コンサル業界は本当に転職しやすい？未経験・異業種から狙える理由を解説

投稿日 2023年12月9日
更新日 2025年12月9日
著者コトラ（広報チーム）
カテゴリーコンサル業界
カテゴリー転職・求人情報

はじめに

本記事の目的と読者像

本記事は、コンサルティング業界への転職を検討している未経験者や異業種出身者の方々を対象に、コンサル業界が転職しやすいとされる理由や、成功のための具体的なポイントを解説します。現在の職業やポジション、転職活動の段階（情報収集〜応募検討中など）を問わず、コンサル業界への理解を深め、自身のキャリアパスを検討するための一助となることを目的としています。

コンサル業界転職の現状

コンサルティング業界は、企業が抱える多様な課題解決を支援する専門性の高い業界です。近年、企業のデジタルトランスフォーメーション（DX）推進やグローバル化、サステナビリティ対応などのニーズが急増しており、市場規模は拡大傾向にあります。これに伴い、コンサルティングファームでは積極的に人材採用を行っており、未経験者や異業種からの転職者も多く活躍しています。中途採用が中心であり、その約8割がコンサルティング未経験者であるというデータもあります。

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コンサル業界が転職しやすいとされる理由

未経験者・異業種からでも挑戦しやすい背景

コンサルティング業界が未経験者や異業種からでも挑戦しやすい背景には、以下の理由が挙げられます。

コンサルティング需要の急拡大: 企業の課題が高度化・複雑化し、DXや異業種連携、M&Aの増加などにより、コンサルタントの役割が拡大しています。これにより、多くのコンサルティングファームが大量採用モードにあり、未経験者にも門戸を広げています。
多様な業種知識が求められる時代: 従来の「エリート」像だけでなく、小売、人事、エンジニア、経理など、多様な業界・職種出身者の持つ業務知識や現場経験が重視されるプロジェクトが増えています。
若手・第二新卒層の採用強化: 特に20代から30代前半のポテンシャル人材を積極的に採用するファームが多く、「未経験歓迎」の募集枠や第二新卒向けの採用イベントも開催されています。

年齢層の幅広さ・多様なバックグラウンド

コンサルティング業界への転職は、20代から30代半ばがボリュームゾーンですが、40代以降でも特定の専門性や経験を持つ方は十分にチャンスがあります。実際に、様々な年齢層の転職成功事例が見られます。また、前職のバックグラウンドも多岐にわたり、メーカー、金融機関、官公庁、IT・通信、営業、エンジニア、経理・財務など、多様な経験を持つ人材がコンサルタントとして活躍しています。

職種・ファームの多様性

コンサルティングファームは、戦略系、総合系、IT系、FAS系、シンクタンクなど、多種多様な種類があり、それぞれ得意とする領域や仕事内容が異なります。そのため、自身のこれまでの経験や興味関心に合わせて、最適なファームや職種を選択できる幅が広いといえます。例えば、IT知識があればIT系コンサル、財務知識があればFAS系コンサルといったように、専門性を活かせる場が多く存在します。

採用手法や選考プロセスの特徴

コンサルティング業界の採用選考では、特定の資格や学歴が必須ではない場合も多く、「コンサル適性」が重視されます。具体的には、論理的思考力、仮説思考力、課題解決力、コミュニケーション能力などが評価のポイントとなります。ケース面接など独特の選考プロセスもありますが、これらは「地頭が良いかどうか」だけでなく、「正しい解き方」や「考え方」を学ぶことで対策が可能です。

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コンサルファームの種類とキャリアパス

戦略系・総合系・IT系・FAS系・シンクタンク等の特徴

コンサルティングファームは、その専門性や提供サービスによって多様な種類に分類されます。

戦略系コンサルティングファーム: 企業の中長期的な経営戦略や事業戦略の策定、新規事業開発、M&A戦略など、企業の方向性を決定づける上流の意思決定支援を専門とします。少数精鋭で高い論理的思考力と分析力が求められます。
総合系コンサルティングファーム: 戦略立案から業務改善、IT導入、組織・人事改革、財務管理まで、企業活動のあらゆる面で幅広いコンサルティングサービスを提供します。大規模な組織で多様な専門チームを持ち、一貫した支援を行うのが特徴です。
IT系コンサルティングファーム: ITシステムの最適化やデジタル化を支援する分野です。IT戦略の策定、システム導入、データ分析、AI活用など、企業の技術的な課題解決をサポートします。DXの加速により需要が大きく伸びています。
FAS（財務アドバイザリー）系コンサルティングファーム: M&A支援（買収相手の探索からPMIまで）、企業再生支援、企業価値評価など、財務関連のプロジェクトに特化しています。高度な財務知識が求められます。
シンクタンク系コンサルティングファーム: 政府や企業、学術機関と連携し、社会・経済問題に関する調査研究や政策提言を行います。大手金融機関などを母体とし、学術的な知見に基づいた分析力に強みがあります。
組織・人事系コンサルティングファーム: 人事制度設計や組織改革、タレントマネジメントなど、「ヒト」と「組織」に関する課題解決に特化しています。
事業再生・ハンズオン型コンサルティングファーム: 経営不振に陥った企業の再建を支援し、計画策定から実行まで一貫して関与します。

各ファームで求められる人材像

各ファームで求められる人材像は異なりますが、共通して重視されるのは「課題解決能力」「論理的思考力」「コミュニケーション能力」です。

戦略系: 秀でた論理的思考力・問題解決力に加え、特定の業界に対する深い専門性が求められます。ケース面接で思考力が徹底的に試されます。
総合系: 幅広いプロジェクトに対応できる柔軟性や、チームで成果を出す協調性が重視されます。特定の業界知識やソリューションに関する強みがあれば有利です。
IT系: IT・システム関連の業務経験者が有利であり、システム導入やITによる業務効率化に関する知見が求められます。技術力だけでなく、ITで課題をどのように解決したかの思考プロセスが重視されます。
FAS系: 財務関連の知見が不可欠で、公認会計士や企業の財務部門経験者が有利です。長時間労働に対する耐性も確認されることがあります。
シンクタンク系: 調査・分析能力、政策提言能力が求められ、学術的なバックグラウンドを持つ研究者や専門家が活躍しています。

職種別キャリアの広がり

コンサルティング業界で培われる高度な論理思考力や問題解決能力は、コンサルタントとしての社内キャリアパスだけでなく、その後の多様なキャリアパスにもつながります。

社内キャリアパス: アナリストから始まり、コンサルタント、マネージャー、プリンシパル、パートナーへと段階的に昇進するキャリアパスがあります。実力主義のため、成果次第で早期昇進も可能です。
社外キャリアパス（ポストコンサル）: コンサルタントとして経験を積んだ後、事業会社の経営企画部門、スタートアップ企業のCxO、プライベートエクイティ（PE）ファンド、投資銀行など、多岐にわたる業界へ転身するケースが多く見られます。これはコンサル経験者が持つスキルセットが市場で高く評価されるためです。

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未経験・異業種からの転職実態

採用割合や年齢制限の目安

コンサルティング業界では、中途採用が一般的であり、その約8割が未経験者であると言われています。年齢層は20代から30代半ばが最も多く、特に20代後半は多くの支援実績があります。第二新卒向けの採用枠も設けられるなど、若手層のポテンシャル採用が活発です。30代後半以降になると、即戦力としての特定の専門性やマネジメント経験がより強く求められ、難易度は上がりますが、40代以上で未経験から転職を成功させる事例も存在します。

未経験者が選考で見られるポイント

未経験者がコンサルティング業界の選考で評価されるポイントは以下の3つです。

課題解決力（Problem Solving）: 課題の原因を構造的に捉え、どこから着手すべきか、他の選択肢は何かなど、筋の通った考え方ができるかが重視されます。業界経験よりも思考の一貫性が見られます。
仮説思考（Hypothesis Thinking）: 限られた情報からまず仮説を立て、それを分解して検証する能力が重要です。効率的な問題解決に不可欠なスキルとされます。
コミュニケーション力（Client Communication）: 相手の意図を正確に理解し、論点を整理して明確に伝える能力が求められます。誠実で丁寧なコミュニケーションが評価されます。

さらに、自身の経験を「抽象化」して、コンサルティングでどのように活かせるかを説明する能力も重要です。例えば、営業経験を「顧客課題を発見し最適な提案につなげる力」として抽象化し、コンサルティングでの再現性をアピールすることが求められます。

入社後の働き方・キャッチアップ事例

入社後は、プロジェクトベースで業務が進められます。コンサルタントは、クライアントの課題を明確化し、データ収集・分析、解決策の立案、実行支援、評価・改善という一連の流れを担当します。

未経験で入社した場合、最初の頃はリサーチや情報収集、資料作成などの基礎業務から担当することが多く、コンサルティングの基礎を身につけます。ファームによっては充実した研修制度が用意されており、短期間でキャッチアップできる環境が整っています。

例えば、元営業職の人が課題発見力を武器に組織・人材領域のコンサルに転身したり、元エンジニアが技術理解の深さを活かしてDX・ITコンサルとして活躍したりする事例があります。これらの成功事例は、入社前の「正しい準備」と、入社後の「学び続ける姿勢」によって実現されています。

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求職者が重視するポイント・成功のポイント

希望年収・勤務地・ワークライフバランス

コンサルティング業界は高い報酬水準が魅力ですが、年収は役職やファームの種類によって異なります。戦略系ファームは最も高く、総合系・IT系がそれに続きます。未経験でも、20代で500〜800万円、30代で1000万円以上を目指せる可能性があります。

勤務地は東京が中心ですが、大阪や名古屋など地方拠点を持つファームもあります。ワークライフバランスについては、プロジェクトの性質上、激務になることもありますが、近年は働き方改革が進み、以前より改善されているファームも増えています。長期的なキャリアを見据え、自身の希望とファームの文化が合致するかを見極めることが重要です。

キャリアアップ、社風・働き方への注目点

転職において重視すべきは、単なる年収だけでなく、キャリアアップの機会や社風、働き方です。

キャリアアップ: 多様な業界やテーマのプロジェクトに関わることで、幅広い知識とスキルを習得し、市場価値を高めることができます。実力主義のため、成果を出せば早期に昇進・昇給が可能です。
社風・働き方: ファームごとに社風は大きく異なります。日系ファームは長期雇用やチームワークを重視する傾向があり、外資系ファームは成果主義や競争的な環境が特徴です。自身の価値観に合う社風のファームを選ぶことが、長期的な活躍につながります。

転職活動の進め方と注意点

効果的な転職活動の進め方は以下の通りです。

自己分析と強みの棚卸し: 自分の経験を「コンサルティングで活かせるスキル」として抽象化し、論理的に説明できるように整理します。
情報収集: 興味のあるファームの種類や専門領域、具体的な仕事内容を深く理解します。
書類作成: 整理した強みを基に、論理的で説得力のある職務経歴書を作成します。
選考対策: ケース面接やフェルミ推定、ビヘイビア面接などの対策を徹底的に行います。
模擬面接: 実際の面接に近い環境で練習し、弱点を修正します。

注意点としては、コンサルティング業界は難易度が高いため、独力での準備には限界があることです。専門的なサポートを活用することが成功への鍵となります。

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転職活動のステップとサポート活用法

情報収集から応募・面接対策まで

コンサルティング業界への転職活動は、以下のステップで進めることが一般的です。

情報収集: まず、コンサルティング業界全体の動向、各ファームの種類や特徴、具体的な仕事内容について深く理解します。Webサイト、業界レポート、現役コンサルタントのブログなどを活用しましょう。
自己分析: 自身のこれまでの経験、スキル、強み、興味のある領域、将来のキャリアビジョンを明確にします。特に、コンサルタントに求められる「課題解決力」「論理的思考力」「コミュニケーション能力」に紐づけて整理することが重要です。
応募先選定: 自己分析の結果と情報収集で得た知識を基に、自身の志向や経験に合ったファーム、ポジションを絞り込みます。未経験者の採用に積極的な総合系や専門系ファームも視野に入れると良いでしょう。
応募書類作成: 履歴書、職務経歴書、志望動機書を作成します。特に職務経歴書では、単なる業務内容の羅列ではなく、成果を具体的に示し、それがどのようにコンサルティングで活かせるかを論理的に記述することが求められます。
筆記試験・適性検査対策: SPI、GAB、玉手箱、TG-WEBなど、ファームによって異なる適性検査への対策が必要です。問題集を解き、時間内に正確に解答する練習を重ねましょう。
面接対策: ケース面接とビヘイビア面接の両方に対応できるよう準備します。ケース面接では、問題整理、構造化、仮説構築のプロセスを重視し、論理的な思考プロセスを説明できるように練習します。ビヘイビア面接では、志望動機や職務経歴を深掘りされるため、一貫性のある回答を準備します。

転職エージェント・支援サービスの活用

コンサルティング業界への転職を成功させる上で、転職エージェントの活用は非常に有効です。

非公開求人の紹介: 多くの転職エージェントは、一般には公開されていない非公開求人を多数保有しています。これにより、自身の希望に合った、より多くの選択肢に出会える可能性が高まります。
書類添削・面接対策: 業界に精通したエージェントは、コンサルティングファームの選考基準を熟知しており、効果的な書類添削や模擬面接を通じて、応募者の弱点を克服し、強みを最大限にアピールできるようサポートします。特にケース面接対策は、専門家からの指導が不可欠です。
情報提供: 各ファームの内部情報、採用動向、過去の質問事例など、個人では入手困難な貴重な情報を提供してもらえます。
日程調整・条件交渉: 忙しい転職活動において、面接日程の調整や、内定後の年収・待遇交渉などを代行してもらえるため、負担を軽減できます。

志望動機や経歴整理のコツ

志望動機や職務経歴を整理する際は、以下の点を意識しましょう。

志望動機: 「なぜコンサルタントになりたいのか」「なぜそのファームを志望するのか」「現職では解決できない課題が何か」を明確にし、論理的に説明できるようにします。自身のキャリア上の課題や、業界・ビジネスにおける課題とコンサルタントというキャリアがどのように結びつくかを具体的に示しましょう。
職務経歴: 過去の経験や成果を「STAR（Situation, Task, Action, Result）法」で整理し、PREP（Point, Reason, Example, Point）法で簡潔に伝えます。特に、課題解決に貢献した経験や、プロジェクト推進経験、定量的な成果を強調し、それがコンサルティングでどのように活かせるかを「抽象化」して説明する練習をしましょう。

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コンサル業界転職Q&A・よくある疑問

未経験でも通過できる？

はい、未経験からでもコンサルティング業界への転職は十分に可能です。実際、多くのコンサルティングファームでは中途採用者の大半が未経験者であり、ポテンシャル採用を積極的に行っています。特に重視されるのは、論理的思考力、仮説思考力、課題解決力、コミュニケーション能力などの「コンサル適性」です。これまでの職務経験をこれらのスキルに結びつけてアピールすることが重要です。

どのファームが自分に向いている？

コンサルティングファームは、戦略系、総合系、IT系、FAS系、シンクタンク、組織・人事系など多岐にわたります。自身の「強み」と「興味のあるプロジェクト領域」から逆算して選ぶのが良いでしょう。

数字に強い、新規事業や市場分析に興味がある: 戦略系、FAS系。
業務改善や仕組みづくりが好き、幅広い経験を積みたい: 総合系。
技術に強い、デジタル化に関心がある: IT・DX系。
特定の分野（人事、経理など）の経験を活かしたい: 専門特化型。

面接スタイルもファームによって異なるため、自身の得意なコミュニケーションスタイルに合うかどうかも考慮に入れると良いでしょう。

年齢や学歴の壁は？

年齢は、転職の難易度に影響しますが、一概に「何歳まで」という明確な制限はありません。20代後半から30代前半が最も転職しやすい年齢層とされますが、30代後半や40代以降でも、高い専門性やマネジメント経験があればチャンスは十分にあります。

学歴については、特に外資系や戦略系ファームで上位校出身者が多い傾向がありますが、中途採用においては、学歴よりも実務経験や専門性が重視されます。重要なのは、これまでの経験を論理的に説明し、コンサルタントとしてのポテンシャルを示すことです。

激務の実態や労働環境について

コンサルティング業界は、プロジェクトの特性上、高い成果と厳しい納期が求められるため、長時間労働になるケースも少なくありません。特に若手は、資料作成やデータ分析などの業務が多く、体力的・精神的な負担を感じることもあるでしょう。

しかし、近年は働き方改革の推進により、労働環境の改善に取り組むファームも増えています。リモートワークの導入や、プロジェクト体制の見直しなどにより、柔軟な働き方が可能になるケースもあります。転職前に、各ファームの働き方や残業の実態について情報収集を行い、自身の許容範囲と合致するかを確認することが大切です。