コトラ（広報チーム） 
はじめに
この記事の目的と想定読者
本記事は、キャリアアップやスキルアップを目指す社会人、特に転職を考えている方や、将来的に海外での活躍、起業を視野に入れている方を想定読者としています。オンラインMBAの取得を検討しているものの、「どのようなメリット・デメリットがあるのか」「どのようなプログラムがあるのか」「費用や期間はどのくらいかかるのか」「キャリアにどう影響するのか」といった疑問を持つ方々に対し、具体的な情報と実例を交えながら、最適なオンラインMBAプログラム選びのヒントを提供します。
オンラインMBAとは何か？社会人におすすめする理由
MBA（Master of Business Administration）とは、経営学の大学院修士課程を修了することで得られる「経営学修士」の学位です。ビジネススクールで経営学に関する体系的な知識を学び、実践的な経営スキルを習得することを目的としています。
オンラインMBAは、インターネットを介して授業を受けることができるプログラムであり、キャンパスに通学することなくMBAの学位取得を目指せます。この形式は、特に多忙な社会人にとって、仕事を続けながら学習できるという大きなメリットがあります。費用面でも、通学制に比べて留学費用や生活費を大幅に抑えられる場合が多く、キャリアの中断なくスキルアップを図りたい社会人にとって非常に魅力的な選択肢となっています。近年、オンライン学習の質の向上に伴い、オンラインMBAの価値と可能性はさらに広がっています。
オンラインMBAのメリットとデメリット
通学制MBAとの比較
オンラインMBAと通学制MBAの最も大きな違いは、学習の柔軟性にあります。オンラインMBAは時間や場所の制約を受けにくく、仕事を続けながら、あるいは自身の生活リズムに合わせて学習を進められるのが特徴です。一方、通学制MBAは特定のキャンパスに決められた時間に通う必要があります。
学習内容については、どちらの形式でも経営学の主要科目（ファイナンス、マーケティング、会計、経営戦略、リーダーシップなど）を体系的に学びます。ケーススタディやグループワークを通じて実践的な知識を習得する点も共通しています。しかし、オンラインではリアルタイムでの直接的な意見交換の機会が通学制に比べて少なくなる可能性があります。
費用の面では、オンラインMBAは通学制、特に海外留学を伴う場合と比較して、学費や生活費を大幅に抑えることができます。
学習の柔軟性とワークライフバランス
オンラインMBAの最大のメリットは、その学習の柔軟性にあります。
- 時間と場所の制約がない: インターネット環境があれば、自宅、オフィス、外出先など、どこからでも学習可能です。オンデマンド型の授業であれば、自分の都合の良い時間に好きなだけ視聴でき、ライブ型の授業でも、多くの場合アーカイブ視聴が可能です。
- 仕事を続けながら学習可能: MBA取得のために仕事を辞めたり休職したりする必要がないため、キャリアの中断なく実務経験を積みながら学習できます。学んだ知識をすぐに実際のビジネスの現場で実践できるため、効率的なスキルアップが期待できます。
- ワークライフバランスの維持: 忙しい社会人でも、自身のライフスタイルに合わせて学習時間を調整できるため、仕事や家庭との両立がしやすいです。
一方、デメリットとしては、自己管理能力が強く求められる点が挙げられます。時間や場所の制約がない分、学習を継続するための強い意志と計画性が必要です。モチベーションの維持には、自身で学習スタイルを確立し、目標を明確に持ち続けることが重要になります。
ネットワーク形成・人脈構築の実情
オンラインMBAでは、通学制に比べて直接的な交流の機会が少ないと懸念されがちですが、工夫次第で活発なネットワークを構築することも可能です。
多くのオンラインMBAプログラムでは、ディスカッションボードやオンライン会議システムを活用したグループワークが導入されています。これにより、多様なバックグラウンドを持つクラスメイトと深く議論を交わし、互いの知識や経験を共有することで人脈を形成できます。実際、オンラインMBAで密な交流を築き、卒業後も定期的に会う関係を維持しているケースもあります。
ただし、物理的な距離があるため、通学制のような偶発的な出会いや授業後の交流の機会は限定されるかもしれません。オンラインでの人脈形成を最大限に活かすためには、自ら積極的にコミュニケーションを図る姿勢が重要です。
企業の評価とキャリアへの影響
オンラインMBAの学位は、通学制MBAと同様に、グローバルに評価される経営学修士の学位です。近年、オンライン教育の質の向上に伴い、その評価は高まっています。
- 採用現場での評価: 企業の採用現場では、MBAホルダーは経営のプロとしての評価が高い傾向にあります。特に外資系企業やIT企業など、成果主義や実力主義の傾向が強い企業では、MBA取得を昇進の要件としたり、積極的に採用したりするケースが多く見られます。
- 昇給・昇格・転職・起業への影響: MBA取得は、昇給・昇格、転職、起業など、様々なキャリアパスにおいて有利に働く可能性があります。特に海外MBAを取得した場合、修了後の年収が大幅に上がる傾向にあるという調査結果もあります。オンラインMBAで学んだ知識やスキル、そして構築した人脈は、キャリアアップの大きな武器となるでしょう。
- 国際認証の重要性: オンラインMBAプログラムを選ぶ際には、国際認証機関（AACSB、AMBA、EQUISなど）の認定を受けているかどうかを確認することが重要です。国際認証は、プログラムの教育の質を保証するものであり、世界的に認められるMBAプログラムであることの証となります。
ただし、日本国内の旧体制な企業では、依然として年功序列の風潮が残る場合もあり、MBAホルダーの価値が十分に評価されないケースもゼロではありません。MBA取得の価値を最大限に活かすためには、自身のキャリアプランに合った企業選びや、MBAで培った能力を実務で発揮し実績を上げることが不可欠です。
注目のオンラインMBAプログラム・ランキング
国内主要MBAプログラム紹介
日本国内でオンラインMBAプログラムを提供している主要な大学院には、以下のような学校があります。これらの多くは、社会人が働きながら学べるよう、平日夜間や週末、オンデマンド形式の授業などを取り入れています。
グロービス経営大学院、SBI大学院大学、ビジネス・ブレークスルー大学院ほか
- グロービス経営大学院: 日本最大規模のMBAプログラムを提供し、オンライン校も充実しています。ディスカッション形式の授業が特徴で、実務力を重視したカリキュラムです。オンライン受講のみでMBA取得が可能でありながら、状況に応じて対面授業も選択できる柔軟性があります。
- SBI大学院大学: 文部科学省認可のオンライン専門ビジネススクールです。目的別にコースが用意されており、本格的に経営学を学びたい人向けの「MBA本科コース」や、1科目から受講できる「MBA単科コース」などがあります。すべてオンラインで完結できるため、スムーズな受講が可能です。
- ビジネス・ブレークスルー大学院: 大前研一学長をはじめとする一流の経営者から実践的な知見を学べるオンラインMBAです。思考を深めることにフォーカスしたカリキュラムや、リアルタイムオンラインケーススタディ（RTOCS）といった独自の教育メソッドが特徴です。
- 事業創造大学院大学: 5つのMBAプログラムがあり、興味のある専門領域に合わせた学びが得られます。平日夜間・土曜日のみの受講で修了できるため、社会人でも働きながらMBA取得が可能です。
これらの国内オンラインMBAは、日本語で受講できるため、英語力に不安がある方でも学習に集中しやすいメリットがあります。
海外主要オンラインMBAプログラム紹介・ランキング
海外のビジネススクルでも多くのオンラインMBAプログラムが提供されており、世界中どこからでも受講が可能です。国際認証を受けた質の高いプログラムが多く、グローバルな視点と英語力を同時に養える点が魅力です。
国際的な評価機関やビジネス誌が発表するオンラインMBAランキングは、プログラム選びの参考になります。例えば、イギリスのQuacquarelli Symonds（QS）社やFinancial Times（FT）紙が毎年発表するランキングは、教員と教育の質、雇用主からの評価、卒業生のキャリアアップなどを総合的に評価しています。
UMass、HKUST、Hult Internationalなど
「QS World University Rankings : Online MBA Rankings 2024」によると、上位には以下のような学校がランクインしています。
- IE Business School (スペイン): FTオンラインMBAランキングで上位を占める名門校で、多彩な奨学金制度や無利子での分割払いが可能です。
- Imperial College Business School (イギリス): QSランキングで常に上位に位置し、AACSB/EQUIS/AMBAのトリプル認証を取得しています。
- Warwick Business School (イギリス): 同様にトリプル認証を持つ名門校で、FTランキングでも高評価を受けています。
- UMass (University of Massachusetts Amherst, アメリカ): 国際認証AACSBを取得しており、アビタスなどのプログラムを通じて日本語サポートを受けながらオンラインでMBA取得が可能です。
- Bond University (オーストラリア): Bond-BBT MBAとして提供され、国際認証AACSB、EQUISを取得。日本語と英語のハイブリッド学習が可能です。
海外オンラインMBAは、フルタイム留学と比較して費用を抑えつつ、国際的なビジネススキルと英語力を身につけられる点が大きなメリットです。
費用・期間・入学条件の比較表
オンラインMBAプログラムの費用、期間、入学条件は、国内か海外か、また各スクールによって大きく異なります。
項目国内オンラインMBA（主要校の目安）海外オンラインMBA（主要校の目安）費用総額250万～350万円程度400万～1000万円程度（上位校はさらに高額）学習期間2年が標準（最長5年程度）1.5年～5年（平均3年程度）入学条件– 大卒または同等の学力\
- 職務経験（3〜5年以上が一般的だが必須ではない場合も）\
- 小論文、研究計画書、面接など- 大卒または同等の学力\
- 職務経験（2〜3年以上が一般的）\
- 英語力（TOEFL/IELTS/GMATスコアなど）\
- 推薦状、エッセイ、面接など
費用の注意点:
- 海外MBAの費用は為替レートの影響を受けるため、変動する可能性があります。
- 学費以外にも、教材費、通信費、受験対策費用などがかかります。
- 国内のオンラインMBAでは、教育訓練給付金制度（専門実践教育訓練給付）の対象となるプログラムも多く、最大100万円以上の給付金を受けられる場合があります。
- 大学によっては独自の奨学金制度を設けている場合もあります。
入学条件の注意点:
- 海外のオンラインMBAでは、英語での授業についていける高い英語力が前提となります。GMATのスコアが求められる場合もありますが、フルタイムMBAほど高いスコアが要求されない、あるいはGMAT不要のプログラムもあります。
- 職務経験の有無や年数は、プログラムによって異なります。
これらの情報を参考に、自身のキャリアプランや経済状況、英語力などを考慮して、最適なプログラムを選ぶことが重要です。
オンラインMBA取得者の実例と採用事例
採用現場でのMBAホルダーの評価
MBAホルダーは、採用市場において高い評価を受ける傾向にあります。特に、経営戦略、マーケティング、財務といったビジネスの根幹をなす知識を体系的に習得し、実践的な問題解決能力を身につけている点が評価されます。外資系企業やコンサルティングファーム、IT企業など、成果主義やグローバルな視点を重視する企業では、MBA取得がキャリアアップや昇進の重要な要素となることが多いです。
また、オンラインMBAの取得は、仕事を続けながら学習を完遂したという自己管理能力や、多様なバックグラウンドを持つクラスメイトとのオンライン上での協業経験を通じて培われたコミュニケーション能力も評価されます。
昇給・昇格・転職・起業等のキャリア事例
MBA取得後のキャリアパスは多岐にわたります。
- 昇給・昇格: 企業内でマネジメント層への昇進や、専門職としての高い評価を得ることで、大幅な昇給につながるケースが多く見られます。
- 転職: 外資系コンサルティング、投資銀行、IT企業の戦略部門など、より高度な経営スキルを求める企業への転職事例が豊富です。特に海外オンラインMBAは、国際的なブランド力と英語力が評価され、年収アップに直結しやすい傾向があります。
- 起業: MBAで培ったビジネスモデル構築能力や、リスク分析、資金調達の知識は、起業を目指す上で非常に役立ちます。また、プログラムで得られる人脈が、起業後のビジネスパートナーや投資家との出会いにつながることもあります。
ある調査によると、MBA取得者の37.9%が年収500万円以上のアップを経験しており、特に海外MBA取得者の方が、国内MBA取得者よりも顕著な年収上昇が見られると報告されています。
業界別（IT・金融・医療 etc.）で活躍するMBA取得者の声
MBA取得者は、IT、金融、製造、医療、コンサルティングなど、多様な業界で活躍しています。
- IT業界: 新規事業開発、プロダクトマネジメント、グローバル戦略立案などで、MBAで学んだイノベーションマネジメントやマーケティングの知識が活かされています。
- 金融業界: M&A、企業再生、ポートフォリオマネジメントなど、高度な財務分析や経営戦略のスキルが求められる分野で、MBAホルダーが中心的な役割を担っています。
- 医療業界: 病院経営、医療政策、ヘルスケアビジネスの分野で、リーダーシップや組織マネジメントの知識を活用し、医療サービスの質向上や効率化に貢献しています。
オンラインMBAの場合、異なる業界や国籍の受講生と交流することで、多様な視点や異文化理解を深められるため、それぞれの業界における課題解決やイノベーション創出に貢献できる人材が育っています。
在学中・取得後の体験談
オンラインMBAの在学中は、多忙な仕事と学習の両立に苦労する声も聞かれますが、同時に大きな達成感や成長を実感する体験談が多いです。
- 「仕事で直面する課題を、授業で学んだフレームワークを使って分析できるようになり、すぐに実践に活かせた」
- 「オンラインディスカッションを通じて、自分とは全く異なる視点を持つクラスメイトの意見に触れ、視野が大きく広がった」
- 「長期にわたる学習を通じて、自己管理能力とタイムマネジメントスキルが格段に向上した」
取得後には、
- 「MBAの知識と経験が自信となり、難易度の高いプロジェクトを任されるようになった」
- 「MBAで得た人脈を通じて、新しいビジネスチャンスや転職の機会に恵まれた」
- 「起業の夢を実現するための具体的なロードマップを描けるようになった」
といった声が聞かれます。オンラインMBAは、学習の柔軟性ゆえに個々の努力がより重要となる側面もありますが、その分、自律的な学習能力や問題解決能力を大きく高めることができると言えるでしょう。
プログラム選びのポイントとプロが推す注目校
選択時の注意点（国際認証・学び方・サポート体制）
オンラインMBAプログラムを選ぶ際には、以下の点に注意して慎重に検討しましょう。
- 国際認証の有無: AACSB、AMBA、EQUISといった国際認証は、MBAプログラムの質を保証する重要な指標です。これらの認証を受けているスクールは、国際的な水準を満たしていると認められています。特にオンラインMBAは教育の質が見えにくい側面があるため、国際認証の有無はプログラム選択の際の重要な判断基準となります。
- 学び方（授業形式・カリキュラム）: 授業がライブ配信型なのか、オンデマンド型なのか、あるいはその両方を組み合わせたハイブリッド型なのかを確認しましょう。自身の学習スタイルや仕事の都合に合わせて、最適な形式を選ぶことが大切です。また、カリキュラム内容が自身の学びたい分野やキャリア目標に合致しているか、ケーススタディやグループワークの頻度、実践的な内容が含まれているかなども確認しましょう。
- サポート体制: オンライン学習は孤独になりがちなため、学習サポート体制の充実度は重要です。キャリアセンターによる就職サポート、専門スタッフによる学習相談、教員とのコミュニケーション機会、学生間の交流を促す仕組み（オンライン掲示板、イベントなど）が整っているかを確認しましょう。
コストパフォーマンスや短期間取得が可能なオンラインMBA
費用を抑えつつ、効率的にMBAを取得したいと考える場合、以下の点を考慮してプログラムを選びましょう。
- 費用: 国内のオンラインMBAは250万～350万円程度が相場であり、海外のオンラインMBAと比較して費用を抑えられます。また、教育訓練給付金制度の対象となっているプログラムを選ぶことで、最大100万円以上の給付金を受けられる可能性があります。
- 期間: 英国のオンラインMBAには1年制のプログラムもありますが、多くの場合、働きながら学習するため、平均して3年程度の期間を見込むと良いでしょう。早期に学位を取得したい場合は、短期間で修了可能なプログラムや、夏季休暇期間に集中して授業を受けることで期間を短縮できるオプションがあるかを確認しましょう。
- 奨学金制度: 各スクールが独自に設けている奨学金制度や、外部の奨学金（フルブライト奨学金、日本学生支援機構など）を利用することで、学費負担を軽減できます。応募資格や締め切りを事前に確認し、積極的に活用しましょう。
通学制／オンラインハイブリッド校の特徴比較
近年、通学制とオンラインの良い点を組み合わせたハイブリッド型のMBAプログラムも増えています。
- メリット: オンラインの柔軟性と、対面での深い交流や臨場感を両立できる点が最大のメリットです。地域に縛られず学習を進めながら、必要に応じてキャンパスでのイベントやスクーリングに参加し、人脈形成や対面でのディスカッションの機会を得ることができます。
- デメリット: 完全オンラインと比べて、通学の負担が一部発生する可能性があります。また、オンラインと対面のバランスや、提供されるサポート内容がスクールによって異なるため、自身のニーズに合致しているかを見極める必要があります。
プロがおすすめする注目プログラム（国内外）
専門家が注目するオンラインMBAプログラムとしては、国際認証を持つグローバルなプログラムや、実践的なカリキュラムに強みを持つ国内の主要校が挙げられます。
- 国際認証を持つ海外オンラインMBA:
- IE Business School (スペイン): FTランキングで常に上位に位置し、柔軟な学費支援制度が魅力です。
- Imperial College Business School (イギリス): 世界トップクラスの教育とトリプル認証を誇ります。
- University of Massachusetts Amherst (UMass, アメリカ): 国際認証AACSBを取得し、日本語サポートのあるオンラインプログラムも提供されています。
- 実践的な国内オンラインMBA:
- グロービス経営大学院: 実務家教員による実践的なケーススタディと活発なディスカッションが特徴です。
- ビジネス・ブレークスルー大学院: 大前研一氏が学長を務め、独自のRTOCSなどリアルタイムな課題解決型学習に強みがあります。
これらのプログラムは、質の高い教育内容と充実したサポート体制が評価されており、多様なキャリア目標を持つ社会人におすすめできます。
オンラインMBA取得の流れと実践ガイド
出願・入試・学費・奨学金制度
オンラインMBAの取得を目指す場合、一般的な流れと知っておくべきポイントは以下の通りです。
- 出願・入試:
- 準備期間: 海外MBAの場合、GMATやTOEFL/IELTSのスコアメイクに1年程度の準備期間が必要とされています。国内MBAでも、小論文や研究計画書の作成に十分な時間を確保しましょう。
- 必要書類: 成績証明書、履歴書（レジュメ）、職務経歴書、推薦状、エッセイ（志望理由書）、研究計画書、英語力証明（海外MBAの場合）など。
- 選考プロセス: 書類審査、筆記試験（小論文など）、面接が一般的です。オンラインMBAでは、オンライン面接が中心となります。
- 学費:
- 国内オンラインMBAの相場は250万〜350万円程度、海外オンラインMBAは400万〜1000万円以上と幅があります。
- 学費以外に、受験対策費用、教材費、通信費などがかかります。海外MBAでは渡航費や現地生活費は不要ですが、その分を学習環境整備に充てる必要があります。
- 奨学金制度:
- 日本学生支援機構（JASSO）: 貸与型の奨学金が利用可能です。
- 各大学院独自の奨学金: 成績優秀者向けや経済的支援が必要な学生向けなど、様々な種類があります。
- 民間団体・地方公共団体の奨学金: フルブライト奨学金（アメリカ）、チーヴニング奨学金（イギリス）、伊藤国際教育交流財団など、海外留学向けも豊富です。
- 教育訓練給付制度: 国内の指定されたMBAプログラムでは、専門実践教育訓練給付金の対象となり、最大128万円の給付を受けられる可能性があります。
奨学金の申請には期限があり、必要書類も多いため、早期の情報収集と計画的な準備が不可欠です。複数の奨学金に同時に応募することも検討しましょう。
忙しい社会人が成功するための学習術とスケジュール管理
多忙な社会人がオンラインMBAを成功させるためには、効率的な学習術と徹底したスケジュール管理が重要です。
- 学習環境の整備: 自宅に集中できる学習スペースを確保し、誘惑となるもの（テレビ、ゲーム、スマートフォンなど）を視界から遠ざけましょう。安定したインターネット環境と、質の良いPC、マイク、カメラなどの機材を準備することも大切です。
- 時間管理の徹底: 毎日決まった時間に学習する習慣をつけ、学習時間をルーティン化しましょう。週単位や月単位で具体的な学習計画を立て、進捗を可視化することでモチベーション維持につながります。オンデマンド型授業のメリットを活かし、通勤時間や休憩時間などの隙間時間を有効活用するのも効果的です。
- 予習・復習の習慣化: ケーススタディ中心の授業では、予習が不可欠です。また、授業で学んだ内容を定着させるためには、復習の時間を必ず組み込みましょう。オンデマンド型であれば、不明な点を繰り返し視聴できるため、深い理解につながります。
- 積極的なコミュニケーション: オンラインであっても、教員やクラスメイトとの積極的な交流を心がけましょう。チャット機能やオンライン掲示板を活用して質問したり、グループワークに主体的に参加したりすることで、学習効果を高め、人脈を広げることができます。
- モチベーションの維持: 長期間の学習を継続するためには、モチベーションの維持が不可欠です。なぜMBAを取得したいのかという目的を常に意識し、小さな目標達成を積み重ねていくことで、達成感を味わいながら学習を進められます。家族や職場の理解を得ることも重要です。
よくあるQ＆A（年齢制限・英語力・予備校の必要性 など）
- 年齢制限はありますか？: 多くのMBAプログラムには厳密な年齢制限はありません。社会人としての実務経験が重視されるため、幅広い年齢層の学生が学んでいます。
- 英語力はどの程度必要ですか？: 国内MBAの多くは日本語で受講可能ですが、英語の授業を取り入れているスクールもあります。海外オンラインMBAの場合は、授業がすべて英語で行われるため、ビジネスレベルの英語力が必須です。TOEFL iBT 90点以上、IELTS 7.0以上、GMAT 550点以上などが目安とされていますが、プログラムによってはGMAT不要のケースもあります。
- 予備校は必要ですか？: 予備校は必須ではありませんが、入試対策や英語力強化のために利用する人も多くいます。特に海外MBAを目指す場合、GMATやTOEFL/IELTSの対策は独学では難しいと感じる人もいるでしょう。予備校を利用することで、効率的に学習を進め、合格の可能性を高められます。
- 修士論文は必要ですか？: MBAプログラムによって異なります。修士論文の提出を必須とする大学院もあれば、特定のプロジェクトやケーススタディのレポート提出をもって修了とする大学院もあります。
まとめ
オンラインMBAの選び方と将来性
オンラインMBAは、時間や場所の制約を受けずに経営学の専門知識と実践スキルを習得できる、多忙な社会人にとって非常に有効な選択肢です。プログラムを選ぶ際は、以下のポイントを重視しましょう。
- 自身のキャリア目標との合致: どのようなスキルを身につけ、どのようなキャリアを目指したいのかを明確にし、その目標に合ったカリキュラムや専門分野を持つプログラムを選びましょう。
- 国際認証の有無: プログラムの質の保証として、AACSB、AMBA、EQUISなどの国際認証を受けているかを確認しましょう。
- 学習スタイルとサポート体制: 自身のライフスタイルに合った授業形式（ライブ、オンデマンド、ハイブリッド）か、また学習を継続するためのサポート体制が充実しているかを確認しましょう。
- 費用と期間: 予算と取得までの期間を考慮し、奨学金や教育訓練給付金制度の活用も検討しましょう。
オンラインMBAは、オンライン教育の質の向上とともに、その価値と認知度が高まっています。グローバル化が進む現代社会において、オンラインで身につけた経営スキルと国際的な視点は、将来のキャリアを大きく切り開く可能性を秘めています。
資格取得の価値を最大限に活かすには？
オンラインMBAの資格取得の価値を最大限に活かすためには、単に学位を取得するだけでなく、学習プロセスを通じて得られた知識や経験を実務に結びつけ、具体的な成果を出すことが重要です。
- 実践への応用: 学んだ経営理論やフレームワークを、日々の業務における課題解決や意思決定に積極的に応用しましょう。
- 人脈の活用: プログラムで築いた多様な人脈を、キャリア相談、情報交換、新たなビジネス機会の創出などに活かしましょう。
- 継続的な学習: MBA取得はゴールではなく、キャリアを通じて学び続けるためのスタートラインです。変化の激しいビジネス環境に対応するため、常に最新の知識を習得し、自己研鑽を怠らないことが大切です。
- 自身の強みとしての発信: MBA取得を通じて得た専門知識やスキル、経験を、転職活動や社内でのプレゼンテーションなどで具体的にアピールしましょう。
迷った時のスクール相談の活用法や次のステップ
オンラインMBAプログラム選びに迷った際は、各スクールが開催している説明会や個別相談会に積極的に参加しましょう。オンラインでの体験授業に参加し、実際の学習雰囲気を掴むこともおすすめです。
次のステップとして、まずは自身のキャリア目標を具体的に設定し、それに合致するプログラムの情報を複数収集することから始めましょう。資料請求やウェブサイトでの情報確認に加え、可能であれば卒業生や在校生の体験談を聞くことで、よりリアルな情報を得られます。
オンラインMBAは、あなたのビジネスキャリアを大きく加速させる可能性を秘めています。後悔のない選択をするために、徹底した情報収集と自己分析を行い、最適な学びの場を見つけてください。
