ランサムウェア再び急増!侵入経路と被害から身を守る4つのポイント

ランサムウェアとは?基本を押さえよう

ランサムウェアの定義とその仕組み

ランサムウェアは、コンピュータウイルスの一種で、感染したシステム内のデータを暗号化し、そのデータを元に戻す条件として身代金(ランサム)を要求するサイバー攻撃の手法です。その多くは、企業や個人の重要なデータを人質に取り、制御可能な状態に戻すために金銭を支払わせることを目的としています。攻撃者は、メールの添付ファイルやリンク、VPNやリモートデスクトップの脆弱性など、さまざまな侵入経路を利用してランサムウェアを拡散させます。

被害事例から見るランサムウェアの脅威

近年の被害事例を見てみると、ランサムウェアによる組織や企業への攻撃は深刻な影響を及ぼしています。例えば、ある企業では内部の全システムが暗号化され、業務が数週間にわたり停止しました。攻撃者はその企業に、暗号化解除のために多額のビットコインでの支払いを要求しました。また、別の事例では、暗号化されたデータを返却する代わりに情報を公表すると脅す「二重脅迫」の手法も確認されています。このようにランサムウェア被害は業務の停止だけでなく、信頼性やプライバシーの損失にもつながる可能性があります。

ランサムウェアの感染による主な影響

ランサムウェア感染によって引き起こされる主な影響は、業務停止、金銭的損害、そして信用失墜です。まず、主要なデータやシステムが暗号化されることで、業務の継続が不可能になるケースが一般的です。これに加え、攻撃者から身代金要求を受け、支払いに応じても必ずしもデータが回復する保証はありません。さらに、感染の事実が顧客や取引先に知られることで、信用を失う可能性もあります。特に、情報漏洩が伴うランサムウェア攻撃では、組織の信頼に重大なダメージを与えることがあります。

転職のご相談(無料)はこちら>

ランサムウェアの主な侵入経路とその特徴

VPNやリモートデスクトップの脆弱性を狙う手法

ランサムウェアの侵入経路として、VPNやリモートデスクトップがターゲットとなるケースが近年増加しています。VPN機器にセキュリティの脆弱性がある場合、攻撃者はその弱点を利用してネットワーク内に侵入する可能性があります。また、リモートデスクトップ(RDP)の設定に不備があると、不正アクセスにより外部からシステムに侵入され、最終的にランサムウェアを仕込まれる危険性があります。これらは特にリモートワーク環境におけるセキュリティの盲点となるため、定期的なセキュリティアップデートと認証の強化が欠かせません。

フィッシングメールと添付ファイルによる攻撃

フィッシングメールによる攻撃もランサムウェアの侵入経路として非常に一般的です。不審なメールの添付ファイルを開いたり、本文中のリンクをクリックしたりすることで、悪意のあるマルウェアがダウンロードされる仕組みです。フィッシング攻撃は、巧妙に企業や公的機関を装うことが多く、受信者が疑わずにアクセスしてしまうケースが目立ちます。メールの信憑性を常に確認し、不審な添付ファイルやリンクを避けることが大切です。

Webサイトの改ざんとマルウェアのダウンロード

日常的なWebサイト閲覧がランサムウェア感染の引き金となることもあります。攻撃者はあらかじめ特定のWebサイトを改ざんしておき、ユーザーがそのサイトを訪問することでマルウェアをダウンロードさせる手法をとります。このような攻撃は、信頼性の低いサイトを訪問する際に発生することが多いですが、安全だと思われがちなサイトでも発生する場合があります。ウェブフィルタリング技術や信頼のおけるセキュリティソフトを活用することで、感染リスクを大幅に減らすことができます。

USBメモリや外部デバイス経由の感染

USBメモリや外付けHDDなどの外部デバイスを介してランサムウェアが拡散されるケースもあります。例えば、知らないうちに感染しているデバイスを業務用のパソコンに接続してしまうと、そのデバイスからマルウェアが広がる可能性があります。また、第三者から受け取ったUSBメモリが既に悪意のあるコードを仕込まれている場合もあり得ます。感染を防ぐためには、外部デバイスを接続する際にセキュリティスキャンを実施することや、不必要なデバイスの使用を避けることが重要です。

転職のご相談(無料)はこちら>

ランサムウェア対策:身を守るための4つのポイント

ソフトウェアやOSのセキュリティアップデートを徹底

ランサムウェアから身を守るためには、ソフトウェアやOSのセキュリティアップデートを怠らないことが重要です。ランサムウェアの多くはシステムの脆弱性を狙って侵入してきます。そのため、開発元から提供される最新のパッチやアップデートを適用することで、こうした脆弱性を修正することができます。また、OSだけでなくインストールされているアプリや使用中のソフトウェアについても定期的な更新を確認しましょう。

侵入経路を意識した多層防御の構築

ランサムウェアの侵入経路は多岐にわたります。VPNの設定ミスやリモートデスクトップ(RDP)の脆弱性、フィッシングメールによる攻撃など、さまざまな手法で感染が拡大しています。そのため、単一の防御策に依存するのではなく、複数の対策を組み合わせた「多層防御」体制を構築することが効果的です。具体的には、ファイアウォール、ウイルス対策ソフト、二要素認証の導入などを検討する必要があります。また、必要のない外部接続を制限したり、パスワードの強化を行ったりすることも有効です。

データの定期バックアップとリストア計画の検証

ランサムウェア感染の被害を最小限に抑えるためには、重要データのバックアップを定期的に実行することが不可欠です。一時的にデータが暗号化されたとしても、バックアップデータがあれば業務を早急に再開することが可能です。ただし、バックアップを取るだけでなく、それが正常にリストア(復旧)できるか定期的に検証することも重要です。バックアップは外部接続を遮断した安全な環境やクラウド環境に保存し、感染のリスクを軽減しましょう。

従業員向けセキュリティ教育の強化

ランサムウェアの侵入経路の多くは、人為的なミスに由来します。特にフィッシングメールや不審な添付ファイルの開封といった行為が感染源となるケースが少なくありません。そのため、従業員向けのセキュリティ教育を強化することが、組織全体のリスク軽減につながります。例えば、怪しいメールの見分け方や、安全なパスワードの作成方法、添付ファイルを開く際の注意点など、基本的な知識の普及を図りましょう。定期的な研修やシミュレーション訓練を実施することで、セキュリティ意識をさらに高めることができます。

転職のご相談(無料)はこちら>

万が一感染した場合の初期対応と注意点

システムの切り離し:感染拡大を防ぐ手順

ランサムウェア感染が疑われる場合、感染の拡大を防ぐために最初に行うべきことは、感染した端末をネットワークから速やかに切り離すことです。この作業を迅速に行うことで、ランサムウェアが他の端末や共有ドライブ、クラウドサービスなどに広がる可能性を最小限に抑えることができます。また、社内ネットワーク全体に感染した可能性を考慮し、サーバーや主要なシステムを一時的に遮断するのも有効な対応策です。

一般的な感染経路にはVPNやリモートデスクトップを利用した攻撃も含まれるため、これらのシステムが利用されている際は特に注意が必要です。侵入経路を特定するための初期調査を進めながら、感染経路を断つ手順を徹底しましょう。

専門家への相談:被害の特定と対応の最適化

感染対応の際には、適切な専門家への相談が重要です。ランサムウェア攻撃を受けると、データの暗号化被害や二重脅迫といった高度なサイバー攻撃へと発展する可能性があります。そのため、感染範囲や被害を正確に把握し、迅速に対応を進めるためには、サイバーセキュリティの知識を持つ専門家や外部のセキュリティ組織に協力を仰ぐことをおすすめします。

例えば、日本国内にはJPCERT/CCやIPAなどの支援機関があり、ランサムウェア感染に関する相談や技術支援を受けることができます。特に、侵入経路の特定や暗号化解除の可能性を評価するためのアドバイスを活用することで、被害の特定と対応計画の策定を効率的に進められます。

被害報告と法的対応の準備

ランサムウェア感染が組織で確認された場合、法令に基づいた被害報告も必要になります。特に、個人情報や顧客データが含まれる場合には、関係機関や被害者への報告を速やかに行う義務が生じるケースがあります。また、被害報告を適切に行うことで、被害データが公的な統計に反映され、今後のセキュリティ対策強化にもつながります。

ランサムウェアの侵入経路や攻撃手法を特定する調査を進めながら、警察やサイバーセキュリティ関連機関に被害情報を提出しましょう。この報告により、加害者を追跡したり、組織の法的リスクを軽減したりすることが可能になります。初動対応から報告に至るまでのプロセスを明確に記録し、法的対応に備えておくことも重要です。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

金融、コンサルのハイクラス層、経営幹部・エグゼクティブ転職支援のコトラ。簡単無料登録で、各業界を熟知したキャリアコンサルタントが非公開求人など多数のハイクラス求人からあなたの最新のポジションを紹介します。