基本情報技術者試験」2023年の大改定!知っておくべき新制度とは?

2023年の制度改定の背景とは?

1969年の制度発足以来、最大の改訂とされる理由

基本情報技術者試験は1969年に制度が発足して以来、IT業界の基礎を担う重要な資格として位置づけられてきました。しかし、今回の2023年の改定は、過去に例を見ないほど大規模な変更点を含んでいます。これまでの試験では、変化する技術動向に対応しきれない部分があり、適応力が求められる現代のIT社会における資格試験としての在り方が課題となっていました。この背景から、時代や業界ニーズに即した試験内容への刷新が必要とされ、1969年の発足以来最大の改訂と称されるに至ったのです。

DX化推進に対応する新たな試験方針

デジタルトランスフォーメーション(DX)が各業界で推進される中、基本情報技術者試験の内容もDX時代に即したものへと進化を遂げました。具体的には、従来のITエンジニア育成を目的とした試験範囲から、デジタル人材全般に必要とされるスキルを測る内容へと見直しが行われています。たとえば、データ利活用やAI、ビジネス変革、デザイン思考などが重点分野として追加され、DX時代に求められる人材を育成するための試験方針へと変化しています。この改訂により、単なるITスキルに留まらず、時代をリードするデジタル人材の育成を目指している点が特徴です。

コロナ禍を契機とした試験形式の変革

新型コロナウイルス感染拡大の影響は、基本情報技術者試験の形式にも大きな変化をもたらしました。従来は年に2回の大型試験として実施されていましたが、パンデミックによる社会的な制約や受験者の安全を第一に考え、CBT(Computer Based Testing)方式への移行が決定されました。この方式により、試験は随時予約制となり、全国のCBTテストセンターで柔軟に受験可能となっています。また、大規模会場における密を避ける取り組みでもあると同時に、受験者のペースで学習と受験が調整できるという利便性の向上を目指しています。

受験者の利便性向上を目指した通年試験化の狙い

2023年の改定では、基本情報技術者試験が通年試験化されました。通年試験化の背景には、受験者の多様なライフスタイルに対応しやすくするという目的があります。これまで年2回の試験日程に縛られていた受験者も、自分のスケジュールに合わせて自由に試験を受けることが可能になりました。さらに、不合格となった場合でも、前回受験日の30日後から再試験を受けることができるため、これまで以上にチャレンジしやすくなっています。この変更点は、特に忙しい社会人や学生にとって大きなメリットとなり、より多くの人にとって試験が身近なものとなることを目指した改定です。

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試験形式とコンテンツの主な変更点

年2回から通年試験へ変更された影響

基本情報技術者試験は、2023年の大改定で従来の年2回実施(上期・下期)から、通年試験が可能な形式へ変更されました。これにより、受験者は決められた時期ではなく、自身の学習状況に合わせて受験タイミングを自由に選べるようになりました。CBT(Computer Based Testing)方式を採用することで、全国のテストセンターで随時受験が可能となり、特に忙しい社会人にとって利便性が大きく向上しています。一方で、試験を計画的に受ける重要性が増したと言えます。

午後試験の大問形式から小問形式への移行

午後試験(科目B)は従来の大問形式から、2023年の改定により小問形式へ移行しました。この変更により、個別のプログラミング言語(JavaやPythonなど)に特化した問題が廃止され、より汎用的なIT知識を問う問題が中心となりました。これにより特定のプログラミング言語に依存しないデジタルスキルが評価されるようになり、受験者は実践的かつ広範なIT知識を身につける必要があります。このような変更は、DXへの対応を意識した内容になっていると言えるでしょう。

IRT(項目応答理論)方式を用いた新しい採点方法

2023年の基本情報技術者試験改定では採点方式も大幅に変更され、IRT(項目応答理論)方式が導入されました。従来は素点方式での採点が行われていましたが、IRT方式では問題の難易度や受験者の能力に応じたスコアが算出されます。この変更により、個々の問題解答における正確性がより公平に評価されるようになりました。これによって、試験結果が受ける影響は一律ではなく、それぞれの受験者の得点に対する理解が必要となるでしょう。

試験時間の短縮とその理由

試験時間もこれまで合計で300分(午前150分、午後150分)だったものが、2023年改定後には合計190分(科目A:90分、科目B:100分)に短縮されました。解答数も午前は80問から60問、午後は5問から20問へ変更されています。この短縮の背景には、CBT方式を採用することで試験運用を効率化し、受験者の負担を軽減する狙いがあります。また、試験コンテンツが見直され、より重点的に重要なテーマに触れることで、試験そのものの質が高まる設計となっています。これにより、短い時間で広範な知識が試されるようになり、受験者は効率的な時間配分を求められるでしょう。

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試験範囲の改訂と新たな出題傾向

ITエンジニア向けからデジタル人材向け資格へシフト

2023年の基本情報技術者試験では、大きなコンセプト変更が行われ、従来のITエンジニア向け資格から、デジタル人材全般を対象とする内容へと進化しました。これにより、単なる技術力にとどまらず、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に必要な幅広い知識やスキルを確認する試験へ移行しています。対象となる受験者層も、エンジニアを目指す初学者に加え、企業のデジタル化を担うリーダー層や一般社員にまで広がり、多様なニーズに対応する資格となっています。

開発言語選択の廃止と新しい重点分野

従来の基本情報技術者試験では、午後試験(現在の科目B)でJavaやPythonなどの開発言語を選択し、その能力を評価する形式でした。しかし、新制度ではこれが廃止され、プログラミングに特化した問題から、DX化に必要な知識全般を問う内容へ大幅に変更されました。その結果、具体的な開発スキルを測るだけでなく、データ活用やAI、さらにはクラウド技術など、現代のIT業界において重要視されている分野が重点的に出題されるようになっています。

情報セキュリティやDX関連分野の重視

新たな試験範囲では、これまで以上に情報セキュリティやDX関連分野が重視されています。たとえば、ネットワークセキュリティ、データ保護、及びコンプライアンス関連知識は、これからの社会において重要性が高まる分野です。また、DX推進を支えるスキルとして、データ利活用やAI(人工知能)の基礎知識が求められる点も注目されています。これに基づき受験者は、技術的な知識だけでなく、企業全体のデジタル化を見据えた戦略的な視点を持つことが重要となっています。

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受験者への影響と対策

従来の学習方法で準備を進めていた受験者が注意すべき点

2023年からの基本情報技術者試験の変更点により、従来の学習方法では不十分になっている可能性があります。特に、午前試験(現:科目A試験)における解答数が80問から60問に削減され、試験時間も短縮されているため、時間配分や速攻的な解答力が重要です。科目B試験における大問形式から小問形式への変更も大きな転換点であり、これまで大問に特化した練習をしていた受験者は、新たな形式に対応した学習が必要です。また、出題範囲の変更により、情報セキュリティやDX関連知識が重視されるため、これらの新しい試験内容に特化した理解を深める必要があります。

新形式に合わせた学習講座や教材の選び方

新制度に対応した学習講座や教材を選ぶ際には、CBT方式やIRT採点方式、試験範囲の変更に対応しているかを確認することが重要です。例えば、新形式に対応した模擬試験やDX関連分野を重点的に解説した教材を取り入れると、試験準備がスムーズに進む可能性が高まります。また、小問形式への移行に備え、幅広い知識を素早く答える力を養うための問題集やオンライン教材も有効です。さらに、科目Aおよび科目B試験それぞれの新しい時間配分に慣れるためのトレーニング機会を確保することが推奨されます。

合格率への影響と予想される難易度

新制度導入後は、試験合格率が50%以上を維持すると見込まれています。これは、通年試験化やIRT方式の採用が影響していると考えられます。IRT方式は問題の難易度や受験者の能力を考慮した採点が可能であるため、受験者の実力を正確に反映しやすくなる一方で、確実に得点できる力を磨く必要があります。新試験では、短時間で多くの問題を正確に解答するスキルが求められるため、従来通りの内容暗記型の学習のみでは合格が難しい可能性があります。今後は試験範囲全体のバランス良い理解を目指した学習が必要です。

CBT方式の特性を活かすための試験当日の準備

基本情報技術者試験がCBT方式に移行したことで、コンピュータを用いた受験環境に慣れることが成功の鍵となります。試験当日に自分のペースで問題に取り組める一方で、画面レイアウトや選択肢の確認方法などに戸惑うことのないよう、事前に模擬試験を活用して環境に慣れておくことが重要です。また、通年試験化によりスケジュール調整がしやすくなったため、自分の最もコンディションが良い日を選んで受験する戦略も取れます。そのためには、自身の得意分野や苦手分野を早期に把握し、しっかりとした受験計画を立てる準備を進めておきましょう。

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まとめ:新しい基本情報技術者試験に向けて

これからの試験準備で重要なポイント

2023年の基本情報技術者試験の改訂は、受験形式から試験範囲に至るまで多くの変更点があります。そのため、まずは変更点について正確に理解することが重要です。たとえば、従来の年2回実施から通年試験に変わったことで、受験スケジュールの柔軟性が大幅に向上しました。これを活用するには、事前に試験日を計画し、自分のペースで学習スケジュールを立てることがポイントです。また、新しく導入されたIRT方式の採点方法に対応するためにも、過去問の解答だけでなく、各問題に対する理解度を深める学習が求められます。

改訂をチャンスに変えるための効率的な学習戦略

試験範囲の変更により、従来のプログラミング言語に関する深い知識を問う問題は影を潜め、DX関連分野やデータ利活用といった新しい内容の習得が鍵となります。これを効率良く学ぶためには、最新の学習教材を活用することが最善の戦略と言えます。特にDX推進に関連する基礎知識を網羅できる教材を選ぶことが重要です。また、CBT方式の試験に慣れるため、模擬試験やオンライン形式の練習問題に取り組むことも有効です。試験時間が短縮された影響を考慮し、時間配分を意識した学習も進めるべきでしょう。

IT業界における資格の需要と将来展望

基本情報技術者試験は、IT業界における登竜門的な資格として長年評価されてきました。近年のDX化推進により、IT人材の需要はますます高まる一方です。特に、今回の試験改訂において、新たに重視される分野として挙げられた「情報セキュリティ」や「AI」、「データ利活用」などのスキルは、これからのIT業界で不可欠な要素となるでしょう。この資格を取得することで、単なる技術者としてだけでなく、DXを支えるデジタル人材としての活躍が期待されます。この改訂を契機に新しい分野のスキルを取得することで、キャリアの幅を広げる絶好の機会となります。

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この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

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