行政書士が活躍する相続手続き、司法書士との違いをわかりやすく解説

行政書士と司法書士の基本的な役割と違い

行政書士の基本業務と資格概要

行政書士は主に官公署に提出する書類や権利義務に関する書類、事実証明に関する書類の作成を行う国家資格者です。相続手続きにおいては、遺産分割協議書の作成や相続人の調査、戸籍謄本収集、財産目録の作成、さらに遺言書の作成サポートや証人業務など幅広い支援が可能です。

ただし、相続登記や裁判所での手続きを要する業務は担当できません。それらの業務は司法書士や弁護士に依頼する必要があります。行政書士は、比較的身近な専門家として遺産相続に関連する様々な書類作成をサポートし、円滑な手続きの実現を目指します。

司法書士の基本業務と資格概要

司法書士は法務局や裁判所に関わる書類作成や手続きの代理を行う専門家で、相続登記の手続きが主な業務の一つです。不動産の名義変更や複雑な遺産整理業務、相続放棄の申述支援など、法律的な知識を必要とする高度な業務を担います。

さらに、司法書士は簡易裁判所での訴訟代理人として活動できる「認定司法書士」制度のもと、一定の範囲で法的代理人業務を行うことが認められています。そのため、財産の整理や相続放棄申請など、より法的な手続きが関わる依頼に対応できるのが特徴です。

相続手続きにおける業務範囲の違い

行政書士と司法書士は、それぞれの業務範囲に明確な違いがあります。行政書士は、相続手続きにおいて必要な書類作成や代理提出を専門としており、特に遺産分割協議書や財産目録、相続関係説明図の作成に強みを持ちます。一方で、司法書士は相続登記手続きや不動産の名義変更など、不動産登記に関する業務を担います。

また、相続放棄や遺言執行者としての業務など、裁判所での申請や法的代理が必要な場合は、司法書士や弁護士が依頼の窓口となります。そのため、案件に応じて行政書士と司法書士のどちらに依頼するべきかを判断することが重要です。

それぞれの専門性と得意分野

行政書士は、書類作成を中心とした業務において高い専門性を発揮します。特に、相続人調査や戸籍謄本収集、幅広い書類の作成代行が得意分野となります。一方、司法書士は不動産登記や相続放棄申請など、法的な手続きが伴う業務を得意としています。また、認定司法書士であれば簡易裁判所での代理人業務も可能なため、一定の法的トラブルにも対応することができます。

そのため、書類作成を迅速かつ正確に行いたい場合は行政書士、より法的な専門知識を要する登記や裁判所対応が必要な場合は司法書士に依頼するのが一般的です。

依頼する際の適切な判断基準

行政書士と司法書士のどちらに依頼するかは、相続手続きの内容によって異なります。例えば、戸籍謄本を収集し遺産分割協議書を作成したい場合は行政書士が適任です。一方で、不動産の名義変更や相続登記を進めたい場合には、司法書士に相談するのが適切です。

また、相続案件が複雑で、裁判所手続きが絡む可能性がある場合は、司法書士や必要に応じて弁護士への依頼も検討する必要があります。それぞれの専門家の得意分野を理解し、適切な業務領域に合わせて依頼先を選ぶことが大切です。

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行政書士が相続手続きでできること

相続人調査と戸籍謄本収集の代行

相続手続きにおいて、最初に必要な作業のひとつが相続人の特定です。行政書士は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本を収集し、相続人の調査を代行できます。この作業は、被相続人が複数回転籍している場合など、複雑な場合も多く、多くの時間と手間がかかることがあります。行政書士に依頼することで効率的に対応が可能になります。

遺産分割協議書の作成

相続手続きにおいて遺産分割協議書の作成は重要な工程です。相続人全員での話し合いに基づき、相続財産の分割方法を記載した書類を作成する必要があります。行政書士は、相続人からの聞き取りをもとに正確かつ適切な形で遺産分割協議書を作成します。この書類は相続手続き全般において必要となるため、専門家に依頼して作成することでトラブルを防止することができます。

財産目録の作成と相続財産の調査

相続財産の正確な把握は、適切な相続手続きを進めるために不可欠です。行政書士は、預貯金、不動産、有価証券、自動車など多岐にわたる相続財産を調査し、それらを一覧にまとめた財産目録を作成できます。この業務を行政書士に依頼することで、財産が漏れるリスクを軽減し、相続における透明性を高めることが可能です。

遺言書の作成支援と証人業務

行政書士は、遺言者の意向に基づいた遺言書の作成支援を行うことができます。公正証書遺言の作成においては証人となることも可能であり、遺言書の効力を確保するための重要な役割を担います。遺言の内容を法律的に整理し、適切な形式で文書化することで、将来の相続トラブルを防ぐことができます。

その他相続関連の書類作成

行政書士はそのほか、相続手続きに必要な多様な書類作成を担当します。例えば、相続関係説明図や法定相続情報一覧図の作成があります。これらの文書は相続手続きをスムーズに進めるために必要であり、行政書士の専門性を活かして正確に作成することが可能です。また、金融機関での預貯金解約や自動車の名義変更などにも対応できるため、相続手続きを効率よく進めたい場合には非常に有用です。

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司法書士が相続手続きでできること

相続登記(不動産名義変更)の手続き

司法書士は、不動産に関連する相続手続きの中で最も重要な「相続登記」を行う専門家です。相続登記とは、不動産の名義を被相続人(故人)から相続人へと変更する手続きのことを指します。例えば、遺産相続によって土地や建物などの不動産を受け継いだ場合、その権利を明確にするために不動産登記簿の名義人を変更する必要があります。行政書士ではこの手続きを行えないため、司法書士に依頼することが適切な選択となります。

遺産整理業務の対応

司法書士は、相続手続き全体を通じた「遺産整理業務」にも対応できます。この業務では、遺産分割協議書をもとに不動産の相続登記を行うほか、銀行口座の解約や相続財産の分配を進めるサポートを行います。また、複数の相続人がいる場合の調整や、相続財産が多岐にわたる場合の整理まで幅広く対応可能です。これにより、相続手続きがスムーズに進むため、相続人が抱える負担を大幅に軽減する効果があります。

法務局への手続きと書類提出

司法書士は、法務局での各種手続きを代行することができます。不動産の相続登記に必要な書類を作成し、法務局に提出することで、相続人側の負担を軽くします。また、法定相続情報証明制度を利用した手続きも行うことが可能で、この制度を活用すれば、相続登記や銀行手続きなどで必要な戸籍謄本の束を簡略化できるため、手続き全体の効率化につながります。

相続放棄の申述支援

相続をするか否かは相続人の選択次第ですが、特にマイナスの財産が多い場合には「相続放棄」を選択することがあります。司法書士は家庭裁判所への相続放棄申述書の作成や手続きのサポートを行えます。さらに、相続放棄後に追加的な手続きが必要な場合の相談にも応じることができます。一方で、行政書士ではこのような司法的な手続きに関与することはできません。

複雑な相続案件への対応事例

司法書士は、複雑な相続案件への対応も得意としています。例えば、不動産が複数の相続人によって共有される場合や、被相続人が遺言書を残している場合などが挙げられます。また、相続関係が複雑で相続人の範囲が不明確な場合でも、戸籍調査などを通じて問題解決をサポートします。さらに、遺産分割協議の調整が必要な際、司法書士が法的観点からのアドバイスを提供することで、遺産相続に伴うトラブルを未然に防ぐことが可能です。

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行政書士と司法書士の連携事例

相続全体の管理と役割分担

行政書士と司法書士は、遺産相続手続きにおいてそれぞれの専門性を生かしながら役割分担を行うことで、スムーズな手続きが可能となります。行政書士は主に戸籍謄本収集や相続人調査、遺産分割協議書の作成など、書類作成を軸とした業務を担当します。一方、司法書士は不動産相続登記や法的手続きが伴う部分を中心に対応します。このようにお互いの得意分野を補完し合いながら、相続全体の円滑な管理が実現できるのです。

不動産相続時の共通作業と効率化

不動産の相続手続きでは、行政書士と司法書士の連携が重要です。具体的には、行政書士が相続人調査や遺産分割協議書の作成を行い、その結果を基に司法書士が不動産の名義変更(相続登記)を進めるといった流れが一般的です。事前に適切な書類が揃っていれば司法書士の作業が効率化するため、時間や手間を大幅に軽減できます。このように、専門家同士の協力が相続手続きをより迅速かつ確実に進める助けとなります。

行政書士を窓口に司法書士を紹介するケース

遺産相続手続きで最初に行政書士へ相談し、必要に応じて司法書士を紹介してもらうケースも珍しくありません。行政書士は相談者の状況を丁寧にヒアリングし、業務範囲を超える法的手続きが必要と判断した場合には、信頼のおける司法書士と連携を取ります。これにより、依頼者は窓口を一本化できるため、複数の専門家へ一から依頼する手間を省くことができます。

費用面と時間面でのメリット

行政書士と司法書士が連携することで、費用と時間の双方でメリットが得られる場合があります。例えば、行政書士に依頼する書類作成業務は司法書士に比べて費用を抑えられることが多いため、コスト面での負担軽減が期待できます。また、業務範囲に応じた最適な専門家が対応することで、手続きが効率化し、全体の時間短縮にも繋がります。それぞれの得意分野を活かした分担が依頼者にとって大きなメリットをもたらします。

トラブル解消のための適切な専門家選定

相続手続きでのトラブルを防ぐためには、適切な専門家を選定することが欠かせません。行政書士は書類作成などの事務的な業務を得意とし、司法書士は法務関連の実務を専門とするため、依頼内容に応じた選択が重要です。また、両者が連携することで、専門知識が不足したままの対応や、手続きが滞るといった問題を防ぐことができます。そのため、初めて相続手続きに臨む際には、信頼できる行政書士や司法書士へ相談し、適切な対応を受けることを心掛けましょう。

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適切な依頼先の選び方と注意点

ケース別に見る依頼先の判断基準

相続手続きにおいて、行政書士と司法書士のどちらに依頼するべきかは、案件の内容や手続きの種類によって異なります。たとえば、相続登記や法的なトラブルが伴う場合は司法書士の専門分野ですが、煩雑な書類作成や遺産分割協議書の作成がメインであれば行政書士に依頼する方が効率的です。また、事案が比較的単純な遺産相続であれば、費用を抑えながら頼むことができる行政書士が適しています。一方で、不動産の名義変更や裁判所での手続きを含む場合は司法書士が適任です。

行政書士・司法書士の選び方のポイント

行政書士や司法書士を選ぶ際には、依頼内容に特化した専門家を見つけることが重要です。それぞれの資格者が提供できる業務範囲を理解したうえで、相続手続きの全体像を把握できる専門家を選んでください。例えば、行政書士であれば相続人調査や遺産分割協議書の作成を得意分野としている場合が多く、スムーズな手続きが期待できます。また、具体的な得意分野や行政書士資格保有者の実績を事前に確認し、信頼のおける専門家を選ぶことが大切です。同時に、相続登記など他分野の手続きがある場合は司法書士との連携ができる行政書士を選ぶのも一つの選択肢です。

相談時に確認しておくべき事項

専門家へ相談する際は、依頼内容を明確にし、必要な情報や書類を整理しておくことが大切です。また、最初の相談時には以下の項目を確認してください。

  • 自身の依頼が行政書士や司法書士の業務範囲に適しているか
  • どのように手続きが進むのか、具体的な進行スケジュールと手順
  • 費用の詳細(報酬額や実費の項目)
  • 追加費用の発生の有無やその条件
  • 他専門家との連携が必要な場合の対応

これらを事前に確認することで、相続手続きのトラブルや行き違いを防ぎ、スムーズな進行が期待できます。

依頼にかかる費用の目安と比較

相続手続きの費用は、依頼する業務の内容や専門家によって大きく異なります。たとえば、行政書士に遺産分割協議書の作成を依頼する場合は3万円~5万円程度が相場ですが、司法書士に相続登記を依頼する場合は5万円~10万円程度が目安となります。また、相談料が無料の専門家もいますが、初回相談料として5,000円程度を請求するところもあります。総額を比較しつつ、自身の手続きに必要な部分だけを任せることで、費用面での負担を抑えることが可能です。

スムーズな相続手続きのための事前準備

スムーズな相続手続きには、事前の準備が欠かせません。行政書士や司法書士に依頼する前に、被相続人の戸籍謄本や財産目録、遺言書などの基本的な資料を揃えておくと、相談や手続きが円滑に進みます。また、相続人間での事前調整も重要です。特に、遺産分割協議に関する意見が一致している場合は、専門家の手続きもスムーズに進みます。手間を省くためには、依頼内容をポイントごとに整理してから相談を始めると良いでしょう。

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この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

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