コトラ（広報チーム） 
基本情報技術者試験と科目A試験免除制度の概要
基本情報技術者試験とは？
基本情報技術者試験は、IT業界での基礎知識とスキルを問う国家試験で、情報処理技術者試験の一つです。この試験は、科目A試験と科目B試験の2つで構成されており、どちらも1,000点満点中600点以上を得点することで合格となります。科目A試験では、基本的なテクノロジ系（41問）、マネジメント系（7問）、ストラテジ系（12問）の知識を四肢択一形式で解答する必要があります。一方、科目B試験では、より実務に即したアルゴリズムやプログラミング（16問）、セキュリティ（4問）に関する問題を多岐選択式形式で解答します。2023年4月からCBT（Computer Based Testing）方式が導入され、通年で受験が可能となりました。
科目A試験免除制度の仕組み
科目A試験免除制度とは、情報処理推進機構（IPA）が認定した専門講座を受講し、その修了試験に合格することで、科目A試験を受験せずに免除が受けられる制度です。この制度により、科目B試験のみに集中することが可能となるため、「基本情報技術者試験をaだけ合格したい」という方にとって非常に有効な選択肢となります。講座の修了試験は年に2回（6月・7月、12月・1月の時期）実施され、多くの場合、試験問題の6割以上の得点で合格と認定されます。なお、修了認定の有効期間は一年間となっています。
免除制度の背景と目的
科目A試験免除制度は、受験者の試験対策の負担を軽減し、学習効率を高めることを目的として導入されました。基本情報技術者試験は、内容が広範であり、特に初心者にとっては学習の負担が大きいとされています。そのため、IPA認定講座を通じて基礎知識を効率的に習得できる仕組みを提供し、より実務的なスキルを問う科目B試験へ集中する環境を整えることが重要とされています。また、IT業界の人材育成を促進し、合格率の向上や受験者数の増加にも寄与しています。この制度によって合格へのハードルを調整しつつ、より多くのIT人材を育成することが大きな目的となっています。
科目A試験免除制度の具体的な利用方法
免除の対象者と利用条件
基本情報技術者試験の科目A試験免除制度は、情報処理推進機構（IPA）が認定する講座を修了した方を対象とした制度です。この制度を利用できるのは、公式に認定された講座を受講し、講座内の修了試験に合格した方となります。この免除制度を適用することで、科目A試験が不要になり、科目B試験に専念することが可能です。
利用を開始するには、まずIPAが公開している認定講座の一覧から講座を選択し、受講の申し込みを行います。その後、講座のカリキュラムをすべて修了し、講座内で実施される修了試験に合格する必要があります。なお、修了試験の合格基準は与えられた問題の60%以上を正確に回答することです。
IPA認定講座の選び方
科目A試験免除制度を利用するためには、IPAが認定した講座を受講する必要があります。講座の選び方としては、まず自身の学習スタイルやスケジュールに合った講座を選ぶことが重要です。たとえば、通学型の講座は講師による直接指導を受けられる一方で、オンライン型の講座は時間や場所に縛られずに学習を進められるというメリットがあります。
また、講座の内容が基本情報技術者試験の科目A試験範囲をしっかりカバーしているかも確認することが必要です。特に、「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」という試験範囲を網羅している講座を選ぶことで、修了試験対策にも有利です。講座の口コミや受講生の評判を調べておくことで、自分に合う内容を見極めることができます。
修了試験の内容と基準
IPA認定講座の修了試験は、基本情報技術者試験の科目A試験と同様に四肢択一形式で出題されることが一般的です。この試験では、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の内容がバランスよく出題されます。したがって、修了試験を突破するためには、すべての領域に十分な理解を深めることが求められます。
修了試験の合格基準は、全体の60%以上の正答率を達成することです。この基準をクリアすることで、科目A試験免除資格を得ることができます。試験の準備段階では、講座で提供される教材を活用したり、問題演習を繰り返し行ったりすることが効果的です。また、近年では修了試験の日程が柔軟に設けられているため、受験者自身のペースに合わせて準備を進めることが可能です。
このように、科目A試験免除制度を活用することで「aだけ合格」といった特定科目の負担を軽減できるメリットがあります。適切な講座選びから計画的な学習までをしっかりと行い、ぜひ制度を有効的に活用してください。
科目A試験免除利用のメリットとデメリット
メリット：試験負担の軽減
科目A試験免除制度を利用する最大のメリットは、試験の負担が大幅に軽減できる点です。通常、基本情報技術者試験では科目A試験と科目B試験の両方に合格する必要がありますが、制度を利用することで科目A試験が免除され、科目B試験だけに集中することが可能です。これにより、学習する範囲やペースを調整しやすくなり、特に科目B試験対策に多くの時間を確保することができます。
また、科目A試験はテクノロジ系やストラテジ系、マネジメント系といった幅広い分野が出題されますが、それらを全て網羅的に学ぶ負担を軽減できるのは、受験者にとって非常に大きな利点です。特に時間が限られている社会人や学生にとって、効率的に合格を目指せる点が魅力です。
デメリット：免除期間の注意点
一方で、科目A試験免除制度には注意点も存在します。その一つが、免除の有効期間が1年間という制限があることです。仮に科目B試験に1年以内に合格できない場合、免除の権利は失効してしまい、再び科目A試験を受験する必要が出てきます。このため、免除期間内に計画的な学習スケジュールを立て、確実に科目B試験を突破する必要があります。
さらに、科目A試験免除のために受講するIPA認定講座や修了試験には費用が発生する点もデメリットの一つです。独学で試験に挑戦する場合に比べて、金銭的な負担が増える可能性があります。そのため、コストパフォーマンスをよく検討した上で制度を利用するかを判断することが重要です。
どのような人に向いているのか？
科目A試験免除制度は、特に科目Aの幅広い知識分野の学習に苦手意識を持つ人に向いています。たとえば、プログラミングやアルゴリズムなど科目B試験の内容には自信があるものの、テクノロジ系やストラテジ系といった分野に多くの時間を割きたくない人には、この制度が非常に有効です。
また、時間の限られている社会人や、試験対策に効率性を求める学生にとっても、科目B試験に集中できる環境を整えるための理想的な選択肢となります。一方で、自分で計画的に学習スケジュールを立てられる人や、短期間で目標を達成したい人にもおすすめです。
科目A試験免除制度を活用して試験に合格するための戦略
免除制度を活かした学習スケジュールの立て方
科目A試験免除制度を活用することで、受験範囲が科目B試験に集中するため、効率的な学習スケジュールを立てることが可能です。まずは免除期間中に集中して科目B試験対策を進めることをおすすめします。具体的には、修了認定を受けた後、免除期間に試験日を早めに予約し、それを基準に学習計画を逆算しましょう。
週ごとに取り組む内容を明確にし、最初の数週間では基礎知識の復習に時間を割き、続いて問題演習を中心に進めると良いでしょう。また、アルゴリズムやプログラミング問題は理解に時間がかかる部分も多いので、早い段階から優先的に取り組むことが重要です。「aだけ合格」という目標を掲げながらも、科目Bにフォーカスすることで効率よく学習を進められます。
科目B試験対策のポイント
科目B試験は、アルゴリズムとプログラミングの問題が中心となっており、特にこれらの分野に重点を置いた対策が求められます。具体的な対策方法としては、公式の過去問題集を繰り返し解くことが効果的です。試験問題の出題形式に慣れることで、本試験での対応力が向上します。
また、セキュリティに関する問題についても忘れずに対策を行いましょう。近年、セキュリティ問題の重要性が高まっているため、正確な知識を身につけることが求められます。時間配分も重要なポイントですので、限られた時間内で解ききれる練習を繰り返し、本番に備えましょう。
免除期間中の効率的な学習方法
科目A試験免除制度を活用することで、1年間の免除期間が得られます。この間に効率良く学習を進めるには、自己管理が重要です。特に、学習に集中できる時間帯を把握し、決まった時間に取り組む習慣を作ると良いでしょう。
また、アウトプットを重視する学習方法も効果的です。例えば、自分で問題を解くだけでなく、解説を他の人に説明してみることで理解が深まります。さらに、オンラインの模擬試験や勉強会に参加することで、弱点を克服しやすくなります。科目A試験を免除したメリットを最大限に生かし、試験の合格に向けた強固な基盤を築きましょう。
