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HR Techがもたらす人事の未来~これからの人事に求められるものとは

人事の業務と聞くと、採用担当、人事制度策定、社員評価、育成など会社を支える裏方のようなイメージを持っている方が多いのではないだろうか。かつてはそのイメージでも間違っていなかった。しかし、現代の人事は経営者と肩を並べ、より会社の経営に参画することが求められるようになっている。それに付随し転職市場には「タレントマネジメント」「HCMコンサルタント」など新しいポジションが多く見受けられるようになった。

近年は、「CHRO(Chief Human Resource Officer=最高人事責任者)」というポジションを置く企業も増え、ますます人事が会社経営に与える影響が大きくなっている。

今回は「HR Tech」などのテクノロジー視点から現代の人事に求められていること、それに付随した人事関連ポジションを紹介したい。

PART1.「今、人事には何が求められているか?」

– 人事の役割
– 人事領域にデジタルが求められる背景
– デジタル技術が活用される場面

■人事の役割

人事のミッションは「人材を活用し組織を発展させること」。採用、育成、評価など社員と直接的に関連する事項を幅広く担当する。従業員が活躍できるインフラを構築し、会社組織の活性化を目指す。「人」に関する業務のため正解がなく、またその時々の時代背景で求められることが異なるため、人事担当者には柔軟性が求められる。

■人事領域にデジタルが求められる背景

インターネット、モバイルが一般生活者に普及していくに伴い、消費者や企業の購買行動が多様化している。新たに生み出されたものには、すぐさまレビューが付き、口コミをきっかけに購入をすることも珍しくない。企業の宣伝活動は必ずしも意図した通りの結果を出せなくなっているが一方で、競争力の弱い小さな企業であっても大企業と戦える時代となった。

このような、ビッグデータが各所に活用されるようになった時代には、従来のような大量生産型のビジネスモデルはそぐわない。個々の異なる消費者のニーズに応え、最適なサービスを提供ことが現代の企業に求められている。

多様化しているのは、購買行動だけではない。昨今盛り上がりを見せている「働き方改革」のように、個人の働き方、生き方も多様化し続けている。また、少子高齢化の影響で日本は人口減少が続く見込みだ。不景気による採用難とは違い、労働人口の減少が原因のため自然に改善がされるものではなく、恒常的な労働力不足が避けられない状況となっている。

人事部そのものも、これまでのように人員を割いて対応することは難しくなっていくことが予測される。変化し続ける社会環境の中で、コンプライアンスの強化を図りながら、企業の舵取り役を担うのが現代の人事部門である。限られたマンパワーで、より高いレベルの成果を求められており、変革の柱としてテクノロジー導入が推し進められている。

■デジタル技術が活用される場面

デジタル技術の導入は「コスト削減」と「人事の可能性拡大」大きく2つの目的で行われる。具体的に企業での活用事例をいくつか紹介したい。

Netflix─11の基幹系アプリケーションを統合し、部門間サイロも解消

世界190カ国でエンターテイメント映像コンテンツを配信する米Netflix(ネットフリックス)。1997年、DVDレンタルから出発し、2007年に現在の業態に舵を切ってから成長が急加速、2019年7月には有料会員数が1億2500万人に達した後も勢いを増して伸び続けている。現在の従業員数は9000人を超えるという。そんなNetflixがWorkday HCMを初めて導入したのが2012年。後に財務管理のFinancial Managementや給与計算管理のPayroll、調達管理のProcurementも導入している。

導入以前は人事・財務領域で合わせて11の基幹系アプリケーションを稼働していた。社員はアプリケーションごとに異なるUIの使い分けを強いられて業務が煩雑化、社内では追いつかずにBPO(業務プロセスアウトソーシング)でしのいでいたという。HCMの導入により人材管理、給与計算が統合され、単一のUIの下、社内スタッフのみで業務をまかなえるようになり、その効率性やアジリティも向上。また、人事・財務・ITの部門間にあったサイロが解消され、情報共有も活発化した。

エーオン─人事・財務データの統合でボトルネック発見やリスク予見を可能に

1919年創業の米エーオン(AON)は、経営リスクマネジメントや人事コンサルティング、保険事業を120カ国以上で展開するグローバル企業だ。世界各国の拠点に約7万2000人が勤務するという規模から、同社では、サイロ化した膨大な人事や財務のシステムの統合など不可能と考えられていたという。そしてグローバルレベルでの管理やガバナンスが限界に達し、グローバル企業の間で採用が増えていたWorkdayを検討、HCMとFinancial Managementを採用した。

サイロ化の解消もさることながら、人事と財務を1つのシステムに統合して得られた効果は大きかった。例えば、HCMからあるプロジェクトの人件費を抽出し、Financial Managementの財務データと組み合わせることで、プロジェクトの収益性を掘り下げて分析し、基になる要因を迅速に把握できるようになったという。

また、各国の現場担当者がグローバル共通システムの下、必要なデータに必要なタイミングでアクセス・分析できること、そこから有用なビジネス上の洞察が得られることも可能になった。同社がWorkdayの利用を通じて実現した適切な人員配置やリスクの予見は、顧客からの信頼向上にも寄与している。
IT Leaders「人事・人材管理こそ戦略投資─AIや拡張アナリティクスが導くHRM/HCMの近未来」参照

これらの事例のように、HRテクノロジーの進化によって、人事は社内に眠る多種多様で膨大なデータを整理し、その分析結果に基づいた科学的な打ち手を検討できるようになった。経験や勘といった属人的なスキルに頼らざるを得ないことが多かった人事の世界が大きく変わりつつある。

PART2.「戦略人事を実現するためのHRサービス」

– 戦略人事
– 戦略人事を実現するための、「HR Tech」とは?
– 「HR Tech」の代表的なサービス
– 「HR Tech」の導入メリット
– これからの人事に求められること

■戦略人事

戦略人事とは、「戦略的人的資源管理」のこと。経営戦略に深く関わる人事部を想定し、企業の経営目標や経営計画の実現と人的マネジメントを関連付ける人事であることから、従来の人事部の業務にはない視点だと、注目を集めている。

経営戦略の実現と経営資源の一つ「人的資源」のマネジメントを結びつけ、人的資源を最大限活用して企業戦略という成果を最大化させることを目的としている。業界内でのポジション、売上の目標額、社会貢献のあり方など目的を達成するために社員や会社のお金などのリソースをどのようにして使っていくかをデザインする。

戦略人事では、経営戦略を基に人材戦略をたてるため、経営の状況に応じた人材活用がしやすいというメリットがあり、採用や人材配置にタイムラグがなく、スピーディーな対応が可能となる。企業によっては「CHRO(Chief Human Resource Officer=最高人事責任者)」を設置し、従来の人事部長が担っていた単に経営陣が決めた方針を実現するという役割を超え、経営陣の一人として積極的に経営に参画することが求めている。

■戦略人事を実現するための「HR Tech」とは?

「戦略人事」に注目が集まるとともに、それらを効果的に実現する手段として「HR Tech」が盛り上がりを見せている。
HR Techとは、人事を意味する「HR:Human Resources」と、技術を意味するTechnology」を組み合わせた造語であり、Human Resources Technologyの略。人事領域にデジタル技術を活用する考え方や、サービスのことを表す。

テクノロジーの発達によってこれまではデジタル化が難しかった人事領域でも効率化やパフォーマンスの向上が可能になりつつある。

■「HR Tech」の代表的なサービス

1.人材管理
経歴や実績、給与、等級といった社員データを一元的に管理、必要となる情報を集約してマネジメントを効率化し、戦略的な人材の適正配置や人材育成に活用する。「タレントマネジメント」とも呼ばれる。従業員能力の最大活用によって、組織全体のパフォーマンスの向上を実現させる。

ビッグデータ、AI解析などの発展により、適正配置モデルの構築、退職予想モデルの構築、ハイパフォーマー分析などこれまでの人事業務ではできなかったことが可能となり人事の可能性が広がった。

ex:あしたのクラウドHR、MINAGINE 人事評価など

2. 勤怠管理
PC、スマートフォンでの打刻、勤務シフトの作成管理、給与計算ソフトと連携した給与額の決定、有給、残業、出張などの各種申請をシステム上で管理。

ex:ジョブカン勤怠管理、CLOUZAなど

3. 採用管理
応募者の履歴書管理や選考プロセスの進捗状況、面接評価の記録管理、応募者とのメールのやり取りなどの採用業務をシステム上で一元管理。

ex:Profile Manager、Performance Cloudなど

4. 労務管理
従業員の個人情報、社会保険、年金、給与計算などをシステムで管理。年末調整や源泉徴収票、マイナンバーなどの申請業務も行うことができる。

ex:Smart HRなど

■「HR Tech」の導入メリット

1.業務の効率化
これまで人事担当者が手作業で行っていた業務を、HR TechのRPA機能を用いることで自動化することができる。
作業に時間を要していた業務を効率的に行えるようになるため、人事担当者の業務負担を減らし他の作業に時間を充てることができるようになる。

2. ミスの削減
紙媒体での手続きであれば記入漏れ、記入ミスなどが発生する可能性があるが、申請を入力をデジタル化すれば、機械がミスや漏れをチェックしてくれるため、業務の質の向上になる。

また個人情報を各人がEXCELファイルなどで分散管理していると、情報漏洩のリスクが高まる。情報漏洩は会社の信用問題に関わり、経済的、社会的な損失につながる危険性がある。HR Techシステム上で情報を一元的に管理することにより、これらリスクを減らすことができる。

3. データ分析ができる
HR Techには様々なデータを定量的に分析し活用するツールが搭載されている。従業員の能力や特性を明確にすることで、これまで人事担当者が「勘」や「経験」をもとに属人的な判断を行っていたことを解消し、どのポジションでより力を発揮するのかデータに基づいた判断を下すことにより、適材適所の人事を行うことができるようになる。

生産性を向上させるだけでなく、離職率や退職率を分析することで企業、部署が抱える課題を明確化することもできる。蓄積されたデータを分析することで、これまで見えなかった側面から組織に変化をもたらすことができる。

■これからの人事に求められること

HR Techはいずれのサービスも、人事に紐づく情報をリアルタイムに管理・活用する事ができることが特徴だ。ブラックボックスになりがちだった人事情報を、データで可視化することにより、人事戦略を考える上で非常に役立つことだろう。

しかし、HR Techは戦略人事を進めるためのあくまでも補助に過ぎない。人事は自社の事業環境、経営戦略を経営者と同じレベルまで理解を深めた上で、組織を俯瞰し経営者と同じ視座を持つということが一層求められる。各人事業務に対するHR Techサービスが存在する中で、それらを人事戦略と照らし合わせ、どう有効的に活用するかが企業人事として問われている。

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