コトラ（広報チーム） 
英語習得に必要な学習時間とは
英語を効率的に習得するためには、どの程度の勉強時間が必要かを理解することが重要です。目指すレベルやゴールによって必要な時間は異なり、学習の計画を立てるうえで正確な目安を知ることが英語習得の近道です。このセクションでは、初心者の方が知っておくべき基礎的な学習時間や、学習時間に関する具体的なデータをご紹介します。
必要な英語レベルと目指すゴールに応じた学習時間
英語学習に要する時間は、ゴールによって大きく異なります。例えば、「日常会話をこなす程度」なのか、「ビジネスで流暢に話すレベルを目指す」のかで必要な努力が変わります。
例えば、日本人がゼロから英語を学び、基礎的なコミュニケーションを取る能力を身に付けるには、最低300～700時間程度が必要だとされています。さらに、ビジネス英語やネイティブレベルの流暢さを得るためには、3000時間あるいはそれ以上の勉強時間を要する場合もあります。
このため、まずは自身の目標レベルを明確にし、その目標を達成するために必要な時間を逆算して計画を立てることが大事です。
初心者が押さえておくべき基礎学習時間
英語をゼロから始める初心者にとって、基礎固めのための勉強時間は非常に重要です。はじめの段階では「どれくらいの時間を投入すべきか」が分からず、学習効率が低下しやすくなります。
初心者の場合、まず最初の100〜200時間はアルファベットや基本的な単語、文法を習得する時間として確保しましょう。この段階では学習内容がシンプルであるため、1日1時間程度でも続けることが効果的です。また、単語帳やリスニング教材を使うことで、リズムよく学習を進められるでしょう。
この基礎的な学習時間を確保することで、その後の応用的なスキル習得がスムーズになります。特に初心者が最初の段階で集中して学ぶことで、その後の英語学習が格段に楽になるでしょう。
FSIやCEFRなどのデータに基づく学習時間の目安
言語学習に関する研究機関である米国のFSI（Foreign Service Institute）は、英語の学習に必要な時間について興味深いデータを公開しています。それによれば、日本人が英語を習得するためには、約2200時間の学習時間が必要だとされています。また、ヨーロッパを基準としたCEFR（ヨーロッパ言語共通参照枠）のデータによれば、英語の習得度を示すA1からC2までの各レベルに必要な勉強時間の目安は以下の通りです。
- A1（基礎レベル）：約330～370時間
- A2（日常会話レベル）：約660～740時間
- B1（中級レベル）：約1300～1500時間
- B2（ビジネス会話レベル）：約1800～2200時間
- C1（上級レベル）：約2600～3000時間
- C2（ネイティブレベルに近い流暢さ）：約3700時間以上
これらの具体的な目安を参考に、自分がどのレベルを目指すのかを明確にすることで、無駄のない学習スケジュールを作成できます。
中学・高校英語が基礎として積み上げられる時間
日本での中学・高校英語の授業時間を基礎とする場合、その時間を英語学習の土台として活用することができます。具体的には、6年間で習得できる総学習時間は、約700～800時間程度とされています。この中には、英単語や文法、基本的なリスニング・リーディングスキルの学習が含まれます。
この時間は英語学習の重要なスタート地点として活用できます。しかし、中学や高校で学ぶ知識は一部に過ぎず、実用的なスピーキングやリスニング能力を高めるには追加の学習時間が必要です。特にリスニングやスピーキングの実践経験が不足している場合、これらを意識的に補う学習が求められます。
中学・高校英語を基盤とする場合、すでに700〜800時間を積み上げているため、応用力をつける段階ではさらに1000〜2000時間の学習を目安に取り組むと良いでしょう。
効率的な英語学習の時間配分
1日あたりにおすすめの学習時間とは
英語学習を効率的に進めるためには、1日あたりの勉強時間をしっかりと設定しておくことが重要です。1日の学習時間の目安は、目指す目標や現在の英語レベルによって異なります。例えば、初心者の方であれば1日30分から1時間程度を目安に無理なく始めるのがよいでしょう。この時間配分で英語に慣れ、習慣化を目指します。
一方で、短期で成果を求める場合は1日2〜3時間を確保すると効果が出やすいです。会話力や実践的なスキルを鍛えるには、週を通して3時間×7日間＝21時間以上を目標に設定することで、上達スピードが加速します。ただし、長時間勉強する際は、適度に休憩を挟むことと、集中力を保つ工夫が必要です。
短時間でも成果を上げるスキマ時間活用術
忙しい生活の中で英語学習を続けるには、スキマ時間の活用が鍵です。通勤や通学の間の15分、昼休みの10分といった短時間を積み重ねるだけでも、年間にすると膨大な学習時間を確保できます。例えば、通勤時にリスニング教材を聞いたり、アプリでボキャブラリーを学習することで、短い時間でも効果的に取り組むことができます。
また、寝る前や食事後のちょっとした隙間に英語の日記を書く、または短い記事やニュースを読むこともおすすめです。重要なのは、自分のライフスタイルに合った方法を見つけ、無理なく負担なく英語学習を生活の一部に組み込むことです。
週単位で効果が見える学習スケジュールの立て方
週単位で学習スケジュールを計画することで、日々の進捗を確認しやすくなり、モチベーションも維持しやすくなります。例えば、月曜日から金曜日まで平日は1日30分〜1時間、集中して学び、週末には1日2時間程度の復習や実践的な学習を取り入れると効率が良いです。
具体的には、月〜金の平日に語彙や文法を中心に基礎を固める学習を行い、土曜日や日曜日にはリスニングやスピーキングといったアウトプットに時間を充てる方法がおすすめです。さらに、週の終わりに進捗を振り返り、達成した学習項目や課題を確認することで、翌週以降の計画が立てやすくなります。
社会人や学生における時間確保のコツ
時間に追われる社会人や学生が英語学習を進めるためには、計画的な時間確保が非常に重要です。まずは優先順位を見直し、不要な時間の使い方を減らします。例えば、SNSやテレビを見る時間を少し削り、その分を英語学習に充てるだけでも効果があります。
さらに、社会人には通勤時間やランチタイムを活用した「ながら学習」が効果的です。一方、学生の場合は授業や課題の合間を利用して英語学習を進められます。また、1週間の中で特定の日を「英語集中デー」に設定することも、効率的に時間を確保するコツの一つです。効率良く時間を使うことで、学習効果を最大限に引き出せるでしょう。
初心者向けの効率的な勉強法
科学的に証明された効率的な英語学習法とは
英語学習の効率を上げるためには、科学的に立証された学習法を取り入れることが重要です。たとえば、「間隔反復学習（スパーシング）」は記憶を定着させる効果的な方法として知られています。この方法では、時間を空けた復習を繰り返すことで単語やフレーズを長期間保持できます。また、アクティブリコール（能動的想起）を活用して復習中に自分で答えを思い出すことは、理解度を深めるために有効です。
さらに、インプットとアウトプットのバランスをとることも重要です。リーディングやリスニングを通じて英語の基礎知識を増やす一方で、スピーキングやライティングを通じて実際に使う練習を行うことで、学習効果を最大化できます。
リスニング・スピーキングへの時間の振り分け方
英語のリスニングやスピーキングに割く時間は、目指すゴールや自身のレベルによって異なります。初心者の場合、リスニングに重点を置くことで英語特有のリズムや発音に慣れることが推奨されます。1日の学習時間が1時間であれば、そのうち40分をリスニング、残り20分をスピーキングにあてると良いでしょう。
リスニングの際は、ただ聞き流すだけでなく、シャドーイングやディクテーションといったアクティブな練習を取り入れるのがおすすめです。スピーキングに関しては、簡単な自己紹介や日々の出来事について英語で話す練習から始めると、自信と実用性を身につけやすくなります。
文法と語彙を効率よく学ぶテクニック
文法や語彙は英語学習において欠かせない要素ですが、学習時間を効率的に使うためには工夫が必要です。文法に関しては、すべてを一度に覚えようとするのではなく、まずは頻出文法（例えば、現在形、過去形、疑問文など）から優先的に学びましょう。文法書だけでなく、実際の文章や会話の中で文法を確認することが、理解を深めるコツです。
語彙の学習では、単語帳やフラッシュカードを活用するほか、関連するフレーズや例文と一緒に覚えると実践で役立ちやすくなります。また、トピックごとに語彙を集中的に学ぶ方法も効果的です。たとえば、旅行英語やビジネス英語など、具体的なシチュエーションを想定して必要な単語を学ぶと、学習モチベーションもアップします。
オンライン学習ツールとアプリの活用法
現在では、多くのオンライン学習ツールやアプリが、初心者にとっての英語学習サポートを提供しています。これらのツールを活用することで、効率的に学習を進めることが可能です。たとえば、「Duolingo」や「Memrise」は短時間で楽しみながら語彙や文法を学ぶのに適しています。また、「BBC Learning English」や「Voice of America」などの無料リスニングリソースは、リスニング力向上に効果的です。
さらに、スピーキング中心のアプリとしては、「HelloTalk」や「Tandem」がおすすめです。これらのアプリを利用すれば、ネイティブスピーカーや学習仲間と手軽に会話練習ができます。オンラインツールを賢く活用することで、忙しい日々の中でも限られた学習時間を最大限に生かせるでしょう。
学習時間を短縮するための秘訣
短期間集中学習のメリットとデメリット
短期間で集中して英語を勉強することには、効率よく習得を目指せるという大きなメリットがあります。例えば、1日3時間以上の学習を数ヶ月間続ければ、短期間で上達を実感することができます。この方法の優れた点は、集中力が高まるため記憶の定着も早く、モチベーションを維持しやすいことです。また、同じ学習内容を繰り返す回数が増えるため、理解が深まるという効果も期待できます。
一方で、短期間集中学習にはデメリットもあります。無理なスケジュールを組むと、疲労やストレスが蓄積し、挫折しやすくなる可能性があります。また、長期的な学習プランがないまま短期集中に終始してしまうと、習得したスキルを使いこなせなくなる恐れもあります。短期間集中型の学習を取り入れる際は、無理のない範囲で計画的に取り組むことが重要です。
モチベーション維持で学習継続率を上げる方法
英語の勉強を継続するためには、モチベーションを維持することが重要です。まずは、小さな成功体験を積み重ねることから始めましょう。例えば、「今日は英単語を10個覚えた」「5分間スムーズに英語のリスニングができた」など、達成しやすい目標を立てると効果的です。達成感が次へのやる気につながります。
さらに、自分が英語を学ぶ理由を明確にすることも大切です。「海外旅行で英語を使いたい」「仕事で必須だから」といった目標を具体化することで、自分の進むべき道がはっきりします。また、勉強を楽しむ工夫として、好きな海外ドラマや映画を観たり、英語を使ったSNS交流をしたりするのも効果的です。モチベーションを保ちながら英語学習を続ける環境を作りましょう。
学習効果を加速させる環境づくり
効率的に英語を習得するには、英語を身近に感じられる環境を整えることが重要です。例えば、自宅で英語のポスターやフレーズカードを貼ったり、朝晩に英語のポッドキャストやラジオを聴いたりすることで、日常生活の中に自然と英語を取り入れることができます。「耳から覚える」環境を作ることでリスニングスキルが向上し、時間を有効活用できます。
また、オンライン学習ツールやアプリを活用するのも良い方法です。これらはスマートフォンさえあればいつでもどこでも始められるため、スキマ時間を活用した学習が可能です。大事なのは、自分に合った学習方法やツールを選び、英語に触れる時間をできるだけ増やすことです。英語漬けの環境を意識的に作ることで、学習効果を大幅に高めることができます。
逆算式のスケジュール設計で成果を出す
目標達成を目指すために、逆算してスケジュールを組むことが効果的です。例えば、「6ヶ月で英語の日常会話をマスターする」というゴールを設定した場合、1日に必要な学習時間を逆算して割り出します。この方法で、必要な時間を明確にした上で具体的な学習プランを立てることができます。
さらに、学習の進捗を定期的に確認することも大切です。週ごとに達成すべき内容をリスト化し、振り返りを行うことで、自分がどれだけ進んでいるかを把握できます。その過程で、必要な箇所を修正し、柔軟に計画を調整することが可能です。明確なゴールと計画的な時間管理が、効率的な英語習得への鍵となります。
