コトラ（広報チーム） 
JA全農のサステナビリティへの取り組み
サステナビリティに向けた6つの目標とは
JA全農は、農業を基盤とした持続可能な社会の実現を目指し、6つの目標を掲げています。この目標は、環境保全、社会貢献、経済的安定性を兼ね備えた総合的な視点から設定されています。具体的には、「温室効果ガスの削減」「フードロスの削減」「資源循環の推進」「食と農に関する教育の展開」「アニマルウェルフェアの遵守」「地域資源の活用と地元経済活性化」の6つです。これらを通じて、JA全農はサステナビリティの実現に重要な役割を果たしています。
生産と消費を結ぶ総合的事業推進
JA全農は「生産者と消費者を安心で結ぶ懸け橋」となるべく、総合的な事業推進を行っています。その中核となるのが、農畜産物の流通仕組みの強化です。生産者が育てた安心・安全な農産物や畜産物が、効率的に消費者のもとに届くよう、流通の透明性と効率性を高めています。また、地域で生産された資源を無駄にすることなく活用し、資源循環型の事業モデルの確立も目指しています。このような取り組みは、全農グループ全体としての強みを生かし、サステナブルな事業運営を推進する一助となっています。
都市部への販売力を強化する意義
JA全農のサステナ戦略の一環として、都市部への販売力強化が重視されています。都市部の人口集中地域は消費需要が高いため、地方で生産された農畜産物を効率的に供給する体制が不可欠です。また、消費者へ直接品質や生産背景を伝えることにより、より豊かな食の体験を提供することが可能になります。これにより、生産者と消費者の間に信頼の輪を広げるだけでなく、地方経済の活性化にもつながります。こうした都市部へのアプローチは、JA全農が目指す「生産と消費を繋ぐ懸け橋」という役割を実現するためのキーとなっています。
SDGsに基づく持続可能な農業の実現
JA全農のSDGs達成に向けたビジョン
JA全農は、サステナブルな社会の実現を目指し、SDGs（持続可能な開発目標）に基づく取り組みを推進しています。「生産者と消費者を安心で結ぶ懸け橋」となることを理念に掲げ、環境保護や社会問題の解決を視野に入れた活動を展開しています。特に農業分野では、食料の安定供給を図りつつ、地球資源への負荷を軽減する手法を追求しています。これにより、持続可能な農業の実現だけでなく、全農グループ全体としての責任を果たすことを目指しています。
フードロス削減への具体的な取り組み
JA全農は、フードロスの削減に向けた取り組みを積極的に進めています。生産者からの収穫物を効率的に流通させる体制を整え、消費者に適正価格で迅速に届けることで、食品廃棄を最小限にする方針です。特に、需要に応じた生産量管理や加工食品の原材料活用を通じて、ムダを減らす仕組みを構築しています。また、消費者への啓発活動も実施しており、食べ物を無駄にしないライフスタイルへの意識向上に力を入れています。これらの取り組みが、全農のサステナビリティの推進において大きな役割を果たしています。
資源循環を支える事例：肥料の開発と運用
資源循環型農業の実現に向けて、JA全農は肥料の開発と運用に注力しています。たとえば、茨城県で生産された豚ぷん堆肥を使用した「サステナミライZⅠ」は、その一例です。この肥料は、地域資源を有効活用しつつ、環境負荷を軽減することを目的として開発されました。また、肥料の使用による農地への負荷を抑える技術も導入しており、持続可能な農業を支える重要な基盤となっています。このような取り組みを通じて、JA全農はサステナブルな資源循環モデルの普及を目指しています。
畜産酪農事業と環境配慮の取り組み
家畜由来の温室効果ガス削減への挑戦
畜産酪農分野において、温室効果ガス（GHG）の削減は重要な課題の一つです。全農は、家畜由来のGHG排出量を削減するための取り組みを積極的に進めています。これには、飼料の改良やエネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの利用など、科学的かつ持続可能な方法の採用が含まれます。また、資源循環型農業の推進により、家畜のふん尿を堆肥化し、地域資源として活用することで環境負荷を軽減するモデルが展開されています。これらの活動を通じて、全農は畜産酪農事業のサステナビリティ向上に寄与しています。
アニマルウェルフェアポリシーの策定背景
近年、アニマルウェルフェア（動物福祉）への関心が高まり、消費者や社会からの要求が強まっています。全農はこの背景を受け、2024年5月に「アニマルウェルフェアポリシー」を策定しました。このポリシーは、畜産における飼養管理の基準を明確化し、動物の健康や快適性を重視した管理体制を確立することを目的としています。ポリシー策定には、国内外の基準や研究を参考にし、持続可能な畜産の実現を目指した具体的なガイドラインが盛り込まれています。このような全農の取り組みは、畜産業全体の価値向上と長期的な事業継続に貢献しています。
JA全農が目指す持続可能な畜産酪農ビジネス
全農が目指すのは、環境への負荷を最小限に抑えながら、社会と生産者の双方にとって価値ある畜産酪農ビジネスを実現することです。その実現に向けて、SDGs（持続可能な開発目標）を土台にした事業戦略を展開し、気候変動対策や資源循環、アニマルウェルフェアの推進に注力しています。特に、耕畜連携を活用した地域資源循環モデルの構築や、最新技術の導入による生産効率の向上は、持続可能な畜産酪農の鍵となる要素です。これらの取り組みを通じ、全農は「生産者と消費者を安心で結ぶ懸け橋」としての使命を果たし、サステナビリティを実現するリーダーシップを発揮しています。
未来を見据えたイノベーションと農業
新技術導入がもたらす生産効率の向上
JA全農は、最新の農業技術を積極的に取り入れることで、農業の生産効率を大きく向上させる取り組みを進めています。例えば、スマート農業技術の活用により、精密な作物管理や自動化された収穫が実現しています。これにより、労働時間の削減と生産量の増加が同時に可能となり、生産者の負担軽減と持続可能な農業経営の構築が期待されています。このような技術の普及は、サステナブルな農業を推進する重要な基盤となっています。
地域資源を活用した農業モデルの可能性
全農では、各地域の特性を活かした農業モデルの開発にも力を入れています。地域資源を最大限活用することで、持続可能な循環型社会の実現を目指しています。例えば、廃棄物を肥料へと再生する取り組みや、地元農産物のブランド化によって、地域経済の活性化を達成する事例があります。特に「サステナミライZⅠ」など、再生可能資源を利用した肥料の開発は、環境負荷を軽減しつつ、高品質な農業生産を支えています。このような活動を通じて、サステナブルな農業と地域社会との両立が進められています。
次世代育成と食農教育への取り組み
未来の農業を担う次世代の育成は、全農が目指すサステナブルな農業の実現において欠かせない要素です。そのため、全農では子どもたちや若い世代に向けた食農教育が積極的に行われています。学校との連携プログラムや農業体験イベントを通じて、農業の重要性や食の安全性について学ぶ機会が提供されています。また、将来の農業リーダーを育てるための専門的な研修プログラムも用意されています。こうした取り組みは、農業や食に関する知識を次世代に受け継ぐだけでなく、日本の農業の未来を支える礎にもなっています。