コトラ（広報チーム） 
はじめに
コンサル業界転職市場の動向
近年、コンサルティング業界は人材不足が叫ばれており、特に若手人材の採用に積極的な傾向があります。終身雇用制度の崩壊や年功序列への懸念から、多くの若手ビジネスパーソンが「どこでも通用するスキル」を求めてコンサル業界への転職を志望しています。実際に、新卒・中途を問わずコンサル業界への転職を考える人は増加傾向にあり、大手コンサルティングファームでは新卒や第二新卒の採用を加速させています。
本記事のターゲット層と目的
本記事は、コンサルティング業界への転職を考えている未経験者や第二新卒の方を主なターゲットとしています。コンサル転職イベントの種類や特徴、参加するメリット、効果的な活用法について解説し、転職成功への具体的なアクションプランを提供することを目的としています。
コンサル転職イベントの種類と特徴
コンサルティングファームが開催する転職イベントは、その形式や内容によって多様な種類があります。自身の状況や目的に合わせて、適切なイベントを選ぶことが重要です。
企業説明会・セミナー
企業説明会やセミナーは、コンサルティングファームの事業内容、企業文化、求める人材像、キャリアパスなどを深く理解するための良い機会です。オンライン形式も多く開催されており、場所を選ばずに参加できるメリットがあります。質疑応答の時間が設けられている場合も多く、疑問点を直接質問することで、企業のリアルな情報を得ることができます。
1日完結型選考会
1日完結型選考会は、説明会から筆記試験、面接までを1日で行う集中型のイベントです。選考をスピーディーに進めたい方にとって非常に効率的です。ただし、事前にしっかりと企業研究や選考対策をしておく必要があります。
合同フェア・インターン系イベント
合同フェアは複数の企業が参加するため、一度に多くのコンサルティングファームの情報を比較検討できるメリットがあります。インターン系イベントでは、実際のコンサルティング業務を体験できるワークショップ形式のものが多く、コンサルタントの仕事内容や働き方を肌で感じることができます。選考直結型のインターンも多く、早期内定に繋がる可能性もあります。
オンライン型イベントのメリット
近年ではオンライン型のイベントが増加しており、地理的な制約なく参加できるのが大きなメリットです。ウェビナー形式であれば、顔出しせずに気軽に参加できるものもあります。また、後日アーカイブ配信されるイベントもあり、自分のペースで情報収集を進めることが可能です。
イベント参加で得られる情報とメリット
コンサル転職イベントに参加することで、単なる情報収集だけでなく、転職活動を有利に進めるための様々なメリットが得られます。
企業・職種理解を深める
イベントでは、企業の担当者や現役コンサルタントから直接話を聞くことができます。ウェブサイトだけでは分からない企業の雰囲気や社風、具体的なプロジェクト事例、キャリアパスなど、生の情報を得られる貴重な機会です。これにより、自分に合った企業を見極める解像度が高まります。
各コンサル職種（戦略・IT・組織人事・金融系など）の違い
コンサルタントには、戦略系、IT系、組織人事系、金融系など、様々な職種があります。イベントでは、各職種が具体的にどのような課題解決に取り組むのか、どのようなスキルが求められるのかといった詳細な説明が聞けるため、自身の興味や経験に合った職種を見つける手助けになります。
実際の働き方やキャリアパスが学べる
現役コンサルタントの講演や座談会を通じて、一日のスケジュールやプロジェクトの進め方、仕事のやりがいや大変さなど、リアルな働き方を知ることができます。また、キャリアアップの具体例や、コンサルティングファームで得られるスキルの汎用性についても学ぶことができ、自身の長期的なキャリアプランを考える上で参考になります。
ネットワーキング・相談の場として活用
イベントによっては、現役コンサルタントや人事担当者と直接話せる機会が設けられていることがあります。ここでは、キャリア相談や選考に関するアドバイスを受けることができ、人脈を広げるきっかけにもなります。特に、少人数制のイベントでは、より深いコミュニケーションが期待できます。
ターゲット別イベント活用法
自身の経験や背景に合わせたイベントの活用法を知ることで、より効果的な転職活動が可能です。
未経験・第二新卒のためのおすすめ参加法
未経験や第二新卒の場合、ポテンシャル採用を積極的に行っているファームのイベントに注目しましょう。特に「第二新卒歓迎」と明記されている企業説明会や1day選考会は、未経験者向けの研修制度や育成プログラムについて詳しく説明されることが多いです。論理的思考力やコミュニケーション能力といったコンサルタントに共通して求められる素養をアピールできるよう、自己分析を深めて臨むことが大切です。
業界経験者が押さえるべきポイント
特定の業界経験を持つ方は、その知見を活かせる業界特化型コンサルティングファームのイベントがおすすめです。例えば、金融業界経験者であればFAS系コンサル、IT経験者であればITコンサルなどの説明会に参加し、自身の専門性がどのように活かせるかを具体的にイメージしましょう。選考では、前職での実績や課題解決経験を論理的に説明する準備が必要です。
女性転職希望者/多様なバックグラウンドへの配慮
近年、コンサルティング業界でも多様性を重視する動きが広がっています。女性向けキャリアセミナーや、多様なバックグラウンドを持つ人材の採用を促進するイベントも開催されています。ワークライフバランスへの配慮や、育児支援制度など、自身のライフステージに合わせた働き方を実現できるかどうかの情報も、イベントで確認しておくと良いでしょう。
各種人気イベントの比較と選び方ガイド
コンサル転職イベントは多岐にわたるため、自身に最適なものを見つけるための比較と選び方のポイントを解説します。
主催企業・内容による違い
イベントは、大手コンサルティングファームが単独で開催するものから、複数の企業が参加する合同フェア、特定の転職エージェントが主催するものまで様々です。
- 大手コンサル主催のイベント: 企業への理解を深めるのに最適です。特定の職種に特化した説明会もあります。
- 合同フェア: 多くの企業の情報を一度に得たい場合に効率的です。
- 専門領域説明会: ITコンサル、財務・会計コンサル、組織人事コンサルなど、特定の専門分野に特化した情報が得られます。
- 1day選考会: 短期間で選考を進めたい場合に有効です。
注目イベント例（1day選考会、専門領域説明会など）
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング：テクノロジーコンサルティング（SAP）の説明会など、特定のITソリューションに関するイベントがあります。
- PwCコンサルティング：セキュリティ領域、X-Value & Strategyチームなど、専門チームのオンラインセミナーが開催されることがあります。
- アビームコンサルティング：財務・会計や特定のセクターに特化した1day選考会を開催することがあります。
- KPMG FAS：M&Aや戦略・バリューアップに関する1day選考会が行われることがあります。
- 野村総合研究所（NRI）：コンサルティング事業本部によるオンラインセミナーなど、シンクタンク系ならではの幅広いテーマを扱うイベントがあります。
- ベイカレント・コンサルティング：SAP経験者向けのセミナーなど、特定の技術や業界に焦点を当てたイベントが見られます。
- 山田コンサルティンググループ：事業承継コンサルタント向けの1day選考会など、中小企業支援に特化したイベントもあります。
- アチーブメント：人材育成コンサルティングに特化したインターンシップや説明会が開催されることがあります。
- NTTデータ経営研究所：シンクタンクと戦略コンサルの両面を持つ企業として、社会課題解決をテーマにした説明会があります。
イベント選びのチェックポイント
- 開催形式: オンラインか対面か、自身のスケジュールや参加しやすい形式を選びましょう。
- 目的: 企業理解を深めたいのか、選考に直結させたいのか、目的を明確にすることで、参加すべきイベントが絞られます。
- 対象者: 未経験・第二新卒歓迎のイベントか、特定の経験者向けかを確認しましょう。
- 内容: 企業説明だけでなく、ケース面接対策や座談会など、どのようなコンテンツが含まれているかを確認すると良いでしょう。
- 選考直結の有無: 早期選考や特別ルートに繋がるイベントは、特に転職を急ぐ方にとって重要です。
イベント参加を最大化するコツ
イベントへの参加を単なる情報収集で終わらせず、転職成功へと繋げるためには、事前の準備と参加後の行動が重要です。
事前準備で押さえておくべきこと
- 自己分析の徹底: 自身の強み、弱み、キャリアプラン、コンサルタントとして何を実現したいのかを明確にしておきましょう。
- 企業・業界研究: 参加するファームの事業内容、企業文化、最近のプロジェクト事例などを事前に調べておくことで、より深い質問ができ、熱意をアピールできます。
- 質問リストの作成: イベント中に聞きたいことを具体的にリストアップしておきましょう。漠然とした質問ではなく、事前に調べた上で出てきた疑問点をぶつけることで、積極性を印象付けられます。
- 服装・身だしなみ: オンラインであっても、清潔感のある服装を心がけましょう。対面イベントでは、ビジネスカジュアルが無難です。
- 筆記用具・メモ帳の準備: 重要な情報を逃さずメモするために、忘れずに準備しましょう。
当日〜イベント後の行動（質問・フォローアップ・書類作成）
- 積極的に質問する: 疑問点を解消するだけでなく、自身の意欲を示す機会でもあります。
- ネットワーキングの活用: 可能な場合は、社員との名刺交換や連絡先交換を行い、イベント後も関係を構築しましょう。
- お礼のメール: イベント終了後には、参加のお礼と得た学びを簡潔にまとめたメールを送ると良いでしょう。
- 選考書類の作成・更新: イベントで得た情報を基に、履歴書や職務経歴書、志望動機をブラッシュアップしましょう。特に、イベントで得た具体的なエピソードや企業への理解を盛り込むことで、書類の説得力が増します。ケース面接対策が必要な場合は、過去問を解くなどして練習を重ねましょう。
まとめ・成功のためのアクションプラン
イベント参加を転職成功につなげるには
コンサル転職イベントは、業界理解を深め、企業との接点を持ち、自身のキャリアを具体的に考える上で非常に有効な手段です。特に未経験・第二新卒の方にとっては、ポテンシャル採用のチャンスを掴むための重要なステップとなります。事前の徹底した準備と、イベント後の積極的な行動が成功への鍵です。
よくある質問＆注意点
- 第二新卒でもコンサル転職は可能か？: はい、十分に可能です。多くのファームがポテンシャル採用を積極的に行っています。
- 学歴は重視されるか？: 戦略系や外資系BIG4では重視される傾向がありますが、IT系や業界特化型では経験やスキルがより重要視されます。
- 未経験でもコンサル転職は可能か？: はい、可能です。若さ、柔軟性、学習意欲をアピールし、選考対策をしっかり行いましょう。
- コンサル転職で年収は上がるか？: ほとんどの場合、年収はアップします。初任給は約450万円〜550万円が目安で、経験を積むことで大幅な年収アップが期待できます。
- イベント参加の注意点: 開催日程や締切を確認し、早めに申し込みましょう。また、選考直結型のイベントでは、事前の準備が合否を左右します。
本記事の活用方法と次の一歩
本記事で紹介した情報を参考に、自身の状況や目標に合ったコンサル転職イベントを見つけてください。イベント参加は、コンサル転職への第一歩です。積極的に情報収集を行い、自身の可能性を広げましょう。
