【三井物産株式会社】ポストIB・PEの選択肢:世界を舞台にプリンシパルの立場で全社のM&A推進を担う専門家集団

【三井物産株式会社】ポストIB・PEの選択肢:世界を舞台にプリンシパルの立場で全社のM&A推進を担う専門家集団

ゲストのご経歴

三井物産株式会社 コーポレートディベロップメント本部 総合力推進部 コーポレートディベロップメント・M&A推進室長 水谷 真吉 様

三井物産株式会社
コーポレートディベロップメント本部 総合力推進部 コーポレートディベロップメント・M&A推進室長

水谷 真吉 様

[ 経歴 ]
投資銀行、外資系PEファンドにてM&Aアドバイザリー、バイアウト業務に従事後、2011年に三井物産入社。M&A推進部にて事業投資業務、三井農林にCFOとして出向し経営改善を主導後、現職にてM&A案件開発およびエグゼキューション支援をリード。Pennsylvania大学WhartonにてMBA修了(2008年)。

三井物産株式会社 コーポレートディベロップメント本部 総合力推進部  コーポレートディベロップメント・M&A推進室 インベストメントマネージャー  鈴木 準二 様

三井物産株式会社
コーポレートディベロップメント本部 総合力推進部 コーポレートディベロップメント・M&A推進室 インベストメントマネージャー

鈴木 準二 様

[ 経歴 ]
監査法人系FASにて事業再生及びバリュエーション、投資銀行、PEファンドにてM&Aや資金調達などのカバレッジ業務、バイアウト業務に従事後、2021年に三井物産入社。現職にてM&A案件開発およびエグゼキューション支援に従事。

インタビュアー

株式会社コトラ
パートナー

宮崎 達哉

[ 経歴 ]
信州大学工学部卒、ゼネコンでの施工管理者を経験した後、三重県庁にて産業政策の企画・運営業務に従事。県庁在籍中に、経済産業省資源エネルギー庁及びNEDOにてエネルギー政策に係る新規事業立案や規制・制度の合理化に従事。デロイトトーマツグループでの地方創生及び教育分野のコンサルティング業務を経て現職。

[担当業界]
ESG/サステナビリティ領域、シンクタンク、コンサルティングファーム、監査法人、パブリックセクター、教育、経営層、管理系人材、技術者

株式会社コトラ
コンサルタント

馬場 大地

[ 経歴 ]
九州大学農学部卒業後、株式会社三井住友銀行にて法人融資業務を経験。金融教育事業でのマネジメント経験を経て、現職。

[担当業界]
投資銀行、投資ファンド、財務アドバイザリー(FAS)、監査法人、商社、銀行、コンサルティングファーム

これまでのご経歴

コトラ宮崎:
ご自身のこれまでのキャリアやバックグラウンドについて教えてください。

水谷様:
2000年に日本興業銀行に入行、2001年にみずほ証券のM&Aアドバイザリーグループに移りました。2008年までみずほ証券に在籍後、アドベントインターナショナルという米系PEファンドに移って、2年3ヵ月働きました。2011年に会社が日本を撤退し、転職活動を経て、コトラさんのご紹介で、2011年8月に三井物産に入りました。
最初は、今の部署の前身であるM&A推進部に所属し、社内のファイナンシャル・アドバイザリー的な業務と、投資先の業務改善のプロジェクトに携わっていました。
投資先の業務改善の流れで、三井農林という紅茶を扱う会社でターンアラウンド・プロジェクトをやっていたのですが、そこにCFOとして出向することになり、2年間かけて人員削減や工場閉鎖、人事制度の変更、基幹システムの入れ換え等に関わりました。
出向から三井物産本体に戻ってきたタイミングで、元々在籍していたチームであるコーポレートディベロップメント・M&A推進室(以下、CD・MA室)の室長に就任しました。

鈴木様:
2009年に大学院修了後、PwCにて事業再生・バリュエーション、野村グループにて投資銀行・PEファンド業務を経て、2021年7月に三井物産のCD・MA室に参画しました。
M&Aのエグゼキューションに加え、プリンシパルの立場での投資業務や投資銀行での幅広いプロダクトを扱うカバレッジ業務など多様な経歴が特徴かと思います。

コトラ宮崎:
三井物産に入社した時は、嘱託採用・総合職だったのですか。

水谷様:
私は嘱託採用でしたが、その後総合職転換しています。当時は、総合職という選択肢の提示はなくて、自分からも聞かなかったですね。総合商社でのM&Aの仕事のイメージがあまり持てず、また商社マンは首の太いラガーマンという勝手な偏見もあって、自分に合うのかも分からなかったこともあり、合わなかったら早めに辞めよう、と思っていました。自分も「お試し」のつもりなので、有期雇用という形態は特に気になりませんでした。

鈴木様:
私は総合職採用で、年4回のキャリア採用の機会に、直接、三井物産のホームページから応募しました。正式な採用プロセス前から、CD・MA室の室長や室員の方々とのカジュアルなコミュニケーションの機会も頂戴し、業務内容やカルチャーなどへの理解を深めた上で、希望する部署を選ぶことが出来ました。

三井物産株式会社コーポレートディベロップメント本部

世界を舞台に多様な業界のM&A案件に対応するユニークなチーム

コトラ馬場:
ご入社してみての印象はいかがでしたでしょうか。

水谷様:
想像以上に、「ホワイト企業」でした。当時の商社のイメージは、激務で毎日遅くまで電気が点いている、接待などでお酒を飲む機会も多い、というものでした。実際、飲む機会は多かったのですが、プライベートの楽しい飲み会が多いだけで、激務かというと8時くらいにはみんな帰っていて、びっくりしました。これは2011年当時の印象で、ワークライフバランスという点では現在は更に改善しているのではないかと思います。
また、有名大学の体育会系出身者が多くて同質性の高い組織かと思っていたのですが、海外のオフィスや投資先で色々な経験をしてきている方が多く、多様性に対するオープンさがあり、中途採用の自分にとって居心地が良かったです。これは嬉しい驚きでした。

鈴木様:
三井物産に対する印象として、自由闊達であること、挑戦を応援する体制が歴史的に備わっていることを強く実感しています。この辺りは、私にとって、挑戦すること自体がライフワークのようなもので、フィット感を勝手ながら感じています。
物事の多くがボトムアップで推進され、権限自体は当然上席者やコーポレートユニットにありますが、たとえ若手でも意向と熱意が尊重され、案件化するケースがよく見られます。
あと、「人の三井」と聞いたことはありましたが、エッジの効いた人材が多い印象です。
また、16事業本部それぞれの事業エリアに造詣の深い人材が豊富にいるだけでなく、CD・MA室の同じ部にはコンサルティング会社出身者の多いビジネスコンサルティング室などもあり、多様な専門性を持った集団だと改めて実感しています。

コトラ宮崎:
なぜ他の商社でなく、三井物産を選んだのか、もう少し詳しく教えていただけますか。

鈴木様:
三井物産はトップティアの商社でありながら、成長・変革の余地がまだまだあると思っています。現在は金属資源・エネルギーセグメントの比重が高く、3大商社の中でも課題意識が強いのではないかと思っていました。そのソリューションとして、M&Aの活性化があり、そこに貢献したいという気持ちで三井物産を選びました。

水谷様:
他の商社のM&Aチームはコーポレート部門にあることが多いと認識しています。商社の組織は大きく営業部門とコーポレート部門に分けられるのですが、営業部門はアクセルを、コーポレート部門はブレーキを踏む役割を担う傾向にあるため、他商社のM&Aのチームは、立場上審査的な目線でディールに関わることが多いのではないかと想像します。
一方で三井物産のCD・MA室は営業部門側にあり、いかに当社の企業価値向上に繋がるディールを成約させるかというスタンスで取り組むのが基本です。他の事業部から持ち込まれた案件の支援はもちろん、自らより良いディールを発掘して積極的に提案、推進するなど、投資案件をオリジネートする所まで役割になっていることが、他社との一番の違いではないかと思います。

コトラ宮崎:
三井物産、CD・MA室へのご転職の経緯、決め手を教えて頂けますか。

鈴木様:
前職のPEファンドにて担当案件のExitを迎える中、金融投資のアングルに加え、事業投資的な取り組みにも興味を持つようになりました。
また、PEファンドで出資先の経営改革に携わる機会もありましたが、経営経験豊富な方々と触れる中で、自身の経験不足を痛感しました。既存スキルの金融面に加え、事業面やリーダーシップ、国際感覚、現場感覚などにおいて伸びしろが多く、30代半ばでしたが、もっと強くなって対象会社に貢献したいと、一層の自己成長欲にかられました。
その中で、多くのリーダーを輩出し、投資案件数も日本企業屈指である商社は、気になる存在でした。M&A市場における存在感だけでなく、幅広い業界の事業開発の現場に商社の存在があり、実際に国内外の大手プレーヤーとの協業も散見され、グローバルに事業をドライブする際の付加価値の高さもあるのではないかと思っていました。
特にCD・MA室は、「世界を舞台」に「多様な業界」の案件に対応可能なユニークなチームなので、関心を持ち、入社を決意しました。経験できる投資案件の数や幅広さにおいて、国内最高峰のポジションの一つだと思います。

三井物産株式会社コーポレートディベロップメント本部

キャリア採用の活性化と志向に合った成長機会

コトラ馬場:
投資銀行、FAS、PEとの違いについて、どのように捉えておられますでしょうか。

鈴木様:
どの職種もスキルセットは重複するものが多いのですが、まず、プリンシパルの立場かどうかで、商社・PEと投資銀行・FASは異なっていると思います。
投資銀行・FASはフィーの獲得機会が案件のクロージングや案件受注自体なことが多いので、案件前後は良くも悪くもあまり深く触れる機会は豊富ではないと思います。「プリンシパルの立場ではない=案件において判断する立場ではない」ので、責任は原則負わないですが、権限もないので、中には物足りなさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
投資銀行・FASよりも、PEのほうが商社との共通点が多いように思います。ただ、金融投資家であるPEと商社とでは、投資目的に差がありまして、例えば、時間軸とバリューアップの考え方の差は顕著だと思います。加えて、グローバルな視点の強さが商社の特徴でもあります。
議決権過半確保を原則として3〜5年での投資リターン追求を掲げるPEファンドに対し、当社には既存事業や事業戦略がありますので、そこにフィットするような対象に多様なスキームで出資し、中長期的な価値創造を目指します。バリューアップにおいても、外部リソース活用中心のPEファンドに対し、商社は内部に既存事業、ネットワーク、人材が豊富に存在するため、内部リソース活用中心にバリューアップを進めます。

コトラ宮崎:
ご入社された当時と今では、キャリア採用についてもだいぶ変わってきていると思います。キャリア採用の割合は、どう変わりましたか。

水谷様:
私が嘱託から正社員に転換した2012年3月だと、年間で20人前後くらいのキャリア採用でした。通年採用で、採用後に研修があるのですが、私が正社員転換時に研修を受けた「同期」は9人でした。その後、会社全体でキャリア採用を活発化させ、現在は年4回の公募で年間80人程度の採用で、例えばコーポレートディベロップメント本部の中途入社社員比率は約20%です。

コトラ馬場:
嘱託採用だと専門性を活かした配属なのですが、総合職に転換してしまうと色々な業務をやることが前提になるかと思います。実際にはいかがでしょうか。

水谷様:
会社の文化として、異動の内示を出し、本人が納得するかを確認してから発令します。本人がやる気を持ってやってくれる業務に配属するというカルチャーです。今までの経験が活かせ、そこに何か新しいチャレンジがあるという配属先になっています。

コトラ宮崎:
面接では時に、ピープルマネジメントの力が求められますが、必ずしもそこを目指している人ばかりではなく、専門性を活かして貢献したいという人もいらっしゃるようです。

水谷様:
ラインマネージャーにならず、自分の持っている専門性で高いパフォーマンスを出すというエキスパート職階ができて、運用が始まっています。多様なキャリア志向に合わせた制度が着々と整備されています。

CD・MA室のミッション

コトラ馬場:
CD・MA室のミッション、業務内容について教えていただけますでしょうか。

水谷様:
ミッションは、一言でいえば当社のコーポレートディベロップメント活動を、主にM&Aを手段として推進することです。具体的には、M&Aの案件オリジネーションの推進及び支援とM&Aのエグゼキューション支援を主な業務内容としています。また、少し毛色は異なりますが、社内起業家制度で始まった事業会社の資金調達サポートなど、成長支援もコーポレートディベロップメントの一環として担っています。
案件オリジネーションについては、当社が行う多くの投資案件は、個別事業本部が主体となって推進しておりますので、それら個別事業領域の投資戦略に基づく案件のソーシングを当室が支援することも多くあります。一方、各事業部が個別戦略を推進していく中で見落としがちとなる、業際での事業開発機会の発掘や、様々な事業領域が協力することで初めて取り組めるような大規模な案件の開発、推進を、当社の総合力を具現化する取組として特に期待されています。
例えば、三井物産は21年にインドネシアの財閥系コングロマリットであるCT Corpへ1,000億円の出資を行っていますが、三井物産において関連する本部がICT、流通、CDと複数領域に跨っていることもあり、プロジェクトリーダーの総合力推進部長の下、CD・MA室が案件を推進しました。
エグゼキューション支援は、事業部が推進するM&A案件のサポートですが、特に社外FAと比べると案件初期検討段階から深く関与するところが特徴の一つです。
CD・MA室は年間70〜80件の案件に関与しますが、その関与の仕方は様々で、基本的には事業部のリソースやケイパビリティの状況、全社的な案件の重要度等によって個別に判断しています。ただ、ここでも個の意向尊重のカルチャーから、担当者本人の意向によって関心の高い案件には深く関与するなど、臨機応変に対応しています。
CD・MA室はコーポレートユニットではなく、投資意思決定の権限自体は持っていないのですが、エグゼキューション支援の延長で、コーポレートユニット宛に意見書と呼ばれる案件に対する見解を伝えることも業務の一つです。キャリア採用者の経験、ネットワークを活かして、直近のマーケットプラクティスや市場の目線を社内の案件審査プロセスに提供することが期待されています。
また、その他にも、全社向けの勉強会開催や、M&Aスキル人材の獲得および社内供出など全社目線での貢献もミッションの一つと考えています。

三井物産株式会社コーポレートディベロップメント本部

IB・PE出身者中心の専門家集団

コトラ宮崎:
人数、構成員のバックグラウンドなど、組織について教えて頂けますでしょうか。

水谷様:
室長1、室員10、秘書1の計12名です。室長・室員11名中、室長含む9名がキャリア採用で、商社の中でもこれだけキャリア採用比率の高いチームも珍しいと思います。
メンバーの出身は、投資銀行・PEで約7割ですが、内訳は日系投資銀行5名、日系PE・外資PE・外資IBがそれぞれ1名、その他銀行や三井物産プロパー社員で構成されています。
CD・MA室において案件オリジネーションの重要性が高まっている影響もあり、投資銀行のカバレッジ経験者は4名在籍しており、過去最高数となっています。
また、M&Aスキル人材の獲得と社内供出もCD・MA室の役割期待の一つということもあり、年間採用人数は3〜4人を目標としています。
室長を頂点にあとはフラットで上下関係がないので、オープンな組織風土につながっていると思います。

コトラ宮崎:
活躍している方の特徴があれば教えていただけますでしょうか。

水谷様:
各室員がそれぞれの個性をベースに活躍してくれていますが、セルフスターターであることが共通点かと思います。
CD・MA室は、日頃から複数事業部からM&A案件の相談を受ける立場として、各部の戦略やニーズを把握しています。また、社外のM&A業界プロフェッショナルとも日常的に接点を持ち、潜在的な案件機会についてディスカッションをしています。そうした情報を繋ぎ合わせることで、当社ならではの案件仮説を作り、関連する事業部のメンバーとディスカッションしたり、社外専門家にインタビューするなどをして、仮説を煮詰めていきます。
個別業界知見においては、各事業部には敵いません。一方で、例えば、近年株式市場では、アクティビストの活性化が資本政策に影響を及ぼすケースも増えていますが、そういった業界横断的な情報を全ての事業部員が常にフォローしているわけではありません。そういった金融市場の情報や将来のマクロ経済見立てを基に事業部と協議することで案件を推進するような動きもしています。
このように、社内外から集まる情報に対して高いアンテナを立て、当社の企業価値向上に繋がるアイディア構築と実現を主体的に追及する行動が求められる仕事です。

コトラ宮崎:
今までにご担当された、あるいはご担当している案件について、投資対象、投資額など、教えて頂けますでしょうか。

鈴木様:
直近で公表された案件だと、2023年1月の「三井物産によるTOBで、りらいあコミュニケーションズの完全子会社化後、KDDI子会社と経営統合する案件」です。TOBで投じる資金だけで約600億円規模だと思います。
本件については、外部FAは2022年3月からの本格関与と思いますが、CD・MA室は数年前から、最適パートナー選定を含む幅広い選択肢を事業部サポートというかたちで協議してきました。
その他にも、例えば、2021年11月の「米PEファンドと共同でのオランダの畜水産種苗企業Hendrix社への出資案件」にも関与しています。規模感は非開示ですが、対象会社は3500人以上の従業員、25ヵ国以上に展開する業界最大手の一角ですので、相応のサイズ感だと思います。
本件については、私自身がPEファンド出身ということもあり、共同投資家の米PEファンドのスキームや投資スタンスなど理解し、協業する上でのサポートが効果的に出来たように思います。
上記は一例で、常時対応している案件は5件以上あるので、多種多様な案件に触れる機会に恵まれています。

グローバル案件を中心とした豊富な案件機会

コトラ馬場:
グローバル業務の度合いについて教えていただけますでしょうか。また、海外出張や出向などはありますでしょうか。

鈴木様:
CD・MA室が対応するM&A案件の約90%は海外案件で、私自身も約80%が海外案件です。特に、私は個人的にアジアに興味があるせいか、アジア比率が約60%と嗜好に合う案件に恵まれています。
また、コロナ前はCD・MA室員が海外出張へ同行することも一人年1回以上の頻度でありました。コロナ後はウェブ会議などで代替した影響もあり、減っていましたが、足元再び増加傾向にあります。
CD・MA室卒業後のキャリアにおいても、どこかのタイミングで海外へ出向される方が約4割と、他キャリアとの比較においても海外経験を積みやすい環境だと思います。

コトラ宮崎:
CD・MA室での働き方、雰囲気はどうでしょうか。

鈴木様:
CD・MA室の場合、働き方はかなり柔軟で、最も効果的に付加価値が出せる働き方を、各室員が自由に選択しています。足元は出社強制規則もなく、月1回出社の室員もいれば、週3〜4回出社の室員もいます。
時間ではなく、付加価値の高さに対する意識の強さや個の意向尊重のカルチャーのせいか、勤務時間も室員によって様々で、人によって残業時間は月15時間程度の室員もいます。
私自身、前職までは資料作成や分析などのPCワークも多かったのですが、今は考える時間、社内外の人と会話・連携する時間、高い付加価値を出すために学ぶ時間が大半を占めています。

コトラ宮崎:
CD・MA室の今後の展望、今後のご自身のキャリアとして実現していきたいことについてお話いただけますか。

鈴木様:
CD・MA室の今後の展望として、ますます案件開発支援の重要性が高まっていると思います。特に業態進化に資する事業群・新ビジネス創出への挑戦を掲げていますので、事業本部だけでは検討劣後しやすい大胆な動きを求められていると感じます。
もちろん海外における案件開発支援にも注力していますので、海外拠点と連携したり、場合によっては出張するケースもあります。
私自身も今後のキャリアとして、M&Aに関する知見向上は継続的に取り組みますが、国際感覚や事業の現場に関する経験など、将来的に、投資をコアスキルとしつつ事業をグローバルに推進出来る人材を目指したいと考えています。

三井物産株式会社コーポレートディベロップメント本部

キャリアの選択肢は大きく拡大

コトラ宮崎:
どのようなスキルセット、マインドセットの方にジョインしてもらいたいとお考えでしょうか。

水谷様:
M&Aに関する一定の経験と、物事を本質的に考えられる力がある人、そしてM&A取引だけでなくその前後にある経営戦略や事業運営に関心がある人です。当社で関わる案件は業種もシチュエーションも地域も極めて多様なので、それを楽しむことができるような知的好奇心旺盛で勉強熱心な方がいいと思います。
CD・MA室からの異動先は事業部または出資先などの事業の現場になります。事業運営への興味のある方や、アドバイザーではなくプリンシパルとしてのキャリアを開発したい方には、適したキャリアの一つだと思います。

コトラ宮崎:
転職希望者へのメッセージをお預かりできますでしょうか。

水谷様:
M&A、投資をキャリアの軸として、幅を広げていきたい方には是非当社に挑戦頂きたいと思います。経験値アップに必須なディールフローの多さや案件の多様性に恵まれていますし、多様なIB、コンサル等社外プロフェッショナルとの接点、グローバルな舞台、様々な事業部門の専門家たちとコワークできることなど、成長に繋がる環境が揃っていると自負しています。当室経験後も海外勤務や事業会社でのマネジメント経験など、希望と熱意に応じて様々な成長機会が広がっています。
企業のパーパスという言葉が流行っていますが、当社のMVVは決して飾りではなく、日々の意思決定がこれに沿って行われていると感じています。日々の仕事が社会への貢献に繋がっていると素直に感じながら気持ちよく仕事ができる環境であることは自信を持ってお伝えできます。
転職先の選択はその先のキャリアの方向性を大きく左右することになりますが、プロフェッショナル系ファームから一度CD・MA室に参画し、またPEやIBに戻られる方もいますので、当室を経験することのダウンサイドはほとんどないと思います。一方、プロフェッショナルファーム経験しかない人を敬遠する事業会社も多いですので、当室を経ることで次のキャリアの選択肢は大きく広がると思います。
正式な選考プロセスへの応募の他、少しでもご興味をお持ちの方でCD・MA室の人材ニーズにマッチする方がいらっしゃれば、随時カジュアル面談も行っていますので、ぜひお気軽にお声がけください。

三井物産株式会社に
ご興味がある方へ

今回特集しました三井物産株式会社様の求人をご紹介します。
ご興味がある方は、下記ボタンよりぜひご応募ください。

■求人
M&A・事業投資推進

■業務内容
M&A・事業投資の専門部隊として、事業部門と一体となり、オリジネーションからエグゼキューション(事業部投資案件の買収前検討 DD 投資実行、PMI)に従事。
近年はオリジネーションに関する業務が増加しており、ビジネスインパクトの大きな案件を扱う機会も増加。

■必要スキル
・投資銀行、M&Aアドバイザリーファーム、投資ファンド、メガバンク等におけるM&A
・投資業務経験
・英語力(目安TOEIC800点以上)

コトラでは業界動向や今後のキャリアについて無料キャリア相談会を開催しております。
最新の採用動向や非公開求人情報などの情報提供をさせていただきます。
また、ざっくばらんな意見交換・ご相談をさせて頂きながら、理想のキャリアを歩むためのアドバイスをさせていただきます。 お気軽にご相談ください。

【三井物産】ビジネスコンサルティング室 中村様へのインタビューはこちら

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)