IRや経営企画の経験は、組織マネジメント、人材戦略の立案、全社施策の実行といった観点から、人事部門、特に人事管理職としてのキャリアに高い親和性があります。組織戦略と人材戦略を接続できる力は、経営層に近いポジションで活躍してきたIR・経営企画経験者の強みです。本記事では、IR・経営企画から人事管理職へ転職するためのステップと、志望動機・職務経歴書の例をご紹介します。
1. 人事管理職が評価するIR・経営企画出身者のスキル
- 経営戦略と連動した人材施策の構想力
- KPI設計や予算管理などの数値感覚
- 経営陣との折衝、全社方針の推進力
- 異部門との調整・巻き込み力
- 人事制度やタレントマネジメントに対する関心と理解
2. 転職ステップ
STEP1:人事に関わる実績を棚卸し
人事制度の検討、新卒採用やタレントマネジメント支援、組織再編への関与など、経営企画から人事に接続する経験を整理しましょう。
STEP2:人事業務の全体像を把握
採用、人材育成、制度設計、配置・異動、労務管理など、人事領域の基本を押さえておくことで、転職後の即戦力性を高められます。
STEP3:人・組織を通じた経営貢献の意欲を明文化
「事業成長に寄与する人材戦略を描きたい」「組織のエンゲージメント向上に関わりたい」といった熱意を自分の言葉で表現しましょう。
3. 志望動機(例)
IRおよび経営企画として、経営戦略の実行支援や組織構造の設計、中期人員計画の策定などに携わってまいりました。定量的な視点に基づいた組織運営支援の経験から、人材・組織という本質的な経営資源に直接関わる人事領域に深い関心を持つようになりました。
人事管理職として、経営と現場の橋渡しを行いながら、戦略的かつ現場起点の人材施策を推進してまいりたいと考えております。
4. 職務経歴書(例)
氏名:佐々木 誠
生年:1989年生まれ(35歳)
学歴:早稲田大学 政治経済学部 卒業(2012年)
職務要約
上場企業のIR・経営企画部門にて12年間勤務。中期経営計画、人員計画、組織再編、人事制度検討支援、KPI設計などに従事。経営戦略と組織・人材の接続に強みを持ち、戦略的人事に挑戦すべく人事管理職へのキャリアチェンジを志望。
職務経歴
株式会社○○ホールディングス/2012年4月~2024年3月
所属:経営戦略本部 経営企画部/IR部門
- 組織再編支援:ホールディングス体制移行時の人員再配置設計
- 人員計画策定:中計に基づく部門別採用・育成KPIの設計
- 人事制度検討:等級・評価制度に関する検討資料作成支援
- IR対応:人的資本開示を含む統合報告書の作成
スキル・資格
- 経営企画/組織戦略/人材KPI設計/人事制度理解/エンゲージメント支援
- 日商簿記2級/TOEIC 880/HPI(人的資本開示)研修修了
- Excel(関数・ピボット)/PowerPoint/SAP SuccessFactors
“経営と組織の橋渡し役”として、人材を活かし、組織を強くする人事リーダーへ。