コトラ（広報チーム） 
特定個人情報とは？定義と概要
特定個人情報とは、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律（番号法）」に基づいて定義された情報で、個人番号、いわゆるマイナンバーを含む個人情報のことを指します。他の個人情報と異なり、特定個人情報はマイナンバー制度によって確立され、主に社会保障や税、災害対策といった行政サービスの分野で利用される特殊な情報です。これにより、公平性の向上や効率的な行政処理が期待されています。
特定個人情報と個人番号の関係
特定個人情報は、個人番号（マイナンバー）を含むことが特徴です。個人番号は住民票コードをもとに生成された12桁の番号で、番号法第2条第5項に記載されています。この個人番号が組み合わされた情報が特定個人情報となります。例えば、個人番号が含まれる源泉徴収票や社会保険の手続き書類などが挙げられます。一方で、単なる個人番号だけではなく、特定個人情報は他の個人情報と連携することでその重要性が高まります。
法律で定められた特定個人情報の取り扱い
特定個人情報は、「個人情報保護法」と「番号法」によって厳密に規定および管理されています。利用目的は、主に社会保障、税、災害対策の分野に限定され、それ以外の目的での利用や第三者提供は原則として禁止されています。さらに、企業や行政機関には安全管理措置を講じる義務が課されており、これには情報漏洩の防止や適切な運用体制の確立を含みます。また、不適切な取り扱いがあった場合は、厳しい罰則が適用されることも番号法によって定められています。
特定個人情報の活用例と制限事項
特定個人情報は、雇用保険の資格取得手続きや年末調整の際の源泉徴収票作成など、社会保険や税務関連の手続きで活用されます。例えば、従業員を一人でも雇用している企業は、特定個人情報の適切な収集と管理が必要です。ただし、用途は法律で厳格に制限されており、これらの範囲外での活用は認められていません。このような制限事項は、特定個人情報の不正使用や不必要な第三者提供を防ぐために設けられています。
特定個人情報に付随するリスクとは？
特定個人情報の取り扱いには、情報漏洩や不正利用のリスクが伴います。特に、個人番号は他の情報と結びつくことで個人を特定できるため、漏洩した場合の被害は大きいです。このため、企業や行政機関には情報の安全性を確保するための厳格な管理体制が求められます。加えて、特定個人情報は外部委託先やクラウドサービス業者など、情報がどのように取り扱われるかの監視も重要です。不適切な管理が発覚した場合、信用を損なうだけでなく、法的なペナルティや損害賠償請求を受ける可能性もあります。
個人情報とは？定義と具体例
個人情報保護法が定義する内容
個人情報保護法では、個人情報を「生存する個人に関する情報であって、氏名や生年月日などによって特定の個人を識別できるもの」と定義しています。また、他の情報と容易に照合することができ、それによって個人が識別できる情報も含まれます。この法的な定義に基づき、個人情報の取り扱いには慎重な配慮が必要となります。
どのような情報が個人情報に分類されるか
個人情報には、氏名や住所といった基本的な情報だけでなく、写真や動画、音声データなども含まれる場合があります。さらに、特定個人情報としてマイナンバーなどの個人番号も個人情報の一部に該当します。この違いが特定個人情報と個人情報の扱いを区別するポイントとなります。また、近年ではブラウザのログデータやSNSの投稿情報なども、状況によっては個人情報とみなされる可能性があるため注意が必要です。
企業や個人が持つべき取り扱いの注意点
個人情報の取り扱いにおいては、法律で定められた要件を満たすだけでなく、適切な管理と運用が求められます。企業では利用目的の特定と明示、利用目的外での情報使用の禁止、そして情報の安全な管理が必須です。特に特定個人情報の場合は漏洩リスクの高まりにより、管理体制や監視がさらに重要になります。個人においても、個人情報や特定個人情報の違いを理解し、不必要な情報の提供を控えることがリスクを減少させる一助となります。
特定個人情報と個人情報の違い
特定個人情報が個人情報とは異なるポイント
特定個人情報と個人情報は、どちらも個人を識別する情報ですが、その範囲や扱いが大きく異なります。特定個人情報は「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」（通称、番号法）で定義されており、個人番号（マイナンバー）を含む個人情報を指します。一方、個人情報は、氏名や生年月日など「特定の個人を識別できる情報」として、個人情報保護法で定められています。
特定個人情報は個人番号を含むことで、個人情報の中でも特に慎重に扱うべき情報とされています。そのため、特定個人情報の取り扱いにはより厳しい制限が課されています。
双方における保護法の違いと管理義務
特定個人情報と個人情報は、それぞれ適用される法律と管理義務が異なります。個人情報保護法では、すべての個人情報に対して利用目的の特定や第三者提供の制限、適切な管理措置が義務付けられています。一方で、特定個人情報については番号法による特別な規制が追加されており、マイナンバーを含む情報の取扱いには更なる厳重な管理が求められます。
例えば、特定個人情報を第三者へ提供することは原則禁止されており、許可された利用目的（社会保障や税務関連など）の範囲内でのみ使用可能です。また、特定個人情報の漏洩や不正利用に対しては、より重い罰則を伴う法的措置が取られることがあります。
日常生活やビジネスにおける適用範囲の違い
日常生活やビジネスの場でも、特定個人情報と個人情報の適用範囲の違いは明確です。個人情報は、顧客データや従業員情報など広範囲にわたって取扱いが求められますが、特定個人情報はマイナンバーを利用する場面に限定されます。具体例として、雇用保険の手続きや税務関連手続きでマイナンバーを記載する場合が挙げられます。
特定個人情報は利用目的が法律で厳しく限定されており、日常的な業務では不要な場合も多いです。そのため、企業や個人事業主は、特定個人情報が必要となる業務を明確化し、適切な取扱い体制を整備することが重要です。また、特定個人情報を扱わない状況であれば、対象外となるため、管理上の負担も軽減されます。
特定個人情報と個人情報の管理に関する注意点
企業に課される責任とガイドライン
特定個人情報や個人情報を取り扱う企業は、それぞれの情報に適切な管理が求められます。特定個人情報については「番号法」に基づき、社会保障や税務手続き等の限られた目的にのみ利用することが許されています。この法的枠組みに基づき、必要な安全管理措置を講じ、特定個人情報を厳格に保護することが企業の責務です。また、従業員数に関わらず、特定個人情報を取り扱う全ての企業がこの管理義務を果たす必要があります。
一方で、個人情報については「個人情報保護法」に沿った運用が求められます。この法律では、個人情報の利用目的を特定し、その範囲内でのみ活用すること、そして第三者提供の制限を守ることが明記されています。特定個人情報と個人情報の違いを理解し、それぞれに対応した取扱いを行うことが、企業の信頼性と法令遵守において非常に重要になります。
漏洩時の対応フローと影響
特定個人情報や個人情報が漏洩した場合、企業には速やかに対応することが求められます。特に特定個人情報の漏洩は重大な法律違反であるため、顧客や従業員、さらには社会に与える信頼喪失のリスクが非常に高くなります。
漏洩が発覚した場合、社内で定められた対応フローに従い、まずは影響範囲の特定と再発防止策の策定を行います。その後、個人情報保護委員会など関係機関への報告や、影響を受けた関係者への説明を迅速に行う必要があります。対応が遅れるとより深刻な信用の失墜や罰則が課される可能性があります。そのため、事前に漏洩対応フローを明確にし、万が一のトラブルに備えることが重要です。
安全管理措置を行うための対策と事例
特定個人情報や個人情報を適切に管理するためには、企業の内部で安全管理措置を徹底することが求められます。この一環として、従業員に対する定期的なセキュリティ教育や、就業規則内における取り扱い基準の明確化が効果的です。特に「就業規則」の見直しでは、マイナンバーを取り扱う規定を整備し、業務担当者が法律を遵守できるようガイドラインに従った運用を行う必要があります。
また、外部委託先が特定個人情報を取り扱う場合、契約内容に情報管理に関する規定を盛り込み、企業間での責任範囲を明確にすることも重要です。具体的な事例として、顧客情報を大量に保有する企業が情報漏洩防止のためにアクセス制限を厳格化し、システムログの監視を強化したケースが挙げられます。このような対策を講じることで、特定個人情報や個人情報の不正使用や漏洩リスクを大幅に低減することが可能です。
