GIMPって本当に安全?最新脆弱性情報と安全に使うためのポイント

GIMPとは?基本情報と現状の概要

GIMPの基本概要と特徴

GIMP(GNU Image Manipulation Program)は、オープンソースで開発されている無料の画像編集ソフトウェアです。1996年2月に初めてリリースされ、現在でも世界中のユーザーから愛用されています。Windows、macOS、Linuxの主要なOSに対応しており、幅広いプラットフォームで利用可能です。その基本機能として、画像の編集や加工、データ変換、図形作成などが含まれています。そのため、プロのデザイン業務から日常的な画像補正作業まで、様々な用途に対応しています。

オープンソースならではのメリットとは

GIMPはGPLv3+ライセンスの下で提供されており、オープンソースソフトウェアとしてユーザーに多くのメリットをもたらしています。特に、ソースコードが公開されているため、一般ユーザーや開発者がコードを確認し、改良やカスタマイズを行うことが可能です。また、無料で利用できる点も大きな魅力です。一部の商用画像編集ソフトと比べて初期コストが発生しないため、個人ユーザーや中小企業にとって手軽に導入しやすい選択肢となっています。

どのように使われているのか:主な用途とユーザー層

GIMPの用途は幅広く、多岐にわたります。プロフェッショナルデザイナーはバナー作成やポスター制作、写真加工などに使用し、アマチュアユーザーは日常の画像補正や趣味のアート作成に利用しています。また、教育機関では画像編集の入門教材としても活用されています。そのほか、GIMPはオープンソースという特性から、ソフトウェアの開発者や研究者がプラグインを開発したり、特殊なプロジェクトの一部として活用したりする場合もあります。このように、多様なユーザー層に支持される一方、本ソフトウェアは脆弱性を含む可能性があり、特に公式サイト以外からのダウンロードや最新バージョンへの未更新はセキュリティリスクの要因となるため注意が必要です。

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脆弱性の現状:最新情報と事例

最近発見された主な脆弱性(例:CVE-2025-2760/2761)

GIMPに関連する最近のセキュリティ上の懸念として、2つの重大な脆弱性が報告されています。それが、CVE-2025-2760とCVE-2025-2761です。これらの脆弱性は、特定のファイル形式を処理する際に発生するセキュリティリスクに関連しています。

まず、CVE-2025-2760はXWDファイル解析における整数オーバーフローの脆弱性であり、この問題により、悪意のあるXWDファイルを開いた場合に予期しないコードの実行やシステム侵害が発生する可能性があります。一方、CVE-2025-2761はFLIファイル処理における境界外書き込みのリスクを伴い、これも同様に悪意のあるファイルを操作することで攻撃者が不正アクセスやリモートコード実行を試みる恐れがあります。

両脆弱性の共通点として、悪意のあるファイルを開いたり、侵害されたWebページを訪問した際に攻撃が発生する可能性があることが挙げられます。これらの脆弱性は、Michael Randrianantenaina氏によって発見され、2025年4月7日に公表されました。また、CVEスコアはともに7.8であり、「高いリスク」に分類されています。

過去の脆弱性とその影響:XCFファイルを介したリスクなど

過去を振り返ると、GIMPにおいてもいくつかの深刻な脆弱性が発見されてきました。その中で特に注目すべきはXCFファイルの読み込み処理に関連する脆弱性です。XCFはGIMP特有の画像形式ですが、過去のバージョンでは特定の悪意のあるXCFファイルを開くことで不正なコードが実行され、システムに甚大な影響を及ぼすリスクが指摘されていました。

たとえば、CVE-2016-4994は、GIMP 2.8.18以前のバージョンで報告された脆弱性であり、細工されたXCFファイルを読み込むことでシステムが脆弱になり、悪意を持った攻撃者に操作される可能性がありました。これにより、企業や個人ユーザーのデータ保護に大きな課題をもたらしました。

このような過去の事例は、特に初期状態で提供される古いバージョンのソフトウェアが持つセキュリティリスクの例と言えます。

脆弱性対応の現状:アップデート状況と修正内容

GIMP開発チームは、今回報告されたCVE-2025-2760およびCVE-2025-2761といった脆弱性に迅速に対応しており、セキュリティ修正を含む更新プログラムをリリースしています。2023年11月7日に公開されたGIMPの最新安定版2.10.36では、これらの脆弱性への対策が盛り込まれており、またAdobe製品との互換性向上を含む他の機能改善も行われています。

開発チームは、過去にも迅速なアップデートを通じてユーザーの安全性を確保してきました。定期的なアップデートや、最新バージョンへ移行するためのガイドラインの提供を行うことで、悪意ある攻撃を防ぐ対策を講じています。さらに、開発はオープンソースとして行われているため、コミュニティ全体で脆弱性を発見し、対策を講じる体制が確立されていることも、GIMPのセキュリティ向上に貢献しています。

公式サイトからのダウンロードと、常に最新バージョンを使用することを通じて、脆弱性による被害のリスクを最小限に抑えることが可能です。特に、過去のバージョンに存在していた脆弱性が最新版によって修正されているため、アップデートを行わないまま古いバージョンを使用することは非常に危険です。

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GIMPを安全に使うためのヒント

推奨されるインストール先:公式サイトの重要性

GIMPを安全に利用する上で最も重要なポイントの一つが、公式サイトからソフトウェアをダウンロードすることです。GIMPはオープンソースソフトウェアであり、多くの第三者サイトからも入手可能となっています。しかし、これらのサイトの中には、改ざんされたインストーラーやマルウェアが含まれるケースも存在します。そのため、必ず公式サイト(https://www.gimp.org)から直接ダウンロードすることを推奨します。

公式サイトで提供されるバージョンには、最新の更新や脆弱性に対する修正が含まれるため、安全性が確保されています。さらに、公式サイトではインストール手順や推奨システム要件についての情報も提供されており、初心者でも安心して利用できるようサポートされています。

偽サイトやマルウェアのリスクを避ける方法

GIMPのような人気のあるオープンソースソフトウェアは、公式サイトを装った偽サイトや、不正なダウンロードリンクを提供するケースが見受けられます。これらのリンクを経由してダウンロードすると、マルウェア感染やシステムの脆弱性を悪用されるリスクがあります。

こうしたリスクを避けるためには、まず公式URLの正当性を確認することが大切です。また、ブラウザのアドレスバーに安全(HTTPS)であることを示す鍵のマークが表示されているか確認しましょう。さらに、信頼できないメールや広告サイトからリンクをクリックしないことも重要です。万が一、不審な挙動を感じた場合には、パソコンのウイルススキャンを実施することをおすすめします。

アップデートの必要性とその効果

GIMPを安全に使用するためには、定期的に最新バージョンへアップデートを行うことが必要です。特に、最近ではCVE-2025-2760やCVE-2025-2761のような脆弱性が報告されており、不正なファイルを通じてシステムに深刻な影響を及ぼすリスクが確認されています。

アップデートは、こういった既知の脆弱性に対する修正を含むだけでなく、新しい機能の追加やパフォーマンスの向上も期待できます。GIMPの最新安定版である「2.10.36」(2023年11月時点)では、複数の不具合修正と新機能が実装されています。一方で、古いバージョンを使用し続けると、そのまま未修正の脆弱性にさらされることになるため、アップデートを怠らないことが安全性を確保する鍵となります。

アップデートを行う際も、必ず公式サイトや公式リポジトリを利用し、正規のプロセスに従うことが大切です。これにより、ソフトウェアだけでなくシステム全体のセキュリティを向上させることができます。

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他の画像編集ソフトとの比較から見るGIMPの安全性

GIMPとAdobe Photoshop:機能と安全性の違い

GIMPとAdobe Photoshopは、画像編集者にとって代表的な選択肢ですが、その機能と安全性には大きな違いがあります。GIMPはオープンソースとして開発されており、無料で利用できる点が魅力です。一方、Adobe Photoshopは有料で商用利用を想定した機能が豊富に揃っています。この違いにより、GIMPは個人の趣味や非商用プロジェクトに適している一方で、Photoshopはプロフェッショナルな制作環境での利用が多いです。

安全性の観点では、GIMPの公開ソースコードによる透明性が強みとなります。不正なコードが組み込まれにくい一方で、過去には脆弱性CVE-2025-2760のような潜在的リスクも報告されています。これに対し、Adobe Photoshopは専用のセキュリティサポートが提供されますが、ゼロデイ攻撃の標的となるリスクがあります。したがって、GIMPを含めたどのソフトウェアでも、常に最新バージョンにアップデートし、安全性を確保する努力が必要です。

他のオープンソースソフトとの比較

GIMPは数あるオープンソース画像編集ソフトの中でも高い知名度を誇りますが、他にも「Krita」や「Inkscape」といった選択肢があります。Kritaは主にデジタルペインティングやイラスト制作に特化しており、多機能なGIMPとは異なる方向性を持つのが特徴です。一方、Inkscapeはベクター画像の編集に強みがあります。

GIMPの安全性において注目すべき点は、コミュニティによる精力的なコードレビューと、脆弱性対応の迅速さです。例えば、CVE-2025-2761のような脆弱性への対応は、公式サイトからの最新バージョンの提供を通じて改善されます。しかし、これらのオープンソースソフトは公式サイト以外からのダウンロードやサードパーティによる改変版利用により、セキュリティリスクが高まる可能性があるため注意が必要です。

フリーソフト利用時の一般的な注意点

GIMPを含め、フリーソフトを利用する際にはいくつかの注意点があります。まず、公式サイト以外からのダウンロードは避けるべきです。公式でないソースにはマルウェアや悪意のあるコードが含まれる危険性があります。また、使用しているソフトウェアが最新バージョンでない場合、既知の脆弱性により攻撃を受けやすくなる点に注意が必要です。

さらに、フリーソフトはオープンソースによる透明性が評価される一方で、その仕組みについて一定の理解が前提となる場合があります。例えば、GIMPのように過去に報告された脆弱性を理解し、その修正内容を確認することで、安全に利用できる環境を確保することが重要です。これにより、信頼性を保ちながら快適な画像編集を行うことができます。

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まとめ:GIMPを安心して使うためのポイントと今後の展望

安全に利用するためのチェックリスト

GIMPを安全に活用するためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。まず第一に、公式サイトからのみソフトウェアをダウンロードすることが重要です。公式以外のサイト経由で入手した場合、マルウェアや不正なプログラムが埋め込まれている可能性があります。また、インストール後は必ず最新のバージョンにアップデートしましょう。特に脆弱性(例:CVE-2025-2760、CVE-2025-2761)が報告された際には、迅速な修正パッチが配布されるためこれらを反映することが大切です。さらに、取り扱うファイルの安全性にも注意し、外部から提供されたXCFやFLI形式のファイルを開く際には十分に警戒してください。

最新情報を常に把握する方法

GIMPに関する最新脆弱性情報やアップデートを把握することは、安全に利用する上で欠かせません。おすすめは公式サイトや公式SNSアカウントのフォローです。特に、新しいバージョンリリースや重要なセキュリティ通知はこれらで速やかに公開されます。また、専門的なセキュリティ情報サイトやフォーラムをチェックするのも有効です。GIMPの脆弱性に関するCVE情報は各種データベースで確認できますので、定期的に確認すると良いでしょう。加えて、最新のセキュリティ更新が必要な場合、リマインダー機能などを利用してアップデートを逃さない工夫も推奨されます。

GIMPの継続的な改善への期待

GIMPはオープンソースソフトウェアであり、多くの開発者やコミュニティメンバーによって継続的に改良が加えられています。近年では、脆弱性が発見されるたび迅速な対応が行われており、例えばCVE-2025-2760やCVE-2025-2761が指摘された後、セキュリティ修正を含むアップデートが迅速に行われています。このような体制が整っている点は、他のフリーソフトと比較しても信頼性の高さを示しています。さらに、最新版のGIMPではAdobe Photoshopとの互換性向上など、多機能化が進んでいる点も期待が寄せられるポイントです。今後もこうした改善が続くことで、さらに多くのユーザーが安全で便利に利用できる環境が整うことでしょう。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

金融、コンサルのハイクラス層、経営幹部・エグゼクティブ転職支援のコトラ。簡単無料登録で、各業界を熟知したキャリアコンサルタントが非公開求人など多数のハイクラス求人からあなたの最新のポジションを紹介します。