管理職になったら給料が下がる?その理由を徹底解剖!

管理職の給料が下がる理由とは?

「名ばかり管理職」とは何か

「名ばかり管理職」とは、実際には労働者としての業務が中心であるにもかかわらず、肩書きだけが管理職とされているケースを指します。このような状況では、労働基準法で定められた「管理監督者」に該当せず、残業代が支払われるべきところ、企業がこれを支給しない場合があります。管理職の実情として、管理業務の権限や責任を負わされていないにもかかわらず、給料が下がる事例が多く、トラブルの原因となっています。

残業代が出なくなる仕組み

管理職になると多くの場合、「管理監督者」として扱われ、法律上残業代が支給されなくなります。そのため、仮に基本給が少し増えたとしても、それまで支給されていた残業代がなくなることで、結果的に給料が下がるケースが多いのです。たとえば、一般職時代に月30時間の残業をしていた人が、残業代として毎月7万円を受け取っていた場合、管理職昇進後はこれがなくなり、実質的には減収につながる可能性があります。

管理職手当と基本給のバランス

管理職に昇進すると、基本給や管理職手当が支給されることが一般的ですが、その総額が残業代を含む以前の給与を下回る場合があります。一見すると基本給が引き上げられることで収入が増えるように見えますが、残業代がなくなるため、管理職手当だけではこれを補いきれない場合が多いのが現状です。例えば、基本給が30万円から35万円に増えたとしても、以前支給されていた残業代が7万円だった場合、トータルの収入はむしろ減少します。

業界・企業規模ごとの差

管理職の給料が下がるかどうかは、業界や企業規模によっても大きく異なります。大企業では管理職の年収が比較的高い傾向にありますが、中小企業では昇進による給料アップが少ない、もしくは一切ないケースも見受けられます。また、業種別に見ると、金融業界の管理職は年収が高い傾向にあり、平均で800万円から1200万円と言われています。一方、製造業やサービス業などでは管理職の平均年収が600万円から800万円と比較的低めとなっています。このような違いが、昇進による給料が下がる問題にも影響を及ぼしています。

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昇進による給料減少は違法?

管理職に昇進したにもかかわらず、給料が下がることは違法ではないかと疑問に思う方も多いでしょう。実際、管理職は従業員の中でも重要な役割を担いますが、その給与体系や労働条件が適正かどうかは法的な観点からも検討する必要があります。特に、労働基準法における「管理監督者」の定義や、不利益変更とみなされるかがポイントとなります。

労働基準法における管理監督者の定義

労働基準法では、「管理監督者」として扱われる社員は、一般労働者と異なり、残業代の支払いが不要とされています。しかし、この「管理監督者」の要件は厳格に定められています。具体的には、業務の重要な決定権を持つ立場であること、出退勤の自由があること、一般職よりも給与や待遇で優遇されることが条件です。

一方で、名目上は管理職であっても、実際に残業をしているにもかかわらず権限や待遇が十分でない場合、管理監督者としての要件を満たしていない可能性があります。このような場合は、残業代を支払わないことが違法となり、請求できるケースがあります。

不利益変更に該当するケース

昇進にともない給与が実質的に下がる場合、それが「不利益変更」に該当する可能性があります。不利益変更とは、労働条件が従業員にとって一方的に不利になる変更のことを指し、就業規則の改定や個別契約の内容変更が要求された場合に適用されます。

例えば、管理職として基本給が上がったとしても、それ以上に残業代がカットされて総支給額が下がる場合、従業員の同意なくこのような変更が行われていれば問題となる可能性があります。職場環境や条件が大きく変わる場合には、企業側には労働者の同意を得る義務があるため、契約内容を確認することが重要です。

給料減少時の対処法:相談先一覧

給料が下がってしまった場合、まずは冷静に状況を整理し、適切な対処を行うことが重要です。以下に、相談先をいくつかご紹介します。

  • 社内の労務担当者や上司: まずは昇進時の契約内容や給与体系について直接確認してください。
  • 労働基準監督署: 労働基準法に基づく相談や調査依頼ができます。不利益変更や残業代の問題についても対応可能です。
  • 労働組合: 会社に組合がある場合は、相談の場として活用しましょう。給与条件や待遇について交渉のサポートをしてもらえる場合があります。
  • 弁護士: 専門の弁護士に相談することで、法的なアドバイスや適切な対応を進めることができます。特に給与減少が不当だと感じる場合は、早めに相談しましょう。
  • 無料相談窓口: 各自治体が設置している労働相談窓口や法テラスなども利用できます。

昇進による給料の減少が不当であると考えられる場合、早急に行動を起こすことが重要です。記録を残し、証拠をきちんと保存しておくことで、交渉や法的手続きにも有利に進む場合があります。

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管理職の給料が高くなるケースもある?

企業ごとに異なる報酬体系

管理職の給料が下がると言われることは多いですが、企業によっては報酬体系が異なり、昇進後に大幅に年収が上がるケースもあります。特に、大企業や外資系企業では、管理職の権限や責任に応じた高水準の報酬が設定されていることが一般的です。このような企業では、管理職になることで基本給が大幅に引き上げられたり、役職手当や成果に応じたボーナスなどが充実している傾向にあります。

例えば、金融業界では管理職の平均年収が800万円から1200万円と高く、IT業界ではインセンティブを含めて年収が1000万円を超える事例も見られます。一方で、中小企業や特定の業種では管理職の報酬体系があまり改善されていない場合もあり、予め報酬体系を確認することが重要です。

成果主義が鍵?インセンティブの影響

成果主義を採用している企業では、管理職が高いインセンティブを得られる場合があります。こうした企業では、個人やチームの業績に応じた評価が基本となるため、売上目標を達成することで年収が増加する仕組みが整っています。特に営業職を含む管理職の立場では、このようなインセンティブが年収全体を大きく押し上げる要因となります。

成果主義を導入している企業では、基本給よりも変動報酬の割合が高いことがあります。そのため、成果を上げ続けることが必要ですが、安定収入よりも高収入を狙いたい方にとっては、非常に魅力的な給与体系と言えるでしょう。

役職定年後の待遇改善ケース

管理職として長期間働いた後に「役職定年」を迎える場合、待遇が改善されるケースもあります。役職定年とは、一定の年齢に達した際に現在の役職から退き、部下を持たない役割に就くことを指します。一般的に、この際には管理職手当が無くなるため、給料が下がる可能性が考えられますが、一部の企業ではその後の雇用条件を見直し、結果的に全体の年収が向上することがあります。

また、退職金制度が充実している企業では、役職定年後もその経験や実績を評価された形で手厚い退職金が支払われる場合があります。これも役職定年後の待遇改善の一つの例と言えるでしょう。長期的な視点で報酬体系を見極めることが大切です。

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給料が下がるリスクを避けるためには?

昇進前に契約・条件を確認する重要性

管理職に昇進する際、給料が下がるリスクを避けるために最も重要なのは、事前に契約条件をしっかり確認することです。特に基本給や手当の変更内容、残業代が支給されなくなる場合の影響を把握しておく必要があります。また、賞与の増減についても確認しておくと安心です。曖昧な説明に納得せず、不明点は人事部門や管理職経験者に直接尋ねることが大切です。この準備が、昇進後に抱える給与に関する悩みを回避する第一歩となります。

キャリアプランを明確にする方法

給料が下がるリスクを回避するためには、自分自身のキャリアプランを明確にすることが欠かせません。まず、自身の目標を具体的に設定しましょう。「給料重視」なのか、「役職や経験値を重ねたい」のかをはっきりさせることが必要です。また、将来的にどのような業界や役職で働きたいのかを考え、その目標に合った昇進やスキルアップを計画的に進めることが重要です。キャリアコーチングを受けたり、職場内外のロールモデルとして参考になる管理職の方にアドバイスを求めるのも良い方法です。

管理職以外で年収アップを目指す選択肢

必ずしも管理職になることだけが年収アップの道ではありません。専門職やスペシャリストとしての道を進む選択肢もあります。例えば、IT技術者やデータサイエンティストなど、専門性の高い職種では、管理職にならなくても高収入を得られる場合があります。また、業種によっては成果主義が導入されている職場も多く、営業職やプロジェクトリーダーとして成果を出し、インセンティブを得ることで年収を上げるケースもあります。自身のスキルセットや得意分野に応じて、適切な道を模索してみましょう。

適切な転職のタイミングと準備

管理職昇進後に給料が下がるリスクに直面した場合、転職も一つの選択肢となりえます。ただし、転職市場での価値を高めるためには、計画的な準備が欠かせません。まず、自分のスキルや経験を整理し、それに合った求人情報を調査しましょう。また、管理職の経験がどの程度評価され、次の職場でどのように活かせるかを確認することも重要です。さらに、転職エージェントのサポートを受けたり、最新の業界動向を把握することで、適切なタイミングを見定めることができます。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

金融、コンサルのハイクラス層、経営幹部・エグゼクティブ転職支援のコトラ。簡単無料登録で、各業界を熟知したキャリアコンサルタントが非公開求人など多数のハイクラス求人からあなたの最新のポジションを紹介します。