コトラ（広報チーム） 
Wi-Fiセキュリティの重要性とは？
自宅Wi-Fiへの脅威：盗聴や不正アクセス
自宅のWi-Fiは、家族全員がスマートフォンやパソコンをインターネットに接続するための重要なインフラです。しかし、セキュリティをなおざりにした場合、意図しない侵入者による脅威にさらされる可能性があります。不正アクセスを受けると、通信内容が盗聴されたり、デバイスが乗っ取られて情報漏洩が発生したりする危険性があります。また、他人に無断でWi-Fiを利用されることで回線速度が低下するだけでなく、不正なオンライン活動が行われた場合には、使用者自身が責任を問われるケースもあります。これらのリスクを防ぐためには、適切なセキュリティ設定が不可欠です。
フリーWi-Fi利用時のリスク
公共の場で提供されるフリーWi-Fiは便利な反面、セキュリティリスクを伴います。多くのフリーWi-Fiは暗号化が不十分で、利用者の通信内容が他人に盗み見られる可能性があります。このような環境で個人情報やログイン情報を入力すると、悪意ある第三者に不正に取得されるリスクが高まります。特に、銀行口座やクレジットカード情報を含むセンシティブなデータは、フリーWi-Fi上での送信を避けるべきです。さらに、偽のアクセスポイントが設置されている場合もあり、安全に見えるWi-Fiが実は攻撃者の罠である可能性もあるため注意が必要です。
セキュリティ未設定の危険性
初期状態のままセキュリティ設定を行わないWi-Fiは「オープンネットワーク」と呼ばれ、誰でも簡単にアクセス可能です。このような環境では、第三者があなたの接続を悪用して違法行為を行ったり、データ通信を盗聴したりするリスクが存在します。特に、初期パスワードのまま使用したり、パスワードを設定しなかった場合、他人から容易に侵入される可能性が高まります。また、トレンドマイクロの調査でも、セキュリティが不十分なWi-Fiルーターやスマート家電が多いことが指摘されており、セキュリティ対策を怠るとサイバー攻撃の標的になりやすいことが明らかになっています。
Wi-Fi攻撃が個人情報流出を招く
Wi-Fiネットワークがサイバー攻撃を受けると、重大な個人情報流出につながる恐れがあります。一例として、過去に「KRACK攻撃」と呼ばれるWi-Fiの脆弱性を利用した攻撃が発見されています。このような攻撃により、通信内容が盗聴されたり、ユーザーが知らない間に偽のウェブサイトへ誘導されたりする可能性があります。また、サイバー攻撃を通じて取得された情報は、プライバシーの侵害や金銭詐取に利用されることもあります。このような事態を防ぐためには、日頃からWi-Fiのセキュリティを強化し、安全な使用環境を維持することが重要です。
基本から始めるWi-Fiセキュリティ対策
ルーターの初期設定を見直そう
Wi-Fiルーターの初期設定のまま利用している方は要注意です。工場出荷時に設定されたネットワーク名（SSID）やパスワードは、多くの場合公開されている情報であり、攻撃者によって悪用される危険性があります。特に、初期パスワードは予測されやすく、不正アクセスを招く原因となります。初期設定のまま放置せず、「セキュリティに配慮した設定」に変更することが重要です。設定の見直しは、Wi-Fiネットワーク全体の安全性を向上させる第一歩です。
SSIDとパスワードの適切な設定
SSIDはWi-Fiネットワークの名前で、誰もが接続を試みる際に確認できる情報です。そのため、個人を特定されにくいものに変更しましょう。また、パスワードはランダムで長い文字列を設定することが推奨されます。例えば、英大文字、小文字、数字、そして記号を組み合わせることで、予測可能性を大幅に低下させることが可能です。推測されやすいワードや短いパスワードを避けることが、自宅Wi-Fiを守る基本的なセキュリティ対策です。
セキュリティ規格の選択：WPA2とWPA3
Wi-Fiにはさまざまなセキュリティ規格が存在しますが、現時点で安全性が高いとされているのが「WPA2」と「WPA3」です。これらは通信を暗号化する機能を提供し、不正アクセスや盗聴からの保護を強化します。特に、新しく販売されているルーターではWPA3が利用できることが多く、より高いセキュリティを確保できます。ルーター管理画面で適切なセキュリティ規格が選択されているか、定期的に確認しましょう。
ファームウェアの定期的な更新
Wi-Fiルーターのファームウェアには、セキュリティを強化する重要なアップデートが含まれることがあります。攻撃者は既知の脆弱性を悪用するため、古いファームウェアを使用しているとサイバー攻撃のリスクが高まります。ルーターの管理画面からアップデートが可能なので、少なくとも数ヶ月に一度は更新情報を確認し、最新状態を維持するよう心がけましょう。これにより、Wi-Fiネットワーク全体の安全性をさらに強化できます。
追加のセキュリティ対策で安全性を高める
MACアドレスフィルタリングの活用
MACアドレスフィルタリングを使用することで、不特定多数のデバイスからのWi-Fi接続を防ぐことができます。MACアドレスとは、スマートフォンやパソコンなどのデバイスごとに割り当てられている固有の識別番号のことです。この機能を利用すると、ルーターで許可されたMACアドレスのみネットワークに接続できるよう制限することが可能です。ただし、MACアドレスは偽装される可能性もあるため、他のセキュリティ対策と併用することが重要です。
ネットワークを分離する方法
Wi-Fiネットワークを分離することで、セキュリティを強化することができます。たとえば、自宅で使用しているメインネットワークとゲスト用のネットワークを分けて設定することで、ゲストが接続した際に重要なデータや機器にアクセスできなくなります。また、スマート家電などのIoTデバイスを専用のネットワークに接続すると、万が一それらが攻撃された場合でも、主要なネットワークへの被害を最小限に抑えることができます。
ゲストアクセス機能の利用
多くのWi-Fiルーターにはゲストアクセス機能が搭載されています。この機能を活用すると、ゲストに一時的なインターネットアクセスを許可しながら、自宅のメインネットワークとは隔離して運用することができます。これにより、外部のデバイスが家庭内の機密データにアクセスできないようにすることが可能です。ゲスト用のパスワードを定期的に変更することで、さらなるセキュリティ向上も期待できます。
VPNを使った通信の保護
VPN（仮想プライベートネットワーク）は、インターネット上の通信を暗号化し、プライバシーを保護する非常に有効な方法です。特に外出先や公共Wi-Fiを利用する際にVPNを使うことで、第三者から通信内容を盗聴されるリスクを低減できます。最近では、自宅Wi-FiにVPNを導入することで、家庭内の通信をより安全にすることも可能です。これにより、サイバー攻撃から重要な情報を守るセキュリティ対策として高い効果が期待できます。
フリーWi-Fi利用時の注意と対策
HTTPSでの閲覧を徹底する
フリーWi-Fiを利用する際には、必ず閲覧するサイトが「HTTPS」で始まっているか確認しましょう。HTTPSの「S」はセキュリティを意味し、通信内容が暗号化されていることを示します。暗号化されていないHTTP接続では、データが盗聴されるリスクが高く、パスワードや個人情報が流出する危険性があります。URLバーに鍵マークが表示されているかも確認し、安全な接続であることを確認しましょう。
セキュリティ警告に注意する
フリーWi-Fiを利用している際、ブラウザが「接続が保護されていない」と警告する場合があります。このような警告を軽視せず、安全性の確保が難しい場合には該当のウェブサイトを利用しないようにしましょう。また、知らないWi-Fiネットワークに関するポップアップ通知や「ソフトウェアを更新する」などのメッセージも詐欺の一環である可能性があるため、慎重に判断してください。
VPNアプリを活用する
フリーWi-Fiの利用時に最大限のセキュリティを確保するためには、VPN（仮想プライベートネットワーク）の使用がおすすめです。VPNはデータを暗号化し、あなたの通信内容を第三者から守ります。特にフリーWi-Fiは攻撃者による盗聴やハッキングの標的になることが多いため、VPNを導入することで安全性が大幅に向上します。主要なVPNアプリはスマホやパソコンでも簡単に利用できますので、事前に準備しておくと安心です。
ログイン情報を入力しない
フリーWi-Fiの使用中は、重要なアカウントにログインしたり、クレジットカード番号などの機密情報を入力したりしないようにしましょう。特に、買い物や銀行アプリの利用は避けるのが賢明です。なぜなら、フリーWi-Fiは攻撃者にとって情報を盗む絶好の機会となるからです。確実にセキュリティ対策が取られた環境でのみ機密情報を扱い、フリーWi-Fiの使用時は不必要なログインを避けるよう心がけましょう。