
ご経歴の概要と三菱UFJ信託銀行へのご入社の経緯
コトラ東:
まずはじめに、皆さまのご経歴についてお伺いできますでしょうか。
周川様:
私は新卒で事業会社に入社し、人事部や経営管理部門にて15年ほど従事しました。在籍中には、グループ会社への出向も経験しています。
出向先の経営が思うように軌道に乗らず、そのタイミングで、グループ内の別のコンサルティング会社へ異動となり、意図せず人事コンサルティング業務に携わることになりました。
当時は子どもが小さく、公私ともに非常に大変でしたが、業務に取り組むうちに徐々にキャッチアップできるようになり、「実はこういう仕事がやりたかったのではないか」と感じるようになりました。
しかし、その後コンサルティング会社の方針転換により、事業の選択と集中が進み、人事コンサルティング部門が廃止されることになりました。「また自分の意思とは関係なくキャリアが変わってしまうのは避けたい」と考え、転職活動を始めました。
転職活動では当初、外資系企業を中心に選考を受けていましたが、比較対象として、全くタイプの異なる三菱UFJ信託銀行の選考も受けることにしました。最終的に三菱UFJ信託銀行から内定をいただいた際、条件面は外資系と遜色なく、加えてワークライフバランスの良さが家族の希望とも合致していたため、腰を据えて働ける環境だと判断し、入社を決めました。
コトラ東:
転職活動を始めた当初は外資系を志望されていたとのことですが、最終的には条件やご家族の希望を尊重されたのですね。
周川様:
はい。入社後は、当初のイメージどおり経済的な余裕に加え、前職と比べて時間的なゆとりも得られています。トータルリワード戦略コンサルティング部のメンバーとは、仕事終わりに皇居ランを楽しんだり、プライベートでも交流があり、会社のメンバーでチームを作り駅伝大会に出場したこともあります。
また昨年は、会社行事であるレガッタ大会にも参加させていただき、社内の人間関係も非常に良好です。こうした環境の中で、ワークライフバランスの取れた生活が実現できていると実感しています。
家族からの反応も非常にポジティブで、今の働き方にはとても満足しています。
コトラ東:
では、林様もご経歴についてお聞かせいただけますでしょうか。
林様:
私は新卒で事業会社に入社し、営業職として13年間勤務しました。
営業職として活動するなかでは、自治体と連携して防災・減災や交通事故防止といったリスクマネジメント領域のプロジェクトに携わるなど、幅広い経験を積むことができました。
経験を積む中で、経営に関する知識を体系的に学ぶ必要があると考え、MBAの取得を決意しました。2年間のMBAでの学びを経たタイミングで異動が決まりましたが、残念ながら私の成し遂げたいことには合致せずに悩みました。私は社内での成功よりも自分が本当にやりたい仕事を大切にしたいと考え、転職を決意しました。
三菱UFJ信託銀行のトータルリワード戦略コンサルティング部(旧年金コンサルティング部)のイベントに参加し、自分が学んできた「組織開発」や「事業変革」との親和性を感じた事と、これまで事業開発の現場で実務を担っていたことがコンサルタントとして能力・経験を活かせるのでは考え、当社への転職を決めました。
コトラ東:
コンサルティングは未経験ながらも、大学時代やこれまでのご経験でベースは培われていたということですね。
では次に、柏﨑様もご経歴をお聞かせいただけますでしょうか。

柏﨑様:
私は教育学部出身で、もともと教育や人の成長、心理学といった領域に強い関心を持っていました。新卒では教育関連企業でキャリアをスタート。コンサルティングセールス、本社での企画業務やアセスメント開発を経験する中で、次第に企業経営自体への興味関心が高まり、外資系経営コンサルティング会社へ転職しました。
人事組織コンサルタントには、いわゆる“MBB”といわれる戦略ファーム出身で地頭の良さ(“思考のOS”とでもいう領域)で価値を出す人材が多くいる一方で、人事実務経験を持つ人材も多くいます。自分はファーストキャリアで人事実務を経験したわけではなかったため、その言葉の説得力を感じる場面も多くありました。自身が志向するコンサルタントの在り方として、その経験を積みたいと考え転職し、グループ全体で10万人規模を誇る事業会社で人事実務を経験しました。
その後、別のコンサルティングファームでの人事・人材組織開発プラクティスの立ち上げを経て、現在の三菱UFJ信託銀行へ転職しました。
コトラ東:
コンサルティングファームから三菱UFJ信託銀行へ転職されたきっかけについてお聞かせいただけますでしょうか。
柏﨑様:
大きな理由は、「個人」から「組織」への軸足のシフトです。
私の30代は「いかに個人のコンサルタントとして実績を積み上げていくか」に集中した時期でした。
外資系経営コンサルティングファームは文字通り「プロフェッショナルが集う環境」でした。各人が独立した個人事業主のように、専門性を武器に価値を発揮する環境ともいえます。この経験は私のメンタルモデル(価値観や思考の枠組み)を大きく揺さぶりました。
その後に大手事業会社やコンサルティングファームに在籍した際も、「会社の一員」というよりは「個人の柏﨑」として、ハンズオンで人事組織コンサルティングに取り組んでいた感覚が強かったです。事業会社の一員として「歯車のひとつに徹する」というよりは、いかに個として価値を創り出すかに腐心していたともいえます。その延長線上として、文字通り「個人」として仕事をいただく機会も増え、プロジェクトを遂行する場面も経験しました。
しかし、40代を迎えるにあたりこのまま「個人」として刃を研ぎ続けるのか、「組織」として社会と対峙していくのかを深く内省しました。その結果、私の人生で残された期間は組織の一員として社会に向き合い、より大きなインパクトを出していきたいと考えるようになり、三菱UFJ信託銀行への転職を決意しました。
コトラ東:
いろいろと転職候補先が有ったと思いますが、三菱UFJ信託銀行を選ばれた理由はどこにあったのでしょうか?
柏﨑様:
「信用」と「信頼」がおける会社だと感じたからです。
社名に“信託(Trust)”とある通り、組織として社会に信頼されていること、それをこれからも大切にしていく価値観に最も魅力を感じました。
また、これまでにコンサルタントとして三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)各社のプロジェクトに関わる中で、社員の方々が優秀で誠実だという印象を持っており、志望度はもともと高かったです。
さらに、三菱UFJ信託銀行の選考は自身の時はすべてが対面面接で回数を重ねたことも印象的でした。
他社からは次々にWeb面接のみでオファーを頂く中、当社は実際に多くの方と直接お会いする機会があり、信頼感や愛着が深まり、当社ビルを訪問するたびに三菱UFJ信託銀行に惹かれていきました。
一般的に、仕事を選ぶ際には「キャリアステップを踏みたい」、「スキルを伸ばしたい」、「収入を増やしたい」といった考え方が軸になることが多いと思います。私自身もそうした視点を持ちつつ、最終的な決め手となったのは、「この会社なら信頼できる」「この組織の一員として力を尽くしたい」と心から思えたことでした。その気持ちが、三菱UFJ信託銀行への入社を決断する大きな理由となりました。
幸いなことに、複数の外資系/ベンチャー系コンサルティングファームからも身に余る条件のオファーをいただきました。最終的には「個人」ではなく「組織」として社会に対峙したいという考えが、決断根拠のひとつとなりました。
トータルリワード戦略コンサルティング部の魅力
コトラ東:
周川様にお伺いします。人事コンサルティングのご経験者として、前職と比較して、トータルリワード戦略コンサルティング部や業務の特徴についてどのように感じていらっしゃいますか?
周川様:
前職では、経営コンサルティングが主軸であり、人事コンサルティングは経営戦略の一環として提供されていました。
一方、現在所属しているトータルリワード戦略コンサルティング部では、人事領域が事業の中心に据えられており、「何かに付随する」ものではなく、トータルリワードの実現そのものを目的としたコンサルティングを展開しています。中でも特に強みを持っているのが、信託銀行としての機能を活かした退職給付関連の分野です。退職給付制度とその他の人事制度を一気通貫で提案できる点は、他のコンサルティングファームと比較しても優位性があると感じています。
また、コンサルタントには年金アクチュアリー、MBAホルダー、中小企業診断士など、難易度の高い資格を持つメンバーが多数在籍しており、専門性の高さも大きな強みです。
さらに、リベラルアーツの素養を持つメンバーも多く、経営層の方々との会話においても、本題以外の話題を自然に楽しめるようなコミュニケーション力を備えている点も、当社の魅力の一つだと感じています。
コトラ東:
他に、他社と比較して優位な点はありますでしょうか?
周川様:
はい。やはり信託銀行として、長年にわたって築いてきたお客さまとの信頼関係がある点は大きな強みです。すでに深い関係性が構築されているため、信託銀行全体で蓄積してきた情報や知見を活かした、より実効性の高い提案が可能になります。
例えば、営業担当が経営陣の性格や社内の意思決定プロセスを深く理解していたり、通常のコンペ段階では得られないような追加情報を把握していたりと、他のコンサルティングファームでは得難いインサイトをもとに提案を組み立てることができます。こうした情報を活用しながら、各種ソリューションを複合的にご提案していくのが、当社のスタイルです。
外資系企業など、初めて接点を持つ場合には、事前の根回しや関係構築が難しいことがあります。こうしたスタイルでは、信頼関係の構築に時間がかかることも少なくありません。その点、丁寧な事前準備や関係構築は当社ならではの強みとなっており、ビジネスを円滑に進めるうえで重要な要素であり、当社ならではの価値を提供できると考えています。
コトラ東:
そうした提案が可能なのは、信託ビジネスを通じて築かれてきた、確かなお客さまとの関係性が背景にあるということですね。

林様:
人事コンサルティングにおいても同様で、提案には必ず社内での承認プロセスがあります。そのため、私たちが社内の意思決定構造や予算の決裁プロセスを深く理解していることが、お客さまにとっては大きな安心感につながっていると思います。
特に保守的な企業様におかれましては、当社のプランの方が、プロジェクトの具体的なイメージを持っていただきやすい印象です。
コトラ東:
確かに、依頼する立場からすると、自社の事情をよく理解してくれている提案には安心感がありますね。
三菱UFJ信託銀行様の人事コンサルティングについて、魅力という観点ではいかがでしょうか。
周川様:
当社は信託銀行として、収益への直接的な貢献以上に、社会課題の解決という大義に向き合える点が、当社人事コンサルティングの大きな魅力だと感じています。
ニーズのないところに無理に案件を作ろうとすれば、必ず社内でブレーキがかかります。数字を追うために案件を獲得するのではなく、あくまでもお客さまの本質的な課題に向き合い、最適な解決策を提供する姿勢が徹底されています。
そのため、短期的な収益を重視するスタンスではなく、中長期的な関係構築を前提とした、お客さま本位の提案を行っています。
このように、「本来の意義に立ち返り、腰を据えて取り組める」という点は、他社にはない当社ならではの魅力だと考えています。
林様:
我々の信託ビジネスの全体戦略では、人事コンサルに限らず、常に複数の収益構造があるので、全体最適の戦略をとることによって、他のコンサルファームに対して競争力を発揮できています。
安定した収益のストックがあって、顧客志向を担保・維持できるところは当社の魅力です。
コトラ東:
柏﨑様はいかがでしょうか?
柏﨑様:
総合的にサポートできる点が強みだと思います。
企業の土台となる部分、すなわち証券代行や年金、不動産を含めた幅広いサポートが可能な上で、その中の一つの機能として人事組織コンサルティングを備えていることが企業同士の信頼関係に繋がっていると思います。
コトラ東:
長期的な信頼関係をベースとした「オール信託」での支援が、人事組織コンサルティングと親和性を持っているということですね。
柏﨑様:
そう思います。属人的に尖った提案をするのではなく、個人のノウハウを惜しみなく組織に還元し、組織として対峙できるようなケイパビリティを高めていくことが大事だと思っています。生粋のコンサルティングファームや事業会社発のコンサルティング会社において、「属人的」な仕事の仕方をすることで安定的に成果を出し続けることが難しくなり、ファームを去る方も多く見てきました。パートナーやディレクターとしてファームに参画しても、高いセールスのハードルを越えることができない場面などもあります。
コトラ東:
コンサルティング会社の文化や考え方とはだいぶ異なるスタイルですね。
柏﨑様:
周りを「ライバル」だと思うようなカルチャーのコンサルティング会社も在り得るなかで、周りが「仲間」だと思うのが当社なのかなと思います。「組織学習」や「トランザクティブメモリ(集合的知性)」ということばも耳にして久しいですが、それを実践している組織に思えます。
コンサルティング業界では、パフォーマンスの評価において、評判や印象が影響することがあり、社内で競争が生まれる場面もあると聞きます。そうした環境では、自分自身の成長に注力するというよりも、他者との相対的な比較によって自身の立場を高めようとする考え方が見られることもあります。私は、かつて真剣にスポーツに取り組んでいた時期があり、その中では常にひたすら自分自身に向き合う姿勢が求められていました。そのため、組織内で「他者との比較によって自分の評価を高める」という考え方があることは理解しつつも、私自身はそうしたスタイルよりも、自分の成長に焦点をあてるアプローチを好んでいます。
コトラ東:
トップティアのコンサルティングファームや、日本を代表する企業でコンサルティング組織立ち上げに複数関わってきた経験から、昨今の環境をどうみていますか。
柏﨑様:
近年「コンサルタント」という肩書を持つ方が増えており、さまざまなスタイルや価値観が存在しています。その中で、「本質的な価値」の追求が十分に意識されていない場面も見受けられるように感じます。「現代に求められるコンサルタント像とは何か?」という問いは、それ自体が深い議論のテーマになるため、ここでは詳細には触れませんが、AIなどの技術が一般化する中で、十分な価値を示すことが難しくなってきています。「コンサルタント」という役割が広く認知されるようになった今、その在り方や提供すべき価値が改めて問われているのではないでしょうか。
コトラ東:
その中で、三菱UFJ信託銀行のコンサルタントの特徴をどのように考えられますか。
柏﨑様:
三菱UFJ信託銀行では、コンサルタントである前に、「信託パーソン」として、自分よりも相手のことを考えて、高い専門性を持って価値を提供するという考え方がユニークです。
人としても専門家としても信頼されるために、非常に高いレベルでの自己研鑽が求められます。同僚との比較ではなく、自身を高めることで、国家や社会全体へ価値を提供しようという健全なサイクルになっているのは当社の特徴だと思います。
コンサルタントの目指す姿として「トラステッド・パートナー」という言葉があります。私自身、どんなに専門知識がある人だとしても、人間性が信頼できなければ、やはり人生を左右するような意思決定に関する相談はできないと思うのです。「信託パーソン」が目指すところは、もしかするとコンサルタントとして目指す姿に本質的には近いのかもしれません。
コトラ東:
独特な考え方ですね。チームの雰囲気はどうですか。
柏﨑様:
実際、チームの雰囲気はとても良いと思います。人事制度設計に強みがある方や、人材組織開発領域に強みがある方など、人によって強みが異なりますが、皆で補い合って、チームとしてお客さまに価値提供をしています。他ファーム在籍時は、自分のメソドロジーを共有するより、“技は盗むもの”という不文律があるような職場もありましたが、雰囲気は異なりますね。
ここでは、ひとりひとりが「自分自身に向き合う」姿勢が自然体で徹底されています。人のことをとやかく言うのではなく、自分自身が信頼に足る人間であるかを常に自問自答するような環境です。もちろん、成長に向けた健全なフィードバック・カルチャーがあることは心地いいです。
コトラ東:
信託銀行としての理念が、社内の風土や社員の人柄にも表れているのかもしれませんね。
これまで従事されてきたプロジェクトについて
コトラ東:
これまで携わってこられた中で、印象深い案件があれば教えていただけますか?
林様いかがでしょうか?
林様:
初めて自分で現状分析、グランドデザインから始まり、人事制度設計、目標設定、評価者研修、設計書の納品までをすべて一気通貫で担当した案件が印象に残っています。
当初は人事制度の見直しが主目的でしたが、取り組む中で、役員処遇の再設計や組織再編、株式報酬の導入など新たな課題が次々と顕在化し、追加のご発注もいただいています。
これは、今提供しているコンサルティングを評価していただけているからだと思います。現在進行形でお客さまにきちんと価値を提供できていることを実感しながら、感慨深く仕事ができています。
コトラ東:
株式報酬や組織変更も、トータルリワード部門の提供ソリューションに含まれていますよね。三菱UFJ信託銀行全体の強みを活かして支援できるのは大きな魅力ですね。
一度受注した案件が、どんどん拡大していくのはよくあることなのでしょうか?
林様:
はい、私はそういった案件が多いです。
課題が山積している場合でも、最初からすべてを依頼されるわけではないので、まずは優先度の高いテーマから着手し、制度改定や現状分析を進める中で、組織再編など次の課題に広がっていきます。
あらかじめ課題の見通しはある程度立てますが、案件を進めていく中で、新たな課題にも気づいていただくケースが多いです。
コトラ東:
そのような変革が実現できれば、会社全体のあり方にも深く関与できますよね。
周川様はいかがでしょうか?
周川様:
林のような経験はやはり、私としても印象深い案件です。
その他でいうと、入社して間もない時期に、トータルリワード戦略に関する記事を『労政時報』に執筆する機会をいただいたことです。自身の考えを発信できる貴重な場をいただき、大変感慨深い経験でした。
コトラ東:
そのようなオピニオン発信の機会も多いのですか。
周川様:
そうですね。現在進行形で書籍出版の取り組みも有ります。社会課題の解決を大きな目標としている中で、情報発信の機会が多いのは当社の魅力です。
入社後のキャッチアップについて
コトラ東:
林様は、コンサルティング業務や人事制度に関するご経験がない中でのご入社だったかと思いますが、キャッチアップはどのように進められましたか?
林様:
入社して最初の1年間は、コンサルティングの進め方や考え方、実務の進行などに十分な理解が及ばず、メンバーにご迷惑をおかけした場面もありましたが、周囲から手厚いサポートをいただきました。
また、プロジェクトリーダーの方からも多くのフィードバックをいただき、鍛えていただいたと思っています。
コトラ東:
柏﨑様はいかがでしょうか?
柏﨑様:
私の場合、業務よりは、文化にキャッチアップする感覚の方が強かったです。
提案のクオリティや、企業としての管理体制、不正を防ぐ仕組みなども含め、企業風土への理解を深めることは非常に重要です。そのためにも、周囲の方々から謙虚な姿勢で学び、柔軟に対応していくことが望ましいと考えています。
「郷に入っては郷に従え」という言葉があるように、三菱UFJ信託銀行ならではの業務の進め方や価値観を尊重し、柔軟に対応することがとても大切だと感じています。社内には健全なリスペクトがあるため、私自身も自然とその環境に馴染むことができました。私はこれまでに何百人もの多くの転職者の方々と関わってきましたが、「前職では…」「海外では…」と今までの経験を強調しすぎる姿勢は、時に周囲との距離を生むこともあります。だからこそ、相手の立場に立ったコミュニケーションを心がけることが、円滑な関係構築につながると実感しています。
コトラ東:
周川様、キャリア採用者全体としてのキャッチアップについて、補足があればお聞かせいただきたいです。
周川様:
基本的にはOJTを通じて現場で学ぶことになりますが、私が入社した当時と比べて、キャリア採用者を受け入れる体制はかなり整ってきたと感じています。
例えば社内用語には独特なものも多いため、なるべくスムーズにキャッチアップできるよう、社内用語集の整備なども行っています。
今後の目標や展望について
コトラ東:
では次に、今後の目標や展望についてもお聞かせいただけますでしょうか?
周川様:
現在は、仕事・家庭・競技・趣味のすべてにおいて、理想と現実が非常に近い状態にあると感じています。
もともと、何かに本気で打ち込むことが好きで、アスリートとして競技に取り組むことにも強い思いがありました。ただ、ここ数年は仕事に傾倒しすぎて、競技に本格的に向き合う時間が取れていませんでした。ですが今は、アスリートとして再び本格的にチャレンジできる環境が整い、非常に充実しています。
コトラ東:
もともと、何か競技をされていたのですか?
周川様:
はい、実業団チームに所属し、マスターズ陸上に参戦していました。現在は運動能力全般の向上を目的として、クロスフィットGYMにて指導を受けています。最近は、スパルタンレースに継続参戦するようになり、8月9日には「HYROX」という世界最大規模のフィットネスレーシング大会にも出場します。この1年ほどは、レベルの高いメンバーと切磋琢磨し、スピード・スタミナ・パワーがバランス良く向上しました。
また、趣味としてはサーフィンも楽しんでいます。こうした活動を通じて、文武両道という座右の銘のもと、仕事だけでなく、家庭・競技・趣味のバランスを取った生活ができているのは、三菱UFJ信託銀行に入社して初めて実現できたことだと感じています。
また、仕事面では、ファイナンスや経営全般に関する知見が自身には足りないと感じており、MBAの取得も考えています。
人事領域だけではなく、自身の視野を広げるためにも、経営に近い領域の知識を深めていきたいと思っています。
コトラ東:
なるほどですね。人事コンサルティングの仕事も非常にハードだと思いますが、その中でプライベートも充実されているのはすごいですね。時間の確保も大変だと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか?

周川様:
転職してから、ようやくそうした時間が取れるようになりました。当社の労務管理は堅確に運営されており、管理職であっても実態にあわせた勤務管理を行っています。また、週2〜3日は在宅勤務を取り入れており、柔軟な働き方が可能です。こうした制度面の整備が、プライベートの時間確保にも大きく寄与しています。
コトラ東:
仕事とのメリハリをつけて、成果を出しながらもしっかりとプライベートにも取り組める。そうした環境があるということですね。
周川様:
そうですね。何かしら自己研鑽に取り組んでいるメンバーが多く、日々刺激を受けています。
昨年はISOの資格取得のために週1回講座に通っていたのですが、通学日は16時半に退社する必要がある中で、周囲の方々が快く協力してくださり、安心して学びに集中することができました。こうした支援的な企業文化は、非常にありがたく、働きやすさを実感する一因となっています。
林様:
私は1年間コーチングを受けたことで、「自分の人生を生きたい」と強く思うようになりました。
自分が本当にやりたい仕事、役に立ちたいこと、そしてワークライフバランスなど、自分で選択して幸せな人生を歩んでいける人を増やしたいというのが、私の大きな志の1つです。
組織戦略への貢献を通じて、企業の成長だけでなく、個人の成長や幸せを後押ししていきたいと思っています。そのためにも、まずはコンサルタントとしての実績やノウハウをしっかりと積んでいきたいです。
コトラ東:
では、柏﨑様の今後の展望や目標についても教えていただけますか?
柏﨑様:
先ほどお話しした通り、私は個人としてではなく組織の一員として社会に向き合い、インパクトを創出することを考えています。そのため、三菱UFJ信託銀行やMUFGが20年後、30年後も社会に対して強い影響力を持ち続け、価値ある貢献を果たせる企業グループであるよう、微力ながら貢献していきたいと考えています。
現在は人事組織コンサルタントとして、案件の開拓、サービス提供、新たなメソッドの構築などに全力で取り組んでいます。また、これまでの経験も活かし、社内コンサルタントのスキル整理や育成体系の検討、ナレッジシェアリングの仕組みの構築にも携わっています。
将来的に異動の機会があった際にも、その時々の役割に真摯に向き合い、組織の一員として価値を発揮していきたいと考えています。
コトラ東:
個人を大切にしながら、組織としての成長と価値提供に貢献していきたいということですね。
転職希望者に向けたメッセージ
コトラ東:
最後に、転職を検討されている方へのメッセージをお願いいたします。
周川様:
報酬水準は、業界全体の水準と比較しても十分に納得感のある内容だと感じています。求められるレベルも高く、非常にやりがいのある環境ですが、過度な負荷がかかることなく、持続可能な働き方が可能です。また、短期的な成果だけでなく、中長期的な価値創出を重視する姿勢が根付いており、安心して業務に取り組める環境が整っています。
こうしたバランスの取れた環境の中で、腰を据えて長く働けるというのは、まさに奇跡的な組み合わせだと思っています。人事コンサルタントとして、安定的かつ持続可能なキャリアを築きたい方には、当社は非常にフィットする職場だと感じます。
林様:
当社には、専門性と人間性を兼ね備えた人材が揃っています。心理的に安全な環境で、自分のレベルも向上させながら、成長することができます。
ホワイトな環境でワークライフバランスを確保しながら、限られた時間でクオリティの高い仕事をしたい方には、非常に魅力的な会社だと思います。
柏﨑様:
社会貢献や、人事・組織コンサルティング、信託ビジネスに対して興味があって、前向きに取り組みたい人にとっては、間違いなく活躍できる環境です。
ワークライフバランスという言葉では足りず、「クオリティ・オブ・ライフ」が高まる環境ともいえるかもしれません。少しでも気になった方は、ぜひ気軽にご応募ください。
選考は応募いただいた方を評価するような場では決してなく、お互いを知りあう中でマッチングを図る場面だと考えています。相互の理解が深まるので、安心してご判断いただけます。
三菱UFJ信託銀行が考える従業員エンゲージメントとは、「従業員が会社との双方向の信頼関係の中で会社に対する愛着を持ち、会社が目指す姿の実現に向け、自ら成長し貢献しようとすること」です。当社のことを信頼できそうか、そして成長し貢献しようと思えるような環境か、ぜひ見に来ていただければと思います。きっと、そのような環境に身を置くことが、何よりも皆様の充実した人生につながると考えます。

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人事コンサルティング
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人事制度と退職給付制度を一体で再構築するコンサルティング
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・弊部では、人材を「資本」として捉えその価値を最大限に引き出し中長期的な企業価値向上につなげる経営が求められる中、経営戦略と人材戦略を紐づけ、戦略に則した人事に係るKPIの設定や人事制度の設計、従業員エンゲージメント測定や人的資本開示に至るまで幅広い人事コンサルティングを行っています。
・信託銀行の主要な業務である企業年金、資産形成、株式報酬、ワークプレイス等、人事関連のソリューションラインナップが豊富で実務にも精通しており、人事関連ビジネスに関する新サービスの企画にも参画する等、人事コンサルタントとしての高いビジネススキルを身に着けることが可能です。
・当社の強固な顧客基盤の下、企業の人事部とのリレーション構築に特化したRMが多数在籍しており、営業に割く時間が少なくコンサルティング業務に特化できる環境にあり、企業財務にも精通した人材が豊富でコンサルタントとしての更なるキャリアアップが期待できます。
・従業員エンゲージメントを重視した風通しの良い社風であり、将来のキャリアの選択肢の豊富さ、丸の内本社での勤務・サテライトオフィスも完備、出社/在宅/時差勤務等柔軟な働き方が可能であることに加え、昨今は賃上げを定期的に実施するなど自社のトータルリワードの観点においても十分な処遇を提供しております。
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ゲスト
三菱UFJ信託銀行株式会社について
三菱UFJ信託銀行は”1927年“に設立。そこから、時代とともに変化する「社会的課題」「お客さまの課題」に対し、会社の形も変化させながら、新しい信託スキームや信託商品の開発を行い、解決してきた約100年。
2005年10月、主要金融分野でトップクラスの企業が一体となった三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)を設立し、三菱UFJ信託銀行はその中核を担っています。

三菱UFJ信託銀行株式会社
トータルリワード戦略コンサルティング部
人事戦略室 チーフコンサルタント
国家資格 キャリアコンサルタント
ISO30414 リードコンサルタント/アセッサー
周川 淳平 様
新卒で事業会社に入社後、人事部で8年間、経営管理部門で7年間勤務。グループ会社に出向中には人事コンサルティングに従事。その後、三菱UFJ信託銀行に参画。

三菱UFJ信託銀行株式会社
トータルリワード戦略コンサルティング部
人事戦略室
コンサルタント
林 邦彦 様
新卒で事業会社に入社し、営業に13年間、事業部の企画に1年間従事。事業開発やリスクマネジメント業務も担当。その後MBAを取得し、三菱UFJ信託銀行に参画。

三菱UFJ信託銀行株式会社
トータルリワード戦略コンサルティング部
人事戦略室
チーフコンサルタント
柏﨑 亮太 様
新卒で教育関連企業に入社。その後、日系・外資系のコンサルティング会社での経営支援や人事組織コンサルティング、事業会社でHRBPとして戦略コンサルティング組織の立ち上げ経験等を経て、三菱UFJ信託銀行に参画。
インタビュアー

株式会社コトラ
エグゼクティブコンサルタント
東 秀幸
筑波大学第三学群基礎工学類卒。地域金融機関へ入行後4年間営業店で勤務。その後1年間メガバンクへ出向し法人新規開拓をメインに取り組む。出向解除後は人事部で主に新卒およびキャリア採用を9年間担当。
