サステナブルな社会を創る鍵?長瀬産業のグローバルな取り組みとは

長瀬産業とはどんな企業なのか?

化学品専門商社としての長い歴史

長瀬産業は1832年に創業した、日本を代表する化学品専門商社のひとつです。その歴史は190年以上にわたり、国内外での事業拡大を遂げてきました。当初は染料や薬品の取り扱いからスタートしましたが、時代の流れに合わせて事業領域を多様化し、今日では化学製品から電子材料、食品素材に至るまで幅広い分野で存在感を示しています。これだけ長い間事業を続けている背景には、常に時代の要請に応じて変革を遂げてきた結果と言えるでしょう。

グローバルネットワークと事業内容

長瀬産業の強みの一つは、その広がりを見せるグローバルネットワークです。現在、30を超える国と地域に拠点を持ち、約100のグループ会社が世界中で事業活動を行っています。このネットワークを活かし、化学品を中心に様々な製品を輸入・輸出しながら、顧客の多様なニーズに応えています。また、各地域における市場特性や文化、産業構造を熟知し、それに最適な提案を行うことにより、長瀬産業の信頼と評価が築かれているのです。

経営理念「誠実正道」が持つ意義

長瀬産業の経営理念である「誠実正道」は、その事業活動すべての根幹となっています。この理念は、社会の構成員として正しい道を歩むこと、つまり高い倫理観を持ち、持続可能な社会の実現に向けて貢献することを指しています。この方針に基づき、長瀬産業は単に利益追求にとどまらず、社会や環境への配慮を事業の中心に据えています。この姿勢が長瀬産業の信頼性を高め、グローバルな事業展開の基盤ともなっています。

持続可能性に向けた明確なビジョン

長瀬産業はサステナビリティ基本方針を掲げ、その中で「快適に暮らせる、安心・安全で温もりある社会の実現」を目指しています。このビジョンは、社員一人ひとりによる日常的な活動が持続可能な社会の構築に繋がることを示唆しています。また、特に環境問題に対しては、温室効果ガス削減や資源の循環利用の推進など、具体的な取り組みを進めています。このように、明確なビジョンを持ち、着実にアクションを起こしている点が、長瀬産業を「サステナ社会」の鍵を握る存在として位置づけています。

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長瀬産業が推進するサステナビリティ戦略

ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組み

長瀬産業は、サステナブルな社会の実現に向け、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重要な柱として事業活動を展開しています。その取り組みの一環として、長瀬産業の企業グループは、世界的なサステナビリティ評価で高い評価を受けています。たとえば、EcoVadis社の評価では、ナガセヴィータ(株)が最高ランクであるプラチナ評価を獲得し、グループ全体としてもゴールドやシルバー評価を得ており、透明性の高い持続可能な活動が認められています。

また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用する6つのESG指数すべてに選定されるなど、社会やガバナンス面でも他者からの信頼を獲得しています。これらの取り組みは、長瀬産業の経営理念である「誠実正道」を体現し、企業として環境保護や社会貢献を重視しながら持続可能な社会を目指していることを示しています。

気候変動対策:温室効果ガス削減の具体例

長瀬産業は、気候変動対策にも積極的に取り組んでいます。特に、カーボンニュートラルの実現を目指し、スコープ1、スコープ2、スコープ3といった温室効果ガスの排出量を管理しています。また、同社グループが2023年度のCDP評価で気候変動部門にてA-を獲得していることは、削減目標と具体的な実施が世界から評価されていることを示しています。

さらに、半導体製造関連においては、製造過程で使用される現像液の回収・再生を可能にする新工場を2025年に開設予定です。この取り組みは、長瀬産業が環境負荷を軽減しながら新たな製品を提供できるサプライチェーン構築への大きな一歩として位置付けられています。

サプライチェーンにおけるサステナブルな実践

長瀬産業はサプライチェーン全体での持続可能性を追求しています。その戦略のひとつとして、取引先やパートナーと協力し、環境や社会への配慮を取り入れた製品供給を実現しています。このような取り組みにより、長瀬産業は、持続可能で透明性の高いサプライチェーン構築を目指しています。

さらに、サプライチェーンにおいて発生する温室効果ガスの排出量管理も実施しており、具体的にはスコープ3まで範囲を拡大することで、より包括的な削減活動を推進しています。このように、サステナビリティの観点を事業全般に反映させる姿勢が、長瀬産業の重要な特徴です。

人権・労働環境の課題と対応

長瀬産業は、人権の尊重と労働環境の改善を重要な課題として捉えています。国連グローバル・コンパクトに署名している同社は、その原則である人権・労働・環境・腐敗防止の分野で積極的な行動を推進しています。労働慣行としては、ダイバーシティや社員の能力開発を通じて全従業員が働きやすい環境を整備しています。

また、グローバルな事業展開においても、それぞれの地域の文化や社会基盤への配慮を行い、公正で差別のない働き方を推進しています。これらの取り組みは、社員やステークホルダーの信頼を高めるだけでなく、長瀬産業が掲げる「安心・安全で温もりある社会」の実現につながる重要な要素となっています。

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革新的な技術・製品で社会課題の解決を目指す

フロー合成が切り開く未来

長瀬産業は、化学分野における先端技術の一つである「フロー合成」を活用し、新たな価値創造に取り組んでいます。これにより、従来のバッチプロセスと比較して効率的かつ安全に化学反応を進めることが可能となり、環境負荷の低減や生産性向上に寄与しています。この技術は、医薬品や特殊化学品の分野において幅広い応用が期待されるだけでなく、サステナブルな社会づくりにとって欠かせない革新技術です。

健康寿命延伸を支える製品群

長瀬産業では、健康寿命延伸を目的とした製品や技術の開発を推進しています。その一例が、希少アミノ酸「エルゴチオネイン(EGT)」の商業化計画です。エルゴチオネインは、抗酸化作用を有し、老化や生活習慣病への対策に期待できる成分として注目を集めています。また、食品やヘルスケア製品分野でも革新的な素材を通じて「快適に暮らせる安心・安全で温もりある社会」を実現する取り組みを続けています。

資源循環社会に向けた技術開発

サステナ社会の実現に向けて、長瀬産業は資源循環型技術の開発を進めています。例えば、半導体製造向け現像液の回収・再生プロセスは、使用済み資源を再利用可能な形で循環させる取り組みの一つです。また、植物由来の殺菌剤「プロブラッド液剤」の取り扱いなど、持続可能な農業技術の支援にも注力しています。これらの技術は、気候変動対策の一環としても評価されています。

グリーンファイナンスの活用とその意義

長瀬産業は、グリーンファイナンスを活用してサステナブルな取り組みを加速させています。サステナビリティ関連プロジェクトの資金調達を行うことで、温室効果ガス削減や再生可能エネルギーの普及といった環境対策に貢献しています。また、こうした取り組みが国際的な評価を受け、EcoVadis社などから高いサステナビリティ評価を取得しています。これにより、企業としての信頼性と社会的責任を強化し続けています。

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地域社会と共に進む長瀬産業の活動

地域文化と慣習を尊重する活動

長瀬産業は、地域社会の文化や慣習を尊重した活動を通じて、持続可能な未来への貢献を目指しています。同社は、企業活動が地域への影響を及ぼすことを認識し、現地の住民やパートナー企業と密接に連携することで信頼関係を構築しています。具体的には、地域の伝統を尊重するプロジェクトや、現地でのコミュニティイベントへの積極的な参加を行っています。こうした取り組みは単なるCSR(企業の社会的責任)の一環だけでなく、地域と企業が共に発展するための重要なステップと位置づけられています。

森林クレジット活用で生態系保全を促進

長瀬産業では、環境保全活動の一環として森林クレジットを活用しており、生態系の保全を推進しています。具体的には、カーボンニュートラルへのグローバルな目標に向けて、自社の事業活動で排出される温室効果ガス(スコープ1, 2, 3)の削減に取り組んでおり、森林資源を活用することで、その補正効果を高めています。同時に、この活動は企業のESG(環境・社会・ガバナンス)評価にも良い影響を与えており、CDP評価でも森林分野で高い評価を受けています。これにより、長瀬産業は単なる環境対策に留まらず、生態系の持続的な価値創造を実現しています。

国内イベントや教育を通じた情報発信

長瀬産業は、国内における幅広いイベントや教育プログラムを通じて、サステナビリティに関する情報発信を積極的に行っています。例えば、2025年4月に予定されている「東京ミッドタウン日比谷 サステナビリティ・ウィークエンド powered by NAGASE」では、同社の環境への取り組みを紹介し、より多くの人々にサステナブル経営の可能性を広めることを目指しています。また、教育面では次世代を担う子どもたちや学生を対象に、環境や社会的課題への理解を深めるためのセミナーやワークショップを展開しています。このような取り組みを通じて長瀬産業は多くの人々にサステナについての理解を広め、持続可能な社会実現への行動を促しています。

社会貢献事業の具体例

長瀬産業は、さまざまな社会貢献事業を通じて、企業としての社会的責任を果たしています。例えば、地域社会でのボランティア活動や、社会的課題の解決を目指したプロジェクトの協賛、教育や医療分野での支援が挙げられます。また、企業グループ全体でEcoVadisの評価を受け、サステナビリティを重視した事業運営を推進しています。ナガセヴィータ株式会社が2年連続でプラチナ評価を受けるなど、取り組みの成果が国内外で認められています。これらの活動により、長瀬産業はサステナブルな未来に向けて積極的に貢献しつつ、地域の信頼を得ながら事業を展開しています。

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未来を共創するために

ステークホルダーとの協働の重要性

長瀬産業は、「誠実正道」の経営理念に基づき、ステークホルダーとの協働を重視しています。サステナビリティ基本方針に掲げられている「社会・環境課題の解決に貢献する」ためには、多様な関係者との連携が欠かせません。同社は社員・顧客・サプライヤー、さらには地域コミュニティや投資家など、さまざまなステークホルダーと密接にコミュニケーションを図り、共に価値を創造していく姿勢を持ち続けています。また、国連グローバル・コンパクトへの署名を通じ、国際的なサステナビリティ目標への貢献の姿勢を明確にしています。これにより、「温もりある未来」の実現に向け、協働の輪を広げています。

長瀬産業が目指す「新しいビジネスモデル」

長瀬産業は「温もりある未来を創造するビジネスデザイナー」として、新しいビジネスモデルの構築を目指しています。このモデルは、持続可能性を事業の中核に据えたものであり、気候変動や資源循環社会といった社会的課題に対応する技術や製品の提供を含んでいます。特に、半導体製造向け現像液の回収・再生工場の設立や、植物由来の殺菌剤「プロブラッド液剤」の取り扱いなどは、環境に配慮した革新的な事例と言えるでしょう。また、2032年の創業200年に向け、企業としての価値と社会への貢献を両立させる新しいビジョンを確立しようとしています。

グローバル社会から評価される取り組み事例

長瀬産業は、そのサステナビリティへの取り組みにおいて、国内外の評価機関から高い評価を受けています。例えば、CDPの2024年評価では、気候変動と水セキュリティ分野でA-(Aマイナス)のスコアを獲得しました。また、EcoVadis社の評価においても、グループ内の複数企業がゴールドやプラチナを含む高評価を獲得しており、その取り組みが具体的かつ実効性の高いものであることが示されています。さらに、GPIFが採用する全てのESG指数に選定されている点も、同社の取り組みがグローバル社会から信頼されている証と言えるでしょう。このような外部機関からの評価は、長瀬産業のサステナ目標が国際的基準に適合し、実際の行動として成果を生み出している証左です。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)