コトラ（広報チーム） 
経理職務経歴書の基本的な考え方
職務経歴書の役割と重要性
職務経歴書は、応募者のこれまでの業務経験を詳細に伝える重要な書類です。特に経理職においては、過去の業務内容や実績を具体的な事例で示すことが、採用担当者に対するアピールポイントとなります。経理の職務経歴書では、単なる業務内容の羅列ではなく、応募者がどのように業務に取り組み、成果を上げたかを分かりやすく伝えることが求められます。これにより採用担当者に、即戦力としての能力を示すことができます。また、経理職は正確性や注意深さが重視される職種であるため、丁寧に作成されている職務経歴書そのものが評価の対象にもなります。
経理職ならではの書き方のポイント
経理職務経歴書を作成する際は、他の職種と異なり業務内容の具体性や正確性をアピールすることが特に重要です。例えば、「月次決算や年次決算に携わった」「使用した会計ソフト（例：弥生会計や勘定奉行）」など、具体的な業務内容やスキルを記載することがおすすめです。また、伝票処理などの基本業務から、連結決算や税務申告、監査対応といった高度な業務まで広く経験を示すことで、専門性をアピールできます。さらに、実績を表す具体的な数字（例：削減したコスト額や業務効率化による短縮時間）を盛り込むと説得力が高まります。
応募先に合わせた書き方の重要性
応募する企業や採用ポジションによって、職務経歴書で強調すべきポイントは異なります。大企業の経理部門に応募する場合は、月次や年次決算、連結決算の経験を中心に、業務範囲の広さや正確性を強調する必要があります。一方で、スタートアップ企業の経理では、経理業務全般に幅広く対応できるスキルや、業務改善の具体的な事例を記載することが求められます。また、企業が使用する会計ソフトやツール（例：SAP、Oracle）に関する経験を記載しておくと、即戦力として認識されやすくなります。企業のニーズに合わせた書き方をすることで、適性や意欲を効果的にアピールできます。
使用するフォーマットとその活用方法
経理職務経歴書では、見やすさと分かりやすさが特に求められるため、適切なフォーマットを選ぶことが重要です。一般的には、職務要約、職務経歴、スキル・資格、自己PRの順に構成する形式がおすすめです。また、項目ごとに箇条書きを活用することで、情報を整理しやすくなります。経理職では特に数値情報や業務内容の細かい記載が多いため、表形式を活用するのも効果的です。さらに、Word形式を利用して職務経歴書を作成することで、フォントやレイアウトを自由に調整でき、より魅力的な仕上がりを実現できます。テンプレートを活用しながら、必要に応じて柔軟にカスタマイズすることで、自身の経験や実績を的確に伝える職務経歴書を作成しましょう。
経理職務経歴書の具体的な書き方
職務経歴の記載方法と具体例
経理職務経歴書では、まず経理部門での経験年数と担当業務の概要を簡潔にまとめることが大切です。その後、具体的な職務内容を年代順、もしくは逆年代順に記載しましょう。企業名や事業内容、従業員数、売上規模などの情報も併記することで、自身の経験が応募先にどの程度関連するかを示すことができます。
例えば、「2018年〜2023年：株式会社〇〇にて、月次・年次決算、固定資産管理、資金繰り表の作成を担当。会計ソフト〇〇を使用し、効率的な会計データの入力を実現。また、税務申告業務では国税庁指導のもと修正ゼロを達成」など、具体的な業務内容をサポートする実績を伴わせることが有効です。
数値や実績でアピールするポイント
経理職における業務は成果が定量化できる内容が多いため、数値を用いて実績を効果的にアピールしましょう。たとえば、「売上高〇億円規模の単体決算を3日以内に完了」「業務改善提案により年間〇円のコスト削減を実現」など、応募者の能力や貢献度が伝わるように記載することがポイントです。
また、経理業務に関連するプロジェクトに参加した場合は、そのプロジェクトの成果を明記することも重要です。たとえば、「会計システム導入プロジェクトのリーダーとして10人のチームを管理し、6カ月以内に成功させた」といった内容を含めることで、専門性や管理能力をアピールできます。
経理業務での使用ツール・スキルを記載するコツ
経理職では使用したツールや業務スキルも重要なアピールポイントです。職務経歴書には、これまで使った主な会計ソフトや関連ツールを具体的に記載しましょう。たとえば、「〇〇会計ソフト」「エクセルマクロ」「簿記2級」など、直接業務に関連するスキルを漏れなく記載します。
「エクセルを使用して月次報告資料を作成」や「△△会計ソフトを活用して仕訳システムを効率化」など、ツール使用の具体例を記載すると、業務スキルがより明確に伝わります。応募先企業が使用しているツールに関する経験があれば、積極的にアピールしましょう。
転職理由や志望動機の簡潔な書き方
転職理由や志望動機は簡潔かつ納得感のある内容にまとめることが大切です。転職理由は「スキルアップ」「新たな環境での成長」「経理業務の幅を広げたい」など、前向きな内容を選んで記載しましょう。一方、志望動機は応募先企業の事業内容や方針に共感した点を具体的に述べ、納得感を持たせることが重要です。
たとえば、「これまで培った単体決算の経験を基に、貴社の連結決算業務に携わりたいと考えています」「業務効率化を得意としており、貴社が推進されているIT化において貢献できると考えています」など、具体性を持たせることで説得力が増します。
魅力を高める職務経歴書作成のコツ
正確性と簡潔さを重視した表現の仕方
経理職務経歴書を作成する際、正確性と簡潔さは最も重要なポイントです。「経理」業務では細心の注意を払った正確な作業が求められるため、職務経歴書にもその姿勢が反映されている必要があります。誤字脱字をなくし、実績や業務内容を短い文章で明確に伝えることを心がけましょう。また、箇条書きを活用することで読みやすさを高める工夫も効果的です。簡潔な表現を意識しつつ、具体的な役割や成果を記載することで、採用担当者に必要な情報を正確に伝えることが可能です。
応募先企業に刺さるキーワード選び
職務経歴書では、応募先企業ごとに効果的な「キーワード」を選ぶことが重要です。例えば、「月次決算」「年次決算」「税務業務」などの経理に関連する専門用語は、応募先の求人情報に含まれるキーワードを参考に、適切に取り入れると良いでしょう。企業が求めるスキルや経験に合わせた言葉を差し込むことにより、職務経歴書が企業のニーズにぴったりとマッチしている印象を与えることができます。応募企業ごとに内容をカスタマイズする姿勢が、採用担当者の目に留まる重要なポイントです。
実績を印象付けるストーリー構成のポイント
経理職務経歴書では、実績を単に羅列するのではなく、ストーリー性を持たせることが効果的です。例えば、業務改善提案を行いその結果として「業務効率が30%向上した」など、具体的な数値とともに「どのような課題があったのか」「どのように解決し、成果を出したのか」を一連の流れで記載することで、成果のイメージがしやすくなります。このように経歴書に一貫性を持たせることで、経理職としての問題解決能力や提案力をアピールすることができます。
職務に関連する資格や研修実績の活用
経理職務経歴書では、資格や研修実績を効果的に活用することが大切です。特に「日商簿記」や「公認会計士試験合格」「税理士資格」といった資格は大きなアピールポイントとなります。また、社内外で参加した「経理業務効率化」「財務分析」などの研修内容も詳細に記載することで、自己研鑽の姿勢を示すことができます。さらに、資格取得や研修経験を通じてどのように業務に役立てたかを述べることで、即戦力としてのアピールを強化することが可能です。
成功事例：魅力的な経理職務経歴書の例
月次決算・年次決算で結果を出した事例
月次決算や年次決算は経理の中でも非常に重要な業務となります。この経験を職務経歴書に記載する場合、単なる業務内容の羅列ではなく具体的な成果を含めることがポイントです。例えば、「月次決算のプロセスを見直し、締め作業の期間を3日短縮」や「年次決算において監査対応の準備をスムーズに進め、無事適時開示を達成」といったエピソードを盛り込むと説得力が増します。また、自身が担当した決算業務の範囲や役割を明確に記載することで、採用担当者があなたの実力を具体的にイメージしやすくなります。
業務改善提案で評価につながった具体例
経理業務では、日常的な業務の効率化やプロセスの改善が評価のポイントとなりやすいです。たとえば、「会計ソフトの操作手順を再編成し、業務効率を20%向上させた」や「煩雑だった伝票の処理フローをデジタル化し、紙資料の削減と人的エラーの軽減を実現」といった成果を挙げると良いでしょう。これらの実績を具体的な数値や事例で示すことで、あなたの改善提案力やプロジェクト管理能力がアピールできます。また、こうした取り組みがチーム全体のパフォーマンス向上につながった場合、その点も補足すると効果的です。
異業種やキャリアチェンジでの成功パターン
異業種から経理職へ転職する場合や、経理職の中で新たな分野にチャレンジした場合には、そのスムーズなキャリアチェンジを強調することが大切です。その際、「前職で培った顧客対応力を活かして取引先との折衝を円滑に進めた」や「以前は営業職として売上管理に携わり、現在の経理職でもその知識を用いて売上分析資料の作成を主導」といったエピソードを記載すると良いでしょう。経理職は数値を扱う専門的な役割であるため、異業種の経験を通じて得たスキルとの関連性を具体的に示すことで、採用担当者に強い印象を残すことができます。
資格取得を活かしたキャリアアップの事例
経理職として資格取得を活かしたキャリアアップは非常に効果的です。簿記2級や会計士資格を取得した際の努力や実績を具体的に記載すると良いでしょう。「日商簿記2級を取得後、連結決算業務に初めて挑戦し、実際に財務報告書作成の一連の流れを担当」や「税理士資格取得を通じて税務申告書の作成をリードし、企業の税務リスクを低減させる提案を行った」などの具体例を挙げると、採用担当者にあなたの成長意欲が伝わります。資格取得までのプロセスや資格を活かした具体的な取り組みを明示することで、経理の実務スキルだけでなく自己研鑽に励む姿勢をアピールできます。