コトラ（広報チーム） 
1. ヤマハとサステナビリティ—その基本方針
1-1. サステナビリティ基本方針とは？
ヤマハは、「感動創造企業」として社会や環境と調和した持続可能な未来を目指しています。その基本方針では、製品やサービスを通じて顧客に喜びや幸福を提供しながら、地球環境の保全と社会への貢献を両立させることを掲げています。特に2050年のカーボンニュートラル実現を目標とし、CO2排出量削減や持続可能な製品開発に取り組むことで、企業としての責任を全うしようとしています。
1-2. ヤマハのブランド理念と「感動創造企業」
ヤマハは「感動創造企業」というブランド理念のもと、単なる製品提供にとどまらない価値の創出を目指しています。楽器やオートバイの製造をはじめ、幅広い製品とサービスを通じて、世界中の人々に感動体験を提供しています。また、「感動」は経済的な価値だけでなく、環境や社会、人々の心にポジティブな影響をもたらすものと考え、サステナビリティを事業の中心に据えています。
1-3. 国際ルールと持続可能性に対するアプローチ
ヤマハは、国際的な持続可能性に関する標準やルールを遵守しつつ、地球規模の課題に対応しています。例えば、国連の「持続可能な開発目標（SDGs）」への貢献を意識した活動を展開することで、企業としての責任を果たしながら、社会にインパクトを与える取り組みを推進しています。また、人権尊重や差別の排除といった倫理的な行動規範を通じて、グローバルに認められる企業であり続けることを目指しています。
1-4. SDGsへの貢献
ヤマハは、国連が提唱するSDGs（持続可能な開発目標）の達成に向けたさまざまな取り組みを行っています。特に木材の持続可能な利用やカーボンニュートラルの達成に向けたエネルギー改革、さらには音楽に関連した社会貢献プロジェクトに注力しています。例えば、新興国での音楽教育普及や「おとの森」という森林保全活動を通じて、地球環境の保全と地域社会の発展に寄与しています。このような活動を通じ、ヤマハは社会的課題の解決に向けて積極的に貢献しています。
2. 持続可能な木材の利用と環境への配慮
2-1. 楽器製造における木材の持続可能性
ヤマハは楽器製造に欠かせない木材の持続可能性を重視しています。特に木材資源の枯渇や環境破壊を防止するため、伐採から調達、製造に至るまで環境に配慮した取り組みを積極的に実施しています。ヤマハの楽器は、ピアノやギターなどの製品において木材を多用しており、その品質維持と環境保護の両立が重要です。そのため、森林管理における国際認証を取得した木材を優先的に利用し、持続可能な調達を推進しています。また、企業として「感動創造企業」を掲げる中で、自然と共生する製品づくりを通じて社会への責任を果たしています。
2-2. 「楽器の木」プロジェクトの意義
楽器製造に関わる木材の持続的利用を支援するため、ヤマハが推進する「楽器の木」プロジェクトは重要な役割を果たしています。この取り組みは、楽器に使用する木材を再生可能な資源として再評価し、その供給源となる森林を守るためにスタートしました。行政や学術機関との連携のもとで森林再生活動を行い、質の高い木の育成を目指しています。また、地域コミュニティとも協力し、森林の保護活動とともに音楽文化の発展にも貢献しています。「楽器の木」プロジェクトは、サステナブルな社会実現に不可欠な森林保全の重要性を広く知らせる活動でもあります。これにより、ヤマハは楽器製造のみならず、地球環境の未来にも貢献しています。
2-3. 環境負荷の軽減に向けた取り組み
ヤマハは楽器製造を通じて環境負荷の軽減を目指したさまざまな取り組みを進めています。具体的には、製造工程で発生する廃材をリサイクルする仕組みを構築し、有効活用を図っています。また、省エネルギー技術や高効率設備の導入により、製造の過程で排出されるCO2の削減を実現しています。さらに、「楽器の木」プロジェクトと連動した植林活動を行うことで、炭素循環をサポートし、カーボンニュートラルの達成にも寄与しています。このような取り組みは、ヤマハの「サステナ」への姿勢を形づくる重要な要素となっており、社会や環境に配慮しながら良質な製品を届けるという理念を体現しています。
3. カーボンニュートラルとヤマハの挑戦
3-1. 2050年カーボンニュートラルへのマイルストーン
ヤマハは、2050年までに事業活動全体をカーボンニュートラルにするという目標を掲げています。このビジョンは、環境計画2050に基づいており、2030年および2035年までに達成すべき中間目標を設定しています。その一環として、エネルギー監視システムの導入、太陽光発電システムの設置、照明のLED化などの施策を積極的に進めています。これらの取り組みは、地球温暖化防止や持続可能な社会の実現に向けた強いコミットメントを示しています。
3-2. CO2排出量削減計画
ヤマハは、CO2排出量削減を重要な課題として捉えています。具体的には、事業活動の効率化や再生可能エネルギーの利用拡大を通じて、スコープ1（直接排出）およびスコープ2（間接排出）において温室効果ガスの削減を目指しています。また、「静岡Greenでんき」のようなCO2フリー電気への切り替えも行い、サステナビリティへの貢献を加速しています。
3-3. “グリーン調達”の実現
サステナビリティを推進する一環として、ヤマハは“グリーン調達”の実現に取り組んでいます。これは、製品の製造に必要な原材料を環境に配慮した方法で調達することを指します。例えば、楽器や製品に使用する木材については、持続可能性が保証された森林からの調達を進めています。このような取り組みは、環境負荷を軽減し、同時に高品質な製品を提供するための重要な基盤となっています。
3-4. サステナブル製品開発の推進
環境への配慮は、製品開発の段階から徹底されています。ヤマハでは、素材の選定から生産プロセス、製品のライフサイクル全体を見直し、環境負荷を最小限に抑える取り組みを進めています。その一例が「サステナブルキーボード」の開発です。この製品では、使用済みペットボトルからリサイクルされたポリエステル繊維を活用し、1台あたり1.1kgのプラスチック削減を実現しました。こうした革新的なアプローチにより、音楽を通じて持続可能な未来を創造しています。
4. 社会的インパクトと“おとの森”プロジェクト
4-1. 社会貢献活動としての「おとの森」
ヤマハは、良質な木材資源を持続的に調達するための取り組みとして、「おとの森」プロジェクトを進めています。この活動では、森林資源の適切な管理と保全を目的とし、行政や学術機関と連携しながら森林の再生に取り組んでいます。楽器製造に不可欠な木材である以上、環境への配慮は欠かせません。このプロジェクトを通じて、地域社会や地球環境と調和した資源利用のかたちを模索しています。このような取り組みが、ヤマハのサステナビリティ基本方針に基づいて進められています。
4-2. 地域コミュニティへの影響
「おとの森」プロジェクトは、森林を守るだけでなく、その恩恵を地域コミュニティにも波及させています。たとえば、この活動を通じた新しい雇用機会の創出や、地域住民向けの環境教育プログラムの提供が行われています。また、行政とも密接に連携しながら、地域社会全体が循環型社会の一翼を担えるように取り組んでいます。こうした地元との強固な協力関係は、ヤマハが目指す「感動創造企業」としての社会的責任を果たす一環と言えるでしょう。
4-3. 音楽文化とサステナビリティの融合
ヤマハの「おとの森」プロジェクトは、単なる環境保全活動にとどまらず、音楽文化の発展という視点でも大きな役割を果たしています。持続可能な木材を活用して製造された楽器は、人々に音楽の喜びを届けるだけでなく、環境にやさしい製品であることを大切にしています。また、新興国での音楽教育支援にも力を注ぎ、木材資源を適切に利用することで、地球環境の保全と音楽文化の継続的な発展を両立しています。このように、サステナブルな視点が音楽文化の世界にも融合されている点が特徴的です。
4-4. 持続可能な未来への展望
ヤマハは、環境、社会、経済のバランスを保ちながら、持続可能な未来を目指しています。「おとの森」プロジェクトを通じて、高品質な楽器製品を生み出すだけでなく、環境負荷の低減や自然との共生も実現しています。これからも、森林資源の保全やカーボンニュートラルの取り組みをさらに推進し、「感動創造企業」として持続可能性のある未来をリードする存在であり続けることでしょう。
5. ヤマハのビジョンと企業としての責任
5-1. 未財務価値の創造
ヤマハは、「感動創造企業」として財務価値にとどまらず、未財務価値の創造を目指しています。この未財務価値は、多様な社会課題の解決や地球環境との調和を重視することで生まれる信頼やブランド価値、多様性の尊重などを指します。例えば、音楽教育を通じた文化の普及や、「おとの森」活動による森林保全といった取り組みが、社会的影響を生むと同時に、環境への配慮を可能にします。持続可能な社会の実現に向け、ヤマハは製品やサービスを通じて、人々に喜びや感動を提供しつつ、社会貢献を進めています。
5-2. 従業員とともに創るサステナブルな未来
ヤマハは、従業員一人ひとりがサステナビリティの実現に向けた主体であると考えています。そのため、働きがいのある職場環境を提供し、従業員が自身のスキルやアイデアを活かせる仕組み作りに力を注いでいます。たとえば、サステナビリティに関する社内研修や教育プログラムを通じて、グローバル規模での意識向上を図っています。また、環境や社会問題に配慮した製品開発や業務の推進にも、従業員が積極的に貢献できる体制を構築しています。従業員一丸となり、ヤマハはより良い未来に向けた活動を展開しています。
5-3. 持続可能性を経営戦略に統合する
現代の企業にとって、持続可能性は経営戦略の中心に位置する重要な要素です。ヤマハは、サステナビリティ基本方針を企業理念と一致させることで、事業活動全般に持続可能性の視点を組み込んでいます。これには、2050年カーボンニュートラルの達成や、気候変動への対応としてのCO2排出削減計画が含まれます。また、グリーン調達の推進や資源効率を高めた製品設計もその一環です。経営戦略に持続可能性を統合することで、地球環境との調和を図りつつ、長期的な事業成長を目指しています。