コトラ（広報チーム） 
SDGsと食のつながり
SDGsとは何か？
SDGs（持続可能な開発目標）は、2015年に国連で採択された、世界が抱えるさまざまな課題を解決するための目標群です。17のゴールと169のターゲットから構成され、貧困や飢餓の解消、気候変動対策、教育やジェンダー平等の推進など、地域や国を超えて取り組むべき課題が網羅されています。中でも、食生活に関連する目標として「つくる責任・つかう責任」が挙げられ、食品ロスの削減やサステナブルな食材利用の重要性が特に注目されています。
食生活が環境に与える影響
私たちの食生活は、地球環境に大きな影響を与えています。まず、食べ物を生産するためには、土地や水、エネルギーといった資源が必要です。さらに輸送や加工、廃棄に至るまで、全プロセスで二酸化炭素が排出され、地球温暖化の一因となっています。たとえば、不要になった食品を燃やすためには追加のエネルギーがかかり、環境への負荷が増加します。サステナブルな食生活は、こうした問題を軽減し、持続可能な社会を支えるために重要な役割を果たします。
食品ロス問題とその解決に向けて
日本では年間約523万トンもの食品が捨てられているとされています。この量は、世界の食料援助量を上回り、改めて食品ロスの深刻さを浮き彫りにしています。食品ロスの背景には、消費期限切れや過剰生産、消費者の無意識な廃棄などさまざまな要因があります。解決に向けては、まず私たち一人ひとりが日常生活で意識を変え、計画的な買い物や余り食材を活用したレシピの実践が求められます。また、企業も食品のアップサイクルを取り入れ、新しい価値を生む取り組みを進めています。
人々の小さな行動が大きな変化を生む理由
食品ロス問題は、一見すると個々の力では解決が難しいように思われがちです。しかし、小さな行動が積み重なることで、驚くべき効果を生むことができます。たとえば、家庭での食材の使い切りや、地元食材を積極的に購入するという行動が広がれば、廃棄の抑制や地球温暖化の軽減に寄与します。さらに、そうした行動が他者へ波及し、多くの人々の意識が変わることで、社会全体でのサステナな取り組みが加速します。身近なレシピの工夫を取り入れながら、できることから始めてみるのがポイントです。
食材を無駄なく活用！簡単で美味しいレシピ
野菜の皮やヘタを使った絶品レシピ
野菜の皮やヘタを捨てていませんか？これらは実は栄養価が高く、工夫次第でおいしい料理に生まれ変わります。例えば、人参の皮や大根の葉を細かく切り刻み、味噌や醤油で炒めると、食卓を彩るふりかけに早変わりします。また、キャベツの芯やブロッコリーの茎はスープや炒め物に最適です。これらを活用することで、食品ロスを減らしながらサステナブルなライフスタイルを実現できます。
未利用魚を活かしたサステナブルメニュー
未利用魚とは市場ではあまり出回らず、捨てられてしまう魚のことです。例えばアジやサバの小さなものは、美味しい南蛮漬けやフライに加工できます。未利用魚を購入して調理することで、海の資源を無駄なく使うことができます。これらの魚を使ったサステナメニューは、環境への配慮だけでなく新しい味覚の発見にもつながります。
冷蔵庫の余りものを一気に消化する一皿
冷蔵庫の奥で忘れられがちな食材も、アイデア次第でおいしい料理に変身します。例えば、余った野菜や肉を一緒に炒めて、オムレツやチャーハンにするのがおすすめです。調味料で味を工夫すれば、簡単に家族みんなで楽しめる一品が完成します。このように食品ロスを防ぐ小さな行動が、SDGsの目標達成につながります。
炊飯器で作る簡単レシピ
炊飯器はご飯を炊くだけでなく、食品を無駄なく調理するのにも大活躍します。例えば、冷蔵庫に残っているきのこや根菜を活用した炊き込みご飯は、とても簡単で美味しい一皿です。また、炊飯器で作る「野菜たっぷりケークサレ」もおすすめ。材料を混ぜて炊飯器に入れるだけで、彩り豊かなサステナレシピが完成します。炊飯器1台でお手軽調理を楽しみながら食品ロス削減を目指しましょう。
地産地消を意識した食材選び
地元食材を取り入れるメリット
地元で生産された食材を選ぶことには、さまざまなメリットがあります。まず、新鮮である点が挙げられます。収穫後すぐに市場や家庭に運ばれるため、味わいや栄養価が高い状態で消費できるのです。また、地元の食材を選ぶことで、地域経済の活性化にもつながります。農家や漁業者などの地元生産者を支援することで、その地域の持続可能な発展に寄与することができます。さらに、輸送にかかるエネルギー量が少なくなるため、結果としてCO2排出量の削減にも貢献できます。サステナを意識した食生活では、こうした地元食材の活用が大変重要です。
旬の食材で美味しさも健康もアップ
旬の食材は、その時期に最も美味しく、栄養価も高いのが特徴です。例えば、春には新鮮な山菜が楽しめ、夏にはみずみずしいトマトやキュウリ、秋には栄養豊富なカボチャやサツマイモが手に入ります。旬の食材を使った料理を積極的に取り入れることで、味覚を楽しみながら健康促進も期待できます。さらに、旬のものは大量生産されるため価格も手ごろであり、食品ロスの削減にもつながります。このように、季節ごとの自然の恵みを大切にしたレシピを活用することで、持続可能な食生活に一歩近づけます。
選び方のヒント：地元の市場での楽しみ方
地元の市場は、新鮮で個性豊かな食材の宝庫です。市場では生産者と直接話すことができるため、どのように食材が育てられたか、旬のオススメが何かといった情報を得られるのが魅力です。また、時には料理のアイディアやレシピを教えてもらえることもあります。市場を訪れる際は、地元産のシールや表示を見逃さずにチェックしましょう。例えば、「のらぼう菜」などその地域特有の食材を発見することで、料理に新しい楽しみを取り入れることもできます。地元の市場巡りを習慣にし、地産地消を意識しながらサステナブルで彩り豊かな食生活を実現しましょう。
みんなで取り組む！持続可能な食生活のアイデア
家庭でできる食品ロス削減の工夫
食品ロスを削減するためには、家庭でできる小さな取り組みが非常に重要です。例えば、冷蔵庫の中身を定期的に見直し、古くなりそうな食材は早めに調理する習慣をつけることが効果的です。また、余った野菜の皮やヘタを使ってスープや炒め物に再利用する「アップサイクル」な料理の工夫もおすすめです。サステナブルなレシピを考えながら料理をすれば、捨てる部分を減らしつつ、美味しい一皿を作ることができます。
さらに、買い物の際には「必要な分だけ購入する」という意識を持ち、まとめ買いを避けるのも有効です。これにより食品が無駄にならず、結果的に家計の節約にもつながります。家庭での小さな行動は、長い目で見て大きな環境保護につながります。
学校や職場で広めるサステナ意識
学校や職場は、多くの人が食事をする場であるため、サステナ意識を広めるのに適した場所です。例えば、学校では給食の残飯を減らす取り組みが効果的です。具体的には、生徒と一緒に食品ロスについて学ぶ機会を設けたり、残り物を活用したメニューを提案することが考えられます。また、食品ロスに関する現状をポスターや動画で共有することで、子どもたちの意識を高めることができます。
職場では、社内の食堂や休憩スペースを活用して、サステナメニューを提供することが良い方法です。また、社員が持ち寄った余りもの食材で料理を作るイベントを開催すれば、楽しく食品ロス削減を学べるでしょう。こうした取り組みは、日常の中で環境意識を持つきっかけを作ります。
コミュニティで支持されるアイディア集
地域のコミュニティでは、食品ロス削減に向けたアイデア集を共有することで、全体での取り組みを進めることができます。例えば、地元で採れた野菜や収穫されることなく余ってしまう果物を交換する「フードシェアリング」活動があります。この活動を通して、廃棄される予定だった食材が有効活用されるだけでなく、人々の交流の場も広がります。
また、料理教室やサステナブルなレシピを共有する会合を開くこともおすすめです。これにより、食品ロスを減らしつつ、健康に良い食生活を促進できます。さらに、地域の市場や生産者と連携し、新鮮で地元ならではの食材を活用したイベントを企画すれば、楽しみながら持続可能な食生活について学ぶ機会になります。
子どもたちと学ぼう！SDGsについて
子どもたちにSDGsを教えることは、未来の持続可能な社会を築く上で重要なポイントとなります。まずは、「食べ物を大切にする心」を育てることを目指し、学校や家庭で分かりやすい言葉や具体例を用いて食品ロスの現状を伝えましょう。例えば、「一つのりんごが食卓に届くまでにどれだけの人の手がかかっているのか」を教えることで、食べ物の価値を理解してもらうことができます。
また、子どもと一緒にサステナブルなレシピを考えたり、残り物で美味しい料理を作る実践的な取り組みを行えば、より楽しく学ぶことができます。SDGsをゲーム感覚で学ぶ教材や、食べ物に関する絵本を活用することも効果的です。こうした活動を通じて、次世代が持続可能な食生活を自然と意識するようになるでしょう。