要なイベントであるため、時間をかけて真剣に行われます。査定会議において、パートナーから「上の役職に就くために必要な能力がある」と判断されるとタイトルが昇格し、逆に能力足らずと判断されると役職は据え置き、もしくは降格となる可能性があります。

プロジェクトごとの評価だけでは、一定期間で評価をする者が変わり適切な評価下すことができなくなる恐れがあることから、公平を期す意味で設けられています。

仕事の魅力とやりがい

コンサルティングファームは企業全体の変革を支援する黒子です。実力と運に恵まれれば、若いうちからクライアント企業の重要な経営課題を解決するプロジェクトに携わることができ、クライアント企業内でも極秘のプロジェクトなどに携わることも度々。経営課題を解決するために、クライアント企業もプロジェクトにエース級の人材をあてがうことも多く、ハイレベルな人材や各分野のスペシャリストと仕事をともにできるチャンスもあります。「成長意欲への強い刺激」が絶えず得られる環境であることをやりがいの一つとして挙げる人は多いです。

給与水準が高いのも魅力の一つ。クライアント企業が支払うコンサルフィーが高いためコンサルタントの給与も高くなるのですが、逆に言えば、常にクライアント企業からの高い要求水準に応え続けなければならないというプレッシャーは強いでしょう。

クライアント企業は自分たちだけでは気づかない知見やノウハウをコンサルティングファームに求めています。コンサルタントは最新の知見、専門性を身につけ続けることが必要です。

成果を出すための学習を続けるためには、知力のほかに気力と体力も必要で、若い年齢からコンサルティングファームに入ることを勧める人も多いです。

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この記事を書いた人

羽鳥健太

青山学院大学法学部卒業後、コトラに入社。現在業界調査ならびにマーケティングを担当。