コトラ（広報チーム） 
履歴書の特記事項とは？その役割を理解しよう
特記事項欄の基本的な意味と目的
履歴書や職務経歴書における特記事項欄とは、応募者の特別な事情や企業に伝えておきたい補足情報を記載できる箇所のことを指します。この欄は単なる形式的なものではなく、求職者の状況や希望を簡潔かつ丁寧に伝えるための重要な役割を果たします。具体的な用途としては、転居予定や時短勤務、持病や治療中の病気、転職回数や就業ブランクの説明などがあります。
特記事項の目的は、採用担当者との情報共有を円滑にし、誤解や不安をあらかじめ解消することで、信頼を得ることにあります。また、簡潔かつ具体的に記載することで自身の誠実さや意欲を印象付けるチャンスにもなるのです。
履歴書と職務経歴書の特記事項の違いとは？
履歴書の特記事項欄と職務経歴書の特記事項欄は、記入する内容や目的が異なる点に注意が必要です。履歴書では主に応募者の個人的な事情や企業への希望を記載するのが一般的です。たとえば「介護のため時短勤務を希望」や「転居を予定しているため勤務地に一定の条件がある」といった内容が挙げられます。
一方、職務経歴書の特記事項は、これまでの職務経験やキャリアに関して補足すべき事項を記載する場とされています。過去の具体的な成果や業務スキルに関するアピールポイント、あるいは直近のブランクを説明する目的で利用されることが多いです。
この違いを理解することで、応募書類全体の整合性を保ちつつ効果的なアピールが可能となります。
特記事項が採用に与える影響とは？
履歴書や職務経歴書に記載された特記事項は、採用担当者に大きな影響を与える場合があります。一見特別ではない情報でも、採用する側に明確に伝わることでポジティブな印象を残せる可能性があります。たとえば、転職回数が多い場合であっても、それぞれの企業で培ったスキルや成果をアピールすれば、即戦力としての期待を高めることができます。
また、応募者の状況を事前に共有することで、選考過程や勤務時のマッチングがスムーズになる効果もあります。ネガティブに思われる可能性のある情報であっても、きちんと説明を加えることで誠実さや信頼性を伝えられるため、特記事項欄は重要な役割を果たします。
特記事項を適切に活用することで、採用担当者が「この人と一緒に働きたい」と思えるような印象付けが可能になるのです。
採用担当者に響く特記事項の書き方のコツ
要点を簡潔に！箇条書きで伝える方法
履歴書や職務経歴書の特記事項は、採用担当者への重要なアピールポイントとなります。その際、要点を簡潔にまとめ、箇条書きを活用することで、情報を分かりやすく伝えることができます。例えば、「持病の有無」「時短勤務希望」「資格取得状況」などを一文でまとめ、箇条書きで整理することで文章が見やすくなり、採用担当者が必要な情報を迅速に把握しやすくなります。具体的には以下のように記載すると良いでしょう。
例：
– 2023年9月に宅地建物取引士資格取得見込み
– 時短勤務が可能、週4勤務のご相談も希望
– 直近3ヶ月間、IT系プロジェクト管理を主導
このように、採用担当者が負担なく情報を読み取れる形式にすることが大切です。
転職理由や就業条件など書くべきポイント
特記事項欄で記載すべきポイントには、転職理由や就業条件も含まれます。転職理由では、前向きな動機やスキルアップの目的を表現することで、選考者にポジティブな印象を与えることが可能です。また、応募時に明確に希望条件を提示することで、双方のミスマッチを防ぐ効果も期待できます。
例えば、転職理由では次のような記載が考えられます。
例：
- 「これまで培ったプロジェクト管理スキルを活かし、御社の成長に貢献したいと考え応募しました。」
– 「管理職ポジションを目指し、専門性をさらに高めたい。」
さらに、就業条件については、週4勤務の希望やフレックスタイム制など、具体的な希望をシンプルかつ明確に伝えましょう。ただし、自身の希望を列挙するだけではなく、企業側のニーズを理解した上で配慮した表現を心がけるとよいです。
伝えたい内容をポジティブに表現するテクニック
特記事項を書く際には、伝えたい内容をポジティブに表現することが重要です。この欄では、マイナス要素をそのまま記載すると企業への印象を損ねる場合があります。そのため、前向きな言葉遣いや成果を強調する表現を意識しましょう。
例えば、転職回数が多い場合の表現として、単に退職理由を列挙するのではなく、それぞれの経験を得た成果を補足すると良いです。
例：
- 「複数の業種で経験を積む中で、異業種間のプロジェクト調整能力が向上しました。」
- 「様々な環境で人材管理を経験し、柔軟性や順応力を強化しました。」
また、就業ブランクについても、当時の状況をポジティブに捉えて説明することで、採用担当者の理解を得やすくなります。たとえば、「介護による離職期間中もスキル向上のために資格取得の学習を進めておりました。」といった具体例が挙げられます。
特記事項を書く際は、誠実さと同時に前向きな姿勢を伝えることが採用成功の鍵となります。
魅力的な特記事項を作るための具体例
経験や成果をアピールする具体例
履歴書や職務経歴書の特記事項欄では、自身の経験や成果を具体的に記載することで、面接官に強い印象を与えることができます。具体例としては、「前職では、プロジェクトリーダーとして5人のチームを率い、売上目標を120%達成しました」や「商品企画業務において、顧客満足度を向上させた新商品開発を推進し、販売開始後3ヶ月で売上1,000万円を突破しました」などがあります。こうした具体的な数字や成果を交えることで、応募者としての能力を明確に示すことができます。
在職中やブランクがある場合の特記事項の例
在職中の方や職務経歴に空白期間がある場合は、それらをポジティブに伝える工夫が必要です。例えば、「現在在職中のため、入社日は2024年4月以降を希望します」といった記載は企業側に配慮した印象を与えます。また、空白期間については、「2023年4月〜2023年12月は家族の介護に専念して離職していましたが、現在は万全の体制で就業可能です」と説明しましょう。このように理由や状況を端的に記載することで、採用担当者にネガティブな印象を与えないようにすることがポイントです。
希望条件や特殊な事情を記載するケーススタディ
希望する勤務条件や特別な事情がある場合も、適切に記載することで採用担当者に理解を得られる可能性が高まります。たとえば、「持病があり定期的な通院が必要なため、柔軟な勤務形態(在宅勤務等)を希望」と記載すれば、事情を適切に伝えながらも業務に支障がないことをアピールできます。また、「業務内容に応じて時短勤務を希望します」や「育児が一段落したため、これからはフルタイム勤務が可能です」といった記載も有効です。希望条件や事情を具体的に説明しつつ、譲れる範囲を示すことで、受け入れられる可能性を高めましょう。
特記事項を書く際に避けるべきNGポイント
ネガティブな内容をそのまま書かない
特記事項では、自己アピールをプラスに伝える場として活用することが大切です。そのため、ネガティブな内容をそのまま記載するのは避けましょう。特に「自分にはこの仕事が向いていないかもしれない」といった否定的な表現や、以前の退職理由を詳細に説明しすぎることは逆効果となる可能性があります。例えば、体調不良を理由に退職した場合、「現在は完全に回復しており、通常の勤務が可能です」と書くことで、前向きな印象を与えることができます。このように、課題があった場合はポジティブに変換して伝えることが重要です。
採用担当者が誤解しやすい表現の回避
特記事項の内容によっては、採用担当者が誤解してしまう可能性があります。例えば、「フルタイム勤務が難しい」だけを記載すると、採用側が詳細な事情を理解できず、ネガティブな印象を持つことがあります。その場合、「家庭の事情で勤務時間の調整が必要ですが、業務に支障が出ない範囲で柔軟に対応します」など具体的な内容を加えることで誤解を防げます。また、専門的な用語や曖昧な表現は避け、誰が読んでも明確な内容にする工夫が必要です。
空欄で提出するリスク
特記事項を空欄のまま提出するのは推奨できません。特記事項を空欄にすると、採用担当者によっては「特記事項を書く気がない」と捉えられる可能性があるためです。この欄が用意されている以上、空欄ではなく内容を書くことが、応募者側の姿勢や誠実さをアピールするきっかけになります。特に特別な事情がない場合でも、「貴社規定に従います」と記載することで、記載内容が不十分という印象を与えません。また、特記事項には日程調整や勤務地、希望条件など、職務経歴書に記載しきれなかった点を補足することで、内容を充実させることができます。
特記事項を最大化する活用方法と面接での活用法
面接時に特記事項を活かす自己PR法
履歴書や職務経歴書の特記事項は、面接時に自己PRを行う際の重要な材料となります。この欄に記載した内容を深掘りし、応募先企業への貢献や、自身の能力を具体的に説明しましょう。例えば、特記事項に「前職で〇〇のプロジェクトを担当し、売り上げ向上に貢献」と書いた場合、面接では「具体的な役割」「取った施策」「得られた成果」を詳細に伝えることで、相手に説得力のある印象を与えることができます。
また、特記事項をもとに採用担当者が抱きがちな疑問点を先回りして補足することも重要です。「特記事項に触れた理由」や「その経験が新しい職場でどう活きるか」を、ポジティブに位置づけて説明することで、「入社後のイメージ」を具体的に描いてもらいやすくなります。
特記事項を通じた企業へのアプローチの仕方
特記事項は、ただの補足情報ではなく、企業に対する効果的なアプローチツールとしても活用できます。例えば、勤務地や勤務形態などにおける柔軟性をアピールすると、企業に「柔軟に対応できる人材」という印象を与えることができます。また、転職理由や希望条件などを書きつつも、「その条件が企業側にもメリットをもたらす」ことを強調すると、好印象を残しやすいです。
さらに、特記事項をきっかけにして「企業研究をしっかり行っている」ことをアピールするのも有効です。例えば、企業の特徴や企業文化を踏まえた内容を盛り込み、それに自分がどのように適合するかを具体的に記載することで、採用担当者にアピール力のあるメッセージを届けることができます。
特記事項を使った評価UPのテクニック
特記事項を記載する際には、採用担当者に「この人に話を聞いてみたい」と思わせるような工夫が必要です。例えば、特記事項に具体的な成果や課題解決経験を書くことで、単なる職務経歴だけでは伝わらないアピールポイントを強調できます。その際、簡潔に書くことを意識しつつも、印象に残るキーワードを盛り込むと良いでしょう。
さらに、評価を高めるためのもう一つのテクニックは、「相手のニーズを意識した記載」を行うことです。事前に企業が求めるスキルや経験を調査したうえで、自身のバックグラウンドがそのニーズに合致している点を特記事項で伝えることが重要です。例えば、指定された業務での実績や、企業が抱える課題に対応できる自分の強みを書くことで、採用担当者の興味を強く引くことができます。