WEB系のシステムエンジニア(SE)やプログラマー(PG)としてアプリケーション開発に従事してきた方が、インフラ領域へのキャリアチェンジを目指す動きが増えています。クラウド技術の進化やSREの浸透により、アプリ・インフラを横断的に理解する人材のニーズが高まっている今、開発経験を持つエンジニアがインフラエンジニアとして活躍できるチャンスも広がっています。本記事では、WEB系SE・PGからインフラエンジニアへ転職するためのステップ、志望動機、職務経歴書のサンプルをご紹介します。
ステップ1:インフラエンジニアの業務を理解する
- ネットワーク/サーバ設計・構築(オンプレ/クラウド)
- 仮想環境の設計・構築(VMware、Hyper-Vなど)
- 監視・運用設計(Zabbix、Datadogなど)
- クラウドインフラ(AWS、Azure、GCP)の構築・運用
- IaC(Infrastructure as Code)による自動化(Terraform、Ansible等)
インフラエンジニアには、安定稼働を担保する責任と、DevOpsやセキュリティを含めた技術領域の広さが求められます。
ステップ2:WEB系開発経験の転用
- Linux・Apache・MySQL・PHPなどLAMP環境の知識
- Git、CI/CDなど開発ツールの活用経験
- サーバ構築の経験(開発検証環境の自前構築など)
開発環境の構築やリリース業務に関わった経験は、インフラ設計・運用の場面でも大きなアドバンテージになります。
ステップ3:補完すべきスキル・資格
- ネットワーク(OSI参照モデル、TCP/IP、ルーティング)
- OS(Linux、Windows Server)の基礎とシェルスクリプト
- クラウド知識(AWS/Azure/GCP)の構築経験
- 資格:CCNA、LinuC、AWS認定(SAA等)
ステップ4:志望動機に「システム全体を支える志向」を込める
開発から運用までを一貫して支える立場になりたい、という視点を明確にすることが、志望動機に説得力を与えます。
志望動機(例文)
私はこれまでWEB系の開発エンジニアとして、PHPやJavaScriptを用いたアプリケーション開発に従事してまいりました。その中で、開発環境の構築やリリース管理を担当する中で、システムの安定稼働を支えるインフラ領域の重要性を実感し、インフラエンジニアとしてのキャリアを志望するようになりました。特にクラウドやIaCの技術を学ぶ中で、開発・運用の両面からシステムを支えることにやりがいを感じており、貴社のようにクラウドシフトを積極的に推進されている企業にて、価値を発揮したく志望いたしました。
職務経歴書(サンプル)
氏名:佐藤 翔太 連絡先:shota.sato@example.com|080-1234-5678 【職務要約】 SIerにてWEB系開発エンジニアとして5年間従事。PHP/JavaScriptを中心とした開発案件を経験しつつ、開発環境の構築・運用スクリプトの作成・サーバ構成管理も担当。現在はクラウド技術とIaCを中心にスキルを拡張し、インフラ領域へのキャリアチェンジを志向。 【職務経歴】 株式会社〇〇テック(2019年4月〜現在) 技術本部 開発グループ 主な業務: - ECサイトのバックエンド開発(PHP/Laravel) - AWS上での検証環境構築(EC2/RDS/S3) - Ansibleによるデプロイスクリプト作成 - Apache/Nginxの設定、MySQLチューニング支援 【保有スキル・資格】 - OS:Linux(CentOS、Ubuntu) - クラウド:AWS(EC2、S3、VPC、IAM) - IaC:Ansible、Terraform(習得中) - 資格:LinuC Level1、AWS SAA(取得予定) - TOEIC 750点 【学歴】 千葉工業大学 情報ネットワーク学科 卒業(2019年3月)
WEB系SE・PGとしての経験は、技術理解や自動化の意識、セキュリティ視点においてインフラエンジニアとしても大きな武器になります。アプリケーションとインフラの境界を越えて、より安定性・効率性の高いシステム運用に貢献するキャリアを描きましょう。