コトラ（広報チーム） 
1. 通勤時間欄とは？その重要性を解説
通勤時間欄が設けられている理由
履歴書の通勤時間欄は、自宅から職場までの片道の所要時間を記載する項目です。この欄が設けられている理由は、企業が交通費の想定や通勤負担の把握を行うためです。従業員にとって無理のない通勤時間は、業務パフォーマンスや勤続年数に影響する重要なポイントとなります。そのため、多くの企業がこの欄を設けて正確な情報を求めています。
採用担当者が通勤時間の欄を見る狙い
採用担当者は、履歴書の通勤時間欄を通して応募者の通勤条件を確認しています。具体的には、通勤時間が長すぎると通勤ストレスの増加や離職リスクが懸念されるため、採用の判断材料として重視されることがあります。また、交通費の支給額も企業にとって重要なコスト要素であるため、この欄を確認して、採用後の経費負担を見積もる狙いもあります。
企業に与える印象と採用への影響
履歴書の通勤時間欄に具体的で正確な情報を記載することは、企業にとって信頼感を与えます。一方で、通勤時間が長すぎると体力面での不安や、日々の遅刻リスクが懸念されることもあります。そのため、応募者が実際に問題なく通える範囲であることを伝えるのは非常に重要です。また、記載内容が誤りであった場合、採用後にトラブルとなる可能性もあるので注意が必要です。
2. 通勤時間の正しい測り方と記入ルール
通勤時間の基本ルール：ドア・ツー・ドア法
履歴書の通勤時間欄には、最初から最後までの通勤所要時間を記載する必要があります。この際、基本的なルールとして採用されるのが「ドア・ツー・ドア法」です。これは自宅の玄関から職場の玄関までにかかる片道時間を指し、その経路上のすべての移動時間を含めます。例えば、自宅から駅までの徒歩時間、電車やバスの乗車時間、乗り換えに要する時間、降車後の徒歩時間などが含まれます。この方法で正確な通勤時間を記載することで、採用担当者に信頼感を与えることができます。
公共交通機関の場合の計算方法
公共交通機関を利用した通勤時間は、各手段の所要時間を合算して計算します。具体的には、自宅から最寄り駅や停留所までの徒歩時間、乗車時間、乗り換えにかかる時間、降車後の職場までの徒歩時間をすべて計算します。また、正確に記載するためには、平日の実際の出社時間帯におけるリアルな所要時間を調べることが重要です。交通機関の遅延リスクやラッシュ時の混雑を考慮するまでは必要ありませんが、経路案内アプリなどを活用して最短ルートをベースに記入することをおすすめします。
自家用車・バイク通勤時の正しい書き方
自家用車やバイクで通勤する場合でも「ドア・ツー・ドア法」に基づいて通勤時間を算出します。ここでは、自宅から車に乗り込むまでの時間、目的地までの走行時間、そして駐車場から職場までの徒歩時間を合計します。この際、道路状況や交通量を考慮しながら、普段の通勤時間で現実的な数字を記載することがポイントです。また、交通費の支給対象として燃料費が含まれる場合があるため、採用担当者が正確なルートを把握できるよう詳細を記入することが望ましいです。
通勤時間が未定の場合の対応と文例
応募時に通勤時間が明確に定まらない場合でも、適切に対応することができます。たとえば、勤務地が複数ある企業や、配属先が決定していない場合には、「勤務地決定後、速やかに最適な通勤ルートを確認します。」などの文言を添えるのが一般的です。引っ越しを伴う予定がある場合には「○○（都市名）付近に引っ越し予定のため、通勤時間は後日報告いたします。」と記載しておくことで採用担当者に配慮が伝わります。未定だからといって欄を完全に空欄にせず、簡潔な補足を加えることが重要です。
3. 通勤時間を書く際の注意点
実際の通勤路ではなく最短ルートを記載
履歴書の通勤時間欄には、通勤ルートを最短経路で計算して記載しましょう。採用担当者は、通勤時間を通じて交通費支給や体力面を考慮するため、最短距離での記入が基本的なルールです。例えば、実際の出社時に混雑回避のため遠回りのルートを利用している場合でも、履歴書には地図アプリや経路案内ツールを活用し、最短ルートの時間を記載することを心掛ける必要があります。
通勤手段を具体的に書く必要性
通勤時間とともに、どのような交通手段を使うのかを具体的に記載することも重要です。例えば、「徒歩」「自転車」「電車」「バス」などを明記し、途中で交通機関を乗り換える場合は、その詳細も記入するとよいでしょう。交通手段を具体的に記すことで、採用担当者が交通費や通勤経路の合理性を正しく判断できます。また、手段を明記することで、途中経路を補足的にアピールするチャンスにもなります。
交通機関の種類や組み合わせの書き方
複数の交通機関を利用する場合は、組み合わせに関する具体性が必要です。「電車とバス」「徒歩と自転車」など、どのように移動して通勤するのかを簡潔かつ明確に記入しましょう。例えば、「約1時間20分（徒歩10分、電車60分、バス10分）」のように細分化して記載するとイメージがしやすくなり、採用担当者にとってもわかりやすい履歴書となります。応募企業のアクセス状況に合わせて、この点を細やかに書き込むことがポイントです。
交通費支給や体力面での判断基準としての役割
通勤時間欄は、採用後の交通費支給や勤務の継続性などを判断するための重要な情報源となります。特に、通勤時間が長すぎる場合や、疲労を伴う経路が想定される場合、企業側は採用において慎重になる可能性があります。そのため、正確な情報を記入するとともに、採用担当者に合理的な印象を与えられるよう配慮することが必要です。また、長時間の通勤が負担になると思われる場合は、柔軟な働き方やテレワークのニーズについても備考欄で触れると好印象を与えられるでしょう。
4. ケース別：特殊な通勤状況での記入方法
引っ越し予定がある場合の書き方
履歴書において、引っ越し予定がある場合は、現住所と引っ越し後の住所に基づいた通勤時間を正確に記載することが重要です。例えば、引っ越し時期が確定しているなら「引っ越し後の住所からの通勤時間」を記入し、その旨を補足として明記することが望ましいです。補足では「◯月に引っ越し予定」「新住所：東京都◯◯区」といった具体的な情報を添えると、採用担当者に誤解を与えずに済みます。
まだ引っ越し場所が決まっていない場合は、「通勤時間は現在未定」と記載し、その理由や予定時期を簡潔に説明します。この場合も、確定後には速やかに採用担当者に連絡を入れ、必要があれば履歴書を修正する対応が適切です。
勤務地が未定の場合の対応策
応募先の企業が勤務地を複数所有しており、配属先が決まっていない場合は、履歴書の通勤時間欄に具体的な記載が難しい場合があります。その際は、通勤が予想される各勤務地に基づいて「最大通勤時間」と「最短通勤時間」を記載すると良いでしょう。例えば、「通勤時間：約1時間10分～約2時間（勤務地により異なる）」といった形です。これにより、採用担当者は配属計画の際に通勤負担を考慮しやすくなります。
また、補足欄やメールで「勤務地が確定した場合、速やかに詳細な通勤時間をご連絡いたします」と伝えることで、丁寧な対応を印象付けられるでしょう。
テレワークやリモートワークがある場合
テレワークやリモートワークを主な業務形態とする場合、履歴書の通勤時間欄には「特になし」とシンプルに記載することが適切です。ただし、一部の会社では出社がまれに発生することも考えられるので、事前にその可能性を確認しておきましょう。必要に応じて、数少ない出社時の通勤時間を記入し、「テレワーク中心のため、通勤時間は基本的に発生しません」といった補足を加えるのが自然です。
また、応募先がリモートワークを導入していても研修期間中は出社義務があるケースもあります。その場合は、研修期間における通勤時間として記載しておくと丁寧な印象を与えることができます。もし完全にリモートワークのみの場合でも、「家庭の都合で柔軟な働き方が可能」という文言を別途記載することで好印象を狙えるでしょう。
5. より印象的な履歴書を作るためのワンポイント
通勤時間欄でアピールできること
履歴書の「通勤時間」欄は、単に移動にかかる時間を記載するだけでなく、採用担当者に好印象を与えるツールとして活用できます。例えば、短い通勤時間を記載することで「時間管理がしやすく、急な対応でも対応可能」といった印象を与えることができます。また、「バス・電車・徒歩」など複数の移動手段を正確に記載することで、注意深く詳細を確認する姿勢を示すこともできます。さらに、適切な表現や詳細な内容がある履歴書は、全体の完成度を上げる一助となります。
他の記載内容との連動した記入のコツ
通勤時間欄を記載する際には、他の履歴書項目との整合性に注意する必要があります。特に、通勤時間の記載と希望勤務地、居住地欄との整合性が取れていることが重要です。例えば、希望勤務地を記載する場合、それに基づいた通勤時間を正確に計算しましょう。また、自己PRや志望動機の中で「時間に対する意識の高さ」や「継続的に業務を行う体力」などをアピールしている場合、その裏付けとなるように現実的な通勤時間を書くべきです。このように、通勤時間欄を他項目とうまく連携させることで、採用担当者に一貫性と説得力をアピールできます。
注意不足で生じるNG例とその改善方法
履歴書の通勤時間欄で注意不足が原因となるNG例として、正確な計算を怠り実際の通勤時間と乖離した数値を記載するケースがあります。たとえば、往復時間を記載してしまう、または「おおよそ」と言いながらも極端に短く見積もる行為は避けましょう。このような不整合な情報は、採用担当者に対して信頼感を欠く印象を与える可能性があります。
改善方法として、地図アプリや通勤プランニングサービスなどを活用して、最短ルートを基に正確な時間を記載する手順を踏むことが有効です。また、「約〇時間〇分」という記載形式を守ることで、見やすさも向上します。このような適切な記入を心がけることで、履歴書全体の印象を高めることができます。