女性役員のパイオニア、第一三共の挑戦と未来

第一三共における女性活躍の歴史

修士卒女性第一号からの歩み

第一三共では、1992年に旧三共株式会社に修士課程を修了した女性第一号として上代才(かじろとし)さんが入社したことが転機となりました。当時は女性の社会進出が遅れており、企業内でも女性が活躍する環境は十分に整備されていませんでした。それにも関わらず、上代さんは低分子医薬品の分析評価研究を中心に業務を行い、ドイツのグループ会社やメガファーマとの協働等、国際的なプロジェクトにも関与するなど幅広いキャリアを積みました。

その後、上代さんはバイオ医薬品分野のグループ長として昇進し、がん治療薬の承認取得に関する重要なプロジェクトにも携わりました。このような取り組みが評価され、彼女は2022年4月に第一三共の執行役員および製薬技術のグローバルヘッドに就任しました。女性修士卒第一号としての挑戦と成果は、同社における女性活躍の歴史を象徴する存在となっています。

女性役員の登用とその背景

第一三共では、女性役員の登用を積極的に推進しており、2024年度のデータでは役員15名中4名が女性で、女性比率は26.6%を占めています。これは、製薬業界においても比較的高い水準であり、女性活躍推進に注力する同社の方針を反映しています。

この背景には、同社が掲げるダイバーシティの重要性に加え、女性リーダーが果たす役割が組織の成長とイノベーションに大きく貢献するという認識があります。例えば、上野司津子常務執行役員はジャパンビジネスユニット長およびメディカルアフェアーズ本部長として、製薬業界におけるリーダー像を具現化しており、他の女性役員たちも多岐にわたるポストで活躍しています。

企業理念とダイバーシティ推進

第一三共は、ダイバーシティを企業価値の向上に寄与する重要な柱と捉えています。同社の企業理念には「健康で豊かな生活の実現を目指す」という目標が掲げられており、その実現に向けて多様な人材の活用を推進しています。具体的には、女性リーダーの登用や女性役員の積極的な人事だけでなく、育児支援やテレワーク制度といった働きやすい環境の整備にも注力しています。

また、社内では女性マネジメント職ネットワーク「SWAN」を設立し、横のつながりを活用した情報共有やキャリアアップの支援を行っています。このような施策を通じて、第一三共は女性が安心して成果を出せる職場環境の構築を進めています。

過去から現在までの女性管理職比率の推移

過去に比べ、第一三共における女性管理職比率は着実に向上しています。特に2000年代以降、女性活躍推進計画を策定し、女性管理職の人数増加を目指して具体的な目標を掲げてきました。その成果として、女性管理職比率は年々上昇しており、現在では大企業として高い水準を維持しています。

さらに、同社の女性リーダーたちは「役割に応じた成果」に対する厳正な評価制度の下でその地位を築いており、一人ひとりが貢献することで女性管理職登用の実績が継続的に積み上げられています。これにより、第一三共は女性役員およびリーダー候補の成長を可能にする「環境」と「土壌」の両面を強化しています。

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現在の第一三共における女性リーダーたち

上野司津子常務執行役員のリーダーシップ

第一三共の常務執行役員である上野司津子氏は、その卓越したリーダーシップで企業の発展を支えています。上野氏は現在、ジャパンビジネスユニット長およびメディカルアフェアーズ本部長を兼務し、第一三共の国内市場における戦略計画と医薬ビジネス推進を担っています。彼女のリーダーシップの特徴は、柔軟な発想と実行力にあります。特に多様性を重視したアプローチを取り入れることで、組織全体の成長と調和を促進しています。

上野氏の存在は、第一三共の女性役員比率向上の象徴的な成果でもあります。同社では女性活躍推進に注力しており、彼女のリーダーシップはその取り組みの核となっています。これにより、女性も多くのチャンスを得る環境が整えられ、組織全体の競争力強化が図られています。

コロナワクチン開発プロジェクトに携わった女性たち

第一三共が進めるコロナワクチン開発プロジェクトには、多くの女性研究者やリーダーが携わっています。このプロジェクトは、急速な社会的変化に対応し、新たな価値を提供することを目指したものであり、多様な分野の専門家が集結しています。その中でも、女性研究者たちは専門知識を活かしながら、柔軟性と団結力を発揮しています。

具体的には、分子設計や製剤技術、さらには製薬プロセスの研究開発を担当するチームにおいて、女性研究者たちが重要な役割を果たしました。彼女たちの努力と革新的なアイデアは、早期実現が求められるワクチンの開発において不可欠だったといえます。こうした活躍は、第一三共における女性活躍推進の実績としても語り継がれるべきものです。

多様な部署で活躍する女性の声

第一三共では、研究開発部門、営業部門、管理部門など、さまざまな部署で多くの女性が活躍しています。実際に現場で働く女性たちの声からは、「キャリアアップのチャンスが広がった」といった前向きな意見が多く聞かれます。また、「育児支援制度やテレワーク環境が整っており、ライフステージに合わせた働き方ができる」という点も高く評価されています。

さらに、女性リーダーたちが自らの経験をシェアする機会を設けるなどの取り組みも行われており、これにより若手層のキャリア形成をサポートしています。これらの活動は、第一三共が企業として誇るダイバーシティの一環であり、男女問わず誰もが自らの能力を最大限発揮できる環境の実現を目指していることを示しています。

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企業内での女性活躍推進の取り組み

第一三共の女性登用自主行動計画

第一三共は、女性活躍推進に特化した自主行動計画を策定し、その実現に向けた取り組みを着実に進めています。同社の行動計画は、「多様性を尊重し、それを企業の成長に結びつける」という理念を基盤に、女性マネジメント層の拡大を重要な目標として掲げています。具体的には、女性役員比率の向上やメンター制度の導入、さらにはリーダー育成のための専門プログラムも進められています。この計画の下で、2024年度時点で女性役員比率は26.6%と、大きな成果をあげています。

働きやすさを追求した制度と環境

第一三共は、女性が働きやすい環境を作るために、多岐にわたる制度を導入しています。テレワーク制度を推進し、多様なライフスタイルに対応可能な働き方を実現しました。また、育児支援策として育児休業の取得促進や復職支援プログラムの充実を図っています。働きやすさへの取り組みとしては、女性向けネットワーク「SWAN」があり、キャリア形成や交流を支援する取り組みが進められています。これらの施策が、企業全体の生産性向上と女性活躍の加速に貢献しています。

取締役自らが推進する女性活躍支援の現実

第一三共における女性活躍の推進は、経営陣が積極的に関与していることが特徴です。代表取締役をはじめとした取締役自らが多様性確保の重要性を社内外にメッセージとして発信しており、特にダイバーシティ推進が企業の成長戦略であることを明確に示しています。同時に、執行役員には上野司津子常務執行役員をはじめとする女性リーダーが登用され、具体的な成果を示しながら活動しています。このような経営トップからの取り組み姿勢が、全社的な理解と実行力につながっています。

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第一三共が見据える未来と課題

さらなる女性役員の増加を目指して

第一三共では、役員構成における女性比率を高め、多様性を推進することを重要視しています。2024年度時点で役員全体の26.6%が女性であることは、製薬業界の中でも注目すべき成果です。しかし、さらなる女性役員の増加を目指して課題解決に取り組む姿勢を強化しています。

女性役員数を拡大するため、第一三共では継続的なキャリア開発と人材育成プログラムを実施しています。具体的には、女性社員のリーダーシップ向上を支援する社内ネットワーク「SWAN」の運営や、育児や介護を支援する働きやすい環境の提供に注力しています。これにより、女性が自身のスキルや能力を最大限に発揮できる場を広げています。また、上野司津子常務執行役員のような先駆的リーダーの存在が、道標として他の女性社員を励ましています。

ダイバーシティが企業成長に与える影響

第一三共におけるダイバーシティの推進は、企業成長に大きく貢献しています。多様な視点や価値観を持つ人材の活用は、新たなイノベーションを生み出し、特に製薬業界におけるグローバル競争において重要な強みとなっています。同社では、ダイバーシティを経営戦略の中核に位置付けており、組織全体で多様性を取り巻く環境整備を進めています。

例えば、上代才さんのように、ドイツのグループ会社とのコラボレーションや国際的なプロジェクトを経験した社員が役員に就任することで、異文化理解や柔軟な発想が社内外で発揮されています。さらに、女性が担うポジションの拡大は、労働力の質と量を最適に活用し、企業競争力をさらに向上させる可能性を秘めています。

グローバルリーダーとしての課題とビジョン

現在、第一三共はグローバルリーダー企業を目指し、世界市場での存在感を高めていますが、その過程ではいくつかの課題も浮上しています。その中でも、性別や文化、背景の違いを超えてチームをまとめるリーダーシップの育成が一つの鍵となっています。

この点で、女性役員のさらなる登用がグローバル展開を進化させる重要な要素とされています。女性ならではの視点やリーダーシップスタイルが、国際的な市場や多文化的環境での柔軟な対応力を生む可能性があります。また、コロナワクチン開発プロジェクトで活躍した女性リーダーたちの成果は、第一三共が女性の役員や管理職登用によって得られるグローバルな競争力を証明しています。

第一三共は、こうした成功例を土台に、国際的なリーダーとして多様な課題を克服しつつ、ダイバーシティを活用して持続的な成長を進めるビジョンを描いています。今後、さらなるグローバルな課題に挑む中で、一貫した企業理念を掲げながら、ダイバーシティを武器に新しい未来を切り開いていく姿勢を示しています。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)

金融、コンサルのハイクラス層、経営幹部・エグゼクティブ転職支援のコトラ。簡単無料登録で、各業界を熟知したキャリアコンサルタントが非公開求人など多数のハイクラス求人からあなたの最新のポジションを紹介します。