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コンサルティングファームのタイトルと評価制度

前回の記事『コンサルティングファーム徹底解説【PART1】コンサルティングファーム概要と歴史』はこちら

1.タイトルと求められる役割

コンサルティングファームは、一般的に下記のような階層構造となっており、それぞれのタイトルにおいて以下のような役割を持つ。

また、タイトルの呼び名はコンサルティングファームによってそれぞれ異なっている。

代表的なファームのタイトル呼称
代表的なファームのタイトル呼称

求められる役割

■アナリスト(ジュニアコンサルタント)

新卒、第二新卒で入社すると、このタイトルからスタートする。コンサルタントが検証するために使用する資料の作成など比較的地味で大変な作業が多いが、コンサルタントとして働く上での基礎能力を身につけることができる。

コンサルタントとしての働き方に慣れるという意味で、アナリストは業務量が多く比較的長時間労働になり易い。最近は「働き方改革」の影響もあり以前より労働環境は改善されているが、それでも深夜労働、休日出勤は度々ある。しかし、だからこそ効率の良い仕事の進め方を自然と身につけていくとも言える。

実力差により前後はするが、入社から3年程度でほとんどのアナリストが、アソシエイト(コンサルタント)へ昇進をする。

■アソシエイト(コンサルタント、シニアアナリスト)

新卒入社後3〜5年程度の経験、中途採用の場合は5年程度の社会人経験がある者がこのタイトルに当たる。マネージャーの指揮の下、自ら情報を収集・分析・提言を行う。一定の領域については責任者としてアナリストに資料作成、情報収集の指示を行い、後輩やアナリストの指導も求められる。

プロジェクト実行において、ほぼすべての実作業を担当する。アナリスト同様業務量は、非常に多いが、ある程度の裁量権が与えられている。そのため、労働時間をある程度自分でコントロールすることができる。

アソシエイトには、プロジェクト遂行能力、クライアントとの関係構築能力、アナリストのマネジメント能力が問われる。これらの能力が身に付いたとみなされると、実力により年齢に差が出るが、3〜4年ほどでマネージャーに昇格できる。

■マネージャー(プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダー)

マネージャーはプロジェクトの顔である。成功か失敗かはマネジャーの力量にかかっていると言っても過言ではない。設定されたプロジェクト期限と、限りある人手の制約のなかで、なんとか問題を解決しなくてならず、毎日がプレッシャーとの戦だ。

マネージャーになるためのハードルは非常に高く設定されており、コンサルタントの誰もがなれるポジションではない。それ故に、マネージャーになった人材は転職市場において、価値が飛躍的に上がる。

コンサルタントになったら、まずマネージャーを目指せと言われることがあるだろう。それは、アソシエイトやアナリストはあくまでもサポート役であり、プロジェクトの主役はマネージャーだからだ。このポジションになって、初めて一人前のコンサルタントと言える。

■パートナー(プリンシパル)

パートナーは、その文字通りコンサルティングティングファームの共同経営者となる。日系企業で言うところの役員に相当する。共同責任者であることから、会社の収益に対して責任を負う。

パートナーの最も重要な役割は案件を受注すること、つまり営業活動である。コンサルティング料は高額で、数千万からときには数十億円に達することもあり、クライアントは「コンサルティング」という目に見えない商材にお金を支払うことから、案件の受注は非常に難しい。単に提案内容がよいだけでは仕事は取れず、クライアントの信頼を勝ち取ることができるかが重要。そのためパートナーは、周りの人を引きつける人間的な魅力が必要不可欠で、ただ仕事ができるだけでは務まらない。

パートナーは、個人の能力というよりも、向き不向きや適性というのが多分にあるため、優秀なコンサルタントであってもパートナーとしては向いていないということも十分にあり得る。本当に一握りの、適性ある者だけがたどり着くことができるタイトルと言える。

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2.プロジェクト形態、体制

仕事の進め方

コンサルティングファームでの仕事は、原則プロジェクトごとのチームで進められる。一般企業の場合だと部署、部門ごとに部長、課長、係長など役職での上下関係があり、それらをチームとしてプロジェクトを進めるため、基本的に数年間は関係が変わらない。しかし、コンサルティングファームの場合は、プロジェクトごとにチームの編成がされる。そのため、プロジェクトが変わるごとに、上司、部下、クライアントの移り変わりが発生するため、一般的な事業会社とはかなり異なる環境で仕事を進めることになる。

このようにプロジェクト単位で業務を行うという性質上、固定の業務を続けることは少ない。プロジェクトの終了後には、別のプロジェクトへのアサインされる、という就業形態を取る。アサイン待ちの期間を「アベイラブル期間」と呼び、この期間に1週間程度まとまった休暇を取る事ができる。

プロジェクトチームの結成

基本的にプリンシパル、パートナークラスが営業活動を行い案件を受注する。企業にアポを取って説明に伺うこともあれば、一度コンサルティングをしたクライアントから、別の企業を紹介されることもある。

依頼を受けたら、まず複数の社員を集めてプロジェクトを編成する。プロジェクトにはクライアント側からは主要メンバーが、コンサルティング会社からはその専門性を持つコンサルタントが加わる。チームの規模は、プロジェクトの規模で上下するが、クライアントにおけるプロジェクトすべてに責任を持つパートナー、個別のプロジェクトの責任者であるマネージャー、マネージャーの指示のもとでタスクをこなすコンサルタント2〜3名という構成になる事が多い。

パートナーがメンバーを直接指名する場合や、専門の担当者がコンサルタントの経験、希望を考慮しアサインメントを行うなど、メンバーの決定方法は各ファームによって異なっている。

プロジェクト受注までの流れ
プロジェクト受注までの流れ

プロジェクト形態

コンサルティングファームでのプロジェクトは主に、大きく2つの形態に分かれる。「常駐型」と「持ち帰り型」だ。

「常駐型」のプロジェクトとは、クライアント先にプロジェクト用のスペースを作ってもらい、プロジェクト終了時までそこに常駐するという形式のプロジェクトを指す。コンサルタントという立場であるが、事業会社の社員と同様の業務をこなす。IT系・業務系コンサルは「常駐型」が多い。

「持ち帰り型」のプロジェクトとは、自社を拠点として作業を進め、MTGや報告会の時にクライアント先を訪問するという形式のプロジェクトを指す。

プロジェクトでの仕事内容は役職ごとにある程度決まっており、それぞれが役割を果たすことによって、クライアントの課題解決を成功に導いていく。

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3.ワークスタイルはどのようなものか?

コンサルティングファームでのワークスタイルは

  • マネージャー(総責任者)
  • コンサルタント(中間管理職)
  • アナリスト(作業者)

上記の3ポジションに大別される。

マネージャー(総責任者)

マネージャーはプロジェクトの総責任者として、プロジェクトの完了まで現場に関わるすべてを一任される。マネージャーが行う業務には次のようなものがあります。

  • 全体の進行役
  • クライアントとの調整
  • 仮説の設定、プロジェクトのフレームワークづくり
  • 部下の管理、仕事の割り振り
  • 報告書の作成
  • プロジェクト進捗管理
  • 予算の管理

様々な業務を、誰の助けもなく遂行しなければならず、いわば一人でプロジェクトを遂行する力が求められる。ファームによっては一定の売上の獲得を求められるケースがある。

コンサルタント(中間管理職)

プロジェクトにおけるほぼすべての作業を担当する。一定領域においては作業責任者としてアサインされる。マネジャーから指示は受けるが、どの様に仮説を構築し、検証するのかはアナリストの判断に任されている。もちろん、マネージャーの承認は必要だが、収集する資料内容の決定、インタビュー対象者の選定はコンサルタントの仕事となっており、アナリスト時代よりも責任感のある仕事を任される。

情報収集の結果、最初に立てた仮説とに大きな乖離がある場合など、想定外のことが改めてスケジュールを組み直す、手を動かす以外の業務の比重が大きくなる。自身のスケジュールだけでなく、アナリストへの指示と進捗状況のマネジメント、指導も含めた管理能力が求められる。

アナリスト(作業者)

主な業務は、資料作成、情報の収集と分析である。具体的にはプレゼン資料の作成、ミーティングの議事録作成、クライアントへのインタビューなどである。アナリストが収集した情報や作成した資料に基づき、コンサルタントとマネジャーが仮説構築、検証を進めていき、クライアントへの報告に繋がる。事業会社の何倍ものスピードで成長を求めているため学ぶことが多く、プライベートで自由になる時間はあまりないと言える。その中でも体調を崩さず、プロジェクトにコミットするため自己管理も業務の一環と言える。

クライアントからしてみれば、コンサルタントが新人かどうかは関係ない。プロセスではなく成果が求めており、有益な情報であればたとえ入社1年目の意見であっても年次関係なく取り入れられる。アナリストであっても「自身はプロフェッショナルである」という自覚を持ち、業務の遂行、クライアントとの関係構築が求められる。

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4.評価について

実力主義の色が強い

一般的な日系企業が年功序列の評価基準を取っているのに対しコンサルティングファームの多くは、日系外資問わず、実力主義の傾向がある。年齢や在籍年数で役職が与えられたり、給与が決まるのではなく、あくまでもコンサルタントがクライアントにもたらした価値や成果物で、その評価が決定する。

コンサルティング業界には「Up or Out (出世するか、転職するか)」という有名な文言があるが、この文言が表すとおり一般的な業種と比べるとコンサルタントの評価はシビアである。成果が出ていないことが、自身の評価に直結している為、言い訳をすることはできない。その分結果を出すことができれば、成果に見合う対価が与えられ、サラリーマンとしては最高峰の報酬を得ることができる。

「Up or Stay」という考え方

近年はごく一部の外資系ファームを除き「Up or Out (出世するか、転職するか)」から「Up or Stay(転職するか、役職はそのままで会社に残るか)」という考えに移行をしている。成果が出せなかった場合でも異動して適材適所を探すという風潮が強い会社が増えており、退職勧告されるなどのシビアな判断は以前と比べて激減している。コンサルティング業界の急速な成長、コンサルタントに求められる役割が戦略策定だけでなく、手を動かす実行まで広がったことから慢性的な人不足が続いている。かつてより多くのコンサルタントが必要となったことが「Up or Stay」に移行した理由の一つである。昨今BPOの需要が高まっていることもあり、多くのコンサルタントが実行部隊として充てられている。

「Stay」といっても、「評価が悪かったから役職は据え置き」という場合だけではなく、「評価は良いが、上の役職で人が詰まっているため据え置き」という場合もあり、一概にマイナスとも言えない。Big4など総合系ファームを中心に組織の大規模化が進んでいるため競争が激しく、昇格が難しくなっている。

プロジェクト評価と年次評価

コンサルタントがプロジェクト単位で働いていることから、プロジェクト終了時に都度、評価を行う。チームの上司であるマネージャーやパートナーから、プロジェクトにおける日々動きの細かなフィードバックを受ける。上司が一方的に評価するというよりは、プロジェクトの良かった面、悪い面を話し合い、お互いが納得した上で評価を決定する。

プロジェクトとは別に、年次での評価も行う。プロジェクト評価をもとに次年度の給与、昇進を決定する。今後のキャリアを左右する重要なイベントであるため時間をかけて真剣に行われる。査定会議においてパートナーから「上の役職に就くために必要な能力がある」と判断されるとタイトルが昇格し、逆に能力足らずと判断されると役職は据え置き、もしくは降格となる可能性がある。

プロジェクトごとの評価だけでは、一定期間で評価をする者が変わり適切な評価下すことができなくなる恐れがあることから、公平を期す意味で設けられている。

仕事の魅力とやりがい

コンサルティングファームは企業全体の変革を支援する黒子である。実力と運に恵まれれば、若いうちからクライアント企業の重要な経営課題を解決するプロジェクトに携わることができ、クライアント企業内でも極秘のプロジェクトなどに携わることも間々ある。経営課題を解決するために、クライアント企業もプロジェクトにエース級の人材をあてがうことも多く、ハイレベルな人材や各分野のスペシャリストと仕事をともにできるチャンスもある。「成長意欲への強い刺激」が絶えず得られる環境であることをやりがいの一つとして挙げる人は多い。

給与水準が高いのも魅力の一つ。クライアント企業が支払うコンサルフィーが高いから、コンサルタントの給与も高くなるのだが、逆に言えば、常にクライアント企業からの高い要求水準に応え続けなければならないというプレッシャーが強い。

クライアント企業は自分たちだけでは気づかない知見やノウハウをコンサルティングファームに求めている。コンサルタントは最新の知見、専門性を身につけ続けることが必要だ。

成果を出すための学習を続けるためには知力のほかに、気力と体力も必要で、若い年齢からコンサルティングファームに入ることを勧める人も多い。

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5.コンサルタントのポジション

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コンサルティングファーム徹底解説【PART3】~コンサルティングファームで活躍するための素養とスキル~ただいま執筆中です。お楽しみに!