業務コンサルタントとして身につけたロジカルシンキング、データ分析力、仮説検証力は、リサーチ・アナリストの業務においても極めて有効です。リサーチ・アナリストは、業界・企業の動向を調査・分析し、投資判断や経営戦略の材料となる情報を提供するプロフェッショナル。経済動向や財務情報を扱いながらも、論理性と視点の鋭さが求められる職種です。本記事では、業務コンサルタントからリサーチ・アナリストに転職するためのステップと、そのための志望動機・職務経歴書の記載例をご紹介します。
目次
- 1. 業務コンサルタントとリサーチ・アナリストの違い
- 2. 活かせるスキルと経験
- 3. 転職を成功させるステップ
- 4. 求められる知識と補完方法
- 5. 職務経歴書の記載例
- 6. 志望動機の記載例
- 7. まとめ
1. 業務コンサルタントとリサーチ・アナリストの違い
項目 | 業務コンサルタント | リサーチ・アナリスト |
---|---|---|
目的 | 業務改善・クライアント支援 | 投資判断や経営戦略へのインサイト提供 |
分析対象 | 業務プロセス、KPI、業務構造 | 企業財務、産業構造、経済・市場動向 |
成果物 | 提案書、業務要件定義書 | 調査レポート、株価評価、業界分析資料 |
2. 活かせるスキルと経験
- 情報収集・整理・構造化スキル
- Excel、BIツールなどを使った定量分析
- 仮説検証とファクトに基づくストーリーテリング
- 多様な業界に対する理解とリサーチ経験
- 資料作成・プレゼンテーション力
3. 転職を成功させるステップ
- アナリスト業務の特徴を理解する:セルサイド/バイサイドの違い、カバレッジ業界の特徴を学ぶ
- 自らのコンサル経験を分析スキルに変換:リサーチ・レポートの作成経験、定量分析、仮説立案スキルをアピール
- 企業・業界研究のトレーニングを重ねる:IR資料、四季報、統合報告書を読み込む
- 志望動機では“構造的に世の中を捉えたい”意欲を明確に:知的好奇心と分析視点の融合を伝える
4. 求められる知識と補完方法
- 財務三表の理解と分析(B/S, P/L, C/F)
- バリュエーション手法(DCF、マルチプルなど)
- 業界構造分析(5フォース分析、PEST)
- IR資料、四季報、Bloomberg等の活用
- 参考:『証券アナリスト第1次・2次対策本』『投資分析の実務』
5. 職務経歴書の記載例
氏名:佐藤 絵里 生年:1990年生まれ ■職務要約: 業務コンサルタントとして約8年間、業務可視化・業務改善・KPI設計などに従事。業界・企業調査、データ分析、仮説立案に強みを持ち、近年では新規事業評価や競合分析の経験も重ねる。今後は、分析業務を通じて社会や経済の構造を読み解き、戦略意思決定に寄与するリサーチ・アナリストへのキャリア転換を志望。 ■職務経歴: ○○コンサルティング株式会社(2016年4月〜現在) ・小売業:業務改革PJにて競合ベンチマーク分析、KPI再構築 ・製造業:サプライチェーン可視化支援および部門別コスト分析 ・ITサービス業:新規事業立ち上げ支援、マーケット調査レポート作成 ■保有資格: ・証券アナリスト第1次試験合格 ・中小企業診断士 ・TOEIC 890点 ■学歴: 一橋大学 経済学部 卒(2013年3月)
6. 志望動機の記載例
業務コンサルタントとして企業や業界に向き合う中で、変化する社会構造や経済動向をより深く、構造的に理解したいという欲求が強くなりました。今後は、リサーチ・アナリストとして多面的な視点から経済や企業を捉え、投資判断や事業戦略の意思決定を支える立場として成長していきたいと考えています。
7. まとめ
業務コンサルタントとしての分析力と業界理解力は、リサーチ・アナリストとして大いに活かせます。構造的視点と定量分析に強みを持ち、知的探究心を持って企業や経済を深く掘り下げていきたい方にとって、アナリスト職は魅力的なキャリアパスと言えるでしょう。