マーケティング・企画からIR・経営企画へ──事業を“伝える”から“創る”へと進化するキャリアステップ

マーケティングや事業企画で培った分析力や戦略思考を活かし、より全社的な視座を持つ「IR(Investor Relations)」や「経営企画」へとキャリアの幅を広げたいと考える方が増えています。IRや経営企画は、企業の成長戦略を描き、それをステークホルダーに伝え、社内外を巻き込んで実行していく“中枢”的な役割を担うポジションです。本記事では、マーケティング・企画職出身者がIR・経営企画に転職するためのステップ、求められるスキル、実務適応のポイント、志望動機・職務経歴書の記載例まで実践的に解説します。

目次

1. マーケ・企画とIR・経営企画の違い

業務の性質や影響範囲は異なるものの、いずれも「戦略的に物事を考える力」「社内外との調整力」が必要とされるポジションです。

項目マーケティング・事業企画IR・経営企画
主な目的顧客を増やす、売上を伸ばす企業価値を高める、投資家や経営層に説明責任を果たす
業務領域プロモーション、顧客分析、商品・サービス戦略中期経営計画、IR資料作成、経営会議運営、KPIモニタリング
アウトプット施策レポート、ブランド戦略、顧客獲得KPIIR説明資料、業績予測、予実管理、株主対応資料

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2. マーケ出身者がIR・経営企画で活かせる強み

  • ロジカルシンキング(顧客インサイト分析→提案)
  • プレゼン・資料作成スキル(伝わる設計力)
  • 社内調整力(プロジェクト横断での推進力)
  • 数字に基づいた仮説立案と検証経験
  • 定性+定量のバランス感覚

IRでは「投資家にわかりやすく伝える」ことが、経営企画では「計画と実行を設計・支援する」ことが求められます。いずれも“伝える力”は大きな武器です。

3. 転職を成功させるためのステップ

  1. IR・経営企画の基礎知識を習得:決算書の読み方、開示資料の構成、経営計画策定プロセスなど
  2. 業務の接点を棚卸し:過去に関わった全社施策、経営層とのやり取りなどを洗い出す
  3. 数字に強い印象を:売上KPI、費用対効果、PL感覚などを意識した表現に変換
  4. 資料作成スキルを磨く:IRや経営資料を意識したロジカルなスライド設計を訓練
  5. 面接対策:「なぜIR・経営企画か?」「将来どのように経営に関わりたいか?」を語れるように

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4. 求められるスキルと補強ポイント

  • 財務会計知識(B/S、P/L、キャッシュフローの構造)
  • Excel(関数、ピボット、財務モデリング基礎)
  • PowerPoint(経営層に伝わる構成)
  • 英語力(グローバル企業や外資系ではIR英語対応もあり)
  • 経営企画・IR未経験なら「簿記2級」や「IR実務検定(日本IR協議会)」も学習実績として有効

5. 職務経歴書の記載例

氏名:田村 優子
生年:1989年生まれ

■職務要約:
大手消費財メーカーにて、約7年間にわたり商品企画・ブランドマーケティングを担当。売上データ分析や販売計画立案、プロモーション施策の実行に従事。経営方針に基づく中長期施策策定にも携わり、全社横断PJにも参画。事業を深く理解したうえで、より経営に近いポジションで企業価値向上に携わりたく、IR・経営企画へのキャリア転換を希望。

■職務経歴:
株式会社◯◯(2016年4月〜現在)
部署:マーケティング本部 ブランド戦略室
業務内容:
・ブランド別売上分析と需要予測モデル作成(Excel/Python)
・経営層向け事業戦略プレゼン資料作成(PowerPoint)
・商品別収益性分析と販促KPIレポート化
・国内外の販売チャネル別実績モニタリング(BIツール利用)
・全社横断中期ブランド戦略策定プロジェクトに参画(CMO直下)

■保有資格:
・日商簿記2級
・TOEIC 840点
・Excelスペシャリスト認定

■学歴:
上智大学 経済学部 経営学科 卒(2012年3月)

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6. 志望動機の記載例

【志望動機例】

これまでマーケティングやブランド戦略の業務に従事してきましたが、企業の中長期戦略の立案や経営層へのレポーティングを通じて、より経営そのものに関わる業務への関心が強まりました。IRや経営企画は、社内外への説明責任を果たすだけでなく、企業価値向上のための“橋渡し”となる存在であり、私が得意とする「伝える力」や「分析力」を活かせる領域だと感じております。今後は、戦略と実行をつなぐ立場として、貴社の成長と信頼構築に貢献したいと考えています。

7. まとめ

マーケティングや企画職で磨かれたロジカルな分析力や資料作成スキル、調整力は、IR・経営企画でも非常に価値あるスキルです。転職を目指すうえでは、「全社的な視座」や「財務・会計の素養」を補完しながら、自身の強みを再構成して伝えることが重要です。

「伝える」「考える」「動かす」──この3つの力を活かして、企業の未来を設計・支援するポジションへ、次のステップを踏み出してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)