コトラ（広報チーム） 
基本情報技術者試験とは
試験の概要と目的
基本情報技術者試験（FE）は、ITエンジニアとしての基礎的な知識とスキルを確認するための国家資格試験です。この試験は「情報処理の促進に関する法律第29条第1項」に基づいて実施され、IT分野における人材の育成と技術水準の向上を目的としています。合格することで、基本的なIT知識や技術が国として認められるため、転職活動やキャリアアップ時の大きなアドバンテージにもなります。
対象者と必要なスキル
基本情報技術者試験は、ITエンジニアを目指す初心者から中級者までを対象としています。特に専門学校生や大学生、新人エンジニアが受験する傾向があります。必要なスキルとしては、情報技術やネットワークの基本的な知識、アルゴリズムやプログラミングの基礎的な理解が求められます。また、問題解決能力や論理的思考力も重要な要素とされています。
試験の重要性とメリット
基本情報技術者試験は、IT分野における知識とスキルの証明となるため、多くの企業で評価されています。特に、この資格を取得することで、転職市場での競争力が高まり、人材の価値を高めることができます。また、試験の学習過程を通して、実践的な知識やスキルを養うことができるため、現職での活躍にも直結するメリットがあります。さらに、この資格の取得は情報処理技術者試験の上位資格へのステップアップにもつながります。
CBT方式とは何か
基本情報技術者試験は、2023年4月の試験改革以降「CBT方式（コンピュータベーストテスティング）」で実施されています。これは、従来の筆記試験とは異なり、コンピュータを使用して解答する試験形式です。受験者は認定CBTテストセンターを選び、パソコン画面上で問題を解答します。この方式により、試験日程が年2回から通年受験へと変更され、日程変更が可能な柔軟な試験スケジュールが実現しました。特に、自分の都合に合わせた日程で受験できる点が大きな特徴です。
2023年以降に導入された主な変更点
通年試験化の背景と利便性
2023年4月から基本情報技術者試験はこれまでの「年2回」実施から「通年試験」へと移行しました。この背景には、受験者にとって試験日程の柔軟性を高め、より多くの人に受験の機会を提供する狙いがあります。通年試験化により、受験者は自分の都合に合わせた日程で試験を受けられるようになり、勉強計画を立てやすくなりました。何回まで受験できるかという制限もないため、合格を目指して自分のペースで挑戦することが可能になっています。
試験形式の変化：問題構成と試験時間
試験形式も2023年4月から大きな変更が加えられました。試験は科目A試験と科目B試験で構成され、それぞれの試験時間が短縮されています。従来の試験時間は約300分でしたが、新形式では190分へと約30～40%短縮され、コンパクトな試験運営が実現しました。また、科目B試験の出題範囲が見直され、情報セキュリティ分野やアルゴリズム（擬似言語）への対応が重要視されています。これらの変更は、より効率的な試験実施を目指した対応と言えるでしょう。
プログラミング言語選択の廃止
2023年4月以降、プログラミング言語選択制が廃止され、全ての受験者に対して擬似言語での出題が統一されました。これにより、従来は特定のプログラミング言語（たとえばJavaやPython）を選択する必要がありましたが、現在はどの受験者も均等な条件でプログラミングに関する問題に取り組めるようになっています。この変更は、言語知識に依存しすぎない統一的な試験内容を目指すための措置として評価されています。
受験者への影響と感想
これらの変更により、受験者からはさまざまな反応が寄せられています。試験が通年化されたことや、おおよその試験時間が短縮されたことで、「勉強時間の調整がしやすくなった」や「集中力を持続させやすくなった」といったポジティブな意見が目立ちます。一方で、プログラミング言語選択の廃止については、「新たに擬似言語に慣れる必要がある」といった声も一部で見られます。それでも、全体的には試験の効率化が進んだことを歓迎する受験者が多く、新制度による利便性を実感している様子が伺えます。
CBT方式の特徴とメリット
試験会場や試験日程の柔軟性
基本情報技術者試験では、2023年4月からCBT方式が導入され、試験日程や会場が非常に柔軟になりました。従来のように限られた試験日ではなく、年中随時受験が可能です。受験者は、自分の都合に合わせて試験日程を自由に選択できるのが大きなメリットです。具体的には、試験予約は本日から3日後から3ヶ月以内の日程で行うことができるため、計画的な学習がしやすくなっています。また、全国の認定CBTテストセンターが利用可能なため、自分に最適な受験場所を選べます。この柔軟性により、仕事や学業と両立しやすく、試験を受ける心理的ハードルも下がります。
パソコンベースの解答環境
CBT方式では、すべての試験がパソコンを使用して行われます。この環境により、紙ベースの試験とは異なり、画面上で問題を進められるため、効率的に解答が進められるというメリットがあります。試験中は問題の切り替えや解答の見直しもしやすく作られており、操作性の良さが受験者からも高く評価されています。また、演習段階からパソコンを活用した問題練習を行うことで、試験本番でもスムーズに対応することが可能となるでしょう。
事前準備と当日のスムーズな流れ
CBT方式の採用に伴い、試験当日の流れも非常にスムーズになりました。受験者はあらかじめ予約した日時に試験会場へ向かい、利用者IDによる認証を済ませるだけで試験を開始できます。事前に必要な準備の大部分はオンラインで完結するため、手続きが簡略化されている点も特徴です。また、CBT方式特有のきめ細やかな運営体制により、当日のトラブルも最小限に抑えられています。このように、試験開始から終了まで無駄なく進行できる環境が整っており、受験者の負担軽減につながっています。
CBT方式を活用した効率的な学習法
CBT方式の特長を最大限に活かすには、その形式に合わせた学習法が効果的です。たとえば、パソコンでの試験に慣れるため、自宅でのオンライン問題集や模擬試験を活用することをお勧めします。特に、画面上での解答スピードを意識しながら学習することで、本番のCBT試験でも落ち着いて取り組むことができます。さらに、年中実施されている試験スケジュールを活用し、部分的な学習スケジュールを組み立てながら、効率的に弱点を克服することが重要です。定期的な模試を取り入れて自己分析を進めることで、計画的な学習が実現できます。
2024年の受験対策：合格へのポイント
学習スケジュールの立て方
基本情報技術者試験に合格するためには、しっかりとした学習スケジュールを立てることが重要です。通年試験化により、受験日程を自身の都合に合わせて選ぶことが可能になりました。そのため、試験日から逆算して、目標達成に向けたスケジュールを組むと良いでしょう。
例えば、試験の1か月前までは基本的な知識を体系的に学び、2～3週間前には過去問や模擬試験を中心に演習を繰り返すことがおすすめです。また、直前期には間違いやすいポイントの復習や試験時間を意識した演習に注力することで、効率よくスキルを磨くことができます。
出題傾向と頻出問題の把握
2023年以降、基本情報技術者試験では出題形式や範囲にいくつかの変更が加えられています。特に注目すべきは、午後試験の出題分野が統一され、アルゴリズムや情報セキュリティが重点的に問われるようになった点です。
試験対策としては、過去問題やIRT採点方式を考慮した新形式の問題に慣れることが大切です。また、試験時間が従来より短縮されたため、正確かつ素早く問題を解く練習を心がけましょう。頻出分野を中心にすることで、効率よく得点を伸ばすことが可能です。
模擬問題集とオンライン教材の活用
基本情報技術者試験は国家試験のため、公式の模擬問題集やオンライン教材を有効に活用することが重要です。近年では、CBT方式を意識した解答練習ができるオンラインプラットフォームも広がりつつあります。
特に、テクノロジ系やアルゴリズムといった難易度の高い分野については、解説の充実した教材を選び、基礎から応用まで学ぶことが必要です。また、オンライン教材を活用することで空いた時間や隙間時間を学習に活用でき、時間管理がしやすくなります。
効率的な復習と時間管理術
試験対策では、効率的な復習と時間管理が合否を分けるポイントとなります。科目B試験のように選択問題が含まれる試験では、自分の得意分野に焦点を当てた学習が効果的です。苦手分野も見逃さず、問題を分類して反復練習を行いましょう。
また、学習時間を区切ることで集中力を保つことも大切です。30分～1時間ごとに短い休憩を取り入れるポモドーロ・テクニックを活用するなど、無理のない時間管理術を取り入れると良いでしょう。効率よく勉強を進めることで、試験日までに十分な準備が整えられます。
受験の申し込みと当日の注意点
申し込みの流れと必要な手続き
基本情報技術者試験の受験申し込みは、公式サイトを通じて行います。まず、利用者IDを新規作成する必要があります。このIDは、受験の申し込みや変更時に必要となるため、大切に保管してください。
申し込み可能な日程は、本日から3日後から3ヶ月以内の範囲で選択することができます。自分の都合に合わせて試験日程を設定できる点は、通年試験化された基本情報技術者試験の大きなメリットです。しかし、人気の日程や時間帯は早めに埋まる可能性があるため、スケジュールが決まり次第早めに予約することをおすすめします。
受験料は7,500円（税込）で、支払いは申し込み手続きと同時に完了させる必要があります。なお、申し込み後のキャンセルは不可となっているため、試験日を慎重に選ぶことが重要です。
試験日の変更やキャンセルポリシー
試験日程の変更は、試験の3日前まで可能です。もし希望する日程に急な変更が必要になった場合でも、柔軟に対応できる仕組みが整っています。ただし、お申し込み当日や直前の変更はできないため、余裕を持った計画を立てるようにしましょう。
キャンセルについては、基本情報技術者試験では申し込み後の取り消しができません。このため、スケジュールが不透明な場合は、十分な確認を行ってから受験日を決定することが大切です。試験日程変更の権利を何回まで行使できるかという明確な上限はありませんが、頻繁な変更を避けるためにも、計画性を持った申し込みが推奨されます。
当日の持ち物と試験での注意事項
試験当日は、受験票や本人確認書類（運転免許証やパスポートなど）を忘れずに持参してください。試験会場ではパソコンベースでの試験が行われるため、筆記用具や計算機などの持ち込みは原則不要です。ただし、身軽で快適に試験を受けるため、必要最低限の準備を心がけましょう。
また、試験会場は認定CBTテストセンターで行われ、受験者専用のスペースで試験が進められます。開始時刻に遅れてしまうと受験ができなくなる場合もあるため、時間に余裕を持って会場に到着してください。会場内では携帯電話や電子機器の使用が禁止されていることにも注意が必要です。
トラブル発生時の対応方法
試験当日にトラブルが発生した場合、まずは試験会場のスタッフに速やかに相談しましょう。CBT方式の試験では、システムエラーやパソコンの不具合が発生する可能性もありますが、会場スタッフが適切に対応してくれるため落ち着いて行動することが重要です。
天災や交通機関のトラブルなどで会場まで到達できない場合、試験日程の変更が可能かどうか迅速に確認することをおすすめします。このような予想外の事態に備え、試験当日の連絡先や試験時間の前後を十分考慮したスケジュール調整を行うと安心です。
