コトラ（広報チーム） 
志望動機の「書き出し」が重要な理由
人事が履歴書でまず目にするポイント
履歴書における志望動機の「書き出し」は、人事担当者が最初に目にする重要な箇所です。履歴書全体を通じて最初の数行が特に注目されるため、書き出し部分に工夫がないと、応募者がどれだけ良いスキルや経験を持っていても深く興味を持ってもらえる機会を逃してしまう可能性があります。履歴書を読む人事担当者は多忙なため、書き出し部分がわかりやすく、かつ魅力的であることで、その後の内容をしっかりと読んでもらえるようになるのです。
第一印象を左右する冒頭の役割
志望動機の冒頭部分は、履歴書全体に与える第一印象を決定づける重要な役割を果たします。読み手である人事担当者に「この人と面接で話してみたい」と思わせる文章であることで、選考を突破するチャンスが広がります。このため、曖昧で抽象的な文章ではなく、具体性を持たせ、企業に対する熱意や関心を的確に伝えることが求められます。また、「なぜこの企業なのか」という理由を端的に述べることで、読み手の興味を引き、好印象を与えることができます。
他の応募者との差別化を図る書き方
志望動機の書き出しは、他の応募者との差別化を図るための大切なチャンスです。多くの応募者が似たような表現を使ってしまう中で、独自性を持たせた書き方を工夫することにより、人事担当者の記憶に残る可能性が高まります。例えば、自身が体験した具体的なエピソードや企業研究を通じて得た情報を積極的に取り入れることで、オリジナルな内容を盛り込むことが可能です。このように、自分ならではの視点や経験を反映させ、企業とのマッチ度を強調する書き出しを作成することを心がけましょう。
効果的な「書き出し」の基本3ステップ
企業研究を活かした冒頭の工夫
志望動機の書き出しにおいて、まず重要なのは応募企業に対する理解を示すことです。企業研究をしっかりと行い、その会社の経営理念や強み、差別化ポイントを明確に把握したうえで書き始めましょう。例えば、「御社の〇〇というサービスに共感し、私自身も挑戦したいと感じました」といった具体的な内容を盛り込むことで、企業に対する本気度や興味を伝えることができます。このように企業研究を反映させた冒頭は、履歴書を目にした人事担当者に好印象を与えます。
自分の強みや適性の明確なアピール
志望動機の中盤では、自己アピールを効果的に盛り込むことがポイントです。履歴書では、特に自分の強みや応募企業に合致するスキルを具体的に示しましょう。たとえば、「これまで〇〇業界で培った△△の経験を活かしながら、貴社が進める〇〇プロジェクトに貢献したいと考えています」といった形で、自身の適性が応募企業のニーズにマッチしていることを伝えることが大切です。これにより、書き手であるあなたが企業にとって有益な人材だという印象を与えることができます。
具体的な数値や実績を用いた説得力
志望動機をさらに説得力のあるものにするためには、具体的な数値や実績を記載することが効果的です。「前職では新規顧客獲得数が前年比150％を達成しました」や「〇〇プロジェクトで5名のリーダーとして業務効率化に取り組み、2ヵ月で成果を出しました」といった実績を盛り込むことで、人事担当者にあなたの能力を具体的にイメージしてもらえます。このような具体性のある内容は、人事の目に留まりやすく、他の応募者との差別化にもつながります。
好印象を与える書き出しテクニックベスト5
1. 企業の魅力や共感ポイントを先に述べる
志望動機の書き出しで企業の魅力に触れることで、「この応募者は当社についてしっかりと理解し、共感している」という印象を人事に与えることができます。たとえば、企業の理念や取り組んでいるプロジェクトに対する共感を述べることで、熱意を伝えられるでしょう。具体的には、「御社の○○という理念に共感し、私もその目標を共に実現したいと思いました」といった形が有効です。履歴書の中でまず最初に企業研究を反映させることで、他の応募者との差別化を図ることができます。
2. 自分のスキルや経験を端的に語る
書き出し部分で自分の持つスキルやこれまでの経験を簡潔に述べることも、人事担当者に興味を持たせるポイントです。「私はこれまで○○業界で○○の経験を活かし、多くの成果を上げてきました」といった具合に、自分の強みを明確に伝えましょう。初めに強みを提示することで、応募者としての価値を一目で理解してもらいやすくなります。
3. 実績を絡めた具体的なエピソードを活用
具体的なエピソードや実績をもとに書き出すと、説得力が大幅に向上します。たとえば、「前職で新規顧客300社を獲得した経験を持ち、貴社の営業戦略にも貢献できると考えております」といった形で実績を数値化して伝えることで、人事担当者がスキルをイメージしやすくなります。志望動機は抽象的ではなく、具体性が求められる項目であるため、可能であれば実績データを効果的に用いましょう。
4. 応募理由と企業の未来ビジョンを結びつける
志望動機の書き出しでは、応募理由を企業の将来展望とリンクさせて記述することで、企業への共感や具体的な貢献意欲をアピールできます。たとえば、「御社が掲げる○○計画を拝見し、自身の経験を活かして課題解決に貢献したいと考えました」といった表現が好印象を与えられます。また、企業の成長ビジョンを理解していることを示すことで、自分がその企業で活躍する姿を具体的に示すことができます。
5. 簡潔で明るい文章で読み手を引き込む
書き出し部分を簡潔にまとめつつ、ポジティブな印象を与える文章作成を心がけましょう。たとえば、「御社の新規事業に大いに興味を持ち、私の○○のスキルを活かしたいと思い応募いたしました」といった文は明快で前向きな印象を与えます。過度に長い説明や堅苦しい表現を避け、読みやすさに配慮することがポイントです。人事担当者が一読して次を読みたくなる内容を目指しましょう。
避けるべきNGな書き出しと改善例
曖昧で漠然とした内容の例
志望動機の書き出しで、具体性の無い漠然とした内容を記載すると、人事に良い印象を与えにくくなります。例えば、「貴社の業界に興味があり応募しました」「以前から貴社の取り組みに魅力を感じていました」といった表現は、理由が抽象的であり独自性が感じられません。履歴書において、このような内容では「他社でも使い回しているのではないか」と疑念を抱かれる可能性があります。
使いまわし感のあるテンプレ表現
「リーダーシップを活かした仕事をしたい」「幅広く活躍できる環境に惹かれました」など、どの企業でも使用できるようなテンプレート的なフレーズは避けましょう。人事は多くの履歴書と志望動機を目にするため、このような曖昧な書き出しでは、他の応募者との差別化が難しくなります。志望動機欄では、その企業特有の魅力や具体的な共感理由を入れることで、オリジナリティを伝えることが大切です。
感情論のみに偏った文章のリスク
「どうしても御社で働きたいと心から思いました」「この仕事に情熱を注いでいます」といった感情を前面に押し出した書き出しも注意が必要です。情熱や意気込みを伝えること自体は大事ですが、それだけでは説得力に欠けてしまいます。人事は具体的な応募理由や入社後にどんな貢献ができるのかを知りたがっていますので、感情以外の要素も組み込んだ書き方を心がけましょう。
NG表現を魅力的で具体的に改善する方法
曖昧な書き方やテンプレ表現を改善するには、具体性と独自性を意識しましょう。例えば、「貴社の業界に興味があります」を改善する場合、「貴社が〇〇事業において国内トップシェアを持ち、それを支える△△という取り組みに興味を持ちました」と書くことで具体性が増します。また、感情論に偏った表現については、「御社の〇〇事業が□□という社会課題解決に貢献している点に共感し、自分の◇◇の経験を活かしたいと考えました」といった具合に、自身の経験やスキルと企業のニーズを結びつける書き方を取り入れましょう。