はじめに: サステナビリティへの思い
SMBCグループのサステナビリティビジョン
SMBCグループは、持続可能な社会の実現に向けたビジョンを掲げています。このビジョンは、環境保全や社会的課題解決に積極的に取り組むことで、経済・環境・社会のバランスを保ちながら発展することを目指しています。特に、気候変動への対策や生物多様性の保全、人権尊重といったテーマを重視し、その取り組みを金融ビジネスに統合することで、グローバル規模でのサステナビリティ推進をけん引しています。
サステナビリティの重要性を語る
地球規模で気候変動や資源の枯渇、社会的不平等が課題となる中、サステナビリティは人類共通の大きなテーマとなっています。SMBCグループでは、これらの課題に対し、金融機関としての影響力を活かして対応することが急務だと考えています。特に、投融資先の温室効果ガス排出量(スコープ3)についてはその規模が大きく、2023年度時点で9億1560万トンに達しており、日本全体の排出量の約80%に相当します。このような数字が示すとおり、金融業界が果たす役割は非常に重要であり、責任と行動が求められています。
2024年版レポートの概要
2024年に初めて公表される「サステナビリティレポート2024」は、従来の気候変動、自然資本、人権に関するレポートを統合し、国際的なサステナビリティ開示基準に基づいた包括的な内容となっています。このレポートには、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標の4つの主要な構成要素が含まれており、SMBCグループの明確かつ進歩的なサステナビリティへの取り組みを具体的なデータとともに示します。特に、温室効果ガスの削減に向けた計画や、持続可能な未来を実現するための戦略が詳細に盛り込まれています。このレポートを通じて、私たちは透明性を高め、企業としての責任を果たしていく決意を新たにしています。
経済・環境・社会への貢献
気候変動に立ち向かうための取り組み
SMBCグループは、気候変動への対策を最優先課題とし、持続可能な社会の実現に向けた具体的な行動を進めています。特に、2023年度のサステナビリティレポートにおいては投融資先のスコープ3(financed emissions)に着目し、その温室効果ガス排出量が9億1560万トンに上ることを明らかにしました。この排出量は日本の総排出量の約80%に相当する規模であり、中でも電力や石油・ガスセクターへの影響が顕著です。これらセクターには合計10兆円規模の投融資を行っており、移行資金としての役割を果たすべく、脱炭素に向けた支援を強化しています。これらの取り組みは、国際的なサステナビリティ開示基準に基づき、透明性と具体性を重視したものとなっています。
自然資本・生物多様性の保全活動
生物多様性と自然資本は、人類の未来に欠かせない基盤です。SMBCグループは、それを理解し責任を果たすための具体的な行動を進めています。例えば、森林保全を通じた炭素吸収源の確保、生物多様性に配慮した新規プロジェクトへの投融資を実践しています。また、これに関連して、地域ごとの環境保護団体とのパートナーシップを強化し、企業活動が自然や生態系に及ぼす影響を最大限に抑える努力を行っています。これらの取組みは、持続可能な未来の実現に寄与するとともに、SMBCサステナビリティレポート2024においても詳述されています。
地域社会との共存を目指して
地域社会との共存は、サステナビリティを実現するための重要な柱です。SMBCグループでは、地域経済の活性化や社会課題の解決に向けたコミュニティ支援を積極的に行っています。たとえば、地方自治体と連携し、地域ごとの脱炭素戦略を策定する支援や、中小企業向けのサステナ金融商品の提供を行ってきました。また、災害時には迅速な資金提供を行い、復興を後押ししています。これら取り組みの成果は、サステナビリティレポートに反映され、透明性のある形で広く共有されています。
持続可能な金融モデルの構築
金融分野での持続可能性は、気候変動や社会課題への対応の基盤となります。SMBCグループでは、環境や社会へのインパクトを定量的に評価し、持続可能な金融モデルの構築に力を入れています。具体的には、グリーンボンドやサステナビリティリンクローンといった革新的な金融商品の開発・提供を進めることで、クライアント企業をサポートしています。さらに、国際的な基準やフレームワークに準拠したリスク管理体制を整備し、責任ある融資方針を明確化しました。このように金融モデルの持続可能性を追求することは、SMBCグループの長期的なビジョンに基づく戦略の一環です。
SMBCグループの人材戦略
多様性と包摂性(D&I)の推進
SMBCグループでは、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を経営の重要な柱の一つとして推進しています。多様な背景や視点を持つ人材が活躍できる職場環境を整えることにより、グローバルな課題に迅速かつ柔軟に対応できる組織を目指しています。サステナビリティレポート2024でも、この方向性が明確に打ち出されており、特にジェンダー平等や障がい者雇用の推進などに力を入れています。また、インクルージョンの実現に向けた研修やフォーラムの開催を通じて、社員一人ひとりが他者を尊重する企業文化の醸成に努めています。
社員のキャリア形成とスキル向上
SMBCグループは、社員のキャリア形成とスキル向上を支援することで、組織全体の競争力を強化しています。国内外での研修プログラムやeラーニングなど、多様な学びの機会を提供することで、専門性とリーダーシップスキルの向上を図っています。サステナビリティに関する知識を深める教育も取り入れることで、グローバルな課題解決に貢献する人材の育成を目指しています。このような取り組みは、長期的な視点で企業価値を高めると共に、社員の働きがい向上にもつながっています。
企業文化としてのサステナビリティ教育
SMBCグループでは、サステナビリティを単なる経営課題とするのではなく、企業文化として組織全体に根付かせる取り組みを進めています。具体的には、すべての社員を対象にした研修プログラムを実施し、気候変動や自然資本、生物多様性の保全などに関する知識を深めています。特に、新入社員から管理職に至るまで、各階層に応じたサステナビリティ教育を充実させており、社員全体がこの重要なテーマを自らの課題として意識できる体制を整えています。このような取り組みを通じて、グループ全体でサステナブルな未来の実現に向けて邁進しています。
ガバナンスと持続可能な発展へのコミットメント
サステナビリティ委員会の役割と透明性
SMBCグループでは、持続可能な社会の実現に向けて「サステナビリティ委員会」を設置しています。この委員会は、経営層による強固なガバナンス体制の一環として機能しており、戦略的な意思決定を通じてサステナビリティ戦略を推進しています。委員会の透明性を高めるために、定期的なレポートの公開や情報の開示を徹底しており、これにより、金融業界だけでなくステークホルダー全体に対する責任ある取り組みを示しています。さらに、国際的なサステナビリティ開示基準に準拠したレポート作成を行うことで、SMBCグループの活動が適切に評価されるよう努めています。
リスク管理体制と責任ある投融資
SMBCグループは、投融資におけるリスク管理体制を強化しつつ、責任ある投融資を実践しています。2023年度時点では、投融資先のスコープ3(financed emissions)の温室効果ガス排出量が日本の総排出量の約80%に相当する9億1560万トンに達している状況を踏まえ、特に大きな排出を占める電力および石油・ガスセクターに対して重点的な取り組みを講じています。これらのセクターへの10兆円規模の投融資を通じ、脱炭素社会への移行を支援するとともに、環境への影響を最小限に抑えるための方針を掲げています。また、気候変動リスクや社会的リスクを慎重に評価し、持続可能な金融モデルの構築に寄与する取り組みを進めています。
業界リーダーとしての責任
金融業界のリーダーとして、SMBCグループはサステナビリティに関する課題へ積極的に取り組む責任があります。2024年版「サステナビリティレポート2024」では、これまでの取り組みを振り返るとともに、将来に向けた具体的なビジョンや目標を明示しています。同レポートの制作においては、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標といった要素が総合的に盛り込まれており、持続可能な発展とブランド価値向上の両立を目指しています。こうした報告を通じて、SMBCグループは社会的信頼の向上に努め、今後も業界を牽引する存在として責任を果たしていきます。