コトラ（広報チーム） 
ENEOSと女性活躍推進の背景
ダイバーシティ推進に注力するENEOSの取り組み
ENEOSは、エネルギー業界においてダイバーシティ推進に積極的に取り組んでいます。特に女性の活躍推進を企業の重要課題と位置づけ、全社をあげて取り組んでいます。2023年度からスタートした第3回行動計画では、学卒採用者の女性比率を事務系50%以上、技術系20%以上とする目標を掲げ、採用段階からジェンダーバランスを考慮した方針を進めています。
また、管理職層を中心に意識改革を促す取り組みにも力を入れており、これにより多様性を持つ組織作りを目指しています。このような取り組みは、働く環境に多様性を取り入れることで、企業の競争力やガバナンス強化につながるという認識のもとで推進されています。
女性リーダー100名を目指す目標の設定理由
ENEOSが女性リーダー100名という具体的な目標を掲げた背景には、持続的な成長を可能にするための重要な施策として、多様性を企業の中核に据える必要性を強く認識しているからです。同社では、2026年4月までに主要グループ会社の出向者を含め、女性が指導的地位に就く人数を100名以上にする計画を明確に打ち出しました。
この目標設定は、エネルギー業界全体では女性リーダーの増加がまだ途上である現状を踏まえ、リーダーシップ層においてジェンダーバランスを整えることが、中長期的なビジネスの成長に寄与すると考えているためです。さらに、この数値目標を達成することで、ENEOSが業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立すると同時に、社会全体のダイバーシティ意識を高める役割を果たしたいという意図もあります。
女性管理職比率の現状と課題
現在、ENEOSにおける女性管理職比率は、業界平均に比べて一定の進展を見せていますが、まだ課題も残っています。例えば、2023年時点でのプライム市場上場企業における女性役員比率がわずか13.4%である中、ENEOSでも役員レベルでは女性比率が40%と進展していますが、管理職全体の比率は依然として低いのが実情です。
課題としては、女性が一定の階層以上に進む際のキャリア支援や、昇進後のネットワーキングと能力開発の不足などが挙げられます。また、エネルギー業界という比較的保守的な風土が、女性の意思決定参加を阻んでいる可能性もあります。このような現状を改善するためには、意識改革と制度設計の両面での取り組みが求められています。
業界内でのENEOSのポジションと比較
エネルギー業界は全体的に他業種と比べてジェンダーバランスの実現が遅れているとされています。しかし、ENEOSは他の企業と比較した際、女性役員比率が40%と高い水準であることからも、業界内では進んだ取り組みを行っている会社の一つと言えます。
例えば、エネルギー業界全体においてプライム市場に上場している企業の中では、女性役員すらいない会社も依然として1割近く存在しています。その中で、ENEOSは女性役員や管理職の登用を戦略的に進めており、他社との差別化を図っています。しかし、他業界に目を向けると、例えば金融やIT業界では、女性役員比率の目標を既に30%以上達成している企業も見受けられます。この点では、ENEOSが業界のリーダーシップを発揮しつつも、より革新的なアプローチを行う必要があると言えます。
女性リーダー100名達成に向けた具体的施策
従業員のキャリアパスを支援するプログラム
ENEOSでは、女性リーダー100名達成を目指すために、従業員のキャリアパスを支援するプログラムを積極的に導入しています。このプログラムでは、社員一人一人の適性やキャリア志向を把握し、柔軟なキャリアステップを提供することを重視しています。特に女性社員には、役職昇進やスキルアップのための明確なプランニングを行うことで、管理職やリーダー職へと進む道筋を支援しています。また、エネオスグループ内の横断的な異動を活用して多様な業務経験を積む機会を与え、将来の女性役員候補を育成することを目指しています。
女性向けリーダーシップ育成研修の導入
ENEOSは、女性向けリーダーシップ育成研修を新たに導入することで、女性リーダーの育成に力を入れています。この研修では、リーダーシップスキルや意思決定能力の向上に加え、業界特有の課題を理解し解決するための知識を学べるプログラムが用意されています。また、業界内外のメンターとのネットワーキング機会を提供し、ロールモデルとなる女性リーダーの体験談を共有する機会も設けられています。これにより、女性社員が管理職を目指すモチベーションを高める環境づくりにつなげています。
柔軟な働き方を促進するワークライフバランス施策
女性活躍を促進するため、ENEOSでは柔軟な働き方を支えるワークライフバランス施策を拡充しています。例えば、テレワークやフレックスタイム制の活用を推進し、育児や介護と仕事を両立できる環境を整備しています。加えて、将来の女性リーダーとして成長できるよう、仕事とプライベートのバランスを維持しつつキャリアを追求できる環境の確立を目指しています。これにより、女性社員が長期的に組織でのキャリア形成に集中できる土壌を提供しています。
定期的なモニタリングと進捗管理
ENEOSは、女性リーダー100名達成に向けた施策が確実に実行されるよう、進捗管理と成果のモニタリングを徹底しています。定期的に従業員へのアンケートや個別面談を行い、目標の達成状況や施策の有効性を分析しています。更に、組織全体で共有されるダッシュボードを利用し、施策が設定目標に適合しているかを見える化することで、迅速な課題解決を可能にしています。このようなモニタリング体制は、女性役員の増加を促進する計画を着実に進める鍵となっています。
ENEOSにおける女性リーダーの未来像
多様性を重視した組織作りの重要性
ENEOSは、企業としての競争力を高めるために、多様性を重要な要素として捉えています。特に、女性役員を含む女性リーダーの登用は、ダイバーシティ推進の具体的な施策として注目されています。多様なバックグラウンドを持つ人材がリーダーシップを発揮することで、意思決定の幅が広がり、新しい視点を活用したイノベーションの創出が期待されています。このような組織作りは、企業文化の柔軟性を高めるとともに、次世代に対応した企業成長の基盤となります。
女性リーダーがもたらす影響と可能性
エネルギー業界の中でもENEOSは、女性リーダーが企業にもたらすポジティブな影響力に注目しています。女性リーダーの登用は、組織全体において働きやすい職場環境の形成に貢献するだけでなく、社員全体に多様性を受け入れる意識を広めます。また、顧客の多様化するニーズに対応するためにも、多様な視点を持つ女性リーダーの存在が鍵となるでしょう。このような取り組みを推進することで、ENEOSは既存の枠にとらわれない成長の可能性を追求しています。
ガバナンス強化への貢献
女性役員の登用は、企業ガバナンスの観点からも重要な意義を持っています。ENEOSでは、女性役員比率を高めることで、意思決定プロセスの透明性を向上させるとともに、企業としての持続可能性を確保することを目指しています。特に、女性リーダーを積極的に登用することは、外部からの信頼を獲得し、社会的責任を果たす姿勢の表明にもつながります。多様な視点を経営に取り入れることで、リスク管理や内部統制の強化にも寄与すると考えられます。
他企業への波及効果と社会全体への影響
ENEOSが推進する女性リーダーの登用は、エネルギー業界そのものだけでなく、他企業や社会全体への波及効果も期待されています。同業他社がENEOSの成功事例を参考にすることで、エネルギー業界で働く女性の活躍の場がさらに拡大する可能性があります。また、女性リーダーを増やすための取り組みは、単なる企業戦略にとどまらず、社会全体でのジェンダー平等の実現にも寄与するものです。ENEOSは、これらの活動を通じて「エネルギー業界におけるリーディングカンパニー」としての地位を高めるとともに、より良い社会の構築に貢献していきます。
課題解決への提言と企業文化の変革
女性活躍推進において直面する課題
ENEOSでは女性リーダーの登用を推進していますが、エネルギー業界における性別格差は依然として大きな課題として残っています。特に技術系分野では女性従業員の採用割合が低く、専門性を持った女性を育成し、リーダーとして活躍する場を提供するには長期的な取り組みが必要とされています。また、職場における無意識のバイアスや、育児・介護などのライフステージに応じた働き方への対応不足といった問題も、女性のキャリア形成における障壁となっています。
社内意識改革に向けた取り組み
女性活躍を推進するうえで最も重要と言えるのが社内意識の改革です。ENEOSは、管理職を中心としたダイバーシティ啓発を目的としたセミナーや研修を実施し、リーダー自らが多様性の重要性を理解することを目指しています。また、女性社員が能力を存分に発揮できる環境づくりの一環として、ハラスメントの防止策を厳格化し、全従業員への教育を強化しています。これらの取り組みにより、ジェンダー平等を意識したポジティブな組織文化を醸成することを目指しています。
多様性ある評価基準への転換
多様な価値観を尊重し、それぞれに公平な評価基準を適用することも重要な課題です。ENEOSでは、従来の成果重視型の評価に加え、柔軟な働き方やチームマネジメント能力、社員のキャリア支援への積極性といった要素を総合的に評価する基準を模索しています。また、女性管理職の実績を適切に評価する仕組みを導入し、エネルギー業界における女性役員の比率向上を目指しています。このような姿勢は、社内における多様性の推進だけでなく、対外的な企業価値向上にもつながると考えられます。
ENEOSのビジョンと今後の展望
ENEOSは、2030年までに女性役員比率を30%以上にすることを目標に掲げ、着実に進展を見せています。この目標はプライム市場の上場企業としての責任であると同時に、他企業への模範ともなります。さらに、新たな企業文化を構築する中で、女性リーダーを積極的に育成し、エネルギー業界全体のジェンダー平等を牽引する存在となることを目指しています。
ENEOSは女性リーダー100名の達成を目標に掲げるだけでなく、それを契機に多様性と持続可能性を重視した企業文化を創造することに注力しています。この取り組みは、社員一人ひとりが能力を発揮し、組織全体の成長を促進するための鍵となるでしょう。