基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験、どっちを選ぶべき?

基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験の概要

基本情報技術者試験は、情報処理技術者試験の一つであり、情報技術分野における基礎的な能力を測定する国家資格です。試験はCBT(Computer Based Testing)の形式で実施されており、受験者は試験会場を選び、日程を調整して受験することが可能です。この試験では、プログラミングやアルゴリズム、データベース、ネットワークといったITの幅広い知識が問われます。

対象とするスキルレベル

基本情報技術者試験が対象とするスキルレベルは、情報処理技術者試験のレベル2に相当します。このレベルは、システム開発や運用における基本的な知識とスキルを持ち、これを使って適切な作業を遂行できる能力が求められるものです。そのため、IT業界での初級者向け資格として位置付けられており、特にプログラミングの基礎や問題解決能力が重視されます。

出題内容と試験形式

基本情報技術者試験は、試験が科目A試験と科目B試験の2つで構成されています。科目A試験では、情報セキュリティやアルゴリズム、ネットワークといったITの基礎を幅広く問う問題が出題され、60問が課されます。一方で科目B試験では、問題解決能力やプログラミングに関する深い知識が求められる20問が出題されます。また、すべてCBT形式で実施されるため、ペーパーベースの試験よりも受験環境が柔軟である点が特徴です。

合格率と難易度

基本情報技術者試験の合格率は50%台から70%台とされており、比較的安定した水準で推移しています。合格基準は600点以上となっており、試験準備のためには相応の勉強時間が必要です。また、その内容は知識の量だけでなく、問題解決能力や論理的な思考力が求められることから、一定の難易度が伴います。初学者にとっては挑戦しがいのある資格といえるでしょう。

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情報セキュリティマネジメント試験とは

情報セキュリティマネジメント試験の概要

情報セキュリティマネジメント試験(SG)は、情報セキュリティの基礎的な知識やマネジメントスキルを問う国家資格です。この試験は、2016年から開始され、情報セキュリティ分野に特化しているため、初学者や現場で情報セキュリティ関連の業務に携わる人々に向けて構成されています。

試験方式はCBT(Computer Based Testing)を採用しており、受験者は年間を通じて試験の日時と会場を選択可能です。また、特別措置試験では春期と秋期に筆記試験が実施されます。この柔軟性の高い試験形式は、多忙な社会人にとっても受験しやすい仕組みとなっています。

対象とするスキルレベル

情報セキュリティマネジメント試験は、スキルレベルが「レベル2」と設定されており、これはIT初心者から中級者を対象としていることを指します。企業内での情報セキュリティの基本的なルールやリスクの管理、規定を遵守するための知識が求められます。

主に、情報セキュリティを含む基礎的なITスキルを高めたい社会人や、セキュリティ部門での配属を控えた新入社員が取得を目指すことが多い資格です。この点で、基本情報技術者試験とは異なり、より特定分野にフォーカスした内容となっています。

出題内容と試験形式

情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティに関する全般的なテーマを扱っています。具体的には、リスク管理、情報セキュリティポリシー、セキュリティ実装、脅威対応、法務と倫理などが中心です。

試験形式は大きく選択式問題となっており、問題数は全60問です。CBT方式のため、コンピュータ画面で問題を解答していく形式です。科目ごとには時間配分が決められており、長時間集中することが求められます。

過去問題も公開されており、自己学習に取り組むための教材が充実しています。そのため、試験範囲を深く理解していれば独学でも十分に合格が狙えます。

合格率と難易度

情報セキュリティマネジメント試験の合格率は、50%台から70%台を維持しており、他の国家試験と比較すると比較的高めの水準となっています。ただし、これは試験内容が簡単であるというわけではありません。試験範囲こそ基本レベルの内容ですが、しっかりとした学習が合格の鍵を握ります。

合格基準は600点以上となっており、全受験者にとって同じスコアを超える必要があります。合格までの学習時間の目安はおおよそ200時間とされており、出題範囲の広さに対する十分な学習計画が重要です。

この試験は、実務に直結する知識が得られるため、情報セキュリティの基礎を体系的に学びたい人にとって非常に価値のあるものだと言えます。

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どちらを選ぶべきか?比較ポイントで考える

将来のキャリアに与える影響

基本情報技術者試験や情報セキュリティマネジメント試験はどちらもIT業界でのキャリア形成に役立つ資格ですが、与える影響は異なります。基本情報技術者試験は、IT全般の基礎知識やアプリケーション開発に関するスキルを証明できるため、エンジニア職やシステム開発分野でのキャリアアップに適しています。一方、情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティの管理や運用を重視する職種に向けられ、セキュリティ管理者や情報システム部門でのキャリア向上に有用です。将来どの分野で活躍したいかによって選択が変わるため、目指す職種や業務内容を考慮すると良いでしょう。

求められる技術と専門知識の違い

基本情報技術者試験では、プログラミングやアルゴリズム、システム開発などの技術能力が問われるため、技術的な土台を身につけたい人に適しています。試験問題には応用力が必要な計算問題やプログラミング知識が含まれ、専門的な技術スキルが身につきます。一方、情報セキュリティマネジメント試験では、情報セキュリティの管理や脅威分析、リスクマネジメントに関する知識が中心となります。技術的なスキルというよりも、管理業務やセキュリティの組織的な運用に関する知識を求められる点が特徴です。

業務内容との関連性

選ぶ試験は現在の業務内容や将来目指す業務との関連性も重要です。基本情報技術者試験はIT系の技術職全般を対象としており、特にプログラマーやSEを目指す方におすすめです。一方で、情報セキュリティマネジメント試験は、情報システムのセキュリティ対策を監督する職種や、情報管理に責任を持つポジションに関連性があります。また、情報セキュリティに特化した業務が多い企業では、社員が情報セキュリティマネジメント試験を取得していることが要件となる場合もあります。

試験勉強の負荷と費用の違い

試験勉強の負荷は、試験内容の広さや深さに応じて異なります。基本情報技術者試験は、科目Aと科目Bに分かれ、特にプログラミングやアルゴリズムに時間をかけて学習する必要があります。必要な勉強時間は個人差がありますが300時間程度とされることが多いです。これに対し、情報セキュリティマネジメント試験の必要勉強時間は200時間程度が目安とされ、比較的学習負担は軽めです。

また、受験費用はどちらも同程度で、受験手数料は通常7,000円前後です。勉強のための参考書や講座費用がプラスされますが、どの試験を選んでも2万円から3万円の予算を見積もっておくと良いでしょう。

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受験者からの声と実際の活用例

基本情報技術者試験を活用した業務事例

基本情報技術者試験は、ITの基礎力を証明する国家資格として、多くの業務で活用されています。例えば、システム開発を行う企業では、プログラミングの知識やアルゴリズムの理解を活かし、要件定義や基本設計段階での活躍が期待されています。また、IT運用部門においても、ネットワークやセキュリティの基礎知識を基に、サーバー管理やトラブルシューティングを効率的に行う例が見られます。この資格を持つことで、業務の基礎力が高い人材として評価され、若手エンジニアやIT初心者のキャリアスタートにも役立つとされています。

情報セキュリティマネジメント試験を活用した業務事例

情報セキュリティマネジメント試験は、企業や組織におけるセキュリティ対策を推進するための基礎力を認定する試験です。この資格を活かす事例として、社内の情報セキュリティポリシー策定や運用サポート業務があります。例えば、リスク評価やセキュリティ教育の実施を担当する場合に、この試験で得た知識が役立っています。また、規模の小さい企業では、IT部門以外の業務従事者が、この資格を活かして基本的なセキュリティ管理や脅威対策を自部門に広めるケースも多いです。そのため、非エンジニアの社員にも適した資格として評価されています。

試験取得後のキャリアパス

基本情報技術者試験を取得した場合、主に技術職としてのキャリアを歩む方が多いです。例えば、ネットワークエンジニアやプログラマーを経て、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーなどの上位職種を目指すことが一般的です。さらに、応用情報技術者試験などの上位資格取得に進むことで、キャリアアップを目指す方もいます。

一方、情報セキュリティマネジメント試験を取得した場合は、セキュリティの専門性を活かしてキャリアを形成する傾向があります。例えば、情報セキュリティ担当者やセキュリティコンサルタントとしての職種に進むことが多く、近年では、情報漏洩対策やセキュリティ監査といった領域での需要も高まっています。この資格を足がかりに、情報処理安全確保支援士試験(SC)の取得を目指す方も増えています。

どちらの試験も取得後のキャリア形成において重要な役割を果たし、自分の目指す分野や業務内容に応じて、選ぶべき方向性が異なってきます。

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それぞれの試験に向いている人とは?

基本情報技術者試験が向いている人

基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基礎的な知識とスキルを身につけたい方に向いています。この試験は、プログラム開発やネットワーク構築、データベース管理など幅広い技術分野をカバーしており、ITにおける基盤知識をしっかりと学びたい人が対象となります。また、プログラミングやアルゴリズムといった思考力や技術力が問われるため、技術的な挑戦を楽しめる方や将来的にシステム開発やインフラ整備に携わりたい方におすすめです。特に、既にIT分野でのキャリアを志している場合、この資格を取得しておくことで就職活動や業務遂行においてアピールポイントとなります。

情報セキュリティマネジメント試験が向いている人

情報セキュリティマネジメント試験は、特にセキュリティ分野への関心が高い方や未経験から情報セキュリティの基礎を学びたい方に向けられています。この試験は、企業の情報資産を守るための基礎知識や管理スキルを問う内容で、ITスキルがあまりない初心者でも取り組みやすい試験です。また、経営層や管理職の立場でセキュリティ対策を担う必要がある場合や、業務の一環として情報セキュリティに関わる方にとっては適した選択肢となります。必要勉強時間が比較的短く設定されているため、学習時間を確保しづらい社会人にも挑戦しやすい試験です。

迷ったときの選び方のヒント

もし基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験のどちらを選ぶべきか迷った場合は、まず自分のキャリアプランや興味関心に合わせて考えることが重要です。例えば、プログラミングやシステム設計など技術的なスキルを習得してエンジニアとして活躍したい場合は、基本情報技術者試験を選ぶべきです。一方で、情報セキュリティやリスク管理の基礎を学んで管理者やコンサルタントの立場で活躍したい場合は、情報セキュリティマネジメント試験が適しています。

また、試験の出題内容や学習範囲の広さ、必要な勉強時間も選択を決めるポイントとなります。基本情報技術者試験は試験範囲が広く深いため、学習負荷が高く感じやすい一方、情報セキュリティマネジメント試験はIT初心者にも取り組みやすい内容となっています。さらに、現在の業務内容や将来求められるスキルと試験範囲が合致しているかどうかも判断材料になるでしょう。

最終的には、自分が強化したいスキル分野と試験の位置付けを照らし合わせ、自分に合った方向性で試験を選ぶことが重要です。また、必要であれば同僚や試験経験者の意見を参考にするのも良いでしょう。

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まとめ:どの試験を選ぶべきか

試験選びの結論

基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験のどちらを選ぶべきかについては、自身の将来のキャリアビジョンや現在のスキルレベル、興味分野によって異なります。基本情報技術者試験(FE)は、情報処理技術の全般的な知識を習得し、ITエンジニアとしての土台を築く目的の試験です。一方、情報セキュリティマネジメント試験(SG)は、情報セキュリティ分野に特化しており、セキュリティに関する基礎知識を体系的に学びたい方に向いています。

広範な知識を得たい場合や、将来的にプログラミングスキルやシステム設計に携わりたいと考えている場合は基本情報技術者試験を選ぶのが適切です。反対に、セキュリティ管理やリスク対策を学び、セキュリティ対策の知識が評価される業界を目指したい場合には情報セキュリティマネジメント試験を受験することを検討するべきです。

将来のキャリアを見据えた判断を

試験選びは、将来のキャリアを見据えて行うことが重要です。基本情報技術者試験を取得すれば、ITエンジニアとして多岐にわたる技術職への道が開けます。また、IT分野への第一歩として、多くの企業で評価されやすい資格と言えます。一方、情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティの重要性が高まり続ける中で、企業や組織内でのセキュリティ担当者としてのキャリアをスタートさせる大きな一歩になります。

いずれの試験も、自身の現在の興味やキャリアプランに照らし合わせながら選ぶことが大切です。どちらを選んでも、IT業界での知識やスキルを磨く機会になることは間違いありません。お住まいやスケジュールの都合に合わせて受験可能なCBT方式を活用することで、効率的に目標に向かって進むことができるでしょう。

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この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

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