コトラ（広報チーム） 
はじめに
SE・エンジニアからITコンサルタントへの転職が増えている背景
近年、デジタルトランスフォーメーション（DX）の推進やIT技術の急速な進化により、多くの企業がIT戦略の重要性を認識しています。これに伴い、企業の経営課題をITの力で解決するITコンサルタントの需要が急速に高まっています。特に、システム開発の現場で経験を積んだSEやITエンジニアが、より上流工程の企画・戦略立案に携わりたい、年収を上げたいといった理由からITコンサルタントへの転職を志向するケースが増加しています。
この記事の想定読者と転職ニーズ
この記事は、現在SEやITエンジニアとして働いており、ITコンサルタントへの転職を検討している20代後半から30代の方を主な読者として想定しています。年収アップやキャリアアップ、よりビジネスサイドに近い仕事への関心、ワークライフバランスの改善など、ITコンサルタントへの転職を考える様々なニーズに応える情報を提供します。
ITコンサルタント転職でよくある悩み・不安
ITコンサルタントへの転職を考える際、多くの人が抱える悩みや不安があります。例えば、「未経験からでも転職できるのか」「年収やワークライフバランスは本当に改善するのか」「どのようなスキルや資格が必要なのか」「転職後に後悔しないか」といった点が挙げられます。本記事では、これらの不安を解消し、成功への道筋を示すことを目指します。
SEとITコンサルタントの違いと共通点
業務内容・役割の比較
ITコンサルタントとSE（システムエンジニア）は、どちらもITの専門家ですが、その業務内容と役割には明確な違いがあります。
- ITコンサルタント
- クライアント企業の経営課題をITの視点から解決することを目的とします。
- 経営層へのヒアリングから始まり、現状分析、IT戦略の立案、最適なシステムやツールの選定・導入支援、プロジェクト全体の管理まで、幅広い上流工程を担います。
- 課題解決のために、特定のソリューションやベンダーに縛られず、最適な選択肢を提案します。
- SE（システムエンジニア）
- クライアントの要望に基づいて、ITシステムの要件定義、設計、開発、運用、保守を行う技術職です。
- ITコンサルタントが策定した戦略や要件をもとに、具体的なシステムを形にする「実行部隊」としての役割が中心となります。
- 基本的には自社のリソースや製品を前提としたシステム開発を行います。
求められるスキルと経験の違い
ITコンサルタントとSEでは、求められるスキルや経験も異なります。
- ITコンサルタントに求められるスキル
- 論理的思考力と問題解決力: 複雑な経営課題を深く分析し、根本原因を特定し、論理に基づいた解決策を導き出す能力が不可欠です。
- コミュニケーション力とプレゼンテーション能力: 経営層から現場の担当者まで、多様な関係者と円滑なコミュニケーションを取り、提案内容を分かりやすく説明する力が重要です。
- 経営に関する知識: ITを手段として経営課題を解決するため、財務、人事、マーケティングなど経営全般に関する知識が求められます。
- プロジェクトマネジメントスキル: プロジェクトの計画、実行、監視、制御、完了までを効果的に行う能力が求められます。
- SEに求められるスキル
- 技術スキル: プログラミング言語、データベース、ネットワークなど、システム開発に必要な専門的な技術知識と実装スキルが中心です。
- システム設計スキル: 要件定義に基づいて、効率的かつ堅牢なシステムを設計する能力が求められます。
- 運用・保守スキル: システム稼働後のトラブル対応、メンテナンス、アップデートなどを適切に行う能力が重要です。
共通して活かせるスキル
SEからITコンサルタントへの転職において、SEとして培った経験やスキルは大きな強みとなります。
- IT知識・システム開発経験: システム開発の全工程（要件定義、設計、テスト、実装、運用）を経験しているため、ITコンサルタントとして、技術的な実現可能性を考慮した現実的な提案ができます。
- 課題解決力: システムの不具合対応や顧客からの要望解決を通じて培われた問題発見・解決能力は、ITコンサルタントとして経営課題に取り組む上で活かせます。
- 顧客折衝経験: クライアントの要望をヒアリングし、技術的な要件に落とし込む経験は、ITコンサルタントとしてクライアントの本質的な課題を引き出すコミュニケーション能力に繋がります。
- プロジェクト経験: プロジェクトリーダー（PL）やプロジェクトマネージャー（PM）としてチームを率いた経験は、ITコンサルタントとしてプロジェクト全体を推進する上で高く評価されます。
SEからITコンサルタントへ転職するメリットとデメリット
キャリアアップ・年収アップの可能性
SEからITコンサルタントへの転職は、キャリアアップと年収アップの大きなチャンスとなります。
- 年収アップ: ITコンサルタントの平均年収は、厚生労働省のデータによると約647万円から752.6万円と、日本の平均年収（約458万円）やITエンジニアの平均年収（約496万円）と比較して高い水準にあります。年代別に見ても、20代後半から30代前半にかけて大きく伸び、マネージャー以上の役職では1,000万円を超えることも珍しくありません。特に、SAPコンサルタント、ERPコンサルタント、PMOコンサルタントなどの専門領域では高単価が期待できます。
- キャリアアップ: SEが主にシステム開発の下流から中流工程を担当するのに対し、ITコンサルタントは経営戦略立案からIT導入・運用支援まで、より上流のハイレイヤーなポジションで仕事ができます。多様な業界やプロジェクトに携わることで、幅広い知識と経験を積むことができ、将来的に戦略コンサルタントや事業責任者など、キャリアの選択肢が広がります。
働き方や業務内容の変化
ITコンサルタントへの転職は、働き方や業務内容にも変化をもたらします。
- より上流の業務へ: システムの「どう作るか」から「何を、なぜ作るべきか」という問いに向き合い、経営課題の解決に直結する戦略立案や企画に深く関与できます。
- ソリューションへの縛りがない: 特定の製品やベンダーに縛られず、クライアントの課題に対して最も適したITソリューションを中立的な立場で提案できます。
- ワークライフバランスの改善: かつて激務と言われたコンサルティング業界ですが、近年は働き方改革が進み、リモートワークやフレックスタイム制を導入するファームも増えています。SE時代よりも労働時間が改善されるケースも少なくありません。
転職後に後悔しやすいポイントと対処策
ITコンサルタントへの転職には多くのメリットがありますが、後悔しないためには注意すべき点もあります。
- 業務量の多さへの不慣れ: コンサルタントはクライアントの期待を超える成果を出すために、プロジェクトの繁忙期には長時間労働を強いられることもあります。
- 対処策: 転職前に企業の残業時間の実態や働き方改革への取り組みを詳しくリサーチし、自身のキャパシティに合ったファームを選ぶことが重要です。
- 実力主義・成果主義へのプレッシャー: コンサルティングファームは年功序列ではなく成果主義が強いため、常に高い成果を求められる環境にプレッシャーを感じることがあります。
- 対処策: 自身のスキルや経験に見合ったポジションを選ぶこと、また、成果を出すための学習意欲や向上心を持ち続けることが大切です。
- イメージとのギャップ: 「華やかな仕事」というイメージとは裏腹に、リサーチや資料作成といった地道な作業も多く、ギャップを感じることがあります。
- 対処策: 転職前にITコンサルタントの仕事内容について詳細に情報収集を行い、現実的な業務イメージを持つことが重要です。
ITコンサルタントの主な種類と仕事領域
ITコンサルタントは、担当するテーマや専門領域によっていくつかの種類に分かれます。
IT基盤・業務プロセス・業界特化領域
ITコンサルタントの仕事領域は大きく以下の3つに分類されます。
- IT基盤領域: IT戦略の策定や基盤システムの導入支援、セキュリティ対策、クラウド導入などを担当します。
- IT戦略コンサルタント
- ERPコンサルタント（SAPコンサルタントを含む）
- BIコンサルタント
- セキュリティコンサルタント
- インフラコンサルタント、クラウドコンサルタント
- PMOコンサルタント
- ファンクション領域（業務プロセス特化）: 戦略、人事、財務・会計など、企業の機能や部門別のテーマでコンサルティングを行います。
- SCMコンサルタント
- CRMコンサルタント
- HRMシステムコンサルタント
- 財務・会計システムコンサルタント
- インダストリー領域（業界特化）: クライアントが属する産業・業種に特化し、その業界特有の知見や経験を活かして支援します。
- 金融、製造、流通、公共サービス、通信・メディアなど、特定の業界に特化したコンサルタント。
SE経験者が活かしやすい分野と最新トレンド
SE経験者が活かしやすい分野としては、以下のものが挙げられます。
- ERP/SAPコンサルタント: 基幹システム（ERP）の導入・運用支援は、システム開発経験と業務理解が直結するため、SEの知見が非常に役立ちます。特にSAPは世界中で導入されており、高単価案件も豊富です。
- PMOコンサルタント: 大規模プロジェクトの進行管理やリスク管理を担うPMOは、SEとしてのプロジェクトマネジメント経験が直接活かせます。複数のベンダーが関わる複雑なプロジェクトにおいて、その存在は成功の鍵を握ります。
- クラウド導入支援: AWS、Azure、Google Cloudなどのクラウド基盤への移行支援は、インフラ系のSE経験者が強みを発揮しやすい分野です。
- DX・AI・IoTなどの最先端分野: 近年、企業のDX推進が加速する中で、AI、IoT、ロボティクスなどの最先端技術を活用したコンサルティングの需要が高まっています。これらの分野に精通したSEは、市場価値が高く、高収入を狙えるでしょう。
SEからITコンサルタントになるために必要なスキル・資格
ITコンサルタントとして活躍するためには、SEとしての技術・システム開発経験に加え、コンサルタント特有のスキルや知識を身につけることが重要です。
技術・システム開発経験の活かし方
SEとしてのシステム開発経験は、ITコンサルタントの土台となります。特に、要件定義、設計、テスト、実装、運用までの一連の開発プロセスを理解していることは、現実的なITソリューションを提案する上で不可欠です。
- 上流工程の経験: ウォーターフォール型開発における要件定義経験や、アジャイル開発での顧客折衝経験などは、ITコンサルタントとして高く評価されます。
- プロジェクトマネジメント経験: プロジェクトリーダー（PL）やプロジェクトマネージャー（PM）として、進捗管理、リソース配分、リスク管理、チームマネジメントを行った経験は、即戦力として期待されます。
- 特定の技術領域の専門性: クラウド（AWS, Azure, Google Cloud）、AI、IoT、サイバーセキュリティ、データ分析などの専門知識は、最先端技術を活用したコンサルティングにおいて強みとなります。
コンサルに求められる論理的思考・コミュニケーション力
ITコンサルタントには、技術力だけでなく、ビジネスサイドのスキルが不可欠です。
- 論理的思考力: 複雑な情報を整理し、課題の根本原因を特定し、筋道立てて解決策を導き出す能力です。ケース面接などで問われることも多いため、日頃から「なぜ？」「どうすれば？」と深く考える習慣が重要です。
- 問題解決力: 表面的な課題だけでなく、真因を深掘りし、構造的に整理した上で、実現可能な解決策を提案する力です。
- コミュニケーション力: 経営層、現場担当者、開発チーム、ベンダーなど多様なステークホルダーと円滑に連携し、情報共有や合意形成を行う能力です。ヒアリング力、説明力、ファシリテーション力などが含まれます。
- プレゼンテーションスキル: 複雑な内容を非IT人材にも分かりやすく伝え、納得感のある提案を行う能力です。
プロジェクトマネジメントなどのスキル
SEの経験で培ったプロジェクトマネジメントスキルは、ITコンサルタントとしてプロジェクトの成功に不可欠です。
- 計画・実行・監視・制御能力: プロジェクトの全体像を把握し、スケジュール、予算、リソースを適切に管理する能力です。
- リスクマネジメント: プロジェクトにおける潜在的なリスクを予測し、事前に対策を講じる能力です。
- 利害調整力: 異なる立場の関係者の意見を調整し、プロジェクトを円滑に進める能力です。
有利になる資格・英語力・業界知識
必須ではありませんが、以下の資格やスキルは転職活動や実務で有利に働きます。
- 有利になる資格
- ITストラテジスト試験: 経営戦略とIT戦略を結びつける最上位の国家資格で、ITコンサルタントの業務内容と直結します。
- ITコーディネータ: 中小企業のIT活用支援に特化した資格で、実践的なコンサルティングスキルを証明できます。
- 中小企業診断士: 経営全般に関する知識を体系的に学べる国家資格で、ITを手段として経営に関わりたい場合に非常に有用です。
- PMP（Project Management Professional）: プロジェクトマネジメントの国際資格で、プロジェクト管理能力を客観的に証明できます。
- AWS認定試験、LPIC、CISSP: 特定の技術分野の専門性を証明する資格も、案件獲得に有利に働きます。
- 英語力: グローバル案件や外資系ファームを目指す場合、ビジネスレベルの英語力は大きな強みとなります。
- 業界知識: 金融、製造、流通、公共サービスなど、特定の業界に対する深い知識は、専門性の高いコンサルティングを行う上で評価されます。
SE経験を活かせるITコンサル転職の進め方
自己分析と志望動機のポイント
ITコンサルタントへの転職を成功させるためには、徹底した自己分析と明確な志望動機の整理が不可欠です。
- 自己分析のポイント:
- これまでのSEとしての経験（開発フェーズ、担当システム、プロジェクト規模、役割など）を具体的に棚卸し、どのようなスキルや強みが身についたかを整理します。
- 業務の中で特にやりがいを感じたこと、課題解決に貢献した経験などを明確にします。
- ITコンサルタントとして「何を成し遂げたいか」「どのような価値を提供したいか」というキャリアビジョンを具体的に描きます。
- 志望動機のポイント:
- 「なぜITコンサルタントになりたいのか」「なぜその企業を選んだのか」「自分のSE経験をITコンサルタントとしてどう活かせるのか」を論理的かつ具体的に伝えます。
- 企業ごとの特徴や強みを深く理解し、それに合わせた志望動機を作成することで、入社後の貢献意欲を示します。
- 単に「成長したい」「年収を上げたい」だけでなく、「顧客の課題解決を通じて社会に貢献したい」といった企業視点での動機を伝えると良いでしょう。
企業選びと選考対策
ITコンサルタントの企業は多岐にわたるため、自身の志向に合った企業選びと、それに合わせた選考対策が重要です。
- 企業選びのポイント:
- ファームの種類: 戦略系、総合系、IT特化系、シンクタンク系など、それぞれ得意とする領域や文化が異なります。自身の興味や活かしたい経験に合わせて選びましょう。
- 企業規模とフェーズ: 大手ファームでは大規模プロジェクトが多く、ベンチャーでは裁量権が大きいなどの違いがあります。
- SE経験者が活かしやすいファーム: DXソリューションの提供に力を入れているファームや、自身のSE経験業界（金融、製造など）に強いファームは、経験を活かしやすいでしょう。
- 選考対策:
- 応募書類: 職務経歴書では、SEとしての技術スキルやプロジェクト経験だけでなく、課題解決への取り組みやマネジメント経験を具体的に記述し、ITコンサルタントとして通用するポータブルスキルをアピールします。
- 適性検査・筆記試験: 論理的思考力やIT知識を問われることがあるため、事前に対策を練っておきましょう。
- ケース面接: 戦略系ファームでは実施されることがありますが、ITコンサルでは比較的少ないです。しかし、論理的思考力や問題解決力を試す面接形式として、準備しておくと安心です。
面接でよく聞かれる質問と対策方法
ITコンサルタントの面接では、以下のような質問がよく聞かれます。
- 「なぜSEからITコンサルタントを目指すのか？」
- 「これまでのプロジェクトで、最も苦労したことと、それをどう乗り越えたか？」
- 「ITコンサルタントとして、当社で何をしたいか、どのように貢献できるか？」
- 「（提示されたビジネス課題に対して）あなたならどう解決するか？」
- 対策方法:
- 質問の意図を理解し、自分の経験を具体例として盛り込みながら、論理的に回答します。
- SEとしての技術的な視点だけでなく、ビジネス課題解決への貢献意欲を示すことが重要です。
- 企業研究に基づいた具体的な回答を用意し、入社後の活躍イメージを伝えることで、熱意と適性をアピールします。
- 模擬面接などを通じて、スムーズに話せるように練習を重ねることも効果的です。
内定後や入社後の活躍事例
SEからITコンサルタントへ転職し、活躍している事例は多くあります。
- 大手SIerで金融機関の基幹系システム開発に携わっていたSEが、総合系コンサルティングファームのマネージャーとして転職し、年収アップとより上流のプロジェクトマネジメントを実現。
- インフラ製品の販売・設計・構築経験を持つSEが、外資系ITコンサルティングファームのシニアコンサルタントとして転身し、大規模案件のリーダーとして活躍。
- 業務系システムの構築経験がある20代のSEが、ITコンサルタントとして業務改革プロジェクトに参画し、早期に頭角を現す。
これらの事例から、SE経験はITコンサルタントとして活躍するための強固な土台となることが分かります。
実際の転職成功・失敗事例とキャリア構築戦略
転職前後のギャップ・働き方の体験談
ITコンサルタントへの転職は、SE時代との間で様々なギャップが生じることがあります。
- 成功事例:
- より上流への関与: 「SE時代は決められた要件を実装する側だったが、ITコンサルになってからはクライアントの経営層と直接対話し、ITでどう変革するかを企画する立場になり、大きなやりがいを感じている」という声が多く聞かれます。
- 年収アップとスキル成長: 「SEからITコンサルに転職して年収が100万円以上アップし、様々な業界の知識や経営視点が身についた」といった、待遇とスキルアップの両面での満足感を示す意見があります。
- ワークライフバランスの改善: かつての激務イメージとは異なり、「ファームによってはリモートワークが浸透し、SE時代よりも柔軟な働き方ができるようになり、プライベートとの両立がしやすくなった」という体験談も増えています。
- 失敗事例:
- 業務量の多さへの不慣れ: 「コンサルタントは想像以上に激務で、資料作成や情報収集など地道な作業が多く、体力的にきついと感じた」という声もあります。
- 実力主義への適応困難: 「常に成果を求められるプレッシャーに耐えきれず、SE時代の年功序列の働き方が合っていたと感じた」というケースもあります。
- イメージとのギャップ: 「華やかなコンサルタント像を抱いていたが、実際は泥臭い調整や分析が多く、理想と現実のギャップに悩んだ」という後悔の声も聞かれます。
やりがいやスキルアップ実感の声
ITコンサルタントとして働く人々からは、以下のようなやりがいやスキルアップの実感が語られます。
- 顧客の課題解決への貢献: 複雑な経営課題をITの力で解決し、クライアントの事業成長に貢献できることに大きな達成感を感じる。
- 多様な経験と知識の習得: プロジェクトごとに異なる業界や技術に触れることで、幅広い知識とビジネス視点が身につく。
- 自身の成長実感: 論理的思考力、コミュニケーション力、問題解決力など、多岐にわたるスキルが磨かれ、自己成長を実感できる。
- 社会への影響力: 大企業のDX推進や新しいビジネスモデルの構築に関わることで、社会全体に大きな影響を与えられる。
戦略的なキャリア形成のコツ
後悔しないITコンサル転職を成功させるためには、戦略的なキャリア形成が不可欠です。
- 自己分析の徹底: 自身の強み、弱み、キャリア目標を明確にし、ITコンサルタントとしての適性を見極めます。
- 情報収集: 応募企業の文化、働き方、得意領域などを徹底的にリサーチし、ミスマッチを防ぎます。特に現場のリアルな情報を得るように努めましょう。
- 段階的なキャリアアップ: 完全な未経験からのITコンサル転職はハードルが高いため、まずはSEとして上流工程（要件定義、PM/PLなど）の経験を積む、またはポテンシャル採用に積極的なファームを目指すなど、段階的なステップを検討します。
- スキルの継続的な学習: 常に最新のITトレンドやビジネス知識をキャッチアップし、自身の市場価値を高める努力を続けます。
よくある質問・Q&A
未経験からの転職は可能か
完全なIT未経験からいきなりITコンサルタントになるのは難しいのが現実です。しかし、IT業界での実務経験（SE、プログラマー、社内SEなど）があれば、十分に転職のチャンスはあります。特に、上流工程の経験やプロジェクトマネジメント経験があれば有利です。多くのコンサルティングファームは、IT人材不足を背景に、ポテンシャル採用や研修制度を設けて未経験者を受け入れています。
年収やワークライフバランスはどう変わるか
- 年収: SE時代よりも年収が上がる可能性が高いです。ITコンサルタントの平均年収はSEよりも高く、経験や役職に応じて1,000万円以上も十分に狙えます。特に成果主義のファームでは、若くして高収入を得ることも可能です。
- ワークライフバランス: かつて激務のイメージが強かったですが、近年は働き方改革が進み、リモートワークやフレックスタイム制を導入する企業が増えています。プロジェクトの繁忙期には業務量が増えることもありますが、全体としてはSE時代よりも柔軟な働き方が可能になるケースも多いです。
どんな人がITコンサルに向いているか
ITコンサルタントには、以下のような特徴を持つ人が向いています。
- 知的好奇心が高い人: 最新のIT技術やビジネス動向に常にアンテナを張り、積極的に学習し続けられる人。
- 課題解決志向が強い人: 表面的な問題だけでなく、その裏にある根本原因を突き止め、解決に導くことに喜びを感じる人。
- 論理的思考力に自信がある人: 複雑な情報を整理し、筋道立てて考え、明確に説明できる人。
- コミュニケーション能力が高い人: 多様な立場の人と円滑に意思疎通を図り、合意形成できる人。
- 責任感が強く、粘り強い人: 大規模なプロジェクトを最後までやり遂げる責任感と、困難に直面しても諦めずに粘り強く取り組める人。
- ビジネスや経営に興味がある人: ITを手段として、企業の経営戦略や事業成長に貢献したいという意欲がある人。
まとめ
ITコンサル転職を成功させるためのポイント総括
SE・エンジニアからITコンサルタントへの転職は、キャリアアップと年収アップを実現する魅力的な選択肢です。成功の鍵は以下のポイントに集約されます。
- SE経験の強みを明確にする: システム開発の実務経験、特に上流工程やプロジェクトマネジメントの経験は大きなアドバンテージです。
- コンサルタントに必要なスキルを磨く: 論理的思考力、コミュニケーション力、問題解決力、経営知識など、ビジネスサイドのスキルを重点的に強化しましょう。
- 徹底した自己分析と企業研究: 自身のキャリアビジョンと企業文化・提供サービスとのマッチングを深く考察し、納得のいく志望動機を構築します。
- 情報収集と選考対策: ITコンサルタントの仕事内容や働き方、採用トレンドについて正確な情報を集め、面接対策を徹底的に行います。
後悔しないキャリアアップのために
後悔しないキャリアアップのためには、ITコンサルタントという職種の実態を深く理解し、自身の適性や目標と照らし合わせることが何よりも重要です。華やかなイメージだけでなく、地道な努力や高いプレッシャーがあることも認識した上で、自身のスキルを最大限に活かせるファームや領域を見つけることが成功への道となります。
