コトラ（広報チーム） 
日本製鉄のサステナビリティビジョン
企業の使命としての環境経営
日本製鉄は、企業活動を通じて地球環境を守ることを「使命」として掲げています。環境基本方針のもと、事業のすべての段階で環境負荷を低減し、持続可能な社会の構築に貢献することを目指しています。特に、鉄鋼業界において可循環性が高い鉄を活用しつつ、資源効率を最大化する取り組みを進めています。また、国内外のグループ会社で環境マネジメント体制を構築し、PDCAサイクルを導入することで、環境リスクの低減に努めています。
統合報告書を通じた透明性の確保
日本製鉄は、透明性を重視した情報公開を推進しており、統合報告書やサステナビリティレポートを通じて事業活動の詳細を開示しています。同社は1998年に業界で初めて「環境報告書」を発行して以降、一貫して気候変動対策や環境保全の取り組みを発信してきました。最新の2023年度版サステナビリティレポートには、財務および非財務情報を統合的に整理したハイライトや、研究開発情報の充実が図られています。このような取り組みは、ステークホルダーとの信頼関係を深める一助となっています。
社会貢献と地域との共生への取り組み
日本製鉄は、その事業を通じて地域社会との共生と地域貢献に取り組んでいます。国内外での雇用創出やインフラ整備だけでなく、災害に強いノンフレーム工法を提供することで社会的課題の解決にも寄与しています。また、転炉スラグを肥料として提供することで農業生産性の向上支援を行うなど、多方面での地域連携を強化しています。こうした活動を通じて、持続可能な社会づくりと地域の発展に寄与する姿勢を明確に示しています。
持続可能な開発目標（SDGs）への取り組みと成果
日本製鉄は、持続可能な開発目標（SDGs）の達成に向けた取り組みを積極的に進めています。最大の挑戦テーマである気候変動問題に対する対策として、「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」を掲げ、2050年までのカーボンニュートラル達成と、2030年までにCO2排出量を2013年比で30%削減する目標を設定しています。同時に、高い耐食性を持つ素材を海水淡水化プラントへ提供するなど、さまざまな環境技術や製品の開発を通じて、持続可能な社会の構築へ大きく貢献しています。
鉄鋼業界の革新技術でCO2排出量を削減
カーボンニュートラルの実現に向けた新技術
日本製鉄は2050年までにカーボンニュートラルを実現する目標を掲げ、「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」を推進しています。このビジョンの中心的な取り組みとして、超革新的技術である「水素還元製鉄技術」の開発に注力しています。これは、鉄鉱石から酸素を除去する際の還元剤として従来の石炭ではなく水素を利用する技術です。この方法により、鉄鋼生産に伴う二酸化炭素の排出を大幅に削減することが可能になり、環境への負荷軽減に大きな貢献をしています。この革新は、日本製鉄がサステナビリティ重視の環境経営を実現する上での重要な基盤となっています。
NSCarbolex：環境負荷を軽減する革新的な製品
日本製鉄が開発した「NSCarbolex」は、環境負荷を低減するために設計された革新的な鉄鋼製品です。この製品は、高性能でありながら、製造・利用両面でCO2排出量を削減する設計が特徴です。例えば、自動車製造や建設などの幅広い分野で使用され、軽量化により使用時のエネルギー効率を向上させる効果があります。また、NSCarbolexの生産工程では、環境保全を重視した最先端の技術を活用しています。このような優れた特性により、同製品は持続可能な社会に向けた鉄鋼業界の革新における象徴的な存在となっています。
水素社会に向けた先進素材とその活用
日本製鉄は、水素社会の実現に向けた素材開発にも力を入れています。特に、水素を効率的に貯蔵・運搬できる特殊素材や、水素燃料電池に使用される高性能材料の開発に注力しています。これらの先進素材は、水素をエネルギー源として活用する際の効率性を飛躍的に高めることを目指しており、カーボンニュートラル社会の実現を支える重要な要素となっています。さらに、日本製鉄はこれらの素材の実用化を促進するため、国内外のパートナー企業と連携し、持続可能な社会への一翼を担っています。
リサイクル技術の導入による資源効率化
鉄はその高いリサイクル性により、サステナブルな素材として注目されています。日本製鉄はこの特性を活かし、革新的なリサイクル技術を導入して資源効率化を進めています。特に、製造過程で発生する副産物や廃棄鉄鋼材料を有効に再利用することで、原材料の使用量削減に努めています。また、高炉スラグを始めとする副産物を建設資材やセメントの原料として活用する取り組みも推進しており、鉄鋼業として持続可能な生産循環を構築しています。これにより、日本製鉄は資源の有効活用と環境負荷の低減を両立し、鉄鋼業界のリーダーとしてサステナビリティ実現に貢献しています。
サステナビリティを支える生産・物流システム
副生ガスを活かしたエネルギー効率の向上
日本製鉄では、鉄鋼生産過程で発生する副生ガスを活用し、エネルギー効率の向上を図っています。この副生ガスは、製鉄所内で発電に再利用されるほか、プロセス全体のエネルギー循環の向上にも寄与しています。これにより、エネルギーの有効利用が進み、環境負荷を大幅に軽減することができます。このような取り組みは「環境経営」を使命とする日本製鉄の哲学に深く根付いており、サステナブルな生産システムの実現を支えています。
高炉スラグの循環利用とセメント生産への寄与
鉄鋼生産の副産物として発生する高炉スラグは、循環型社会の構築に重要な役割を果たしています。日本製鉄では、この高炉スラグをセメント原料として積極的に再利用することで、天然資源の消費を削減しつつ、環境負荷の低減を実現しています。また、セメント分野での利用促進を通じて産業全体の資源効率向上にも貢献しています。高炉スラグは耐久性に優れた優良な素材であり、これを活用した製品は持続可能なインフラの発展に役立っています。
サプライチェーン全体でのエコロジー推進
日本製鉄は、製造工程だけでなくサプライチェーン全体での環境負荷低減にも取り組んでいます。原材料の調達から製品の流通、さらにはリサイクルまでを含めたプロセス全体でエコロジーを推進し、持続可能なサプライチェーンの実現を目指しています。このような全体最適の取り組みにより、鉄鋼業界全体としてもさらなる効率化と環境保全が可能となります。これも「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」の重要な柱のひとつと位置づけられています。
CO2削減と生産効率強化への戦略的投資
日本製鉄はCO2削減と生産効率強化を両立させるため、戦略的な設備投資を行っています。具体的には、エネルギー効率の高い生産設備の導入やプロセスの改良を通じて、カーボンフットプリントの削減を実現しています。また、新たな技術開発に向けた研究投資も積極的に進めており、水素還元製鉄技術の実現など、未来に向けた脱炭素社会の構築を加速させています。これらの取り組みは「持続可能な社会の実現」の一翼を担うものとされています。
未来を見据えた日本製鉄の持続可能な事業展開
脱炭素社会への挑戦と長期目標
日本製鉄は、2050年までにカーボンニュートラルを実現する「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」を掲げ、脱炭素社会の構築に向けた挑戦を続けています。この長期目標を達成するため、同社は2030年までにCO2排出量を2013年比で30%削減するという具体的な目標を設定しています。これを可能にするためには、水素還元製鉄技術などの超革新的技術開発が鍵となっており、同時に環境負荷の低減を企業全体で推進しています。日本製鉄のこうした挑戦は、持続可能な未来への道を切り開くものです。
気候変動対策への国内外パートナーシップの構築
地球規模での気候変動への対応には、国内外での広範な協力が欠かせません。日本製鉄は国内外のグループ会社を通じて環境マネジメント体制を整備し、PDCAサイクルを回しながら環境リスクを低減する活動を行っています。また、他の鉄鋼業界企業や研究機関、政府機関と協力し、社会全体での気候変動対策を推進しています。これにより、日本製鉄は業界をリードする存在として、より持続可能な社会の実現に貢献しています。
若い世代へ向けた環境教育の推進
持続可能な社会を構築するには、次世代を担う若者への教育が重要です。日本製鉄は、若い世代に向けた環境教育の推進にも力を入れています。例えば、学校や地域社会と連携して、環境問題に関するワークショップや見学会を実施し、鉄鋼業界のサステナブルな取り組みについて学ぶ機会を提供しています。こうした活動は、単に知識を広げるだけでなく、次世代に環境保全の意識を根付かせる役割も果たしています。
サステナビリティ文化の企業内部への浸透
サステナビリティに配慮した事業運営を実現するためには、企業全体でその価値観を共有することが重要です。日本製鉄では、環境経営を企業の使命と捉え、社員全員が一体となって取り組めるよう、内部での教育や研修プログラムを積極的に展開しています。また、環境報告書やサステナビリティレポートを通じて透明性を高めることで、社員が企業の環境戦略を深く理解し、それに沿った行動を促す仕組みを構築しています。これにより、サステナビリティ文化が企業内に浸透し、持続可能な未来への貢献をさらに強化しています。