EPPとEDRの違いを徹底解説!今さら聞けないエンドポイントセキュリティの基礎知識

エンドポイントセキュリティとは?その必要性と基本概念

エンドポイントセキュリティの重要性

近年、サイバー攻撃はますます高度化・多様化しており、企業や個人にとって「エンドポイントセキュリティ」の重要性が増しています。エンドポイントとは、パソコンやスマートフォン、タブレットといったネットワークに接続される端末を指し、これらは攻撃者にとって侵入の入り口として狙われやすい場所です。セキュリティの観点からエンドポイントをしっかりと守備することは、サイバー攻撃の被害を未然に防ぎ、情報漏洩や業務停止を防ぐ上で欠かせません。

近年注目される理由:テレワーク・多様化する攻撃手法

エンドポイントセキュリティが注目される背景には、テレワークの普及とサイバー攻撃の進化があります。例えば、テレワークでは自社ネットワーク外からの業務が増え、デバイスが常時安全な環境にあるとは限りません。また、攻撃手法もフィッシングやランサムウェア、ゼロデイ攻撃など、従来のセキュリティでは対応しきれないものが増加しています。このため、エンドポイントセキュリティは従来以上に重要視されています。

多層防御の一部としてのエンドポイントセキュリティ

エンドポイントセキュリティは、セキュリティ全体の「多層防御」におけるコア部分として機能します。「多層防御」とは、複数の対策を組み合わせることでサイバー攻撃を防ぐ戦略のことで、エンドポイント保護はその最初の防御線として設置されます。例えば、EPP(エンドポイント保護プラットフォーム)は、エンドポイントに侵入しようとするマルウェアを検知・除去します。一方、EDR(エンドポイント検知・応答)は、侵入が成功した後の攻撃を迅速に検知し対応します。このように、さまざまなセキュリティ技術を組み合わせることで、より強固な保護が実現されます。

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EPP(エンドポイント保護プラットフォーム)とは?

EPPの基本的な役割と機能

EPP(エンドポイント保護プラットフォーム)は、エンドポイントデバイスをセキュリティの観点から保護するための重要なツールです。その主な役割は、マルウェアやウイルスをはじめとした脅威を事前に検知し、組織内のシステムに影響を及ぼす前に阻止することです。これにより、ネットワーク全体のセキュリティが向上し、攻撃の拡散を防ぐことが可能になります。

具体的な機能としては、マルウェアスキャン、ファイアウォール、振る舞いベースの検知、機械学習を活用した未知の脅威の予測などがあります。これらの技術を統合することで、従来のアンチウイルスを超える包括的なエンドポイント防御を提供します。

従来型アンチウイルスとの関係性

従来型のアンチウイルス製品は、主にシグネチャベースの検知で既知の脅威を特定する仕組みが中心でした。しかし、それだけでは近年増加している未知の脅威や高度なサイバー攻撃に対処するのが困難になっています。

ここでEPPが活躍します。EPPは従来のアンチウイルスのシグネチャ検知を取り込みつつ、次世代アンチウイルス(NGAV)のような進化した技術を組み合わせています。具体的には、振る舞い解析やリアルタイムの脅威検出を導入することで、従来とは格段に異なる高度な防御力を持つようになっています。このようにEPPは、従来のアンチウイルスの延長線上にありながら、さらに多機能で統合的なセキュリティプラットフォームへと進化しています。

企業でEPPが不可欠となる理由

近年、テレワークの普及やサイバー攻撃の多様化により、企業におけるエンドポイントセキュリティの重要性が増しています。エンドポイントデバイスは、従業員が日々使用するパソコンやスマートフォンなど、ネットワークへの侵入経路となる可能性が高い箇所です。これらのデバイスが狙われると、企業全体のセキュリティ体制に影響を及ぼすリスクがあります。

EPPは、このような課題に対応するため、システム全体を包括的に守る役割を果たします。特に近年では、未知の脅威に対応できる技術(例えば機械学習)や、自動的にマルウェアを駆除する機能が重要視されています。これにより、限られたセキュリティ人材やリソースでも、効率的に防御体制を強化することが可能です。

さらに、企業の規模や業種を問わず、サイバー攻撃の標的となる可能性が高まっている現在、EPPの導入はもはや選択肢ではなく不可欠な要素となっています。より多様化・高度化するサイバー脅威に対抗するため、EPPは企業のセキュリティ戦略の基盤として機能しています。

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EDR(エンドポイント検知・応答)とは?

EDRの基本的な役割と特徴

EDR(Endpoint Detection and Response)は、エンドポイントセキュリティの中でも、マルウェア感染後の迅速な対応を可能にするためのツールです。その基本的な役割は、脅威のリアルタイム検知、迅速な原因特定、侵入経路の分析にあります。従来のセキュリティ対策では防ぎきれない高度なサイバー攻撃に対応するため、EDRはより深い解析能力を持っています。

EDRの特徴的な機能として、膨大なデータを収集して分析することで、潜在的な脅威を特定する能力が挙げられます。また、侵入の兆候を見逃さないようにする技術的な検知機能に加え、脅威が検出された際の応答策までを一貫対応できる点もポイントです。これにより、感染の拡大を防ぐだけでなく、復旧までの時間や労力を大幅に削減することが可能です。

リアルタイム検知と応答の仕組み

EDRはリアルタイムでの監視と分析を得意とし、感染が疑われる活動や不正アクセスの兆候を即座に把握します。この仕組みは、膨大なログデータや挙動を記録し、AIや機械学習を用いて異常なパターンを特定するプロセスに基づいています。

例えば、マルウェアによる侵入が試みられた場合、その攻撃パターンを即座に検知し、攻撃に関わるプロセスを中断させることができます。加えて、感染が確認された場合には、感染経路や影響範囲を迅速に分析し、当該デバイスをネットワークから切り離すなどの応答策を即時実行することも可能です。このように、EDRは実行と同時に対応することで、迅速かつ効果的なセキュリティ体制を実現します。

高度なサイバー攻撃への対応力

近年、サイバー攻撃の手法は巧妙化・高度化しており、一般的なセキュリティ対策だけでは防ぎきれない状況が増えています。このような現状の中で、EDRはゼロデイ攻撃や標的型攻撃など、従来のマルウェア対策では対応が困難な脅威にも柔軟に対処できる能力を備えています。

特にEDRは、攻撃の振る舞いを分析して未知の脅威を特定する力に優れています。例えば、攻撃者がエンドポイントを踏み台にして他のネットワークに侵入しようとする「横展開行動」も、EDRの監視システムによってすばやく検知される可能性があります。このように、EDRは感染後のリスクを最小限に抑えつつ、迅速な対応を実現することで、企業のセキュリティ体制を強化します。

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EPPとEDRの違いと組み合わせによる効果

EPPとEDRの役割の違い

EPP(エンドポイント保護プラットフォーム)とEDR(エンドポイント検知・応答)は、どちらもエンドポイントセキュリティを強化するためのツールですが、その役割には明確な違いがあります。EPPは主に「事前防御」に焦点を当てており、マルウェアやウイルスなどの脅威を未然に防ぐことを目的としています。一方で、EDRは「事後対応」に特化しており、感染後のリアルタイム検知や原因究明、侵入経路の特定などをサポートします。

具体的には、EPPは従来型アンチウイルスの進化版ともいえるもので、シグネチャや振る舞い検知を活用して悪意のあるプログラムを検出します。一方、EDRは端末上で行われているアクティビティをリアルタイムで監視し、脅威の挙動を検知。必要に応じてデバイスを隔離するなどの対応を行います。これにより、EPPとEDRの役割は相互に補完的であり、エンドポイントセキュリティを強化するためにはどちらも欠かせない存在です。

現代の企業におすすめの運用方法

現代の企業が直面するサイバー攻撃は、ますます高度化、多様化しています。そのため、エンドポイントセキュリティには包括的なアプローチが求められます。おすすめの運用方法は、EPPとEDRを組み合わせた「多層防御戦略」を採用することです。

多くの企業では、まずEPPで一般的なマルウェアの侵入を未然に防ぎ、その後にEDRで残存リスクの検知と対応を行う体制を整えています。また、ゼロトラストセキュリティ対策の一環として、エンドポイント端末がどこにあっても監視を行う仕組みを構築することが重要です。これにより、リモート環境やテレワークに対応しながら、エンドポイントのセキュリティを強化できます。

EPPとEDRを併用するメリットとシナジー

EPPとEDRを併用する最大のメリットは、セキュリティ対策の隙間を最小限に抑えられることです。EPPが自動化された防御を提供し、感染が進行する前に多くの脅威を排除します。一方で、EDRは万が一侵入された場合でも迅速な検知と対応を行い、被害の拡大を防ぐ役割を果たします。

これにより、企業は「未知のマルウェアに対しても防御」「侵入後の迅速な対応」「攻撃経路の可視化」といった複数の課題を同時に解決できます。特に、最近の高度な標的型攻撃やゼロデイ攻撃においては、EPPだけに依存するのではなく、EDRによる継続的なモニタリングが不可欠です。EPPとEDRの併用は、セキュリティエコシステム全体の強化につながり、企業のレジリエンス向上に寄与します。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

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