コトラ（広報チーム） 
女性役員30％達成の背景と目標
地方銀行における女性活躍の現状
地方銀行における女性の活躍は近年注目を集めていますが、依然として管理職や役員クラスの比率は全国的に低い水準に留まる傾向がありました。その中で山陰合同銀行（通称: ごうぎん）は、地方銀行として革新的な取り組みを行い、女性役員比率の向上を進めてきました。特に2023年6月の時点で取締役13人中4人が女性で、その比率30％超を実現したことは、全国の地方銀行を牽引する大きな成果といえます。このような結果は、単に数字を達成することにとどまらず、地方銀行業界全体における女性活躍のモデルケースとして注目されています。
政府目標との連携：女性役員比率30％の意義
政府は長年、女性の社会進出を支援するための政策を打ち出し、役員における女性比率30％を一つの目標として掲げてきました。この目標は、ジェンダー平等の実現や組織の多様性向上を推進するための指針とされています。ごうぎんが地方銀行の中でこの目標を達成した意義は非常に大きく、ただ政府の基準を満たしただけではなく、多角的な視点を取り入れた意思決定プロセスの強化を通じて、地域経済への貢献や企業価値の向上を目指しています。また、この動きは他の地方銀行にもインスピレーションを与え、業界全体での女性役員登用の取り組みを後押ししていくと期待されています。
山陰合同銀行が掲げたダイバーシティ推進計画
山陰合同銀行は、組織の多様性を重視し、ダイバーシティ推進計画を重要な経営戦略の一環として掲げてきました。この計画の中で、女性の役員登用を含むジェンダーバランスの向上は特に重点的な目標とされています。同銀行はリーダーシップ研修やキャリアパスの整備といった社内教育に力を入れるだけでなく、柔軟な働き方を整備し、女性が長期的にキャリアを積むことができる職場環境を整えてきました。こうした取り組みの成果が、1987年入行の吉岡佐和子氏を初の女性代表取締役に選任するという重要な人事にも結実しており、その背景には約36年にわたる地道な計画遂行がありました。
女性役員登用のための取り組み
リーダーシップ研修と女性社員の育成
山陰合同銀行（ごうぎん）は、女性役員比率30％を達成するため、リーダーシップ研修や女性社員の育成に力を入れてきました。特に、入行後の早い段階でのキャリア形成を支援するためのプログラムが充実しており、多様な業務経験を積む機会が与えられています。この取り組みにより、女性社員が早期から管理職を目指しやすい環境が整備されました。また、メンター制度を導入し、多様なキャリアパスを歩む先輩社員との交流を促進することで、自信とスキルを育む取り組みも行っています。
支店長から役員へのキャリアパス構築
ごうぎんでは、女性役員を輩出する基盤として、支店長経験を女性社員のキャリアパスに位置づけています。支店長職は組織運営や意思決定能力を鍛える重要なポジションであり、これを経て役員にステップアップする流れを作っています。実際、全国的にも稀な女性支店長を数多く輩出しており、これが役員の登用につながっています。能力や実績を正当に評価する仕組みが整備されていることで、性別を問わず、意欲のある社員が挑戦しやすい体制が構築されています。
生え抜き女性管理職の誕生とその影響
山陰合同銀行は、生え抜きの女性管理職を多数輩出しており、その中でも特筆すべきは、2024年に予定されている吉岡佐和子氏の新代表取締役専務就任です。吉岡氏は1987年の入行以来、36年にわたり銀行業務に従事し、柔軟なリーダーシップを発揮してきました。このような生え抜き女性の登用は、後輩女性社員に目指すべきロールモデルを提示するだけでなく、多様な視点を経営に取り入れるという価値をもたらしました。この動きは、地方銀行という枠を超え、金融業界全体にも良い影響を波及させています。
達成を支えた変革と組織改革
評価制度の見直しとその改革成果
山陰合同銀行（通称：ごうぎん）が女性役員比率30％を達成できた背景の一つには、評価制度の見直しが挙げられます。従来、地方銀行では勤務年数や役職歴が重視される傾向にありましたが、ごうぎんでは多様な人材が公平に活躍できる制度改革に着手しました。具体的には、成果主義を徹底するだけでなく、個々のリーダーシップや組織への貢献度といった定性的な評価項目を新たに導入しました。\
この取り組みにより、女性社員が自身のスキルや成果を公正に評価される環境が整い、管理職や役員に登用されるケースが着実に増加しています。特に、生え抜きの女性管理職が自身のキャリアパスを切り開く姿は、組織全体にポジティブな影響を与え、女性社員のモチベーション向上にもつながっています。
柔軟な働き方と女性社員の両立支援
ごうぎんは、女性社員がキャリアと家庭を両立しつつ活躍できる職場環境の構築にも注力しました。例えば、育児や介護など、ライフステージに応じた柔軟な働き方を支援するため、テレワークの導入や短時間勤務制度の拡充を実現しています。また、勤務時間帯の柔軟化や、キャリア継続支援を目的とした育児休暇後のフォローアップ研修なども実施されています。\
これらの取り組みにより、女性社員が長期にわたり安心して働ける職場環境が整い、特に中堅以上の女性リーダーが継続してキャリアを積み上げることを可能にしました。この成果は、女性役員の登用に向けた基盤強化にも大いに寄与しています。
外部人材の活用と新たな視点の導入
さらに、ごうぎんでは外部人材の積極的な活用によって、組織に新たな視点や価値観を取り入れる取り組みも行われました。2023年の役員人事では外国人取締役が初めて選任されるなど、多様性を重視した人材登用が行われています。このような外部人材の採用により、組織内に新たな視野や経験がもたらされ、従来の慣例にとらわれない柔軟な経営判断が進む結果となっています。\
特に、女性役員の登用においても、社外からのベストプラクティスや成功事例を参考にすることで、制度や方針の改善が迅速に進められました。山陰合同銀行が進めるダイバーシティ推進の中核には、こうした内部だけでなく外部からの視点の導入があるのです。
達成後の展望と課題
さらなる女性比率向上に向けた課題
山陰合同銀行（ごうぎん）が女性役員比率30％を達成したことは大きな成果ですが、次なる課題として、さらに女性比率を高めていくことが求められます。政府が掲げる女性活躍推進の目標を達成したとしても、現状では役員層の多くがまだ男性中心である場合が多く、女性のリーダーシップをさらに拡大していく必要があります。また、役員だけでなく、管理職や中間層における女性比率向上も長期的な課題として挙げられるでしょう。特に地方銀行という地域密着型の組織では、地域の価値観や文化の中で女性活躍の理解を深める取り組みが重要です。
山陰合同銀行が目指す次世代経営のビジョン
山陰合同銀行は、女性役員の登用を皮切りに、次世代を担う経営のビジョンを明確化しています。同行は、人材の多様性（ダイバーシティ）を経営の重要要素と捉え、さまざまな視点を持つリーダーたちが企業価値を高める取り組みを進めています。特に今回、生え抜きの女性代表取締役の誕生は、地域経済の発展と女性の社会進出促進のロールモデルとなるでしょう。また、外部人材の登用や若手育成を通した新しい経営スタイルを追求し、時代の変化に即した地域金融機関を目指しています。
業界全体への波及効果と他行への期待
山陰合同銀行による女性役員比率30％達成は、地方銀行業界全体においても重要なモデルケースとなっています。他の金融機関も、この成果に刺激を受け、女性活躍推進の取り組みが一段と加速すると期待されています。特に地方銀行のように、地域色が強い職場では、山陰合同銀行の成果が各地の文化や構造に応じたダイバーシティのヒントを提供するでしょう。また、政府目標を超える女性活躍への取り組みを示した意義は、業界全体としても前進を促す大きな力となります。