シンクタンク研究員から経済アナリストへ──分析力を活かすキャリア転換のステップ

経済動向の分析と予測を通じて企業経営や投資判断をサポートする経済アナリストは、金融機関やコンサルティング会社において重要な役割を果たします。シンクタンクで培ったデータ分析力、レポーティング力、政策動向把握力は、経済アナリスト業務においても大きな強みとなります。本記事では、シンクタンク研究員出身者が経済アナリストに転職するためのステップ、活かせるスキル、選考対策、志望動機・職務経歴書の記載例まで、実践的に解説します。

1. シンクタンク研究員と経済アナリストの業務の違い

まずは両者の業務領域と視点の違いを整理しておきましょう。

項目シンクタンク研究員経済アナリスト
主な目的政策提言、社会課題の調査研究経済動向の予測と企業・投資家向け情報提供
業務内容政府・自治体向け調査レポート作成、政策分析マクロ経済分析、指標予測、投資判断材料の提供
視座社会課題解決・公共利益重視市場インパクト・企業収益予測重視
関与部門官公庁、自治体、NPO法人機関投資家、経営層、投資戦略部門

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2. シンクタンク研究員で活かせるスキル

シンクタンク研究員で培った以下のスキルは、経済アナリストにおいても大きな武器となります。

  • マクロ経済・産業動向に関する知識
  • 統計データ分析・モデル構築力
  • 定量・定性分析を組み合わせたレポーティング力
  • 仮説構築・検証スキル
  • プレゼンテーション・クライアント報告力

特に、データに基づき経済トレンドを読み解く力と、わかりやすいアウトプット力は高く評価されます。

3. 転職成功のための5ステップ

  1. 経済アナリスト業務の理解:マクロ経済分析、金融市場分析、予測レポート作成の流れを把握
  2. 自身の強みの棚卸し:経済データ分析経験、レポーティングスキル、仮説検証力を整理
  3. 金融市場知識の習得:金利、為替、株式、債券市場の基本を理解
  4. 定量分析ツールの強化:Excel、R、Python、EViewsなどのスキルを磨く
  5. 面接対策:なぜ公共政策分析から市場分析へ?を論理的に語れるよう準備

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4. 資格・知識面の補強ポイント

必須ではありませんが、以下の資格・知識があると転職活動で優位になります。

  • 証券アナリスト資格(CMA)
  • 経済学修士号(M.A.)取得または取得予定
  • データサイエンス関連スキル(Python、Rなど)
  • 英語力(英文資料読解・海外経済動向分析)

また、中央銀行の経済レポートやOECD、IMFのレポートを定期的に読む習慣を持つとよいでしょう。

5. 職務経歴書の書き方

下記のように、経済分析力、データ解析力、レポーティング力を強調して記載すると効果的です。

  • マクロ経済動向・産業動向調査プロジェクトへの参画経験
  • 統計データを用いたレポート作成・提言活動
  • エコノミックモデル構築・シミュレーション経験
  • 政府・自治体向け報告書作成・プレゼンテーション経験

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6. 志望動機の例文

分析力と市場分析への意欲を中心に構成します。

【志望動機例】

私はこれまで、シンクタンクにてマクロ経済・産業動向に関する調査研究業務に従事し、統計データ分析、レポート作成、政策提言活動に携わってまいりました。こうした経験を通じて、より経済データに基づき市場動向を洞察し、企業・投資家の意思決定を支援する役割に魅力を感じ、経済アナリスト職を志望いたしました。これまで培った経済分析力、仮説検証スキル、レポーティング力を活かし、貴社のリサーチ業務に貢献していきたいと考えております。

7. まとめ

シンクタンク研究員出身者は、マクロ経済知識、データ分析力、論理的レポーティング力といった経済アナリスト業務に不可欠な素養を備えています。金融市場知識を補強し、自身の経験を具体的にアピールすることで、キャリア転換の成功を目指しましょう。


【職務経歴書(サンプル)】

氏名:田中 悠真
生年:1990年生まれ

■職務要約:
大手シンクタンクにて約7年間、マクロ経済・産業動向に関する調査研究業務に従事。経済データ分析、レポート作成、政策提言プロジェクトを推進。今後は、経済アナリストとして金融市場向け分析・情報提供に貢献すべくキャリア転換を志向。

■職務経歴:
〇〇シンクタンク株式会社(2016年4月~現在)
・マクロ経済レポート作成(月次・四半期)
・産業別動向調査・市場予測モデル構築
・政府・自治体向け調査報告書作成・プレゼンテーション
・国内外経済指標モニタリング・リスク分析

■保有資格:
・証券アナリスト1次試験合格
・TOEIC 850点
・Pythonデータ分析スキル習得中

■学歴:
京都大学 経済学部卒(2014年3月)

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)