あなたのWi-Fiルーターは安全?すぐにチェックすべき10のポイント

1. Wi-Fiルーターのセキュリティリスクとは

ルーターの脆弱性が引き起こす問題

Wi-Fiルーターは家庭やオフィスのネットワークの中核を担うデバイスですが、その脆弱性が放置されると深刻なセキュリティ問題を引き起こします。例えば、古いファームウェアを使用している場合、既知の脆弱性を悪用され、第三者による不正アクセスやデータの盗聴が発生する可能性があります。さらに、管理者パスワードが初期設定のままだと、非常に簡単に侵入され、ネットワーク全体が危険にさらされます。このような事態は、個人情報の流出やIoT機器の不正利用を招くため、日常的な脆弱性の確認が不可欠です。

よくあるサイバー攻撃の例

Wi-Fiルーターを標的としたサイバー攻撃には様々な手口があります。その中でも頻繁に見られるのが、デフォルトの管理者パスワードを利用した侵入や、旧式の暗号化方式(例: WEP)を破る試みです。このような攻撃手法は、高度なスキルを持たない攻撃者でも実行可能です。また、ファームウェアの脆弱性を突き、マルウェアをルーターに仕込む攻撃も増えています。これにより、被害者のネットワークがボットネットの一部となり、他の攻撃の踏み台になるケースも確認されています。

最新の攻撃手法とその動向

最近は、より巧妙な攻撃が増えています。一例として、OSコマンドインジェクションの脆弱性を悪用し、ルーターを完全に乗っ取る手法があります。この攻撃は、対象デバイスの管理システムにコマンドを送信することで実行されます。また、デバッグ機能が不正に有効化されるケースも確認されており、外部からの侵入が容易になる状況が生まれています。さらに、リモートワークの増加により、家庭用Wi-Fiルーターへの攻撃は過去に比べて顕著に増加しています。これらの背景から、ルーターの脆弱性を常に確認し、最新の防御策を講じることが求められています。

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2. 確認すべき基本的な設定

初期パスワードの変更

ルーターを設置した際に、最初に行うべきセキュリティ対策の一つが「初期パスワードの変更」です。デフォルトのパスワードは他のユーザーも知っている可能性があり、これをそのまま使用していると、不正アクセスのリスクが高まります。特に、管理用パスワードは複雑で推測されにくいものに変更しましょう。パスワードには、数字、大文字、小文字、記号を組み合わせることで強力なものにすることが推奨されます。

ファームウェア更新の重要性

ファームウェアはルーターを制御するソフトウェアであり、これを常に最新の状態に保つことは極めて重要です。最新のファームウェアには、既知の脆弱性に対する修正や改善が含まれています。更新が行われなければ、ハッカーがこれらの脆弱性を悪用し、不正アクセスに結びつく可能性があります。そして、ファームウェア更新は必ず正規のサイトからダウンロードして行い、偽サイトや不正なソフトウェアに警戒してください。

SSIDを隠しているか確認

Wi-FiルーターにはSSID(Wi-Fiネットワーク名)をブロードキャストする機能がありますが、これを隠す設定にすることでセキュリティを向上させることができます。見知らぬ人がSSIDを検知できない状態にすることで、不特定多数の攻撃者がターゲットにする可能性を下げられます。管理画面からこの設定を確認し、「SSIDを非表示(ステルスモード)」に変更しておくことを検討してください。

強力な暗号化方式の選択(WPA3推奨)

暗号化方式はWi-Fiのセキュリティを決定する重要な要素です。現代では、WEPやWPAではなく、最新の暗号化方式であるWPA3を使用することが推奨されています。WPA3は過去の暗号化方式に比べて、より強力なセキュリティを提供し、ブルートフォース攻撃やその他の脆弱性を防ぐ効果があります。ルーターの管理画面で暗号化方式を確認し、WPA3に設定変更することをお勧めします。ただし、古い機器ではWPA3に対応していない場合があるため、対応機器の買い替えも検討してください。

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3. 使用中のルーターの脆弱性をチェック

診断ツールを活用する方法

ルーターの脆弱性を確認するためには、専門の診断ツールを活用することが効果的です。診断ツールは、ネットワーク内のルーターに潜む脆弱性やマルウェア感染の可能性を迅速に把握する手段として利用されています。例えば、「am I infected?」のような無料の診断サービスは、家庭用ルーターの状態を簡単にチェックすることが可能です。このようなツールを定期的に実行することで、リスクを早期に発見し、適切な対策を講じることができます。

am I infected? の利用方法

「am I infected?」は横浜国立大学が提供するWi-Fiルーター専用の診断サービスです。このサービスでは、ルーターがマルウェアに感染している可能性や、ファームウェアに脆弱性が存在するかどうかを確認できます。利用手順は非常に簡単で、まず診断対象のWi-Fiルーターに接続した状態で「am I infected?」の公式サイトにアクセスします。その後、画面の指示に従って必要事項を入力し、「感染診断をはじめる」をクリックするだけです。診断結果は、おおよそ1分で完了し、登録したメールアドレスに詳細なレポートが送付されます。特に、定期的な診断が重要で、感染の兆候や脆弱性がないかを継続的に確認する習慣をつけましょう。

サポートサイトでの脆弱性情報の確認

使用中のルーターが最新のセキュリティ対策を受けているかどうかを確認するためには、製造元の公式サポートサイトを定期的にチェックすることが重要です。多くのルーターメーカーは、ファームウェアのアップデートや脆弱性修正の情報を公開しています。最新のアップデートが提供されている場合は、リリースノートを読み、その内容に基づいてアップデートを適用しましょう。また、もしサポートの終了が発表されている機器を利用している場合、そのルーターは新たな脆弱性に対応できなくなる可能性が高いため、できるだけ早めにセキュアな新機種への切り替えを検討することが大切です。いつでも脆弱性情報を意識し、安全なネットワーク環境を維持するよう心がけましょう。

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4. トラブルを防ぐための日常的な対策

正規のサイトからのみファームウェアをダウンロード

ルーターのセキュリティを保つためには、常に最新のファームウェアを使用することが重要です。しかし、正規のメーカーサイトからダウンロードしないと、不正なソフトウェアをインストールしてしまう可能性があります。この場合、ルーターの脆弱性を悪用されるリスクが大幅に高まります。公式サイト以外で提供されるファイルにはマルウェアが混入しているケースもあるため、十分に注意しましょう。

接続機器の管理と不要な機器の削除

ルーターに接続されているデバイスを定期的に確認し、使っていないものや見覚えのないデバイスを削除することも重要です。不要な機器が残ったままだと、それらのデバイスが脆弱性を持っている可能性があり、さらなるサイバー攻撃の入り口となりかねません。多くのルーターでは、接続されたデバイスの一覧を管理画面で確認できますので、不審な機器を発見した場合はすぐにアクセスをブロックする対策を取ってください。

定期的なログチェックで異常を発見

ルーターの管理画面には、通常、接続や動作に関するログ情報が記録されています。このログを定期的にチェックすることで、不審なアクセスや異常なデータ通信を早期に発見することができます。不正アクセスやハッキングの兆候が見られる場合、すぐに対策を講じることが大切です。例えば、突然大量のデータ通信が行われたり、見知らぬIPアドレスが接続していたりする場合は要注意です。

自動更新機能の有効化

ルーターの多くには、ファームウェアの自動更新機能が備わっています。この機能を有効にしておくことで、ルーターは常に最新のセキュリティパッチを適用した状態を保つことが可能です。最新の更新が適用されていない場合、既に知られている脆弱性を利用されるリスクが高まります。自動更新機能を使うことで、常に安全な状態を維持し、サイバー攻撃のリスクを軽減することができます。

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5. もしハッキングされたらすべきこと

ルーターのリセット方法と再設定

もしルーターがハッキング被害を受けている兆候を発見した場合、まず最初にルーターをリセットすることを検討しましょう。多くのルーターには、リセットボタンが装備されており、これを数秒間押し続けることで工場出荷時の設定に戻ります。ただし、リセットをする前に必ずインターネットサービスプロバイダーから提供されたセットアップガイドを確認し、再設定に必要な情報を手元に用意しておくことが重要です。

リセット後は、以下を念入りに確認・設定してください。

  • 初期パスワードを変更する : 脆弱性を防ぎ、不正アクセスを防止します。
  • 最新のファームウェアをインストールする : セキュリティアップデートによる保護が可能です。
  • SSIDを変更し、不要に外部に公開されない設定にする : 身元の特定を避けられます。

これらを行うことで、再度利用する際の安全性を確保できます。

被害拡大を防ぐ迅速な対応策

ハッキングが疑われる場合、被害が拡大する前に迅速な対応が求められます。まず、ルーターに接続している全デバイスを一旦ネットワークから切断してください。その後、不審なファイルやソフトウェアがデバイスにインストールされていないか確認し、必要に応じてセキュリティソフトを利用してスキャンを実施します。

また、「am I infected?」のような診断ツールを活用して、使用中のルーターの脆弱性や感染状況を確認するのも効果的です。このツールは、Wi-Fiルーターを通じた検査を行い、問題が検出された場合には具体的な解決策を提案してくれます。

さらに、インターネットサービスプロバイダーからの通知やアカウントアクティビティを確認し、見覚えのないログインや不審な動きを特定してください。それでも解決しない場合は、次に説明するサポート窓口への連絡を検討してください。

サポート窓口への問い合わせ

自力での解決が難しい場合は、ルーターの製造元やインターネットサービスプロバイダーが提供するサポート窓口に迅速に連絡を取りましょう。例えば、ハッキングによって発生した症状や問題点を詳細に説明することで、具体的な対応策を案内してもらえます。

また、サポートの際には、ルーターのモデル番号や現在使用しているファームウェアバージョンを事前に確認しておきますと、スムーズに問題解決が進みます。さらに、サポートが終了しているルーターを使用している場合は、サポート継続中の新しい製品への買い替えも推奨されるケースがあります。

被害を最小限に抑えるためにも、迅速に適切な対応策を講じることが重要です。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

金融、コンサルのハイクラス層、経営幹部・エグゼクティブ転職支援のコトラ。簡単無料登録で、各業界を熟知したキャリアコンサルタントが非公開求人など多数のハイクラス求人からあなたの最新のポジションを紹介します。