コトラ（広報チーム） 
1章：サステナビリティへの取り組みとは
サステナビリティが注目される背景
近年、地球温暖化や資源の枯渇、生物多様性の喪失など、地球環境が抱える問題が深刻化しています。このような状況下で「サステナビリティ」というキーワードが非常に注目されています。サステナビリティは、環境、経済、社会の持続的な調和を目指す考え方であり、未来の世代が安心して暮らせる社会を実現するために欠かせないものです。そして、この概念を企業活動に取り入れる動きは、国内外で加速しています。
特に大和ハウス工業を含む日本の企業は、多くの課題に取り組む中で、サステナブルなビジネスモデルを築き上げることが求められています。その背景には、国際的な枠組みであるSDGs（持続可能な開発目標）や、気候変動対策を盛り込んだパリ協定などがあります。また、カーボンニュートラルや再生可能エネルギーへの転換が社会全体の目標として掲げられていることから、企業単位での貢献が重要視されています。
持続可能社会の実現に向けた課題
持続可能社会の実現に向けて、私たちはいくつかの重要な課題に直面しています。一つ目は気候変動への対応です。気温上昇が進み、異常気象や自然災害の増加が観測されている中、温室効果ガスの排出削減が急務となっています。大和ハウスのように建設や開発を手掛ける企業にとってもエネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの利用が欠かせません。
二つ目は資源の枯渇と廃棄物問題です。大量生産・大量消費のライフスタイルが続く中で、資源循環型社会への移行が急がれています。それに応じて、建設資材のリサイクルや再利用、環境負荷を抑える建築技術の開発も重要な課題となっています。例えばローソンが2025年に建材の90％再利用を発表したように、資源の有効活用が注目されています。
三つ目は社会的課題への対応です。少子高齢化、格差の拡大、地域社会の衰退といった課題に対し、企業がどのように社会貢献を果たしていくのかが問われています。特に地域密着型の施策を展開している大和ハウスは、コミュニティづくりや地域価値の向上といった社会課題の解決にも注力しています。
大和ハウス工業が掲げる理念と方針
大和ハウス工業は、「すべては人を幸せにするために」という企業理念を掲げています。この理念のもと、サステナビリティを軸にした持続可能な社会の実現を目指した取り組みを進めています。その一環として、大和ハウスは2055年までに持続可能な未来の構築を目指す長期ビジョンを発表し、2030年を中間目標とした具体的な計画を策定しています。
同社の方向性を示す代表的な取り組みとして、「エンドレスグリーンプログラム（EGP）2026」が挙げられます。このプログラムは、温室効果ガス削減や再生可能エネルギーの活用を中心に、環境に優しい社会構築を推進するものです。また、社会面では地域社会との連携を深め、エリアマネジメントやコミュニティの活性化策を展開しています。
さらに、大和ハウスは「CDP気候変動」や「CDP水セキュリティ」で最高評価「Aリスト企業」に選定されるなどの成果を上げており、ESG経営の先進事例としても注目されています。これらの実績は、同社が掲げるサステナブルな未来への強い意志を示しています。
2章：大和ハウスの環境への挑戦
気候変動への対応策
気候変動は、現代社会が直面する最も重要な課題の一つです。大和ハウス工業は、温室効果ガスの削減をはじめとした具体的な気候変動対策を推進しています。同社は「サステナビリティレポート2024」で、2055年までにネットゼロを達成する長期目標を掲げ、2030年度までにScope 1およびScope 2の総排出量を2020年度比で42%削減する計画を公表しています。また、Scope 3も対象とした2050年度の完全なネットゼロ達成に向けて、カーボンニュートラルの取り組みを強化しています。さらに、地域社会でのカーボンニュートラル推進策と連携し、「おおさか脱炭素アプリプロジェクト」といった先進的なイニシアティブにも積極的に参加するなど、将来にわたり持続可能性を追求する姿勢を示しています。
資源循環と廃棄物削減
限りある地球資源を守るため、大和ハウス工業では資源循環型社会の構築を目指しています。同社は、建築現場で発生する廃棄物を可能な限り削減し、再利用可能な資材を積極的に採用しています。例えば、建材の再利用に関しては、ローソンの新店舗プロジェクトなど他企業との連携を通じて建築資材リサイクルの実践例を広げています。また、2030年に向けた中間目標として掲げている「エンドレスグリーンプログラム（EGP）2026」に基づき、具体的な廃棄物削減の取り組みや資源効率の向上を進めています。これにより、大和ハウスは環境への配慮を重視しながら持続可能な都市開発を実現しています。
環境負荷低減を目指した技術開発
大和ハウス工業は、環境負荷を低減するための技術開発にも積極的に取り組んでいます。同社が発行した「サステナビリティレポート2024」によると、自然関連の財務情報を公開し、環境リスクの低減を図る方針を明らかにしました。特に注目されるのは、省エネルギー技術や再生可能エネルギーを活用した住宅の開発です。このような革新的な技術は、気候変動への適応を目指すだけでなく、サステナブルな生活基盤の提供にも寄与しています。また、環境負荷を最小限に抑える設計プロセスの採用や、持続可能性を意識したエネルギー効率の高い設備の導入にも重点を置いています。これらの技術開発は、大和ハウスがサステナ社会の牽引役として果たすべき役割を明確に示すものです。
3章：人と社会を支える取り組み
社会貢献活動と地域連携
大和ハウス工業では、地域社会とともに成長することを重要視し、多岐にわたる社会貢献活動を展開しています。同社が行う地域連携の一例として、大規模エリアの価値向上を目指した「エリアマネジメント」の取り組みが挙げられます。これにより、地域のにぎわいを創出し、持続可能な交流拠点を確立しています。また、「ザ・レーベン那覇新都心公園プレミスト」や「プレミスト国立ゲートレジデンス」などのプロジェクトを通して、人々が住みやすい環境を提供し、地域活性化に貢献しています。こうした活動は、“サステナブルな社会づくり”という同社の理念と一致し、長期的な地域社会の発展を支える基盤として注目されています。
働き方改革と多様性の尊重
今後の社会の多様化を見据え、大和ハウス工業は働き方改革やダイバーシティ＆インクルージョンの推進に力を入れています。「DIALOG11」の公開は、社内外で多様な人々が対話を通じて共に成長する仕組みの一例です。また、多様な価値観を尊重し、従業員がそれぞれのライフスタイルに合わせて力を発揮できる環境を整えています。この取り組みには、柔軟な勤務制度やジェンダー平等の促進が含まれます。同社はこれを通じて労働生産性の向上を目指すだけでなく、社会全体の持続可能性にも寄与しています。
災害時の支援体制と連携事例
大和ハウス工業は災害時の支援体制の整備にも注力しています。同社は各地の自治体や地域団体と緊密に連携し、災害発生時に迅速な支援を実現できる仕組みを構築しています。例えば、災害時の仮設住宅提供や支援物資の供給といった実績を通じて、多くの被災者を支えています。また、災害に強い建築物の開発や普及を進めることで、人々が安心して暮らせるコミュニティづくりに貢献しています。これらの活動は、企業責任としての役割を果たすだけでなく、「大和ハウスらしいサステナビリティ」の実現に大きく貢献しています。
4章：ESG経営と評価
ESGに基づく経営戦略
大和ハウス工業は、ESG（環境、社会、ガバナンス）を経営の中心に据えて、持続可能な社会の実現に向けた戦略を推進しています。2023年には「第7次中期経営計画」を策定し、6つのマテリアリティ（重要課題）を特定しました。この指針に基づき、環境負荷の低減や社会課題の解決、ガバナンスの向上を図る取り組みを進めています。
特に、環境面の取り組みでは、「エンドレスグリーンプログラム（EGP）2026」などの長期計画を策定し、カーボンニュートラルの実現を目指しています。また、GHG（温室効果ガス）の削減目標を明確化し、2030年度までにScope 1とScope 2の排出量を2020年度比で42%削減、2050年度までにネットゼロを達成することを計画しています。これら取り組みを通じて、大和ハウス工業はサステナブルな未来を支える企業としての使命を果たしています。
外部評価とESGインデックスへの参画
大和ハウス工業はそのESGへの取り組みが高く評価され、国内外でさまざまな賞や認定を受けています。2025年には、「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」環境サステナブル企業部門で環境大臣賞（金賞）を受賞しました。また、国際的な評価機関であるCDPにおいて、気候変動と水セキュリティの部門で最高評価「Aリスト企業」に3年連続で選定されています。
さらに、同社は「Forward Faster」や「The CEO Water Mandate」といった国際的なイニシアティブにも参画し、グローバルな目線での課題解決を目指しています。これにより、大和ハウス工業はサステナブルな社会構築におけるリーダー企業としての地位を確立しています。
将来の目標とビジョン
大和ハウス工業は、長期的な視野でサステナビリティを実現するための目標とビジョンを明確に定めています。同社は2050年のカーボンニュートラル達成に向けた中間目標を掲げ、2030年までに大幅なGHG削減を実現する道筋を示しています。また、「サステナビリティレポート2024」にて、2055年を目途に“将来の夢”を実現する目標を発表しました。
この目標達成のため、イノベーションを活用した技術開発や、地域社会との連携を重視しています。さらに、次世代への教育や啓発活動を通じて、持続可能な未来を一緒に築いていくという姿勢を強調しています。大和ハウス工業のこれらの挑戦は、単なる企業活動を超えた、未来の地球を救う重要な取り組みといえるでしょう。
5章：未来のためのイニシアティブ
2030年と2050年の目標
大和ハウス工業は、将来にわたって持続可能な社会を実現するために、「エンドレスグリーンプログラム（EGP）2026」を策定し、具体的な環境目標を掲げています。2030年度までには、温室効果ガスの総排出量（Scope 1+2）を2020年度比で42%削減することを目指しています。さらに、2050年度までには、ネットゼロを達成する計画を進めており、Scope 3の排出量も含めて全体的な削減を目指しています。
これらの目標は、単なる数値目標にとどまらず、サステナブルな社会を築くための具体的なアクションを伴っています。例えば、地域社会の再生やスマートシティの推進といった取り組みとも連携し、環境保全と経済成長を両立させる方針を明確にしています。
イノベーションによる持続可能性の追求
サステナビリティを実現するうえで、イノベーションは重要な鍵となっています。大和ハウス工業では、環境負荷を低減する最先端技術の導入や、資源循環型の建設プロセスを強化しています。このような技術開発は、気候変動のリスクに備えるためだけでなく、企業としての競争力を高めることにも寄与しています。
例えば、建物建材の再利用に注目し、廃棄物を削減する取り組みを進めています。このような取り組みは単に環境に優しいだけでなく、コスト削減や地域経済の活性化という副次的な効果ももたらします。また、AIやIoTを活用したスマートハウスの開発により、人々の生活をより快適かつエネルギー効率の高いものに進化させています。
次世代への教育と啓発活動
未来のために、次世代へのサステナビリティ教育や啓発活動にも力を入れています。大和ハウス工業では、地域の交流拠点を通じて持続可能な社会に関する知識を広める取り組みを行っています。特に子どもたちへの教育や、地域住民を対象としたワークショップは、持続可能性の理念を実生活に結びつける場として重要な役割を果たしています。
たとえば、2025年2月には、ミニ胡蝶蘭を用いたワークショップを開催し、自然への感謝や環境の大切さを伝えました。また、サステナブルな暮らしを実現するための情報発信をWEBメディア「サステナブルジャーニー」を通じて積極的に行っています。これにより、次世代が持続可能性の課題を自分ごととして捉えられる環境づくりを目指しています。