コトラ（広報チーム） 
はじめに
コンサル転職市場の現状と年収アップの可能性
コンサルティング業界は、高収入が期待できる職種として常に注目を集めています。特に2024年現在、DX（デジタルトランスフォーメーション）需要の拡大や生成AIの登場により、ITコンサルティングを中心に案件数が増加傾向にあり、コンサルタントの需要は高まっています。この活況な市場は、年収アップを目指す転職者にとって大きなチャンスとなるでしょう。実際、転職によって年収が平均27％、155万円上昇したというデータもあります。
ただし、コンサルティングファームの働き方は激務とされることも多く、単に年収だけを追求するとミスマッチが生じる可能性も。個人の成長意欲や目標、ワークライフバランスを考慮したキャリア設計が重要です。
本記事の対象読者と目的
本記事は、コンサルティング業界への転職を検討している方、特に年収アップを目指している方を主な対象としています。20代の未経験者から30代後半・40代の経験者まで、幅広い年代の方が自身のキャリアプランを考える上で役立つよう、コンサルティングファームの種類や役職別のリアルな年収データ、年収アップのポイント、さらには年収以外の重視すべき点について詳細に解説します。コンサル転職における具体的な希望年収の設定や、業務内容・働き方とのバランスを考慮した転職成功への道筋を見つける手助けとなることを目的としています。
コンサルティングファームの種類と年収の特徴
戦略系・総合系・IT系・専門系の違い
コンサルティングファームは、その得意分野によって大きくいくつかの種類に分けられます。それぞれのファームによって年収水準や働き方、求められるスキルが異なります。
- 戦略系コンサルティングファーム
- 企業の経営戦略や事業戦略の立案など、経営の根幹に関わる上流工程を支援します。
- 年収水準が最も高く、アナリストで500〜800万円、マネージャー以上では2,000万円を超えることも珍しくありません。
- マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ（BCG）、ベイン・アンド・カンパニーなどが代表的です。
- 総合系コンサルティングファーム
- 戦略立案から業務改善、IT導入、実行支援まで、幅広い領域で企業を支援します。
- Big4と呼ばれるPwCコンサルティング、デロイトトーマツコンサルティング、KPMGコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティングなどがこれに該当します。
- 新卒初年度で500万円前後、マネージャーで1,000万円から1,800万円程度が目安となります。
- IT系コンサルティングファーム
- 企業のIT戦略立案やシステム導入、DX推進などを専門とします。
- 近年のDX需要の高まりにより、ITコンサルタントの需要は高く、年収も高水準です。平均年収は約928.5万円とされています。
- アクセンチュア、アビームコンサルティングなどが代表的です。
- 専門系コンサルティングファーム
- 人事系、FAS（財務アドバイザリーサービス）系、シンクタンク系など、特定の専門分野に特化したファームです。
- 人事系コンサルタントの平均年収は約627万円、金融・M&A系は約947.6万円、シンクタンク系は約635万円と、専門分野によって年収レンジが異なります。
外資系と日系での年収差
コンサルティングファームは、資本の出所によっても外資系と日系に分けられ、年収にも違いが見られます。
- 外資系コンサルティングファーム
- ボストン・コンサルティング・グループ（BCG）の平均年収が1,928万円、マッキンゼー・アンド・カンパニーが1,842万円など、総じて高い年収水準です。
- 成果主義が徹底されており、「Up or Out（昇進するか、去るか）」の文化が強い傾向にあります。
- 実力次第で早期に高年収と昇進を実現できる反面、成果が出なければ厳しい評価が下されることもあります。
- 日系コンサルティングファーム
- ドリームインキュベータの平均年収が1,770万円、野村総合研究所（NRI）が1,242万円など、外資系に次いで高水準です。
- 組織を重視し、新卒や未経験者への教育制度が整っているファームが多く見られます。
- 年功序列の風潮が比較的強いファームもありますが、実力主義の傾向は強まっています。
各ファームごとの役職別・年収テーブル
コンサルティングファームの年収は、役職によって大きく変動します。ここでは一般的な役職と年収の目安をまとめます。
- アナリスト（経験年数0〜3年）：500万〜800万円
- 情報収集、データ分析、資料作成が主な業務です。
- コンサルタント（経験年数2〜6年）：600万〜1,300万円
- プロジェクト遂行の中核を担い、課題発見から解決策の立案まで主体的に関わります。
- シニアコンサルタント（経験年数3〜6年）：700万〜1,500万円
- プロジェクトの一部をマネジメントし、若手育成にも関わります。
- マネージャー（経験年数2〜10年）：1,000万〜2,000万円
- プロジェクト全体の責任者として、チーム管理、クライアントとの交渉、予算管理などを担当します。
- シニアマネージャー（経験年数5〜15年）：1,300万〜2,000万円
- 複数のプロジェクトを統括し、ファームの経営にも関与します。
- ディレクター/パートナー（経験年数7年以上）：1,500万円〜数億円
- ファームの共同経営者として、案件獲得、経営戦略の立案、人材育成などを行います。
これらの年収はあくまで目安であり、個人の実績やスキル、所属するファームの種類によって大きく変動します。特に成果主義のファームでは、役職が同じでも年収に数百万以上の開きがあることも珍しくありません。
年代・経験別コンサル転職後のリアル年収データ
20代：未経験・第二新卒の初任給実態と成長イメージ
20代でコンサルティング業界に未経験または第二新卒として転職する場合、初任給は500万〜800万円程度が目安となります。一般企業の20代平均年収と比較すると高い水準であり、年収アップを実現しやすい年代と言えます。
- 20代での年収アップの傾向
- 未経験でもポテンシャル採用の可能性が高く、論理的思考力やコミュニケーション能力など、コンサルタントとしての適性が重視されます。
- 大手総合コンサルティングファームへの転職であれば、入社時のベース給が600万円程度からスタートし、数年後には1,200万円程度に跳ね上がる可能性もあります。
- 短期間で成果を出し、着実に昇進していくことで、20代のうちにマネージャークラスとなり、年収1,500万円から2,000万円を実現するケースもあります。
30代前半：年収交渉のポイントと昇給スピード
30代前半でコンサルティング業界に転職する場合、これまでの経験や実績がより重要視されます。
- 年収交渉のポイント
- 前職での具体的な成果や、コンサルティング業務との親和性の高い経験を明確にアピールすることが重要です。
- 30代未経験でコンサルタントに転職する場合、前職の年収によっては一時的に年収が下がる可能性もありますが、マネージャークラスでの採用であれば大幅な年収アップも期待できます。
- 転職時の年収は、前職の給与をベースに柔軟に決定される傾向があるため、自身の市場価値を正確に把握し、交渉に臨むことが大切です。
- 昇給スピード
- コンサルティング業界は実力主義であり、成果を出せば昇給スピードは非常に速いです。
- 役職が一つ上がるごとに年収が300万円ほどアップするケースも多く、1〜2年単位での昇進も十分に可能です。
30代後半〜40代：キャリアを活かしたハイレンジ戦略
30代後半から40代でコンサルティング業界に転職する場合、これまでの豊富な経験や専門性が高く評価されます。
- キャリアを活かした戦略
- 事業会社でのプロジェクト推進経験や、特定の領域における専門的知見が特に求められます。
- マネージャー層が不足しているファームも多く、マネージャー以上の役職での採用を目指すことで、高年収を狙いやすくなります。
- ポストコンサルとして、PEファンドやVC、投資銀行といったプロフェッショナルな分野や、事業会社の経営企画部門、幹部ポジションへの転職も有力な選択肢となります。
- 年収のハイレンジ
- マネージャーで1,500万〜2,000万円、シニアマネージャーで1,500万〜2,000万円、パートナーで2,000万円以上と、高い年収レンジが期待できます。
- 営業力や案件獲得能力が求められるパートナー職まで昇進すれば、年収1億円以上も夢ではありません。
年齢別の年収レンジまとめ
コンサルタントの年齢別年収は、全ビジネスパーソンの平均と比較して総じて高い傾向にあります。
- 22〜28歳（コンサル経験0〜3年）：固定給与500万〜800万円
- 25〜35歳（コンサル経験0〜6年）：固定給与700万〜1,300万円
- 28〜40歳（コンサル経験2〜10年）：固定給与900万〜2,000万円
- 32〜45歳（コンサル経験5〜15年）：固定給与1,300万〜2,500万円
実力主義の業界であるため、年齢にかかわらず高い成果を出せば高収入を得ることが可能です。
コンサル転職の年収アップ ～平均増加額・リスクと現実～
転職で年収が上がる人・下がる人のパターン
コンサル転職では多くのケースで年収アップが期待できますが、一方で年収が下がる可能性もゼロではありません。
- 年収が上がる人
- 転職前の年収が比較的低い層（特に20代）で、ポテンシャルを評価されてコンサルティングファームに入社するケース。
- 高度な専門スキルや経験を持ち、採用難易度の高いポジションに転職するケース。
- 業績好調な業界のコンサルティングファームへ転職するケース。
- 現職で課長クラス以上の役職に就いており、同等以上の役職で転職するケース。
- 専門スキルに加えて、コミュニケーション能力、柔軟性、リーダーシップなど人間力を兼ね備えている人。
- 年収が下がる人
- 総合商社、外資系金融、メガベンチャーなど、もともと給与水準が非常に高い業界からコンサルへ転職するケース。
- 30代でコンサル未経験の場合、現職の年収がコンサルタントクラスの提示年収を上回る場合。
- コンサルから事業会社へ転職するケース（ただし、企画系や経営層に近いポジションであれば年収アップの可能性も十分にあります）。
- 大手企業から中小企業への転職や、ベース給与が下がる異業種への転職。
中央値・平均値：どの数字を参考にすべきか
コンサル転職後の年収アップ状況に関するデータでは、平均値と中央値が提示されることがあります。
- オファー額：平均795万円、中央値780万円
- 年収上昇額：平均155万円、中央値130万円
- 年収上昇率：平均27％、中央値23％
これらのデータは、特定の母集団（例えば、特定の転職支援サービスを利用した40名のデータなど）に基づいています。一般的に、年収分布が正規分布から外れる場合があるため、中央値の方がより実態に近い傾向を示すことがあります。しかし、コンサルティング業界の年収は個人の実績やファーム、役職によって大きく変動するため、これらの数字はあくまで参考値として捉え、自身の経歴や希望を具体的に考慮して判断することが重要です。
昇給・昇格の仕組みと評価制度の注意点
コンサルティングファームでは、明確な評価制度に基づいて昇給・昇格が行われます。
- 昇給・昇格の仕組み
- 役職ごとに求められるロールが明確に定義されており、実績や能力に応じて昇進が決まります。
- 定量的な成果だけでなく、プロジェクト遂行のプロセスや努力、チームへの貢献なども評価の対象となります。
- マネージャー以上の役職になると、残業代が発生しない固定給となる場合が多く、年収には業績賞与（ボーナス）が大きく影響します。
- 評価制度の注意点
- 外資系ファームでは特に徹底した成果主義が採用されており、常に高いパフォーマンスが求められます。
- 評価は直属の上司だけでなく、360度評価など多面的なフィードバックを通じて行われることもあります。
- 「Up or Out」という文化が根強いファームも存在するため、昇進の機会が限られると感じた際に自ら退職を選択する人もいます。
- ポテンシャル採用された若手の場合でも、入社後のプロモーションスピードは速く、短期間で前職の年収を大きく超えることもあります。
年収以外で押さえておくべき転職時のポイント
業務内容・働き方と年収バランス
コンサルティング業界は高年収が魅力ですが、その裏側にはハードワークが伴うことも少なくありません。転職を考える際には、年収だけでなく業務内容や働き方とのバランスを考慮することが重要です。
- 業務内容
- クライアントの経営課題解決という、難易度が高くやりがいのある仕事が中心です。
- プロジェクトごとに異なる課題に対峙するため、常に新しい知識やスキルを学ぶ姿勢が求められます。
- 戦略立案から実行支援まで、幅広いフェーズに携わることができ、自身の専門性を深める機会も豊富です。
- 働き方と年収バランス
- プロジェクトの性質上、長時間労働になることは覚悟しておくべきでしょう。
- しかし、近年は働き方改革が進み、一部のファームでは残業時間の上限設定やリモートワークの導入など、労働環境の改善が見られます。
- ワークライフバランスを重視する転職者も増えており、時短勤務や柔軟な勤務体制を前提とした採用も増えています。
- 年収が高くても、時給換算すると必ずしも高いとは言えないケースもあるため、自身のライフスタイルに合った働き方を見つけることが大切です。
ハードワークの実態とワークライフバランス
コンサルティング業界は「激務」というイメージが根強くありますが、近年ではその実態が変化しつつあります。
- ハードワークの実態
- プロジェクトベースの働き方や、クライアントの経営層からの高い要求水準により、短期間で高い成果を出すために長時間労働が不可避となる場合があります。
- マネージャーやシニアマネージャー層は複数のプロジェクトを兼務することが多く、激務になりがちです。
- 特定のパートナーのチームに配属されると、夜遅くからのミーティングが日常化することもあります。
- ワークライフバランスの改善
- 2015年頃と比べて働き方改革が進み、残業時間が月50〜60時間程度に減少したファームもあります。
- フルリモートワークの普及により、通勤時間が削減され、可処分時間が増加するケースも見られます。
- 健康経営優良法人の認定を受けるファームが増えるなど、企業全体で従業員の健康と働きがいを重視する動きが広がっています。
- ライフイベント（結婚、出産、介護など）をきっかけに、ワークライフバランスを重視した転職を選択するコンサルタントも増えています。
転職後のキャリアパス・市場価値の高め方
コンサルティング経験は、転職市場において非常に高い市場価値を持ちます。
- 転職後のキャリアパス
- 他のコンサルティングファームへの転職：ポジションアップ、年収アップ、業務テーマの変更、ワークライフバランスの改善などを目的としたファーム間の移動。
- 事業会社への転職：企業の経営企画部門、幹部ポジション、新規事業開発など、コンサルティングで培ったスキルを事業運営に直接活かす道。
- PEファンドやVC、投資銀行への転職：金融分析や投資評価、M&A戦略などの分野で専門性をさらに深めるプロフェッショナルな道。
- 起業：自らのアイデアやビジョンを実現するため、コンサルティング経験を活かして新しいビジネスを立ち上げる道。
- フリーランスコンサルタント：稼働の自由度が高く、高年収も期待できるキャリアパス。デリバリーと営業活動を両立させる必要があります。
- 市場価値の高め方
- 常に新しい知識やスキルの習得に努め、専門性を高めること。
- 難易度の高いプロジェクトや、特定の業界・機能における経験を積むこと。
- 論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力、リーダーシップといった汎用性の高いビジネススキルを磨くこと。
- 自己のキャリアビジョンを明確にし、計画的にキャリアプランを描くこと。
コンサル転職成功のための戦略と注意点
年収を最大化する転職タイミングと交渉術
コンサル転職で年収を最大化するためには、転職のタイミングを見極め、効果的な交渉術を用いることが重要です。
- 転職タイミング
- 若い年代（20代）での転職は、ポテンシャルが評価されやすく、大幅な年収アップのチャンスがあります。
- 3年以上のコンサルティング経験を積んだ後であれば、培ったビジネススキルが評価され、より高い年収を狙いやすくなります。
- 自身の専門性を確立し、マネージャー以上の役職を目指せるタイミングでの転職は、年収の大幅な増加につながりやすいです。
- 交渉術
- 自分の市場価値を正確に把握し、希望年収の根拠を具体的に示すことが大切です。
- 前職での実績や成果を具体的にアピールし、自身の貢献度を明確に伝えます。
- 年収だけでなく、ボーナス、福利厚生、昇給スピード、ワークライフバランスなど、総合的な待遇を考慮して交渉に臨みます。
- 募集要項に記載されていない細かな点（リモートワークの割合、配属部署の働き方など）も事前に確認し、ミスマッチを防ぎます。
希望条件を実現するためにやるべきこと
希望条件でのコンサル転職を成功させるためには、入念な準備と戦略が必要です。
- 自己分析とキャリアプランの整理
- 自身の強みや弱み、興味、価値観を深く理解し、どのようなキャリアを築きたいのか、どのようなライフスタイルを送りたいのかを明確にします。
- 短期的な目標だけでなく、中長期的なキャリアゴールを設定し、それに向けて必要なスキルや経験を洗い出します。
- スキルアップと経験の棚卸し
- コンサルタントに求められる論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力などを向上させる努力をします。
- これまでの職務経歴の中で得た経験やスキルを具体的に整理し、コンサルティング業務にどう活かせるかを考えます。
- 特にIT関連の知識や、特定の業界・機能における深い専門性は、転職において有利に働きます。
- 面接対策
- 模擬面接を繰り返し行い、想定される質問への明確な回答を用意します。
- フェルミ推定などの問題にも慣れておく必要があります。
- 面接では、自身のポテンシャルや、コンサルティング業界で活躍したいという熱意をアピールすることが重要です。
失敗＆成功事例に学ぶ「期待値マネジメント」
コンサル転職における成功事例と失敗事例から学び、自身の期待値を適切にマネジメントすることが重要です。
- 成功事例
- 高い成果を出し続けることで、年齢に関係なく昇進し、大幅な年収アップを実現。
- ワークライフバランスを重視し、柔軟な働き方が可能なファームや事業会社へ転職し、キャリアとプライベートを両立。
- 自身の強みや希少なスキルセットを効果的にアピールし、希望条件でのオファーを獲得。
- 失敗事例
- 年収だけを追求し、業務内容や働き方とのミスマッチが生じ、早期退職に至る。
- 転職理由やキャリアプランが不明確なまま活動を進め、理想と現実のギャップに苦しむ。
- 自身の市場価値を過信し、年収交渉で適切な条件を引き出せない。
- 期待値マネジメント
- コンサルティング業界のリアルな働き方（激務の可能性、高い成果要求）を理解し、入社後のギャップを最小限に抑えます。
- 年収だけでなく、やりがい、成長機会、企業文化、ワークライフバランスなど、複数の要素を総合的に評価します。
- 転職活動中は、焦らず、自身のペースで準備を進めることが大切です。
Q&A・よくある疑問に専門家が回答
年収交渉のベストなタイミングは？
年収交渉のベストなタイミングは、内定が出た後です。選考の初期段階で年収について細かく尋ねることは避けるべきですが、内定が出た段階で、自身の希望年収と、それまでの貢献度や市場価値を具体的に提示し、交渉に臨むことができます。
英語力・資格・学歴はどこまで影響するか？
- 英語力：外資系ファームではマネージャー以上で必須となることが多いですが、それ以下のポジションであれば、入社後に学ぶ意欲があれば問題ない場合もあります。日系ファームでは英語が決定打となることは少ないですが、グローバル案件に携わる機会も多いため、できるに越したことはありません。TOEIC800点以上のスコアが目安となることもあります。
- 資格：MBA、公認会計士、税理士などの専門資格や、ITストラテジスト、SAP認定資格などのIT系資格は、専門性を示す上で有利に働きます。しかし、コンサルティングにおいて最も重要なのは実務経験と問題解決能力であり、資格はあくまで補助的な要素です。
- 学歴：コンサルティングファームの採用では、高学歴であることは有利に働く傾向がありますが、それ以上に「そこで何をしてきたか」が重視されます。学歴以上に、これまでの経験や培ってきた能力、面接での評価が重要です。
未経験・年齢・業界内外の転職可否について
- 未経験者：コンサルティング業界への未経験転職は十分に可能です。特に20代の若手はポテンシャル採用の対象となりやすく、論理的思考力やコミュニケーション能力など、コンサルタントとしての適性が重視されます。
- 年齢：30代未経験での転職も可能ですが、これまでの職務経歴がコンサルティングワークと親和性があるかどうかが重要になります。40代の未経験者でも、豊富な経験と専門性を持ち、マネージャー層が不足しているファームでは積極的に採用されるケースが増えています。
- 業界内外：コンサルティング業界内での転職（コンサルtoコンサル）は、ポジションアップや年収アップ、ワークライフバランスの改善などを目的として一般的です。また、事業会社からの転職者も多く、事業会社でのプロジェクト推進経験は高く評価されます。
まとめ：コンサル転職で“納得のいく年収”を掴むために
本記事のまとめと今後のアクション
本記事では、コンサル転職で狙える希望年収について、年代・役職別のリアルな年収データや、年収アップのポイント、年収以外の重視すべき点などを詳しく解説しました。
- コンサルティング業界は、一般企業と比較して高年収が期待できる。
- ファームの種類（戦略系、総合系、IT系、専門系）や役職によって年収レンジは大きく異なる。
- 20代の未経験者や第二新卒でも、ポテンシャル次第で大幅な年収アップが可能。
- 30代以降は、これまでの経験や専門性が年収交渉に大きく影響する。
- 年収だけでなく、業務内容、働き方、ワークライフバランス、キャリアパスなど、総合的な視点で転職先を検討することが重要。
コンサル転職で「納得のいく年収」を掴むためには、自己分析を徹底し、自身の強みやキャリアビジョンを明確にすることが不可欠です。
年収以外の「転職成功」を考える視点
コンサル転職の成功は、単に高年収を得ることだけではありません。長期的なキャリア形成と、仕事とプライベートの充実を両立できるかどうかが、「転職成功」の鍵となります。
- 業務内容のやりがい：企業の根幹に関わる課題解決は、大きな達成感と自己成長を促します。
- ワークライフバランス：激務とされるコンサル業界でも、リモートワークや柔軟な勤務体制の導入が進んでいます。自身のライフステージに合った働き方を見つけることが重要です。
- キャリアパス：コンサルティング経験は、ポストコンサルとしての多様なキャリアパス（事業会社幹部、起業、フリーランスなど）を拓きます。
- 企業文化や価値観：ファームごとの文化や価値観を理解し、自身に合った環境を選ぶことで、長期的なモチベーション維持につながります。
これらの要素を総合的に考慮し、自身の「納得のいく」転職を実現するための戦略を立てましょう。
