リサイクルアクリル樹脂で作る新時代の車、ホンダ「SUSTAINA-C」とは

SUSTAINA-Cの概要

コンセプトの背景:EGOとECOの両立

SUSTAINA-C Concept(サステナ・シー コンセプト)は、ホンダが提案する次世代モビリティの姿を示した車両です。その中心的なテーマは、EGO(やりたいこと)とECO(環境対応)の両立です。地球環境への配慮がこれまで以上に注目される中、人々が自由に移動する喜びを失うことなく環境負荷を軽減するという挑戦が込められています。このモデルは、サステナブルな素材や製造技術を活用し、循環型社会を目指した自動車作りの可能性を追求しています。

水平リサイクル可能な耐衝撃性アクリル樹脂とは

SUSTAINA-Cでは、水平リサイクルが可能な「耐衝撃性アクリル樹脂」が採用されています。この新素材は使用済みアクリル樹脂を回収・再加工する技術を活かして開発されました。アクリル樹脂は高い透明性や発色性、耐候性を持ち、従来の塗装工程を省くことでCO2排出量を大幅に削減できるため、環境負荷を大いに低減します。また、この特別な加工により、耐衝撃性も備えており、自動車の安全性を損なうことなくサステナブルな製造を可能にしています。

環境に配慮した次世代の四輪電動モビリティ

SUSTAINA-Cは、環境に配慮した次世代の四輪電動モビリティとして設計されています。塗装不要なアクリル樹脂を活用することで排出されるCO2の削減を実現しつつ、リサイクル可能な素材を多用することで資源の効率的な利用を追求しています。その結果、この車両は「使用し終えた後も次の資源循環に貢献できる」という新しい価値を提案します。また、電動技術によりゼロエミッションを実現し、人と地球に優しい移動手段を提供します。

ジャパンモビリティショー2023での反響

2023年10月に開催されたジャパンモビリティショーで発表されたSUSTAINA-Cは、多くの注目を集めました。特に、限りある資源を活用したサステナブルなコンセプトや、レトロとモダンを融合させたデザインが評価されました。発表イベントではSUSTAINA-Cが持つ技術的先進性と環境に優しい取り組みが称賛され、訪問者はその実物を見て未来的な可能性を感じていました。このショーを通じて、ホンダが提案する「EGOとECOの両立」というテーマは観客の共感を呼び、循環型社会への期待を高めました。

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SUSTAINA-Cの特徴と技術

再利用されたアクリル樹脂の利点

SUSTAINA-C(サステナ・シー コンセプト)は、使用済みアクリル樹脂を回収し、新たな形で再利用する画期的な技術を採用しています。アクリル樹脂は高い発色性と透明性、さらに耐候性を備えており、自動車のボディ素材として非常に優れています。この素材を再利用することで、限りある資源を守りながらも、美しく耐久性のあるデザインを実現しています。また、水平リサイクル可能な技術を取り入れることで、リサイクル後も同じ品質で再利用できる点が大きな利点となっています。

塗装不要なボディ表面技術

塗装不要のボディ表面技術は、SUSTAINA-Cを象徴する特徴の一つです。この技術により、アクリル樹脂の発色性を生かした美しい外観がそのまま仕上がります。従来の自動車製造では、塗装工程が製造におけるCO2排出量の約8割を占めていましたが、塗装を不要にすることで製造過程から大幅なCO2削減を可能にしました。このように地球環境に優しい取り組みを支える技術は、サステナビリティを追求する本田技研工業の姿勢を象徴しています。

使用済み部品の循環システム

SUSTAINA-Cは、車体全体で使用済み部品の循環型利用を徹底しています。アクリル樹脂はもちろん、他の部品においてもリサイクル可能な素材が採用されることで、製造廃棄物の削減と資源の効率利用を実現しています。この循環システムは、自動車製造の新しいモデルとなり得るアプローチであり、限りある資源で社会を維持する未来像へ貢献する重要な要素といえます。

エネルギー効率と性能の両立

環境負荷軽減だけでなく、SUSTAINA-Cは電動モビリティとしての性能も高く評価されています。耐衝撃性を備えたアクリル樹脂が車体軽量化に寄与し、これによりエネルギー効率が向上しています。また、次世代型のバッテリー技術やモーターの組み合わせにより、高い安全性や快適な走行性能を実現。エゴ(やりたいこと)とエコ(環境配慮)の両立をテーマに掲げるSUSTAINA-Cは、内外両面での革新的技術による調和を目指しています。

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デザインとインスピレーション源

レトロとモダンの融合:1980年代ホンダ車との関連性

SUSTAINA-C コンセプトのデザインは、1980年代に登場した初代ホンダ「シティ」を彷彿とさせるどこか懐かしいレトロな要素が取り入れられています。同時に、未来のモビリティを象徴するモダンなデザイン性を融合させることで、新しい価値を生み出しています。このレトロとモダンの組み合わせは、従来のイメージに新たなエッセンスを加え、幅広い世代に訴求する魅力を実現しています。

ユニークな3ドアタイプのボディ形状

SUSTAINA-Cのボディは、3ドアタイプのハッチバック形状を採用しています。このデザインは、利便性とスタイリッシュさを兼ね備えた選択であり、コンパクトカーとしての魅力を最大限に引き出しています。特に、都会での取り回しの良さやファッション性を重視するユーザーに向けた設計となっています。この形状が実現された背景には、ホンダの限りある資源を有効活用しながらも機能性とデザイン性を両立させるという明確な意図があります。

リアウィンドウに搭載された電飾表示

さらにSUSTAINA-C コンセプトの特徴的なデザイン要素の一つが、リアウィンドウに搭載された電飾表示です。この技術は、路上でのコミュニケーションを新たな次元に引き上げるもので、例えば、後続車に対して環境メッセージやモビリティに関する情報を発信することが可能です。この革新的なアイデアは、車両が単なる移動手段であることを超え、環境の未来を共有する一種のプラットフォームとなる可能性を秘めています。

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SUSTAINA-Cが目指す未来

限りある資源の制約から解放される社会

ホンダが開発した「SUSTAINA-C Concept」(サステナ・シー コンセプト)は、自動車産業が抱える重要な課題である資源の有限性に真正面から向き合う新たなモビリティです。このモデルの特徴的なポイントは、使用済みアクリル樹脂を再利用し、新たな自動車部品としてよみがえらせる、循環型の素材活用にあります。限りある資源を効率よく使うことで、持続可能な社会を実現し、次世代のモビリティがどのように地球環境保護の一翼を担うかを具現化しています。

リサイクル技術の新しい可能性

SUSTAINA-Cは、その技術的革新によって、リサイクル技術の可能性をさらに広げています。特に、水平リサイクルが可能な耐衝撃性アクリル樹脂の開発は、リサイクル素材のパフォーマンスを向上させるだけでなく、従来は難しいとされてきた素材循環の効率化をもたらします。この新しい技術は、自動車産業だけでなく、他の産業分野においても持続可能性を推進するきっかけになる可能性を秘めています。ホンダの取り組みは、サステナブルな未来を実現するための一歩として注目されています。

エゴとエコのバランスを実現するモビリティの可能性

SUSTAINA-Cは、「EGO」と「ECO」の両立をコンセプトに掲げています。「EGO」は個々人が持つ楽しみや自由を意味し、「ECO」は地球環境への配慮を指します。この両立は、従来のモビリティデザインに欠けていた視点を補完します。高いデザイン性や性能から得られる喜びを犠牲にすることなく、環境への負荷を軽減することで、車を所有する楽しみと環境保護のどちらも満たす新しい選択肢を提供します。これは、未来のモビリティが向かうべき理想の形ともいえるでしょう。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)