コトラ（広報チーム） 
学資ローンは、教育機会の拡大を支える重要なファイナンスサービスです。大学職員として培った学生支援経験、制度運用力、コミュニケーションスキルは、学資ローンの企画・管理業務においても大きな武器となります。本記事では、大学職員出身者が学資ローン企画・管理に転職するためのステップ、活かせるスキル、選考対策、志望動機・職務経歴書の記載例まで、実践的に解説します。
1. 大学職員と学資ローン企画・管理担当の業務の違い
まずは両者の業務領域と求められる視点の違いを整理しておきましょう。
| 項目 | 大学職員 | 学資ローン企画・管理担当 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 教育機関運営支援・学生支援 | 教育資金支援サービスの提供・拡大 |
| 業務内容 | 学生対応、奨学金制度運営、行政対応 | 学資ローン商品の企画、審査管理、顧客対応 |
| 視座 | 教育支援・学術発展 | 教育機会拡大と収益性両立 |
| 関与部門 | 学務部門、財務部門、行政機関 | 商品開発部門、審査部門、リスク管理部門 |
2. 大学職員で活かせるスキル
大学職員で培った以下のスキルは、学資ローン企画・管理においても大きな武器となります。
- 制度設計・運用管理力
- 学生・保護者対応力（ヒアリング・説明力）
- 行政・関係機関との調整力
- ドキュメント作成・管理力
- コンプライアンス意識・リスク感度
特に、制度設計から運用改善まで一貫して関われる実務経験は高く評価されます。
3. 転職成功のための5ステップ
- 学資ローン業務の理解：教育ローン商品、融資審査、返済管理の流れを学習
- 自身の強みの棚卸し：制度運営力、顧客対応力、リスク感度を整理
- 金融基礎知識の習得：融資審査基準、債権管理の基礎を学ぶ
- 資格取得・学習実績の補強：FP資格、銀行業務検定（融資・法務）学習
- 面接対策：なぜ大学職員から学資ローン企画・管理へ？を論理的に語れるよう準備
4. 資格・知識面の補強ポイント
必須ではありませんが、以下の資格・知識があると転職活動で優位になります。
- ファイナンシャルプランナー（FP）2級以上
- 銀行業務検定（融資・財務・法務）
- コンプライアンスオフィサー資格
- 金融商品に関する基礎知識（教育ローン、奨学金等）
また、金融庁、文部科学省などの教育資金支援関連資料を定期的にチェックしておくとよいでしょう。
5. 職務経歴書の書き方
下記のように、制度設計・運営力、顧客対応力、リスク管理意識を強調して記載すると効果的です。
- 奨学金制度の設計・運用管理経験
- 学生・保護者対応（申請・相談窓口）実績
- 行政機関との調整・交渉業務経験
- 業務改善提案・推進経験
6. 志望動機の例文
教育支援経験と金融サービスへの意欲を中心に構成します。
【志望動機例】
私はこれまで、大学職員として奨学金制度の設計・運営、学生・保護者対応、行政機関との調整業務に従事してまいりました。こうした経験を通じて、教育機会拡大に貢献する金融サービス分野への関心を高め、学資ローン企画・管理業務に携わりたいと考えるようになりました。これまで培った制度運営力、顧客対応力、リスク管理意識を活かし、貴社の教育支援サービスの拡充に貢献していきたいと考えております。
7. まとめ
大学職員出身者は、制度設計・運営力、顧客対応力、リスク感度といった学資ローン企画・管理に不可欠な素養を備えています。金融知識を補強し、自身の経験を具体的にアピールすることで、キャリア転換の成功を目指しましょう。
【職務経歴書（サンプル）】
氏名：佐藤 優子 生年：1991年生まれ ■職務要約： 私立大学にて約8年間、奨学金制度設計・運営、学生対応、行政調整業務に従事。制度運用管理力、顧客対応力、リスク管理意識に強みを持つ。今後は、学資ローン企画・管理業務を通じ、教育機会支援に携わるキャリアを志向。 ■職務経歴： 〇〇大学（2016年4月～現在） ・奨学金制度設計・運用管理（年間対応件数500件以上） ・学生・保護者相談窓口対応（年間相談件数300件以上） ・文部科学省・財団法人等との奨学金連携・調整 ・業務効率化施策推進（申請処理期間20%短縮） ■保有資格： ・ファイナンシャルプランナー（FP）2級取得予定 ・ビジネス実務法務検定3級 ・TOEIC 780点 ■学歴： 立命館大学 文学部卒（2014年3月）