コトラ（広報チーム） 
金融機関におけるオペレーション管理は、業務効率化やリスク管理を通じて経営の安定に貢献する重要な役割を担っています。製造業の生産管理で培ったプロセス設計、進捗管理、リスクマネジメントの経験は、金融機関のオペレーション管理においても大きな武器となります。本記事では、製造業生産管理出身者が金融機関オペレーション管理に転職するためのステップ、活かせるスキル、選考対策、志望動機・職務経歴書の記載例まで、実践的に解説します。
1. 生産管理と金融オペレーション管理の業務の違い
まずは両者の業務領域と求められる視点の違いを整理しておきましょう。
| 項目 | 製造業生産管理 | 金融機関オペレーション管理 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 生産プロセスの最適化・納期遵守 | 取引業務の正確性確保・業務効率化・リスク低減 |
| 業務内容 | 生産計画立案、進捗管理、工程改善 | 取引データ管理、決済管理、業務プロセス整備 |
| 視座 | コスト・納期・品質バランスの最適化 | リスク管理・コンプライアンス遵守・業務効率化 |
| 関与部門 | 製造部門、調達部門、品質管理部門 | 営業部門、システム部門、リスク管理部門 |
2. 生産管理で活かせるスキル
製造業生産管理で培った以下のスキルは、金融機関オペレーション管理においても大きな武器となります。
- プロセス設計・業務標準化スキル
- 進捗管理・スケジュールマネジメント力
- リスク管理・不備防止施策立案能力
- データ管理・分析力（Excel、Access等）
- 部門間調整・ファシリテーション力
特に、業務フローの可視化・標準化・効率化に強い人材は金融機関でも高く評価されます。
3. 転職成功のための5ステップ
- 金融オペレーション業務の理解：決済業務、取引管理、規制対応業務の基本を学習
- 自身の強みの棚卸し：プロセス改善経験、進捗管理能力、リスク感度を整理
- 金融機関特有の規制理解：FISCガイドライン、AML/CFT対応、内部統制基準を理解
- ITリテラシー強化：基幹システム操作、RPA導入知識などを補強
- 面接対策：なぜ製造業から金融オペレーションへ？を納得感ある形で語れるよう準備
4. 資格・知識面の補強ポイント
必須ではありませんが、以下の資格・知識があると転職活動で優位になります。
- 日商簿記2級（財務・会計基礎理解）
- 金融業務検定（事務管理、オペレーション関連）
- 情報処理技術者試験（基本情報、ITパスポートなど）
- RPAツール（UiPath、Power Automate）活用スキル
また、金融庁資料や金融関連ニュースを日頃からチェックしておきましょう。
5. 職務経歴書の書き方
下記のように、プロセス改善、リスク管理、部門間調整力を強調して記載すると効果的です。
- 生産計画策定・進捗管理プロジェクト推進
- 工程管理標準化・業務マニュアル作成経験
- 品質不備低減施策立案・実行経験
- 生産部門・購買部門・品質管理部門との調整業務
6. 志望動機の例文
プロセス改善力とリスク管理意識を中心に構成します。
【志望動機例】
私はこれまで、製造業において生産計画立案、進捗管理、工程改善プロジェクトに従事し、業務プロセス最適化とリスク低減に取り組んでまいりました。こうした経験を通じて、より広い視野で組織の業務プロセス改善に貢献したいという志向が強まり、金融機関オペレーション管理職を志望いたしました。これまで培ったプロセス設計力、リスク管理意識、データ活用力を活かし、貴行のオペレーション改革推進に貢献していきたいと考えております。
7. まとめ
製造業生産管理出身者は、プロセス改善力、リスク管理能力、業務標準化スキルといった金融機関オペレーション管理に不可欠な素養を備えています。金融業界特有の規制理解を補強し、自身の経験を具体的にアピールすることで、キャリア転換の成功を目指しましょう。
【職務経歴書（サンプル）】
氏名：佐藤 大輔 生年：1990年生まれ ■職務要約： 大手製造業にて約7年間、生産管理部門にて生産計画策定・進捗管理・工程改善業務に従事。業務標準化・リスク管理施策推進に強みを持つ。今後は、金融機関においてオペレーション管理・業務プロセス改革に携わるキャリアを志向。 ■職務経歴： 〇〇株式会社（2016年4月～現在） ・生産計画立案・進捗管理（約50品目担当） ・工程改善プロジェクト推進（納期遵守率95%以上達成） ・標準作業手順書作成・業務標準化推進 ・品質不備低減施策立案・実行（不良率20%削減） ■保有資格： ・日商簿記2級 ・基本情報技術者試験合格 ・TOEIC 765点 ■学歴： 名古屋大学 工学部卒（2014年3月）