コトラ（広報チーム） 
DICグループのサステナビリティ基本方針
サステナビリティ基本方針の概要と目標
DICグループは、「安全と健康の確保」や「環境との調和・環境保全」など、持続可能な社会の実現に向けた5つの基本方針を掲げています。この方針は2019年3月に改定され、持続的な成長と地球環境の維持を両立することを目指しています。特に環境保全においては、イノベーションを通じて社会的価値を創出する姿勢が特徴的です。また、DICグループのサステナビリティ活動はグローバル規模で展開されており、その目標設定や進捗状況は透明性を持って開示されています。
地球環境への配慮とグローバルルールの遵守
DICグループは、地球環境保全を最優先事項として掲げています。具体的には、エネルギー使用量やCO₂排出量の削減を目的とした施策を積極的に進めており、日本国内ではすでにグリーン電力化を実現しています。また、欧州の非財務情報開示指令（CSRD）にも対応し、グローバルレベルでのルール遵守を徹底しています。これにより、環境負荷の削減だけでなく、国際的なサステナビリティ基準への貢献を目指しています。
リスクマネジメントと労働安全の強化
リスクマネジメントと労働安全は、DICグループのサステナビリティ方針の重要な要素です。従業員の安全と健康を守るため、職場環境の改善や安全教育プログラムを実施しています。また、リスクの早期特定と適切な対処を可能にするためのシステムを構築し、事業活動の安定性を向上させています。これにより、高い品質基準を維持しながら社会に貢献する企業活動を実現しています。
人権・多様性の尊重に向けた取り組み
DICグループは、人権の尊重と多様性の推進を企業の使命としています。グローバル企業として、公正な労働慣行に基づき、性別や国籍、文化に関わらず多様な人材が活躍できる環境を整えています。また、地域社会との協働や教育プログラムを通じて、スピルリナを活用した社会貢献活動も展開しています。このような取り組みは、持続可能な社会づくりに直結しています。
DIC Vision 2030との連携
DICグループの中長期的なビジョンとして掲げられる「DIC Vision 2030」は、2050年までにカーボンネットゼロを達成するための大きな目標を持っています。2030年までには、2013年度比でCO₂排出量を50%削減する計画を進めており、環境負荷軽減に向けた具体的な取り組みを強化しています。また、グローバル技術拠点が連携し、革新的な技術開発を通じて持続可能な製品やソリューションを提供することで、地球規模での課題解決を目指しています。
サステナブル技術と製品開発の最前線
サステナブルパッケージへの挑戦
DICグループでは、地球環境に優しいサステナブルパッケージの開発に取り組んでいます。これには、素材の軽量化やリサイクル可能な材料の採用、高性能フィルムを活用した食品包装の再設計などが含まれます。こうした取り組みにより、廃棄物の削減やバージン材料の使用量削減が進められています。また、「5R」の考え方に基づき、再利用や再設計を意識した製品開発が進行中です。2023年度には、中国で新しいテープ技術センターを設立し、技術革新を通じた環境負荷軽減の加速を図っています。
カラーサイエンスで実現する環境配慮
DICが得意とするカラーサイエンスの技術は、環境配慮型製品の開発を推進しています。例えば、再生素材や植物由来成分を使った安全な顔料の開発や、耐久性のある塗料や印刷用インクの供給によって、製品の長寿命化やリサイクル効率の向上を実現しています。また、AIを活用した色彩設計は、無駄のない製造プロセスを可能にし、エネルギー効率の向上にも寄与しています。これらは、DICグループのサステナビリティ目標の達成において重要な役割を果たしています。
スマートリビングの実現に向けた取り組み
DICグループは新しい生活価値を提供する「スマートリビング」の実現に向け、イノベーションを展開しています。特に、生活空間を快適かつ健康的にする製品や技術に注力しています。たとえば、空気や水の浄化技術、ヘルスケア用途の素材開発が挙げられます。さらに、DICのスピルリナを活用した商品は、感染症対策や栄養補助食品として、健康を支えるだけでなく、持続可能な製造プロセスの実現にも貢献しています。これらの取り組みは、DIC Vision 2030で掲げる持続可能な社会づくりにも合致しています。
ケミカルリサイクルの推進と成果
DICグループはケミカルリサイクル分野で革新的な技術を提供しています。これにより、通常廃棄されるプラスチック廃材などを高品質な原材料に戻すことが可能となり、バージン材料の依存を大幅に低減できます。特にDICの持つ高度な量子化学計算手法を用いた材料開発が、リサイクル効率の向上に役立っています。また、異業界との連携による技術の普及にも力を入れており、サーキュラーエコノミーの実現を後押ししています。この中で得られた成果は、2024年以降の製品ライフサイクル全体での環境負荷軽減につながっています。
DICヘルスケア事業が果たす役割
DICヘルスケア事業では、持続可能な社会を実現するための多角的な取り組みを進めています。その一環として、自然由来成分であるスピルリナを用いた製品が注目されています。この取り組みは、感染症対策や栄養サポートだけでなく、環境保全にも寄与しています。また、地域社会との連携や児童教育を目的としたプロジェクトも展開し、持続可能な未来へ向けた社会貢献活動を進めています。これにより、DICグループは「健康経営優良法人」の表彰を複数回受けるなど、社会的評価も高まっています。
循環型経済（サーキュラーエコノミー）の推進
5R（ファイブR）の実践とその効果
DICグループは、循環型経済（サーキュラーエコノミー）の実現に向け、「5R」（Reuse, Reduce, Renew, Recycle, Redesign）の考え方を基本方針に据えています。この5Rは、資源の効率的利用と持続可能性を両立するための重要な指針となっています。
例えば、再使用（Reuse）とリサイクル（Recycle）を推進するため、DICは材料の再利用可能性を検討した製品設計を導入。また、バージン材料使用量の削減（Reduce）に向けた技術的チャレンジと、再生可能素材（Renew）の積極的採用が成果を上げています。これらの取り組みにより、環境負荷が大幅に削減され、サステナビリティ向上に寄与しています。
廃棄物削減に向けた取り組み事例
DICグループでは、事業所から排出される廃棄物の削減に力を注いでいます。具体的な事例として、製造プロセスの最適化による副産物の低減や、廃棄物の再利用可能な形への変換努力が挙げられます。
さらに、国内外の拠点が連携し廃棄物処理技術を共有する仕組みを構築。これにより、地域を超えた効率的な廃棄物マネジメントを実現しています。これらの結果、廃棄物量の削減だけでなく、社員や地域社会の意識向上にもつながっています。
バージン材料削減の技術的挑戦
バージン材料を削減することは、持続可能な社会を実現する鍵の一つです。DICグループは、代替材料の開発やリサイクル機能を考慮した製品設計を進めることで、この課題に取り組んでいます。
例えば、AIを活用した材料開発では、生産効率と環境負荷のバランスを考慮しながら、従来のバージン材料に代わる革新的なソリューションを生み出しています。このように技術力を活かした挑戦が、持続可能な未来の実現に貢献しています。
異業界とのパートナーシップ構築
DICグループは、循環型経済の実現に向けて異業界との協力を積極的に推進しています。特に、廃棄物の効率的なリサイクルや新素材開発の用途拡大に向けたプロジェクトで成果を上げています。
例えば、流通業界と共にリサイクル可能な包装材料を開発する取り組みや、IT企業との協業によりデジタル技術を駆使した効率的な資源再生が実現されています。これにより、サーキュラーエコノミーの推進が加速しています。
製品ライフサイクル全体でのサステナビリティ向上
DICグループは、製品のライフサイクル全体での環境負荷削減を目指しています。材料の調達から製造、利用、廃棄に至るプロセスで、サステナビリティを考慮した設計を進めることが重要視されています。
例えば、「DIC Vision 2030」に基づき、グリーン電力の使用拡大や製品廃棄時におけるリサイクル率向上を追求してきました。これらの取り組みは、地球環境の維持だけでなく、社会的価値創造にもつながると考えられます。
未来を見据えたESG戦略とビジョン
統合報告で示す透明性ある経営
DICグループは透明性ある経営を実現するため、サステナビリティ情報の積極的な開示に取り組んでいます。2024年からは法定開示として有価証券報告書にサステナビリティ情報の開示を開始しました。また、欧州での非財務情報開示指令（CSRD）への対応も進めており、グローバルな視点から信頼性の高い情報共有を実現しています。このような取り組みは、ステークホルダーとの信頼構築やESG投資の促進にもつながっています。
サステナビリティ・リンク・ローンの活用
DICグループは企業活動と持続可能性を結びつけるため、サステナビリティ・リンク・ローンを活用しています。このローンは、DICが設定したサステナブル目標に連動して条件が変動する仕組みが特徴で、これにより環境負荷削減や社会的課題への対応を加速させています。また、目標の達成を定期的に評価・開示することで、事業活動と社会的責任の両立を目指しています。
長期目標達成に向けた進捗状況
DICグループでは「DIC Vision 2030」のもと、長期目標として2050年カーボンネットゼロを掲げ、2030年までにCO₂排出量を2013年度比で50%削減する計画を進めています。グリーン電力への切り替えや高効率な技術開発の推進によって、目標達成に向けた具体的な成果を徐々に上げています。特に国内においてはすでにグリーン電力化が完了しており、次の改善領域にも積極的に取り組む姿勢を見せています。
ESG部門長のメッセージと展望
DICグループのESG部門長は、「社会的責任を果たしながらもイノベーションを通じて持続可能な成長を追求する」という展望を示しています。環境保護、人権尊重、多様性の重要性を強調し、グローバルな規模でのESG活動にコミットする意向を表明しています。また、ステークホルダーとの連携を通じて、社会全体へのポジティブな影響を最大化していく方針を伝えています。
DICグループが描く未来像
DICグループは、「地球環境との調和」と「持続可能な社会の実現」を両立させる未来像を描いています。これには、循環型経済の推進、サステナブル技術の開発、気候変動への具体的な対応が含まれています。特に、DICが目指す社会は、環境への負荷を最小限に抑えつつ、技術を通じて人々の生活の質を向上させるものです。このビジョンは「dic サステナ」の理念に基づき、持続可能な未来を切り拓く指針となっています。