コトラ（広報チーム） 
総務に資格は必要？役割とスキルを考える
総務の業務で求められるスキルとは
総務は、企業の「縁の下の力持ち」として社内業務の効率化や環境づくりをサポートする非常に幅広い役割を担います。そのため、求められるスキルも多岐にわたります。具体的には、備品管理や経費計算といった事務処理能力、社員の働きやすい環境を整えるための調整力、さらに各種法務知識や労務管理に関する専門知識も必要とされます。
加えて、総務は社内外の窓口になるポジションでもあるため、コミュニケーション能力や調整力も重要となります。これらのスキルは、日々の業務を通じて培うことができますが、資格を取得することで体系的な知識を習得できる点で大きな助けとなります。
資格取得のメリットと転職での評価
総務の仕事において資格は必須ではありませんが、取得することでいくつかのメリットがあります。まず、資格の勉強を通じて業務に直結する知識を体系的に学べる点です。総務の業務は多岐にわたり、法務や労務管理といった専門的な領域に深く関わるケースもあるため、資格を通じてこれらの知識を得られるのは大きな利点です。
また、転職の際には、資格があれば採用担当者に自己のスキルを証明できる点で有利になります。たとえば、「社会保険労務士」や「日商簿記検定」のような資格を所有していることで、労務管理や経理業務に必要な能力がある程度保証されるため、即戦力として評価されやすい傾向があります。
さらに、資格取得への取り組み姿勢自体が「向上心を持ってキャリアアップを目指している人物」としてプラスの印象を与える点も見逃せません。
資格なしでも総務になれる？その限界と可能性
結論から言えば、資格なしでも総務としてのキャリアを始めることは可能です。総務の業務には基本的な事務処理や調整業務から高度な専門知識を要する分野まで幅が広く、すべてを資格に頼る必要はありません。未経験者でも実務を積み重ね、少しずつスキルを磨くことで総務として成長していける環境は多く存在します。
ただし、一定以上の専門性が求められる労務管理や法務対応などでは、資格の知識があればより効率的かつ正確に仕事を進めることができるため、必要性が高まることもあります。また、資格なしではキャリアアップや転職市場での競争力が低くなる可能性があるため、長期的に見据えた場合には資格取得を検討すると良いでしょう。
資格がなくても一歩を踏み出すことはできますが、自身の成長速度や将来のキャリア展望を考えた際、やはり資格を取得しておくことがスキルアップの近道となるケースが多いのです。
おすすめの資格ランキング10選
1. 社会保険労務士（社労士）
社会保険労務士（通称：社労士）は、労働法や社会保険に関する専門知識を持ち、社員の働きやすい環境作りを後押しする役割を担います。総務業務では労務や人事管理を担当することが多いため、社労士の資格を取得することで高い専門性を活かすことができます。特に給与計算や社会保険の手続き、就業規則の作成などで活躍でき、幅広いスキルアップが可能です。ただし、合格率が6～7％と低いため、試験対策にはしっかりとした準備が必要です。
2. 簿記検定
総務の中でも経理や会計業務を担当する場合、簿記検定は非常に役立つ資格です。日商簿記検定は受験者数も多く、3級から1級まで幅広いレベルがあります。基礎的な会計知識が身につく3級、実務に直結する2級は特に人気です。総務では、経理との連携や経費の管理が求められることも多いため、簿記の知識があることで仕事の幅が広がります。合格率は試験のレベルによりますが、10～50％程度と挑戦しやすいのが魅力です。
3. 行政書士
行政書士は、法律に関する知識が問われる資格で、行政機関への申請書類の作成や、契約書作成のサポートをする業務が特徴です。総務業務では契約書や規約関連の作成・修正に携わることがあるため、この資格を持っていると仕事を効率的に進められるでしょう。また、企業の法務部門や人事部との連携もスムーズに行えるため、総務における専門性を高めることができます。ただし難易度は高く、合格率は10％前後と低めです。
4. 人事総務検定
人事総務検定は、総務や人事に特化した実務的な知識を学べる資格です。試験では労務管理、経理、法務といった総務業務全般にわたる内容が出題されるため、初めて総務に挑戦する方にもおすすめです。この資格を通じて、総務に必要な基礎スキルを効率よく習得でき、実務にも応用することができます。合否判定方式は公表されていないものの、比較的取得しやすい資格といえます。
5. ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務検定は、企業における法務関連業務に必要な知識を身につける資格です。特に契約書やコンプライアンス対応、トラブル防止のための基礎知識を深めることができます。総務が担当する法務関連の業務は多岐にわたり、この資格があると現場での即戦力として評価されることも少なくありません。試験は3級から1級までのレベルが用意されており、3級は法務初心者でもチャレンジしやすい内容となっています。
資格選びのポイントと活用方法
難易度と学習時間のバランスを考える
総務に関連する資格を選ぶ際、まず考慮したいのは資格の難易度と学習時間です。例えば、社会保険労務士や中小企業診断士のような資格は難易度が高く、学習時間も長期間にわたることが一般的です。一方で、人事総務検定やビジネス実務法務検定などは、比較的取り組みやすく初心者にも適しています。自身のスケジュールやモチベーションを考え、無理なく学べる資格を選ぶことが重要です。また、短期間で合格可能な資格を取得して成功体験を積むことで、徐々に難易度の高い資格に挑戦するといったステップアップもおすすめです。
職場で活かせる実務に直結した資格とは
総務の業務は幅広いため、資格選びにおいては実務に直結したものを選ぶと効果的です。例えば、日商簿記検定は経費管理や帳簿作成のスキルを習得でき、経理業務を担う総務の仕事に役立ちます。また、衛生管理者は労働環境の改善や安全管理に貢献する資格として注目されています。さらに、マイクロソフトオフィススペシャリスト（MOS）は、資料作成やデータ分析能力を向上させるため、日常業務にすぐに活用できる実務スキルを高めるのに適しています。このように、現場での課題解決や成果向上に直結する資格を選ぶことで、直属の上司や同僚からの評価を得やすくなります。
キャリアプランや興味に合わせた選択
資格を選ぶ際は、自分のキャリアプランや興味を基準にすることも大切です。将来的に総務の分野でキャリアアップしたい場合、社会保険労務士や行政書士のような専門性の高い資格を検討するのも良いでしょう。一方で、労働管理や労務トラブルに関心がある場合は、メンタルヘルス・マネジメント検定や外国人雇用管理士などの資格が役立つ場面があります。また、資格を通じて新たな分野への興味を広げることも可能です。自身の興味と将来の目標を明確にすることで、資格取得によるスキルアップをより効果的に進めることができるのです。
資格取得後の活躍の場とスキルアップの道
資格を活かした総務キャリアのステップ
資格取得は総務職におけるキャリアアップの一歩となります。具体的には、社会保険労務士や簿記検定を取得することで、給与計算や労務管理、財務関連の業務をより正確かつ効率的にこなせるようになります。また、こうしたスキルは単なる事務処理ではなく、企業全体の運営にも直接関わる重要な役割を担います。資格を活かして業務の幅を広げることで、管理職への昇進や他部署への異動など新しいステージに挑戦する機会も増えるでしょう。特に大企業では、資格を持つことで専門性の高いポジションに採用されるケースもあります。
資格取得者が評価されるシーンとは
総務に関連する資格を持つ人は、その専門知識やスキルを理由に職場で高く評価されることがあります。例えば、社内で労務トラブルが発生した際や法改正への対応が求められる場合、資格を持つ人は信頼される存在となります。さらに、新しいシステムや体制を導入する際に、知識を活かしてそのプロセスをスムーズに進める役割を担うことができます。また、資格保持者はコンプライアンスの観点でも信頼されやすく、採用選考や内部昇進の場でもプラスに働くことが多いです。
将来に向けてスキルを磨き続ける方法
資格を取得した後も、総務職として活躍するためには継続的なスキルアップが欠かせません。資格勉強で得た知識を実務で実践することはもちろん、業務に関連する新しい法律や規制、最新の業務ツールの習得を怠らないことが重要です。たとえば、業務効率化を目的に「Tayori」などのツールを活用し、現場の課題を積極的に解決していく姿勢は評価されるポイントとなります。さらに、中小企業診断士やビジネス実務法務検定のような資格で得た知識を深掘りし、企業運営や法務のアドバイザーとしての役割を担うといった目標を掲げると、キャリアの幅が広がります。長期的な視野を持ち、好奇心を持ち続けることがスキルを伸ばす鍵と言えるでしょう。
