コトラ（広報チーム） 
日本の平均年収の全体像を知ろう
平均年収の基本データ：最新統計から見る数字
日本の最新の平均年収は460万円であると、2023年の国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」で報告されています。この数字は、年間を通じて勤務した給与所得者を対象に算出されたものです。内訳としては、基本的な給料や手当が388万円、賞与が71万円となっています。また、日本の給与所得者の平均年齢は47.0歳、平均勤続年数は12.5年とされています。2023年の平均年収は前年比で0.4%の増加となっており、わずかながら年収が上昇傾向にあることがわかります。
平均年収と中央値の違いとは？
平均年収と中央値は似ているようで、実は異なる指標です。平均年収は、全ての給与所得者の年収を合計し、それを人数で割って算出したものです。一方、中央値は、全ての給与所得者を年収順に並べたとき、ちょうど中央に位置する人の年収を指します。このため、極端に高い年収や低い年収が存在すると、平均年収と中央値の数字に差が出ることがあります。日本の場合、高収入の割合が少ないため、平均年収が中央値よりも高くなる傾向があるのです。実際に自分の年収を比較する際には、この違いを理解しておくと良いでしょう。
平均年収が高い地域ランキング
日本の都道府県別平均年収のランキングでは、2024年時点で東京都がトップで、平均年収は471万円という結果が出ています。これは日本の平均年収である460万円を上回っており、特に都市部での収入水準の高さが見て取れます。以下、神奈川県が452万円、千葉県が435万円、埼玉県が426万円、茨城県が424万円と続きます。首都圏近郊の地域が上位を占めており、特に東京都内での年収の高さは顕著です。このような地域格差も、日本の平均年収がどこから高いと感じられるかに影響を与える要因の一つと言えるでしょう。
都道府県別の年収格差
平均年収は地域によって大きく異なります。先述したように、東京都や神奈川県など首都圏は全国平均を上回っていますが、一方で地方では平均年収が460万円を大幅に下回る地域も多く存在します。これは、地域の産業構造や雇用形態の違いが影響していると考えられます。例えば、金融やIT業界が集積する都市部では高収入の傾向が見られますが、地方では農業や観光業といった比較的年収が低めとなる業種が主流となりやすいからです。また、生活コストの違いも、地域による年収の差を受け入れる背景となっているでしょう。こうした都道府県別の年収格差を知ることは、住む地域やキャリアプランを考える上で重要なポイントです。
年齢×性別で見る平均年収の変化
年代別の平均年収：20歳から60歳まで
日本の平均年収は年齢によって大きく変化します。国税庁の2023年のデータによれば、20代の平均年収は360万円、30代では451万円、40代は519万円、50代以上になると607万円に達します。最も年収が高いのは59歳で734万円とされています。一方で、働き始めたばかりの20歳では277万円と最低年収となっています。このように年齢が上がるにつれてキャリアが積み重なることで収入は増加しますが、特に40代から50代にかけて大きな年収の伸びが期待できる傾向にあります。
男性と女性でこんなに違う？平均年収格差
男性と女性の間には年収格差の現状が残っています。2023年のデータでは、男性の平均年収が567万円であるのに対し、女性の平均年収は280万円とされています。この差は約2倍にも及びます。この違いには、管理職に就く割合や出産・育児によるキャリアの中断などが関係していると考えられます。ただし、女性の社会進出が進む中で年収の格差は徐々に縮まる傾向にもあります。平均年収について「どこから高い？」と思うポイントが男女で異なるのも、この格差が影響しているといえるでしょう。
年齢別の収入ピークは何歳？
日本人の年収のピークは約59歳です。この時点で734万円の最高年収に達します。50代中盤から後半にかけて職務経験が豊富になり、管理職やリーダー的な役割を担うことが増えるため、この年齢層の年収が特に高い傾向があります。しかし、その後退職時期が近づくと年収はまた少しずつ減少に転じます。若い世代ではキャリアスタートラインにいるため年収が低めですが、技能や経験を着実に積むことで収入アップを目指せる可能性があります。
若年層とシニア層の年収の現状
20代の平均年収は360万円と比較的低めですが、これは新卒での就職者やキャリア形成の初期段階にあるためです。一方、60代以降のシニア層の年収はピーク時から減少に転じるものの、現役を続けることで収入を維持する人もいます。ただし、シニア層では雇用形態が非正規雇用になるケースも増えるため、若年層とはまた異なる課題を抱える層ともいえます。年齢ごとに異なる背景を理解して、自分のキャリアプランを考えることが重要です。
業種・職種別の年収ランキング
業種別でわかる年収の高い仕事とは？
業種ごとに年収を比較すると、最も平均年収が高いのは「金融業界」で491万円です。金融業界では高い専門知識や資格が求められることから、高い報酬が設定されていると考えられます。次いで「メーカー」が481万円、「総合商社」が472万円と続きます。IT/通信業界も着実に年収を伸ばしており、平均年収は460万円と他の業種に引けを取りません。これら業種は、景気に強く、技術革新やグローバルなビジネス展開の影響で高収益を上げやすいことが特徴のようです。
職種別分析：営業、エンジニア、企画職の違い
職種ごとに見ると、営業職は歩合制を取り入れる企業が多く、トップ営業マンであれば大幅な年収アップが見込める点が特徴です。一方、エンジニア職種は高い専門性とスキルが求められるため、資格取得や経験を重ねることで安定した高収入が期待できます。企画職は成果が目に見えやすいプロジェクトの成功に直結するため、企業によってはインセンティブが大きい場合もあります。自分のスキルセットやキャリアパスを考え、向いている職種を選択することが重要です。
高収入業界の特徴とその理由
高収入業界にはいくつかの共通点があります。まず、企業の市場価値が高く利益率が高い点が挙げられます。金融業界や総合商社は、資産管理や世界的な取引によって高い収益性を確保できる構造を持っています。また、IT/通信業界やメーカーは、技術革新と専門性が求められるため高い給与水準が設定される傾向にあります。さらに、高収入業界では成果報酬型の給与体系も一般的であり、実力や成果次第で平均年収を大きく上回ることも可能です。
年収が低めの業界の課題
一方で、年収が低めの業界にも独自の課題が存在します。例えば、サービス業や小売業は利益率が低いことが多く、人件費にも制約があるため平均年収が他業種に比べて低くなる傾向があります。また、労働集約型の業務内容が多いため、働き方の効率化やDX（デジタルトランスフォーメーション）が進まないと大幅な賃金改善が難しい現状もあります。ただし、このような業界でもスキルや経験、ポスト次第では収入アップの可能性が十分にあります。
自分の年収を上げるためのポイント
スキルアップで目指す年収アップ
自身のスキルを高めることは、年収アップを目指す上で非常に効果的な方法です。現在、日本の平均年収は460万円ですが、特定のスキルを取得することで、年収がどこから高いと判断されるかも変わります。特にITや金融業界では、業界に特化したスキルや資格が高収入を得る鍵となります。例えば、プログラミングやデータ解析といったスキルは昨今需要が高まっており、年収を大きく引き上げる可能性があります。日々の業務に直結するスキルだけでなく、新しい分野の学びを通じて自身の市場価値を高めることが重要です。
転職・キャリアチェンジにおける戦略
現職での年収アップが期待できない場合、転職やキャリアチェンジを検討しましょう。業種や職種を変えることで、平均年収を大きく超える収入を目指すことが可能です。金融やIT/通信、総合商社など、高収入業界への転職はその代表例です。ただし、転職を成功させるためには十分な準備が必要です。転職市場のリサーチや職務経歴書のブラッシュアップはもちろん、自身のスキルセットが希望する業界でどの程度評価されるかを冷静に分析することが重要です。
副業の可能性と注意点
近年、副業を通じて収入を増やす人が増えています。特にプログラミングやライティング、オンライン講師といったスキルを活かした副業は、主収入に加えて大きな収益を得られるチャンスです。また、副業を通じて新しいスキルを習得し、本業のキャリアにも活かせるケースもあります。ただし、副業を行う際には労働法や企業の就業規則に注意が必要です。副業の選択肢は幅広いですが、まず自身の本業とのバランスを確保し、無理のない範囲で取り組むことが重要です。
収入を増やすための資格・教育投資
資格取得や教育への投資は、長期的に年収を増やす手段として有効です。例えば、ファイナンシャルプランナーや中小企業診断士といった資格は、職種を問わず有用であり、平均年収を上回る収入を得る可能性を広げてくれます。また、語学力を高めることも一つの選択肢です。特にグローバル展開が進む企業では英語や中国語スキルが重視されるため、語学スキルを向上させることで採用の幅が広がります。資格やスキルへの投資は一時的なコストが発生しますが、将来的なリターンを考慮すれば、非常に有益な選択です。
